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第3回定例会一般質問と答弁 2021.11.16奥田雅子

Q1 生物多様性に関わる国や都の改定議論のポイントはどのようなところにあると考えているか、区の認識を伺う。

A1(環境部長)国では我が国の生物多様性と生態系が人口減少や気候変動により大きな影響を受けることになるとの長期的視点と、短期的にも新型コロナウイルス感染症による社会・経済の変容、気候変動対策の加速度的な強化が進むとの認識が示された。その上で、生物多様性により得られる様々な恩恵を利用できる取り組みの強化という視点、人口減少や気候変動等の対応に、生物多様性への対応を関連させ、社会・経済のあり方を変えるとする視点、自然に配慮したライフスタイルへの変革にも繋げるといった視点から議論されたものと認識している。

都の戦略改定においても、人と自然の関係の希薄化や自然の価値などに対する認識不足を要因とする課題を整理した上で、国の議論の視点を踏まえた将来像の考え方が検討されているものと認識している。

Q2 新たな実行計画のみどりの質を高める項目の中で2024年度にみどりの基本計画の改定が予定されているが、この基本計画には施策11のグリーンインフラを活用した都市環境の整備の全体にわたる事業が盛り込まれると考えてよいか。

A2(土木担当部長)改定を予定しているみどりの基本計画は「みどり豊かな 住まいのみやこ」を実現するための部門計画として関連する計画と整合を図り、みどりに関する施策を推進するためのものである。幅広い視点から様々な事業を体系化していくが、実行計画案の「施策11グリーンインフラを活用した都市環境の形成」に含まれる事業については、みどりの基本計画の骨格をなすものと考えている。

Q3 自然環境調査報告書や、河川生物調査報告書にあるデータや分析、今後の取り組みの提言をどのように施策に生かしていくのか問う。

A3(環境部長)報告書では生物の生育拠点の保全や、外来種の拡大防止、保全活動を支える区民の育成と普及啓発等が今後の取り組みへの提言として示されている。区ではこれを踏まえ、生物多様性に配慮した公園整備や、外来種への対応等環境保全の取り組みのほか、データを活用した区民向けの講座の実施等による人材育成などに生かしているところだ。引き続きより多くの区民に関心や理解を深めてもらえるよう、提案等を施策に生かす工夫に努めていく。

Q4 区は2008年より「善福寺川水鳥の棲む水辺創出事業」に取り組み、2009年11月に同事業の基本方針、2014年2月に行動方針を策定している。この事業の目的について確認する。「行動方針」とはどういう位置づけにあるのか。「行動方針」を立てて8年を迎えようとしているが、その達成度合いと今後どのような道筋があるのか伺う。

A4(土木担当部長)本事業の目的だが、善福寺川において水鳥に着目し、区民とともに多様な動植物が生息・生育・繁殖できる潤いと安らぎのある水辺環境を再生・創出することを目的とする。次に行動方針について、事業のコンセプトである「区民がつくる、カワセミの棲む自然豊かな水辺」を実現させる具体的な取り組みを定めており、環境基本計画など関連する計画と整合を図りつつ、善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業基本方針のもとに位置付けたものだ。達成度については、定量的に表すことが難しい項目もあるが、シンポジウムや水鳥一斉調査の開催、区民活動への支援、ハード面では雨水浸透ます設置、遅野井川親水施設の整備を進めてきた。

引き続き都の河川整備に伴う親水施設等の整備、合流式下水道の改善などを進めるとともに、関係機関や区民と連携・協力して本方針に定める「潤いと安らぎのある水辺環境の再生・創出」に取り組んでいく。

Q5 区は遅野井川親水施設づくりをどのように評価し、今後の行動方針にどう生かしていくのか。

A5(土木担当部長)本施設は井荻小学校の子どもたちが、学校の中を流れる善福寺川に関心を持ち、清掃活動など様々な活動を行い、もっと親しみやすい水辺を作りたいとの強い思いがあったからこそ実現した事業だ。施設の構想や設計の段階から地域の人々に参加してもらい、完成後も管理の一部を地域の団体に協力してもらうことで、地域により親しまれ、愛される施設になったもので成功事例の一つと考えている。

今後も行動方針に定める取り組みを進める中でこのような貴重な経験を活かし、区内を流れる川に関する区民の関心を高め、区民と行政が協働して多様な動植物が生息・生育・繁殖できる環境づくりに努めていく。

Q6 区・区民、さらに事業者も含め、共通の認識を持ち、ともに課題解決に取り組む意味でも、目的や目標設定を明確にした生物多様性地域戦略の策定はとても意義のあることだが、区は策定についてどのように考えているのか。

区としても他自治体の地域戦略を参考にしながら、杉並区のイメージを作っているのではないかと思うがどうか。

生物多様性地域戦略の策定には、様々な分野に携わる人々及び区民からの意見やアイデアが出せる機会を確保することが必要と考える。そして生物多様性の保全が自分にとって必要なことと理解する人が増えれば、生きた地域戦略になると思うがいかがか。また、区としては専門家の力を借りながら全庁的な議論を進めていくことが必要だと考えるが、区の見解は。

A6(環境部長)生物多様性への対応は基本構想審議会からも意見をもらっていて、取り組むべき重要な課題と認識している。戦略の策定に当たっては。自然環境やみどりの保全にとどまらず、幅広い視点からのアプローチが必要であると考えており、今後他自治体の取り組み等も参考としながら多角的な視点から研究していく。また、研究・検討に当たっては区民や専門家の意見も募っていく考えだ。

第4回定例会一般質問 2021.11.16 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として、生物多様性の観点からまちをつくる取組みについて質問します。

杉並区がこれまで、環境分野に限らず行政の各分野において生物多様性に配慮した取り組みをすすめてこられたことは承知しているところです。それは望ましいあり方である一方、地球規模で俯瞰したときの多様な生物が生息することの意義や価値、またそれが私たちの暮らしにどうつながっているのか、大きな絵として全体像が見えてこないもどかしさも感じています。このたび「みどり豊かな住まいのみやこ」を掲げた新基本構想が策定されたのを機に、杉並区が改めて生物多様性に光を当てていただきたいとの思いから質問します。

生物多様性の保全について国際条約が 締結された1993年、日本もこれを批准し、国が最初に生物多様性国家戦略を策定したのが1995年。それから四半世紀が経過しましたが、地球規模ですすむ生物多様性と生態系の劣化は日本も例外なくレッドリストに掲載される絶滅危惧種も増え続けています。

この原因として、開発など人間活動による危機、里山などの手入れ不足による自然の質の低下、外来種の持ち込みによる生態系のかく乱、地球環境の変化があると言われています。これらは、SDGsの持続可能な開発目標とも重なります。SDGs17の目標の15番目には陸の豊かさも守ろうがあり、陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転並びに生物多様性損失の阻止をはかるとされており、生物多様性の保全の必要性はもはや疑う余地がありません。

国の生物多様性国家戦略はこれまで4回の見直しが行われました。そして2020年1月から2021年6月までの全9回にわたり次期生物多様性国家戦略研究会が開催され、2021年7月30日、目指すべき2050年の自然共生社会の姿と2030年までに取り組むべき事項について整理した提言として報告書がまとめられました。

この報告書では生物多様性条約の戦略計画に掲げられた2050年「自然との共生」ビジョンの達成に向けた道筋として、①点目に生存基盤となる多様で健全な生態系を保全・再生し、②点目に自然を活用した解決策や生態系を基盤とするアプローチの考え方を社会的課題への対処に全体的に取り入れながら自然の恵みを持続可能な形で積極的に活用すること、さらに③点目に生物多様性を主流化し、社会・経済・暮らしのあり方を自然共生に向けた社会変革が必要となるという3つのポイントが掲げられています。

 

一方、東京都も生物多様性地域戦略の位置づけとなっている「緑施策の新展開~生物多様性の保全に向けた基本戦略~」の改定に向けて2019年12月から検討会が開催されており、今年8月には都民、企業、市民団体、大学、関係自治体などからの意見募集にあたり、東京都における生物多様性の現状と課題、目指すべき将来像案などを整理したゼロドラフトを作成しています。

  • これらの生物多様性に関わる国や東京都の改定議論のポイントはどのようなところにあると考えているか、区の認識を伺います。
  • 杉並区の新たな実行計画のみどりの質を高める項目の中で2024年度にみどりの基本計画の改定が予定されていますが、この基本計画には施策11のグリーンインフラを活用した都市環境の整備の全体にわたる事業が盛り込まれると考えてよいのか伺います。
  • 杉並区では自然環境調査を定期的に行っており、1985年に第1次調査が開始されて以降、現在第6次調査まで行われています。専門家からは日本で一番長く調査をしている自治体だと評価されており、毎回発行される報告書からは、多くの動植物の存在や変遷が分かる貴重なデータを知ることができ、また、それ以前の1982年から河川の生物調査も定期的に行われており、今年の3月には第8次河川生物調査報告書が発行されています。いずれも、市街化がすすんだ杉並区にあって、一定の自然環境が残されていることを裏付けるものでありますが、なかなか、区民からは見えづらく、自分の住むまちの自然環境がどのような状況にあるのか、その価値が実感できないのは残念なことだと思っています。区は、これらのデータや分析、今後の取組みの提言をどのように施策に生かしているのか伺います。
  • 区は2008年より「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業」に取組み、2009年11月に同事業の基本方針、2014年2月に同行動方針を策定しています。この事業の目的について確認します。
  • あまり耳慣れない「行動方針」ですが、その「行動方針」というものはどういう位置づけにあるものなのか、「行動方針」を立てて8年を迎えようとしていますが、その達成度合いと今後、どのような道筋があるのか伺っておきます。

この「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業」につながる取組みとして、2018年7月に完成した遅野井川親水施設があります。この親水施設が誕生したきっかけは2014年7月に井荻小の5・6年生が区長のもとに訪れ、善福寺川の清掃活動を通して、もっと川をきれいにして、親しみやすい水辺をつくりたいという思いを伝えたことでした。当時は「みんなの夢水路」と言われていましたが、子どもを含む地域住民等が設計・整備に参画し、完成後も市民による管理がされ、大勢に親しまれる水辺環境の創出が実現しました。そして、単に、設計や整備に提案するだけでなく、埋土種子の採取や小学生による種苗植え付けなども行い、約40種類の地域性種苗等により遺伝的な地域生態系環境の再生に挑戦したことが素晴らしく、生物多様性地域戦略の実践の一つとして語れる事例だと思っています。

  • 区はこの遅野井川親水施設づくりをどのように評価し、今後の行動方針にどう活かしていくのか考えを伺います。

この間、私は生物多様性地域戦略の策定について質問に取り上げてきましたが、2017年第1回定例会の一般質問をした時は策定した自治体は6区5市でした。それが、今年7月には12区14市と多くの自治体がこの間、策定を行っているようです。計画の形態は生物多様性地域戦略として個別に計画している自治体、環境基本計画や緑の基本計画の中に包含している自治体と様々でありますが、地球環境の危機的状況に対して計画の重要性から、杉並区も策定に着手すべきであると考えています。基本構想の議論の中でも生物多様性地域戦略の策定についての意見があり、提言書にもそのことが掲載されていると認識しています。

私が、生物多様性の保全が何より重要と思うのは、人間社会の基盤は自然環境であり、その上に経済や文化がのっているという認識があるからです。私たちの暮らしが自然環境に密接にかかわり、生き物や自然の恵みから私たちの命は守られているといっても過言ではありません。生物多様性によって得られる自然の恵みを専門用語では生態系サービスといい、4つのサービスに分けられています。1つは供給サービスというもので食料、水、燃料、木材、医薬品、衣類など私たちの衣食住に必要なものを供給する役割、2つ目は調整サービスといって、大気や水をきれいにし、気候を調整し、自然災害を防ぐ役割、3つ目は文化的サービスで野外レクリエーションや行楽、俳句を詠むなどの人間生活を豊かにする役割、そして、最後の4つ目は基盤サービスで植物の光合成、昆虫や微生物が土をつくる土壌形成、水循環など、先に挙げた1から3のサービスの基盤となるものだということです。生態系を無視した開発や経済活動、人間の生活様式が今、迫っている気候危機の問題やプラスチック海洋汚染の問題、新型コロナウイルス感染症の発生にもつながっています。常に生態系のことを前提に物事をすすめていく重要性を改めてこのことからも認識するところです。また、生物多様性を環境という一面だけでとらえることは不十分であり、まちづくり、都市整備や産業振興、文化交流など全庁的にこの問題に取り組んでいくことが必要だと思います。

生物多様性について学習するたびに、その思いは強くなり、基本構想並の議論が必要だと思うようになりました。

今年のすぎなみエコ路地フェスタのトークショーで、東京大学総合研究博物館の須田真一さんによる「風景が変わると生き物はどうかわるのか」というテーマで生物多様性に関するお話を聞きました。石神井公園での研究についてのお話でしたが、種の多様性を支えるのは生態系と風景・景観の広がりをなすランドスケープの多様性であるということで、種多様性の高かった時代と低下した時代の関係を把握することは生物多様性保全・再生にとって有益な情報となるということでした。そういう意味では杉並区が持つ長年にわたる調査データの蓄積はとても重要な情報資源になると理解しました。

また、人は暮らしが安定しないと環境に目が向かないとの指摘は、先日の選挙で関心のある政策を聞いた世論調査で環境と答えた人が悲しいほどに少なかったこととつながりました。地球環境がちょっと怪しくなってきたと感じていても、日々の目の前の課題が優先され、環境問題は後回しになっているということなのでしょうか。環境問題はひとり頑張っても成果につながらないため、どう取り組んでよいのかわかりにくいという面もあるかもしれません。しかし、今、若者が環境問題に敏感になっているのは、自分たちの将来が危ういということに気付いたからであり、地球温暖化による気温上昇や干ばつ、自然災害が身近な問題となり、食料生産の危機が略奪や紛争を起こし、海面上昇で住む場所を追われる、得体のしれないウイルスが発生するなど、これまで映画の世界のようなことが現実になりつつあります。そのような問題に対して、私たち大人も危機感をもって、きちんと向き合わなければならないと思います。

そこで伺います。

  • 区・区民、さらには事業者も含め、共通の認識を持ち、共に課題解決に取り組む意味でも、目的や目標設定を明確にした生物多様性地域戦略の策定はとても意義あることだと思いますが、区は策定についてどのように考えているのかお聞きします。

須田真一さんから、目黒区の生物多様性地域戦略が参考になると聞き、調べてみました。2014年3月の策定ですが、その策定過程がとても丁寧だと感じました。2年近くかけて専門家をはじめ、区民、商店街関係者、小学校長、環境活動団体など、その地域の特性をとらえたメンバーによる策定検討委員会で策定していて、策定過程で小学生を含む様々な区民イベントをはさみながら、計画づくりへの参加を保障し、中間まとめや素案に対する区民意見募集も2度にわたり行われていました。寄せられた意見数も中間まとめに422人620件、48団体83件、素案では94人162件、17団体23件が寄せられており、区民の関心が向けられていることがうかがえました。また、短期目標に対する指標評価もわかりやすい形で公表されているなど、参考にしたい取組が多くありました。

杉並区にも様々な切り口で活動している環境団体が多く存在しているので、その方々の経験や知識を活かすこともできるのではないかと考えています。

  • 今や、目黒区以外にもいろいろな自治体が策定をしており、区としても他自治体の地域戦略を参考にしながら、杉並区のイメージをつくっているのではないかと思いますがどうでしょうか。
  • 新たな基本構想で掲げた「みどり豊かな住まいのみやこ」の実現は、生物多様性の主流化を進めていくこととつなげていくべきだと考えています。区としての生物多様性地域戦略の策定をする場合には、区民が自分事としてとらえられるようになることが重要であり、そのためには様々な分野に携わる方々の意見やアイデア、そこに暮らす多様な区民の意見を出せる機会を確保することが必要だと考えています。そして、生物多様性の保全が自分にとって必要なことと理解する人が増えれば、生きた地域戦略になると思いますがいかがでしょうか。また、区としても専門家の力を借りながら全庁的な議論を進めていくことが必要だと考えますが区の見解を伺い、私の質問を終わります。

プラスチック削減とゼロカーボンを同時に目指す ~一般質問と答弁

Q1 今年6月に成立したプラスチック資源循環促進法について、区はこの法律をどのようにとらえているか。

A1 この法律は製品プラスチックを含めたすべてのプラスチックについて設計・製造・販売・提供・排出・回収・リサイクルの各段階において資源循環等の取り組みを促進することによる持続可能な経済の健全な発展を進めることを目的としており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みにも寄与する点からも意義があるものと認識している。

Q2 プラスチック資源循環促進法では、容器包装プラスチックに加えて製品プラスチックも自治体が回収しリサイクルするとあるが、製品プラスチックは金属や他の素材と一体化しているものが多くリサイクルが難しい。区はこの一括リサイクルにどのように取り組んでいくのか。

現在23区で容器包装プラスチックのリサイクルを行っているのは12区で、11区が可燃ごみとして燃やしている。また全国を見てもリサイクルを行っている自治体は7割程度といわれている。この新法によってすべての自治体が容器包装プラスチックをリサイクルし、さらに製品プラスチックの一括回収が進むのか。

A2  新法では市区町村の一括回収について努力義務として定めており、今後進むべき方向であると認識している。しかしすべての自治体が一括回収に取り組むためにはリサイクルの中間処理や最終処分を担う事業者の確保、プラスチック製品を製造、販売する事業者等でリサイクル費用の一部を負担する仕組みづくり、また各自治体の収集運搬にかかる体制作り等様々な課題があると考える。

そのため、製品プラスチックの資源化についてはまずは収集・運搬や中間処理等の現状を十分に調査したうえで資源化についての取り組みを検討し、可能なところから進めていく。その際は現在小型家電もしくは不燃ごみとして収集している金属と一体化した製品についても検討していく。

Q3 昨年1月に杉並区の容器包装プラスチックを処理する中間処理施設と材料リサイクルされている工場を見学した。中国への輸出ができなくなり国内の処理が追い付かない事、再生される製品のニーズがそれほど多くないことから、リサイクルする総量を減らすことが一番重要であり急務と考えるが、区の見解は?杉並区の環境基本計画の中にも温暖化対策と連動してプラスチック削減の計画を示すことが必要だと考えるがいかがか。

A3 ご指摘の通りバーゼル条約等の制約による急激な輸出環境の変化により国内のプラスチックにかかる資源循環システムについては整備の途上にあるものと思う。プラスチックは製造あるいは焼却の際に、さらには再資源化の際にも多くのCO2を排出するので、地球温暖化対策の観点からごみとして排出される総量を減らすことは重要であり、このことは基本構想審議会等からも意見をもらっている。

またプラスチック削減の推進は、製造業者や小売業者だけでなく、生活習慣の見直し等区民による取り組みも重要で、計画等の策定に当たっては、再資源化の取り組みに加え区として取り組むべき削減に向けた施策についても検討していく。

Q4 これまで容器包装プラスチックのリサイクルは自治体が収集、選別、圧縮、保管、生産者が再商品化を担い経費の負担は自治体が8割、生産者が2割という大変不公平な現状があった。この新法によって負担割合に変化があるのか。

また生産者が責任をもって収集・運搬・選別・保管・再商品化までを行い、その価格は商品に含めることによって受益者である生産者と消費者が負担する、拡大生産者責任が進むのか。

新法には製造事業者や小売事業者が自主回収しリサイクルすることを可能にする措置が盛り込まれた。これは拡大生産者責任の上からも、また上質な高度リサイクルができる点からも歓迎されるべきことだが、具体的に同のように進められるのか。

A4 容器包装リサイクル法では自治体に分別収集、事業者にリサイクルが義務付けられ、現在区が役8割、事業者が2割の負担となっている。

新法では自治体に対し分別収集及び再商品化への努力義務が課され、再商品化は容器包装リサイクル法に定める指定法人に委託し、再商品化計画は国の認定を受けるものとされている。

一方生産者に対しては、環境配慮設計指針を示し、指針に適合した製品を国が認定する仕組みを設けるとともに、製造事業者、販売事業者が製品等を自主回収し再資源化する計画に対し、国が認定した場合には廃棄物処理法の事業者への許可が不要になる制度が規定された。しかし事業者に対しては容器包装リサイクル法のような再資源化の義務付けでないことから、拡大生産者責任を進めるためにも、今後の国の補助制度の整備や事業者の自主的な取り組みを促す仕組みづくりが重要になってくる。今後政令等が示され、自治体の負担割合を含めて法に基づく取り組みの詳細が明らかになってくるものと考える。

Q5 自治体が容器包装プラスチックと合わせて製品プラスチックを回収することになれば全く形態の違う製品プラスチックを中間処理する工場の設備投資は避けられない。このような工場の設備投資のための国からの補助はどうなっているか。

A5 重量があり不純物の増加が想定されるプラスチックの選別・梱包等の中間処理に対応するためには追加の設備投資が必要になるが、現在のところくにからの補助金等は示されていない。

Q6 ゼロエミッション東京戦略で都が行おうとしているプラスチックの削減には、市区町村の取り組みと連動して行い必要があると思うが現在どのような協力体制があるのか。

A6 東京都とは会議体やメール等で必要な情報交換を行っている。区が目指すプラスチック削減は都と方向性を一にしているので、今後取り組みを進める中で都の取り組みを紹介するほか、協力できる事業があれば連携を図っていく。

Q7 区で行われる会議でペットボトル飲料の配布を行わないように求めたところ、各所管に代替えの方法を求めていくということだったが、この取り組みがどの程度進んだのか。

A7 区では各課、職員向けにプラスチック削減の観点から庁内通知やアンケート、庁内ネットワーク等でマイボトルの活用等の周知を図っている。アンケート結果からは新型コロナ感染症防止や衛生上の理由からペットボトルを使用した会議が多くあったことから今後も使用削減にむけ、一層の周知を図っていく。

Q8 冷水器の横にマイボトルへ給水くださいという案内の設置を要望したがどう進められているか。マイボトルへ給水可能な機器の区施設への設置はまだ多く見かけない。今後新しい施設建設等の際には設置を進めてほしい。

A8 現在庁内において、マイボトルへの給水可能な給水器の近辺にマイボトルへの給水勧奨の掲示を貼りだし周知を図っている。マイボトル用給水器については本庁舎への試行的な設置を検討しており、引き続きマイボトルの普及によるプラスチック削減に努めていく。

Q9 区立施設に入っている事業者に使い捨てのストローやその他の製品を出さないように働きかけることについてどのような成果があったのか。自販機の中にペットボトル飲料を入れない自治体や民間施設もある。これについても検討してほしいが区の考えは。

A9 区立施設使用業者や自動販売機設置業者に対してワンウェイプラスチックの使用抑制、ペットボトル飲料を紙や缶飲料に切り替える依頼を行ったところ、カップを紙製にする等可能な範囲で対応している業者やストローの代替品を検討するという事業者もあった。一方で、コロナ禍で営業が厳しい、衛生面の配慮や代替品が見当たらない、缶飲料の開封が困難な障害者の利用があるなどの理由により対応は困難との返答も多くあった。

先般、プラスチックの資源循環の促進等に関する法律が制定されたことから、プラスチック製のストローやスプーンなどは有料化等により削減することが事業者に求められている。

ペットボトルについても製造事業者による取り組み進むことを期待し、区としても事業者に働きかけを行っていく。

Q10 プラスチック問題については清掃の情報紙「ごみパックン」などで分かりやすく取り上げられてきたがこれを目にする区民が少ない。区広報に環境の特集としてプラスチック問題を取り上げてはどうか。

A10 プラスチック問題に関して区ではレジ袋有料化の動きを踏まえたマイバッグ促進や、海洋プラスチックごみ、マイバッグ持参率の高い事業者の周知等、ワンウェイプラスチックの削減を目指して広報している。今後も広報、ホームページ等を通じた周知に努め、全世帯に配布しているごみ収集カレンダーの活用等、区民に届く情報提供に工夫を図っていく。