2009年6月15日発行
外環は税金のムダづかい!
地域のことは地域で決めよう
1966年に都市計画決定されて以来凍結状態にあった、外環の未着工区間16㎞の建設が、先の4月27日、突然開かれた国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)において整備計画路線に格上げされました。地域住民の多くが反対するなか、ついに着工に向けて大きく動き出したことになります。
総事業費は1兆2,820億円、1m当たり8,000万円にも上ります。これほど高い道路が本当に必要なのでしょうか。住民の要望は無視され続けています。無駄な公共事業にきっぱりと反対の意思を示していきましょう。
■見せかけだけの「市民参加」
「外環の必要性の有無から議論する」市民参加のしくみとして設置された「パブリック・インボルブメント(PI)」協議会やPI会議、さらにその後地域ごとに開かれた地域PIも、市民参加とは名ばかりの建設ありきで進められ、住民たちの不信を増大させました。
自然環境の破壊や生活環境の分断を招くのでは、という市民側からの疑問に対し、国と都はほとんど何も答えることなく、建設推進の手続きを進めてきたことになります。
■東京都の補正予算に異議あり
2001年、外環の計画が「大深度地下構造での建設」として凍結解除されたのは、石原都知事の強い意向によるものです。その後も、知事が打ち出したオリンピック招致方針と連動して外環建設推進に意欲を見せ、国の動きを促したものと思われます。
6月5日に閉会した都議会定例会では、外環建設にかかわる諸費用26億円が補正予算に計上されましたが、生活者ネットワーク都議団は「孫子の代まで大きなつけを残すことになる」としてこの提案に反対しました。
これまで生活者ネットワークは、外環問題に対し沿線6区市(練馬、杉並、武蔵野、調布、狛江、世田谷)で活動を連携し、地下水や大気汚染など外環が環境に及ぼす影響について学習会を開いてきました。また国交省と市民との協議の場「円卓会議」を開催し、市民団体主催の院内集会の実現に動くなど、市民の活動をサポートしてきました。
これからも、生活者ネットワークは生活者の視点で外環問題に対峙し、税金の無駄づかいをやめさせるよう取り組んでいきます。