第1回定例会代表質問 質問と答弁 2020.2.13そね文子(いのち・平和クラブ)

Q1)①エクレシア南伊豆には遠いということなどから否定的な意見もあったが、実現できた意義と今後の課題は何か。

②制度上は要介護3以上が原則とされる中で、エクレシア南伊豆の現状はどうか。

③今後の区の特養待機者対策を合わせて伺う。

A1 区長)①この特養が実現できた意義について。全国初となる自治体間連携のこの取組は、区内の特養入所希望者の早期入所に寄与し、区民の高齢期における居住の選択の幅を広げるとともに、地元の特養入所ニーズにも応え、雇用の拡大など地域経済の活性化の効果も生み出している。これは、これからの都市と地方、高齢者の生き方などさまざまな将来のあり方に対して一石を投じたということであり、大きな意義があったものと受け止めている。

今後は入居者が杉並に住んでいた時と同様の楽しみを味わえるよう「高円寺阿波踊り」等のイベントを企画するとともに、杉並フェスタなども活用して豊かな自然環境の中できめ細やかなケアを受けている状況を広く発信し、多くの方に高齢期の住まいの選択肢としていただくことが課題である。

②入居者の介護度については、開設以来、要介護3以上の方に加え、要介護度が1・2であっても、認知症のある方や一人暮らしの方なども、入所基準に沿って適切に受け入れているところである。

③今後の特養待機者対策について。2012年に打ち出した「10年で1,000床」の整備目標を上回る特養の定員を確保できる見通しが立ち、今年度行った実態調査の結果等からは、2021年度以降当面は、緊急性の高い入所希望者が生じない見込みであることが明らかになった。2021年度に改めて今後の需要予測を行い、2024年度以降の整備計画を固めることとする。

Q2)①2年連続の待機児童ゼロに甘んじず、引き続き「希望するすべての子どもが認可保育所に入所できる環境整備」を進める姿勢は評価する。また、施設整備とともに、車の両輪として保育の質の確保についても力を入れて取り組んできたものと評価しているが、今後さらに保育の質を高めるために、どのように取り組んでいく考えか、区の見解をうかがう。

②区は認可保育所に対する園庭確保支援としての助成制度を創設するとあるが、具体的にはどういうものか。また土地の確保が物理的にも経済的にも厳しい状況にある杉並区において、実際に園庭確保がどの程度進むと想定しているのか、区の見解をうかがう。

A2 区長)①「保育の質の確保」に向けた今後の取組みについては、従来から行っている園長経験者等による巡回相談・指導等に加え、2021年度には、区立保育園7園を指定する中核園による支援や、認可保育所が新たに園庭を確保する場合の補助制度の創設、既存の公園内における園児等のための遊び場整備などの新規事業に取り組んでいくこととしている。このように引き続き、認可保育所の整備とともに、保育の質を確保するための取組みを、車の両輪として捉え、しっかり進めてまいりたい。

②園庭確保のための補助制度については、新年度予算編成にあたり、私から所管に検討を指示していた。その後、杉並区私立保育園連盟から、区内の私立認可保育所に対するアンケート結果を添えて、同様の要望が区に提出された。そのアンケート結果では、多くの事業者が「新たな支援制度があれば、園庭確保を検討したい」としており、支援の必要性を改めて感じた。新たな補助制度は、事業者が活用しやすいよう、補助対象用地について概ね20平方メートル以上とするほか、用地購入費の借入金利子および用地賃借料といった用地確保に要する経費のほか、園庭整備費をふくめた所要経費の一部を補助することとしているので、一定程度の活用があるものと考えている。

Q3)今年の4月には、民営の保育施設が200を超えるという状況の中で、すべての保育施設の保育の質の維持向上を図っていくためには、直営保育園の果たす役割は重要と考える。4月には直営園は31園となるが、この役割を果たすには、ぎりぎりの数と考える。今ある直営園は、今後も直営園として残すべきと考えるが、区の見解をうかがう。

A3 区長)今後も区が持続可能な行財政運営を行いつつ、保護者の多様なニーズを踏まえた保育施設の拡充を図っていくためには、区立保育園の一定数を民営化する等の取組は不可欠であると考える。このため、2022年度から2024年度までに、新たに区立保育園4園を民営化することおよび、現在指定管理者により運営している7園について、順次、民設民営園への転換を図ることを決定し、すでに各対象園の保護者等にお知らせしているところである。

 これ以外の区立保育園の民営化については、2022年度に方針等を決定することとしているので、ご指摘の「保育の質の確保」の視点も考慮しつつ、今後、十分検討してまいりたい。

Q4)体育館へのエアコン設置は、その素早い対応を評価しつつ、教師へのエアコン適正運用の徹底と、子どもへの省エネ教育をどのように進めるのか、区の見解をうかがう。

A4 区長)教育委員会では、これまでも「杉並区立教育機関環境方針」に基づき、子どもたちの教育環境の改善のため、空調設備の設置を計画的・段階的に進めるとともに、環境にやさしい施設の運用を進めてきた。適正運用については、新たに「杉並区立屋内運動場空気調和設備利用基準」を策定し、教員が児童・生徒の健康を考慮しながら、適正な利用を行うよう各学校に対して周知した。

 区立学校においては、エネルギーの効率的な利用など環境への負荷が少ない持続可能な社会の構築をめざし、環境問題についての学習会や自主的・積極的な環境保全活動などの具体的な取組を通し、これからの地球環境を考え、行動できる児童・生徒の育成を図っていま。

Q5)これまでの基本構想10年の成果と課題をどのように捉えているのか。また、さらに新たな取組を新基本構想策定につなげ、次の10年の杉並区のありたい姿をどう描いていくのか区長の考えをうかがう。

A5 区長)現基本構想は、私が区長に就任して早々に検討に着手したものだが、当時の区の置かれた状況等を踏まえ、10年後のあるべき姿を描き、その実現に向けて取り組んできた。その結果、特別養護老人ホームについては、緊急性の高い方々は全て入所できる目途も立ち、保育所整備においても待機児ゼロを2年連続で達成することができた。こうした成果がある一方で、耐震不燃化や狭あい道路の拡幅整備などの安全・安心のまちづくりに向けた取組など、さらなる努力が必要と認識している。

 成果と課題を新基本構想策定につなぎ、次の10年のあるべき姿をどう描くかについて、これまでの取組成果等については、審議会の中で検証し、そのうえで次の10年に向けた具体的な検討をしていただく予定である。

 これからの区政を展望すると、予算編成方針で申し述べたとおり、超高齢化と少子化による本格的な人口減少社会への対応や50年、100年先を見据えた安全・安心で利便性の高いまちづくり等待ったなしの課題が山積している。これらの課題への対応などについては、審議会での議論と並行して、区民の皆さんからも幅広いご意見をいただきながら、近未来の杉並区の姿を思い描き、新たな基本構想を区民とともに創り上げてまいりたい。

Q6)区は、環境優先の考え方を新基本構想の根底に置き策定に臨んでいただきたい。保育緊急事態宣言を出して一丸となって待機児童を解消したように、気候危機に対しても区が旗振り役となって取組を進めてほしいが、区の考えをうかがう。

A6 区長)先般の大型台風や真夏日・猛暑日の増加等は地球温暖化気候変動による影響とも言われており、このままでは豪雨や猛暑のリスクはさらに高まると予想されている。こうした危機を回避していくためには、すべての生活者、事業者が危機の原因者ともなっていることを自覚し、必要な対策を講じていく必要がある。

 区における多くの事業活動においても、CO₂等の環境負荷を与えるものであり、今後、新基本構想に基づく計画、施策の策定には環境への影響を踏まえ定める必要があると考えている。同時に、区民、事業者に対しても、日常の生活や事業活動を意識し、改善することで大きく環境への影響が変わるということを、さまざまな機会を捉えて周知、啓発を実施し、多くの区民が、環境に配慮した行動、生活を選択していくよう区が旗振り役となって推進していく。

Q7)環境問題への対策を新基本構想の根底に置き、よりよい未来のために、あらゆるまちづくり政策にグリーンインフラの考え方を入れ込むことを求めるが、区の見解をうかがう。

A7 区長)グリーンインフラは、みどりの多様な機能をインフラ整備やまちづくりに活用するもので、これまでの自然を「守る」から自然の「機能を活かす」新しいインフラ整備の概念として、近年定着しつつある。

 新たな基本構想の策定にあたっては、みどり豊かな杉並区を将来にわたって持続させるため、グリーンインフラの視点をかちづくり政策へ反映させていく。

Q8)①新基本構想の策定には、NPOなども含んだ幅広い区民とともに策定に取り組むべきであり、そのうえで基本構想を推進していくパートナーと位置付けるべきと考えるがいかがか。

②区民の中には、社会の一員として共に生きる子どもも参加し、意見を述べる場をつくるべきと考えるが、合わせてうかがう。

A8 区長)①新基本構想については、予算編成方針でも申し述べたとおり、多くの区民とともに、創り上げ、共有できるものにしていきたいと考えている。このため、公募や団体推薦による区民代表の方々に審議会に参加いただくことに加えて、アンケートの実施等による区民からの意見を聴取するとともに、ワークショップ形式の区民意見懇談会を複数回実施し、区民同士の意見交換を踏まえたご意見を審議会の議論に反映するなど、今回の基本構想策定においても、より多くの区民の皆さんからのご意見を、基本構想に生かしていく。

②次代を担う子どもたちからの意見を募ることも、杉並区の将来を描くうえで意義あると思うので、具体的な方法等について、今後検討してまいりたい。

Q9)不正支給に関わった商店会からは、取り消した補助金および法定利息等の全額が区に返還されたと報告されている。西荻商店会では新年度以降まつりを実施する準備があるのか、また、実施する場合、これまで同様東京都と区が補助金を出すことができるのか確認する。

A9 区長)補助金等の全額返還後、西商連としては、不正の再発防止に全力で取り組む意向を示しており、都および区は、補助員交付を再開するが、西商連では、祭りについては、2020年度、準備期間とし、2021年度からの本格開催をめざす予定としており、区としても、開催に向けしっかりと支援していく。

Q10)戦後まもなく計画された都市計画道路の中には、必要性の有無から検討すべき道路も少なくない。基礎自治体として区は、そこに住む区民の意向を尊重し都や国に伝え強引に進めることがないよう求めるべきと考えるが、区の見解を求める。

A10 区長)東京の都市計画道路の多くは、1966年に都市計画の見直しがされており、その後、概ね10年おきに東京都とともに必要性を検証し、見直しを行ってきている。第4次事業化計画や都市計画道路のあり方に関する基本方針においても、中間のまとめ(案)や基本方針(案)についてパブリックコメントを実施したうえで策定している。

 今後も、見直しの際には、計画内容を広く周知し、区民の意見を反映できるよう取り組んでいく。

Q11)①今年4月の学童クラブ待機児童解消に向けて、これまで待機児童が多かった地域では、どのような対策を講じていくのか。

②区は学童クラブ待機児童対策として、児童館を学童クラブ専用館にするなど対策を講じているが、大規模となるクラブの保育の質をどう継承するのか。

A11 区長)①まず待機児童対策の取組み状況だが、昨年度は6クラブ合計261名という、私が区長に就任して以来、最大規模となる受入れ拡大を行ったが、本年度は、9クラブ合計350名という昨年度を超える受入れ拡大を実施しており、これらのクラブでは、本年4月の待機児童数はゼロとなる見込みである。

しかし、これらのほかにも本年4月に引き続き待機児童数の発生が見込まれるクラブがあることから、2020年度には、将来の再編整備を見据えて、新たな第2学童クラブの整備に取り組むとともに、当面の対応として、学校の長期休業期間中における平日の朝2時間について、待機児童のうち希望する児童を対象に、児童館で見守り支援することとしている。

②いわゆる大規模学童クラブの運営については、今後とも、児童数に応じた支援員の配置や、適切にクラス分けをして支援にあたることなど、運営上の配慮を行い、円滑かつ安全・安心なクラブ運営を図っていく。

Q12)①区においては、会計年度任用職員制度への移行に伴い、これまで継続して働く非正規職員のボーナスは具体的にどのようになるのか、また、更新期間を超えて新たに他の部署に代わった際はどのような取り扱いになるのか、新規採用はどのような扱いとなるのか。

②今後は、現在の採用に続き、どの程度の人数を必要としているのか。

③人的資源を失わないためにも、5年を雇止めとする任用のあり方を改めるべきと考えるがどうか、うかがう。

A12 区長)①6月に支給する期末手当は報酬月額の1.15月分を支給するが、その支給割合は3月2日から6月1日までの在職期間によって決まる。今回は23区統一の取り扱いで3月中の旧制度での在職期間を除算するので、継続して働く方の支給割合は80%になる。また、更新回数の上限5回を超えて4月に公募により採用された方や新規採用の方も同様の取り扱いとなる。

②今後の採用については、会計年度任用職員は常勤職員が担う業務の遂行を補完する職であることを踏まえ、行政需要等に応じて、必要な人数を適切に確保してまいりたい。

③現行制度で更新回数を5回としているのは、質の高い雇用水準の確保と雇用機会の幅広い提供が目的であり、制度移行後も現行の取り扱いを踏まえ、公募によらない再度の任用の回数は5回としている。なお、現行制度と同様に、再度の任用の回数が5回を超えた場合でも、公募による任用を妨げるものではない。

Q13)①「3.11を忘れない」取組みについて、今年はどのような目的でどのような企画を検討しているのか。

②毎年優れた取組みでありながら、区民の参加が少なく残念。事前の周知に工夫を要すると思うがどうか。

A13 区長)①今年の「式典3.11を忘れない」は、子ども時代を福島で過ごし、消費者庁の「東北未来がんばっぺ大使」として福島県の野菜の風評被害払しょくに尽力された女優の秋吉久美子氏をお招きし、ご自身の活動を通じた被災地支援に込めた思いや、被害への備えの大切さをお話しいただき、南相馬市への支援の継続と防災意識の向上について、参加者のみなさんと共有する機会にしてまいりたい。

②区民周知については、より多くの方に参加していただけるように、広報すぎなみへの掲載や町会でのチラシの回覧等に加え、新たに本庁舎1階に設置したデジタルサイネージを活用し、来庁者に広く周知と参加の呼びかけを行っていく。

Q14)防災計画の見直しにあたっては、さまざまな立場の地域住民の参加が必要不可欠と考えるが区の見解は。

A14 区長)防災対策においては、「自助」「共助」の取組みはたいへん重要であり、計画の改定にあたっては、多くの区民の方々に、さまざまな立場からご意見をちょうだいし、反映していく必要があると認識している。

 計画の改定は、杉並区防災会議で行うが、現在、防災会議の委員には消防団、自主防災組織などから参画していただいている多くの区民の方が含まれており、重要なご意見をいただいているが、関係団体への意見聴取やパブリックコメントなどを通して、より多くの区民の方からご意見をいただき、計画への反映に努めていく。

Q15)区内全域道路の危険ブロック塀の解消のための助成制度で、危険ブロック塀はどの程度の箇所を想定しているのか、またどのように周知し、実施していくのか確認する。

A15 区長)危険ブロック塀の数については、これまで通学路や避難路を対象に調査を行っており、それ以外のブロック塀で区民から相談があったものについては、その都度職員が確認等の対応を行っており、2020年度は50件程度の助成を想定している。また、制度の周知については、区の広報やホームページへの掲載のほか、各種イベント、無料相談会や戸別訪問などを通じて積極的に周知を図ることにより、危険ブロック塀等の解消に努めていく。

Q16)交通の便利さだけを追求するのでなく、誰にとってもやさしい道路、通りたくなる魅力あるものにしていくためにも、さまざまな区民の声を聴きながらともにつくっていくことが重要と考えるが、区の見解をうかがう。

A16 区長)道路は、単に自動車交通の円滑化だけではなく、歩行者の安全性や快適性の向上、また、防災・減災の観点からも都市計画道路をはじめとする体系的な道路網の整備が必要となる。道路整備を進めるには、計画段階から区民の方々のご意見をうかがうことは重要であると認識している。

 道路の無電柱化やバリアフリー化、自転車走行レーンの整備など、安全・安心なまちづくりを進める上でも、区民のご意見をうかがいながら人に優しい道づくりを進めていく。

Q17)西武新宿線立体交差事業について、区として改めて井荻駅から下井草駅方向の地下化を都に求めるべきと思うがいかがか。

A17 区長)鉄道の構造形式については、事業主体である都において、広域的・技術的観点から最適な構造形式を検討していると承知している。区としては、構造形式にかかわらず、安全で快適なまちづくりにつなげていくことが重要と認識しており、引き続き、事業の早期実現に向け、都に働きかけていく。

Q18)杉四小跡地を活用したホームステイ・ホームビジット支援事業で、具体的には杉四小をどのように使ってその事業を行おうとするのか、うかがう。

A18 区長)杉並第四小学校跡地を活用したホームステイ・ホームビジット事業は、学校の1回・2階の一部を使用し、必要な備品、什器等を整備したうえで、交流自治体等から大会観戦に訪れる子どもたちや大会ボランティア等の受け入れを行い、交流事業を行うものである。

Q19)①被爆75周年の節目の年に、区長が平和首長会議総会に参加されることは意義深い。被爆75周年に向けた区長のお考えはいかがか。

②今年の中学生の広島訪問について、その規模と記念式典参加や平和記念資料館見学などの予定があるのか、うかがう。

A19 区長)①② 平和は100年も継続したことはなく、平和はどのようにしたら継続できるのか、あらゆる世代がその立場で考えていくことが大事だ。特に次世代を担う子どもたちが平和について考える機会をつくることは大人の役割である。このような課題認識のもと、今年8月のオリンピック開催期間中に「第10回平和首長会議総会」が、被爆75周年を迎える広島市で開催されることから、区内在住の中学生とともに同市を訪れ、広島平和記念資料館の見学など、被爆の実相に触れる体験学習を予定するとともに、8月6日の平和記念式典への出席についても主催者と協議していく。

Q20)森林環境譲与税を活用して、手を入れにくい山の尾根筋や急斜面を豊かな広葉樹の森に戻すこと、区民がその活動に参加し、大人から子どもまでが森の大切さを学ぶ機会を継続的に持つことを改めて提案するが、区の見解をうかがう。

A20 区長)わが国は国土面積の3分の2が森林という世界有数の森林国であり、森林は二酸化炭素吸収源となるほか、土砂災害防止や土壌保全、水源涵養等、われわれの生活にさまざまな恩恵を与えてくれている。こうした森林の有する公益的機能保全の優位性を、さまざまな世代の方に理解いただくためにも、学ぶ機会を継続して行うことも有用と考える。今後、関係所管による連絡会議を立ち上げ、その活用策について、さまざまな視点から検討していく。

Q21)「ゼロ・ウェイストすぎなみ」について、具体的にどのように行うのかうかがう。

A21 区長)区では、3Rの中でもリデュースに重点を置いた取組を行い、区民一人ひとりが無駄を減らし、ごみの発生自体を減らす暮らしを実現することで、さらなる家庭ごみの減量につなげたいと考えている。そこで、ライフスタイルの異なる幅広い年齢層の方にご協力いただくモニタリング調査を実施する。あわせて、自発的な環境配慮行動についてのご意見をうかがい、意識や行動の変化を踏まえ、具体的な事業を計画し、杉並らしい「ゼロ・ウェイスト」をめざしていく。

Q22)プラスチック製容器包装のリサイクル問題を解決するには、拡大生産者責任を求める法改正を改めて強く求めるべきと考えるが、区の見解をうかがう。

A22 区長)現在、深刻な海洋汚染につながるプラスチックごみの削減に向け世界が動き出している。国は、2030年までに使い捨てプラスチックを累積で25%排出抑制し、また、プラスチック製容器包装の6割をリユース・リサイクルするとして、収集運搬、選別、リサイクルにおける各主体の連携協働により進めるとしている。しかし、リサイクル費用は、依然として事業者と比較すると自治体の負担が過大であり、このことが事業者による使い捨て容器の製造削減が進まない一因ともなっていると認識している。

 そのため、区でも、国に対して全国市長会や全国都市清掃会議等を通して、収集運搬費、中間処理費についても事業者に一定の負担を課すなど、拡大生産者責任の強化、徹底を要望するとともに、分別リサイクルが容易な製品開発および普及促進の義務付けなど、事業者自体が発生抑制や再使用を進め、資源がより円滑に循環するシステムの構築を求めている。

Q23)①旧あんさんぶる荻窪の屋上庭園について、国との協議の結果、どのような内容になり、地域の方々の意見はどのように反映されたのか。

②また今後の管理の方法等住民参加や課題について確認する。

A23 区長)①これまで区は、国との財産交換に関する協議の過程において、地域からの要望等に基づき、国に対し、同庭園の区民への開放を繰り返し要請してきた。その後、地域住民による国への要望書の提出や、これまでの地域住民の憩いの場として活用されてきた経緯等も踏まえ、国から協議の申入れがあった。これを受け、区と国の双方で協議を積み重ねた結果、同庭園を区が無償で借り受け、(仮称)荻窪五丁目公園として整備し管理運営を行うこととなった。これにより、荻窪駅南口周辺の地域住民の憩いの場や、近隣の保育園の外遊び場として再び利用できるようになるなど、地域のご意見を反映することができたものと考えている。

 ②維持管理については、清掃、除草などの日常的な業務に加えて、立体都市公園として利用するために必要となる施設の保守を行うほか、公園内に防犯カメラを設置するなど、区民が安全・安心に利用できるよう努めていく。公園運営への住民参加については、要望に応じて、区立公園におけるボランティア事業である「花咲かせ隊」への案内などを行ってまいりたいと考えている。

 税務署の屋上等を賃借することから、開園後も国との協力関係がたいへん重要であると認識している。今後も綿密に連携し、適切に運営することで、地域に親しまれる公園にしていく。

Q24)これまで障がい当事者や家族・団体から、一時的な受け入れ施設が必要との要望が多く寄せられ、区がこれに踏み出すことはたいへん意義深く受け止めている。この施設を進めていくためには、当事者や家族・団体との協議が最も必要になるが、これに対する区の姿勢を確認する。

A24 区長)区では、障がい者の一時的な受け入れ体制を整備するにあたっては、実際に利用する障がい当事者やご家族、支援者などのご意見はたいへん重要と考えている。地域自立支援協議会や障害者福祉推進連絡協議会の場などを通じ、当事者や支援者等からのご意見をいただきながら進めてきたところである。

Q25)コーディネーター配置や一時的な受け入れの整備などそれぞれの具体策についてうかがう。

A25 区長)本庁に配置するコーディネーターは、介護者の入院時などの緊急時を想定した計画の作成のほか、緊急事態が発生した際の対応や調整を行うものである。また、障がい者の一時的な受け入れ体制を整えると主に、その後の生活について、地域の支援機関へつなぐしくみを整備するものである。

 今回は実施初年度であることから、課題等を整理しながら、順次、体制を充実させてまいりたいと思う。

Q26)①移動支援の見直しについて、いつ見直し案が示されるのか、現在どのような状況にあるか確認する。

②見直しにあたっては、どのような内容が見直しの対象とされているのか。

③必要な人が必要とする中身にするためにも、利用者目線での見直しが必要であり、そのためにも障がい当事者や団体などの協議が必要と考えるが、いかがか。

A26 区長)①移動支援事業の見直しにあたっては、ご指摘の利用者目線を大切にしていくため、現在、障がい者団体をはじめ、当事者や関係者のみなさまとの間で、ご意見をいただく場を設けているところである。

②見直しの対象については、「見直しの視点」として、運用方法など4つの項目をお示ししている。

③今後の予定としては、今月末までに意見著手を終え、3月末までに見直し案を取りまとめた上で、再度、ご意見をうかがい、7月末を目途に見直し内容を決定することとしている。

Q27)今回打ち出された「学校就業時間外の管理権限を区長部局に移す方向」は、どのような目的と体制を考えているのか。教育委員会との連携、教育委員会の独立性はどのように支えていくのか。

A27 区長)管理権限を区長部局に移す方向とした目的は、学校施設を区民共有の公共財として最大限に活用することと、教員の働き方改革について、共に実現するためである。

 体育館への空調設備の順次設置等により、この間、区立学校の施設は利便性が向上してきたことから、教育活動に支障のない範囲で、地域による利用をより進めていくことが可能となるものと考えている。

 加えて、教員の働き方改革を推進し、学校の施設・整備は、引き続き安心・安全な運用を確保する必要もある。こうしたことから、学校施設については、区民共有の公共財であるという視点に立ち、より一層の有効活用を図る必要があるため、その管理権限を区長部局に移す歩行で検討していくこととしたところである。

 教育委員会との連携、教育委員会の独立性については、教育活動に支障をきたさないことを大原則として、区民の利用時間や利用方法をはじめ、管理区分や管理方法など、教育委員会と十分連携を図ってていねいに検討を進めていく。

 なお、管理体制については、地域団体や民間事業者への委託等が考えられるが、詳細については、今後、検討していく。

Q28)共生社会をつくるために区はインクルーシブ教育システムの構築を進める、そのために特別支援教育を推進すると言っているが、真の共生社会をめざすには、障がいがある子もない子も同じ場所で共に学ぶことが必要だと考えるが、そのことに対する区教委の見解をうかがう。

A28)国は、2012年7月に「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」を示した。この報告では、インクルーシブ教育システムを構築するために、特別支援教育を着実に進めていく必要があるとしている。

 インクルーシブ教育システムの構築においては、障がいのある子もない子もできるだけ同じ場所で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある子に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も応える指導を提供できる、多様で柔軟なしくみを整備することが重要である。

 このことは、「杉並区教育ビジョン2012」に掲げた、「共に学び共に支え共に創る杉並の教育」と軌を一にするものであり、今後さらに特別支援教育の充実を図りながら杉並区教育ビジョンの目標実現に取り組んでいく。

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