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第2回定例会一般質問 質問と答弁 2021.6.2 奥田雅子

ひとり親支援について

Q.1-①昨年度、ひとり親家庭実態調査が実施された。前回の実態調査報告書では、調査結果のまとめの中で今後の課題についての記載があった。どのような課題があり、それは解決されたのか伺う。また、今回の実態調査では、コロナ禍の状況にあって、5年前の調査との違いが見えてきたのではないかと思う。区はこの調査により、どのようなことを新たな課題として認識したのか伺う。

A.1-①まず、2015年度に実施した実態調査で出された課題だが、住まいの確保や就労支援・子どもの学習支援の充実のほか、離婚後の支援である養育費確保や面会交流への理解促進などがあり、これらの課題に対しては、現在も引き続き取り組みをすすめている。また、新型コロナウイルス感染症の影響については、今回の実態調査からは顕著な傾向は見受けられなかったが、報道等により、ひとり親家庭が影響を受けていることを認識している。今回の調査における新たな課題については、前回同様、ひとり親家庭が抱える課題としては、経済的なものが多く、その要因の一つとなるのが、養育費の不払いであり、その対策として今年度より養育費確保支援事業を開始している。また、子育てや家事に困難を感じている父子家庭の割合が増えており、母子家庭に加え、こうした父子家庭も相談しやすくなるような工夫をしていく必要があると考えている。(子ども家庭部長)

Q.1-②国の子育て世帯生活支援特別給付金の支給が始まっているが、ひとり親家庭を対象とした給付金の支給件数を確認する。

 

A.1-②本給付金の対象はひとり親世帯とそれ以外の住民税非課税の子育て世帯とに分かれるが、質問のひとり親世帯の直近の支給実績は2021年4月分の児童扶養手当受給者1501世帯、児童数は2058名となっている。(子ども家庭部長)

Q.1-③本来使える制度やサービスが使えていない人がいないようにしなければならないが、ひとり親への情報提供はどのように行っているのか伺う。

A.1-③区では、ひとり親家庭に対する支援サービスの内容をまとめた「ひとり親家庭のしおり」を作成しており、ひとり親の方が利用される相談や戸籍の届け出を行う区の窓口のほか、区内の医療機関や就労支援センター、くらしのサポートステーションなどで配布している。また、区の広報やホームページのほか、東京都のひとり親家庭向けポータルサイトなどにも必要な情報を掲載し、広く周知することに努めている。(子ども家庭部長)

Q.1-④相談に訪れた方にとっては、その家庭にあった制度やサービスをカスタマイズしてもらえるような寄り添い型の相談ができると心強いと考えるが、現状どのように対応しているのか確認する。

A.1-④ひとり親家庭の相談は、ひとり親になった事由一つをとっても、離別・未婚・死別と背景が異なり、さらに子どもの年齢や経済状況・生活状況も様々である。そうしたご本人やご家族の状況を、ひとり親家庭支援担当の相談員が丁寧に聞き取りながら支援し、必要に応じて手続きの同行なども行っており、今後も相談者の気持ちに寄り添いながら、共に考え必要な支援を提供していく。(子ども家庭部長)

Q.1-⑤今年度から開始された養育費確保支援事業は、離婚相手との取り決めがあっても養育費が支払われない場合のひとり親家庭の救済制度だが、区は周知方法含めどのようにすすめようとしているのか伺う。

A.1-⑤本事業の周知については、事業を開始した4月1日の広報及びホームページによる周知に加え、チラシを作成し、区窓口のほか公正証書を作成する公証役場、民間のひとり親家庭支援団体、養育費に関する相談を受ける東京都のひとり親家庭支援センターや養育費相談支援センターにも送付し、周知の協力をお願いした。これまでのところ申請の実績はないが、引き続き周知に努め養育費の確保につなげていく。(子ども家庭部長)

Q.1-⑥相談したいことが明確ではなく、相談先を選ぶことが難しい方も多いと思う。区が発行する「ひとり親家庭のしおり」の最初に、ここにさえ相談すれば、その先を導いてくれるという案内が書いてあるとよいと思うがいかがか。

A.1-⑥このしおりでは「各種相談」というページに相談機関ごとに相談内容等を記載しているが、ご指摘の通り、何を相談したらよいのか整理できない方もいらっしゃると思うので、そうした方も相談できる窓口がわかるよう、次回作成する時には工夫していく。(子ども家庭部長)

Q.1-⑦ひとり親家庭への聞き取りと同時に、地域で支援活動を行っている団体や個人からも現場が持つ情報や抱える課題について共有する機会が必要であると考えるが、区の見解を伺う。

A.1-⑦ひとり親家庭が抱える悩みや課題については、日々の窓口や電話での相談のほか、「ひとり親家庭実態調査」を通して定期的に把握しているところではあるが、地域で実際に支援に携わっている方々からのご意見は貴重であると考えているため、そのご意見もしっかりと受け止めながら実態の把握に努めていく。(子ども家庭部長)

ヤングケアラー支援について

Q.2-①厚生労働省の調査で対象となった杉並区内の中学校はあったのか。また、今回の調査を区はどのように受け止めたか。

A.2-①厚生労働省が実施した調査には本区の区立中学校も調査対象校として抽出されていた。教育委員会としては全国の中学校2年生の5.7%が世話をする家族がいるという結果から、ヤングケアラーが一定数いることが分かった。(教育政策担当部長)

Q.2-②ヤングケアラーの問題は家族の問題とせず、社会全体の問題として取り組むことが重要と考えるが、そもそも自分がヤングケアラーだと自覚していることもが少ない実態がある。誰かが気づいて声をかけ、支援につなげることが重要だと考えるが、区ではどのように実態を把握し対応しているのか確認する。

A.2-②ヤングケアラーの実態把握と対応については、学校等で支援が必要な子どもを把握した場合、子ども家庭支援センターと情報共有を図り、双方で連携して見守り支援を行っている。その上で、子ども家庭支援センターのケースワーカーが家庭を訪問するなどして子どもやその家族の相談支援を行うとともに、家庭の状況に応じて必要なサービス等につなげている。(子ども家庭部長)

Q.2-③子どもに関わる全ての職員がヤングケアラーの実態について認識し、理解することが早期発見、早期解決には欠かせないと考えるが、福祉や教育分野での研修にヤングケアラーの視点が盛り込まれているか確認する。

A.2-③子どもに関わる大人がヤングケアラーへの理解を深め、支援の必要な児童・生徒を早期発見し、関係機関と適切な連携を図る必要があることから、子ども家庭支援センターで実施している要保護児童対策地域協議会の構成員向け研修やスクールカウンセラー連絡会でヤングケアラーを取り上げ、周知に努めている。加えて今年度は管理職や養護教諭、生活指導主任等を対象にヤングケアラーの理解、他機関との連携方法等の研修を行っていく。(教育政策担当部長)

 

Q.2-④本年5月、厚生労働省と文部科学省のプロジェクトチームによる報告書がまとめられた。その検討内容を確認する。また、区は、その報告書をどのように受け止めたか伺う。

A.2-④このプロジェクトチームは支援を必要としているヤングケアラーを早期に発見し、必要な支援につなげるための方策を検討するために設置されたものである。まとめられた報告書には、福祉・介護・医療・教育等の関係機関や支援団体等がしっかりと連携し、ヤングケアラーの早期発見・支援につなげるための取組みが記載されており、今後の施策を展開するにあたり、参考とすべき内容が含まれているものと受け止めている。(子ども家庭部長)

Q.2-⑤子ども家庭支援センターのリーフレットやゆうラインの案内で、具体的な相談内容に家族のケアを担っている子ども(ヤングケアラー)の相談といった項目を足す工夫があっても良いと思うが区の見解を伺う。

A.2-⑤子ども家庭支援センターのリーフレット等への具体的な相談内容の記載については、ヤングケアラーが相談につながることは重要であると考えているため、より子どもにわかりやすい表現で案内するなどの工夫をしていく。(子ども家庭部長)

Q.2-⑥この間ひとつの家庭が複合的かつ複雑な問題を抱えるケースが増えており、区でも在宅医療・生活支援センターを中心により横連携の支援体制を強化しているが、ヤングケアラーの問題についても改めて意識を高めていくことが必要だと考える。子どもの未来を奪うヤングケアラーの問題に対し区の考えを伺う。

A.2-⑥ヤングケアラーは子どもでありながら、本来大人が担う家事や家族の世話などを介護者として日常的に行っている。そのため、睡眠不足や疲労から勉強する時間がとれず、学力の低下や欠席の増加など学業への影響が懸念される。また、自由時間が少ないため部活動に参加できない、友人と遊ぶ時間がとれないことから、孤立や精神的な不安定さを招くなど、成長していく上での影響も危惧される。こうしたことから、家族へのケアに係る負担を軽減または解消することが必要だが、ヤングケアラーの問題は家庭内のデリケートな問題であることから、本人が家族の状況を知られたくない、本人に自覚がないなどの状況により、潜在化しやすくなってしまうという難しさをもっていると認識している。

そのため、ヤングケアラーについての認知度を高め、子どもに関わる教育等の関係機関や地域が、子どもの発するサインに気づき、早期に発見することが非常に重要である。また、周りの気づきだけでなく、ヤングケアラー自身が相談できるようにすることも重要であり、子どもの声を受け止める体制や子どもの声を代弁するしくみの構築についても大切であると考えている。

全ての子どもがその家庭環境に左右されることなく、将来の選択ができるよう、地域全体で子どもを見守る環境を整え、必要な支援につなげることで、子どもたちの未来への歩みをしっかりと支えていく。(区長)

第2回定例会一般質問  2021.6.02奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として

1. ひとり親支援について

2.ヤングケアラー支援について

一般質問します。

 

先ず、ひとり親支援について

2013年に成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」は、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、健やかに育成される環境の整備と教育の機会均等を総合的に推進することを目的としています。しかし、厚生労働省による2019年の国民生活基礎調査によれば、子どもの貧困率は13.5%で7人に1人が貧困状態となっており、母子世帯の86.7%が苦しいと応えています。もとから困難な状況を抱えていたひとり親、特に母子世帯にコロナ禍は容赦なくさらなる困難を強いた形となっています。母子世帯の多くは正規雇用より非正規やパート労働が多いため、コロナ禍による就労制限で収入減となる一方、子どもは一斉休校や登校制限、様々な体験活動中止等により、学校での給食や学び、友達との遊び、地域の人たちとのかかわりが制限され、子どもの健康や学習、発達にも影響が及んでいます。学校や地域、友達が担ってきた役割も親が引き受けなければならず、ひとり親の負担はますます増えています。2008年のリーマンショックを超える経済不況になるとも言われており、中長期的な対策が必要だと考えます。

コロナ禍によってひとり親世帯が困窮する現状に問題意識を持ったひとり親支援団体やジェンダー政策の専門家、研究者らによって発足した「シングルマザー調査プロジェクト」が昨年7月に行ったWEBによる大規模調査では1800人から切実な声が寄せられました。さらに、その回答者の中から4つの要件に当てはまる世帯、つまり①母子世帯②公的年金を受けていない③生活保護を受けていない④児童扶養手当を受けている、という東京在住252人、東京以外287人に毎月同じ方に同じアンケートをするパネル調査を行っています。それによれば、今年2021年2月の状況は東京在住の252人の約30.6%が主食のコメなどの食糧が買えないことがよくあった、時々あったと回答。肉や魚、野菜に至っては約半数が買えていませんでした。体重が減った小学生は多いときで10%を超えました。子どもの服や靴では59%、子どもの玩具・文具・学用品は46.5%が買えないことがよくあった・時々あったと回答しています。また、子どもたちの状況では、学校の学習についていけない小学生は3割を超え、学校に行きたくない、行かなくなったが2割を超え、習い事ができない小学生は約6割に上っています。区内の子ども食堂も集まって食事ができにくくなり、お弁当や食材の配布を行っているところもあると聞いています。要望は日を追うごとに増えているようで、杉並区でも困窮する家庭は確実に存在しています。

そこで、質問します。

  • 2020年度、ひとり親家庭実態調査が実施されました。前回の実態調査報告書では調査結果のまとめの中で今後の課題についての記載がありました。どのような課題があり、それは解決されたのか。また、今回の実態調査では、コロナ禍での状況にあって、5年前の調査との違いが見えてきたのではないかと思います。区はこの調査により、どのようなことを新たな課題として認識したのか伺います。
  • 国は子育て世帯生活支援特別給付金として児童1人当たり5万円を支給することとしましたが、杉並区のひとり親対象の給付は何件か伺います。
  • 杉並区の調査では悩みや困りごとの解決方法として区の窓口に相談すると答えた人は1%で、インターネットやSNS、親族や友人に相談すると回答した約40%前後と比べ少ない結果となっています。また、何もしないというのも21.7%あり、時間がないとか最初からあきらめてしまう人がいるようです。本来、使える制度やサービスが使えていない人がいないようにしなければなりませんが、ひとり親への情報提供はどのように行っているのでしょうか、伺います。
  • コロナ対応として臨時的な措置もあり、さらに手続きすることが増えたりもしています。HPでも常に最新の情報が掲載はされていますが、通常の制度も含めて、相談に訪れた方に対しては、その家庭にあった制度やサービスをカスタマイズしてもらえるような寄添い型の相談ができると当事者にとっては心強いと考えますが、現状どのように対応をしているのか確認します。
  • 2021年度からひとり親家庭を対象として新たに養育費立替補償契約費用助成と公正証書作成費用助成が予算化されました。離婚相手との取り決めがあっても養育費が支払われない場合の救済制度ですが、周知方法含め区はどのように進めようとしているのか伺います。
  • 区は毎年ひとり親家庭のしおりを発行しています。非常に多くの情報が盛り込まれています。例えば、ページを開くと各種相談が5ページにわたって一覧表が掲載されていますが、自分が相談したいことが明確になっている人はここだという相談先を選ぶことができるかもしれませんが、そういう人は少ないのではないでしょうか。活用せずに放置してしまうのではと心配です。最初に出てくる「子ども家庭部管理課、福祉事務所」がワンストップ的な相談窓口となるのか。そうだとすれば「相談先がわからないという場合は、まずはここにご相談ください」のように、ここにさえ相談すれば、その先を導いてくれるという案内がしおりの最初に書いてあるとよいと思いましたがいかがでしょうか。
  • 生活者ネットワークの関連団体が昨年11月から今年の2月にかけて、都内で子ども食堂や子育て支援、食料支援、居場所、民生委員、無料学習塾等の支援活動をしている30の団体や個人を対象に聞き取り調査を実施しました。調査報告書では現場だからこそ見える様々な課題がつづられていました。制度からこぼれてしまう家庭の支援や目の前の家庭の課題に気長に寄り添い、信頼関係を築き、行政機関や他の団体とつなぎながら解決に導く取組みは、ボランタリーな地域住民によるたすけあいの地域づくりであり、大事にしたい取組みだと感じました。区はひとり親家庭への聞き取りと同時に、地域で支援活動を行っている団体や個人からも現場が持つ情報や抱える課題について共有する機会をつくり、区からは見えていない困難な家庭の把握にも努めることが必要だと考えますが、区の見解をお聞きします。

 

次に、2つ目の項目、ヤングケアラーについて質問します。

私は2018年第3回定例会の一般質問でケアラー支援について質問を行い、ヤングケアラーについても取り上げました。当時は杉並区でもケアラーという言葉は一般的ではありませんでしたが、区も介護者支援の重要性の認識には変わりはなく、今後も総力をあげて取り組んでいくとの答弁がありました。今日は改めてヤングケアラーについて質問してまいります。

2020年3月に埼玉県ケアラー支援条例ができ、条例に基づくケアラー支援計画策定にあたり、実態調査が実施されました。その後さらに、厚生労働省が昨年の12月から公立中学2年生と公立高校全日制の2年生を対象に、全国初のヤングケアラー調査を実施しました。それぞれの調査からその実態が明らかになり、その内容に衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。それらの結果を受け、ヤングケアラーを特集した新聞や報道番組が増え、子どもたちが置かれている困難な状況を多くの市民が見聞きすることで「ヤングケアラー」という言葉の認識が広がり、理解も進んできたと感じています。

家族の中にケアを必要とする人がいた場合、多かれ少なかれ家族のケア負担が発生します。世帯人数が減り、共稼ぎやひとり親の家庭も増える中、子どもや未成年の若者たちがケアの担い手となることがあります。このような子どもや若者はケアの経験を通して多くのことを学ぶという点では悪いことではありません。しかし、担っている役割や責任が年齢に不釣り合いであったり、長期間に及んだ場合など、自らの心身の発達や学校生活、将来への大きな影響を受けることがあるため、ヤングケアラーに陥らなくて済むような、様々なサポート体制を整備していくことが必要です。

 

  • 厚労省の調査で対象となった杉並区内の中学校はあったのか。また、今回の調査結果を区はどのように受け止めたか伺います。

 

今年4月12日に厚労省が発表した調査結果によれば、約1万3千人から回答があり、大人の代わりに家事や介護といった家族の世話を担う子ども、いわゆる「ヤングケアラー」が中学2年で5.7%、17人に一人、高校2年で4.1%、24人に一人いることが明らかになりました。これを文部科学省の統計に当てはめると中学2年で約5万5千人、高校2年で約4万2千人のヤングケアラーがいるということになります。ケアに費やす時間は中学生では平均4時間、高校生で3.8時間。なんと7時間以上という子どもも10%いました。これはとてもショックであり、これでは勉学や部活、友達づきあいもままならないし、子どもらしい遊びや休息の時間も楽しい時間も持つことができないわけで、到底看過できない問題です。

2018年の一般質問では、杉並区でもヤングケアラーというケースもあったが、十分な把握ができているわけでもないことがわかりました。当時の答弁は、今後、学校現場にかかわる者への研修に「家族のケア」という視点を示し、各学校が的確な実態把握のもと保護者や関係機関と連携した対応ができるように支援していくというものでした。

2019年11月から2020年1月にかけて、江戸川区の生活者ネットワークの仲間が教育・医療・福祉の現場で働く方々との協力で「ケアを担う子どもや若者たちに関する調査」を行いました。報告書によれば、ケアを担う子どもや若者がいたと答えた人はヤングケアラーという言葉を知っている割合も多かった一方、ヤングケアラーという言葉を知らない人はケアを担う子どもや若者がいない、わからないと答えた人が多かったという結果が出ていました。つまり、ヤングケアラーはいるものだと意識しているかいないかで、把握の度合いも違ってくるということだと思います。この調査にかかわった人の職業はケースワーカー、障がい者福祉関連、保健師、ケアマネ、訪問介護員、看護師、スクールソーシャルワーカー(SSW)、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)など医療・介護・教育・福祉分野と多岐にわたっており、ヤングケアラーに接する可能性のある職種はすべてふくまれていました。そしてそれぞれの関係性の中で連携しながら解決しようとしている様子が見てとれました。中には対応に苦慮して何もできなかったという場合もあり、なかなか一筋縄では解決できない問題でもあると改めて認識しました。

 

  • ヤングケアラーの問題は家庭の問題とせず、社会全体の問題として取り組むことが重要だと考えます。杉並区でもヤングケアラーが存在しているという想定のもと、支援策を検討するためには実態把握が欠かせませんが、様々な調査からもなかなか本人が自ら発信できないケースが多いことがわかっています。厚労省調査でも60%以上が世話について相談しておらず、そもそも自分がヤングケアラーだと自覚している子どもも少ない実態が明らかになりました。誰かが気づいて声をかけ、支援につなげることが重要だと考えますが、杉並区ではどのように実態を把握し、対応しているのか確認します。
  • 子どもに関わる全ての職員がヤングケアラーの実態について認識し、理解することが、早期発見、早期対応には欠かせないと考えます。福祉や教育分野などでの研修にヤングケアラーの視点が盛り込まれるようになっているのか確認します。
  • 今年3月に厚労省と文科省が合同で「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」をつくり支援策の検討を行い、5月に報告書がまとめられました。その検討内容はどのようなものだったのか確認します。また、その報告書を区ではどのように受け止めたのか伺います。
  • 鳥取県が今年4月から県内の児童相談所などにヤングケアラー相談窓口を設置、神戸市は6月からこども・若者ケアラーの相談窓口を設置するようです。「ヤングケアラー支援」を見える化することで、当事者や支援者、気になっている地域住民が相談しやすくなり、情報もそこに集中するようになると考えます。たとえば、子ども家庭支援センターのリーフレットやゆうラインの案内で、具体的な相談内容に家族のケアを担っている子ども(ヤングケアラー)の相談といった項目を足す工夫があってもよいのかと思います。今後、リーフレットの改定などの際に検討してはいかがか区の見解を伺います。
  • 今後、介護保険制度の限界から、高齢者などの介護は再び家族の負担が増える方向に向かうのではないかと危惧します。また、コロナ禍で経済状況が悪化し、それが引き金となって、心身不調となる親のケア等、ヤングケアラーにならざるを得ない状況が今後、ますます増えるのではないかと懸念します。この間、一つの家庭が複合的かつ複雑な問題を抱えるケースが増えており、杉並区でも在宅医療・生活支援センターを中心に横連携の支援体制を強化してきていると承知していますが、このヤングケアラーの問題についても改めて意識を高めていくことが必要だと考えます。子どもの未来を奪うヤングケアラーの問題に対し、区の考えを最後にお聞きします。

 

今回、ひとり親支援とヤングケアラー支援について質問してきました。2つのテーマは決して別々の問題ではなく、根底ではつながっている問題だと思います。地域の中に潜在している課題を敏感にキャッチし、困っている家庭や子どもたちの支援に尽力して頂くよう求め、私の一般質問を終わります。

 

予算特別委員会意見開陳  2021.3.10 奥田雅子

いのち・平和クラブを代表して、2021年度杉並区一般会計予算、並びに、各特別会計予算および関連諸議案について意見を述べます。

 

新型コロナウイルス感染拡大の終息がなかなか見通せない中、区民生活や経済活動への影響は深刻な状況となっています。景気を下支えする地域経済の打撃はそのまま区財政にも影響を及ぼします。この間のコロナ対策に多くの支援策を実施し、さらには次年度予算でも財政調整基金から72億5000万円を取り崩すなど、あらためて、財政調整基金の備えの重要性を確認しました。

現在、2022年度からの新基本構想策定すすめられています。区は現基本構想の最終年度となる2021年度を「困難を乗り越え、新たな時代に繋ぐ予算」と名付け、まさに喫緊の課題である新型コロナウイルスの克服と10年先を見据えた新構想の策定によって、長引くコロナ不安で疲弊した区民の暮らしに対し、将来のビジョンを示す重要な年となります。私ども、いのち・平和クラブは住民に一番身近な基礎自治体の役割である区民福祉をいかに支え向上させるか、コロナ禍での不安や昨今の気候危機から区民の命と財産を守り、子どもたちが将来に希望を持ち、緊急を要する課題に応える予算となっているかを検討いたしました。以下、基本構想に掲げる目標に沿って、予算特別委員会での質疑の内容も踏まえ、主な賛成理由、評価する点と要望を付して意見を述べます。

 

第1に、平和への取り組みです。核兵器禁止条約が1月22日発効しましたが、条約には核保有国や核抑止力に依存する日本などが参加しておらず、核軍縮の機運を高めることにつながるかが疑問視されています。代表質問で、国に条約に加わるよう自治体から声を上げるよう求めたところ、平和首長会議を通じて国に強く要望していることを確認しました。また昨年コロナ禍で実現できなかった平和首長会議の広島開催に合わせ、中学生のヒロシマ派遣事業を実施し、現地での中・高生との交流ができることを期待します。

 

第2に、新型コロナ対策のとりくみです。区は2019年度末に2度、2020年度に13度の補正予算を組み、国や都に先駆けて区内基幹病院への補助や発熱外来の設置、区独自のPCR検査体制の拡充など実施してきました。新年度予算では、この取り組みを維持しさらに拡充するものと評価します。区内事業者への支援、文化芸術活動への支援は引き続き継続されています。コロナ禍で児童虐待が増えるおそれに食を通じたこどもの見守りの強化、介護者等の感染時に障がい者等を支える体制を強化し、福祉施設などの従事者へのPCR検査の実施などの取り組みの拡充に期待します。また、新型コロナ対策で多忙を極める区職員の健康問題を質し、二次検診の受診勧奨や心療系の相談拡充を確認。必要な職員の増員を求め今後の検討を確認しました。ワクチン接種体制への支援で職員への負担が大きくならない対策も確認できました。

 

第3に、災害に強く安全・安心に暮らせるまちについてです。

・東日本大震災から10年。東京電力福島第一原発事故の影響によって、いまだ故郷に戻れない、戻らない方が、地元自治体の発表によれば、少なくとも6万7000人はいるといわれており、それには自主避難者は含まれません。10年経っても復興半ばと言わざるを得ません。福島第一原発の電気を消費していたのは東京に住む私たちでした。10年経とうが20年経とうが、私たちは3.11のことを忘れることなく、そこから学んだ教訓を自らの暮らしに役立てていくことが必要です。3.11を忘れない取り組みを継続して来たことは評価します。最近東北で大地震がおき、茨城県沖でも地震が頻発している状況は、大地震の前触れと言われています。来年以降も南相馬市への支援と防災意識の向上をコンセプトに継続することを確認しました。

・また、昨今の気候危機に起因する自然災害の増加、災害時の感染症対策も新たな課題となっています。区が示した発災後3日分の区内備蓄の確保や女性や災害時要配慮者の視点での備蓄品の拡充、河川監視カメラのリアルタイム化による迅速な水害対策は重要です。さらに、旧杉並中継所跡を災害拠点として活用していくことが検討されています。今後は区の防災対策全般について区民意見が反映され、区民に広く理解が深まるような発信を要望します。

 

第4に暮らしやすく快適で魅力あるまちについてです。

・地域の課題解決のために非営利で取り組むNPOの活動もコロナ禍により思うようにすすめられず、新たな活動スタイルへの転換や感染予防対策にかかる経費増など苦しい状況に置かれています。協働プラザが産業商工会館に移転するに伴い、産業商工団体との情報連携を強化し、地域活動団体への支援の充実を図ることに期待します。

・農福連携農園が今年の4月に全面オープンし、農業と福祉、就労、環境が結びつき、今後、様々な分野に派生していくことが期待されます。

・都市計画道路補助132号線は、西荻地域を縦断する幹線道路として、災害時の避難路や高層マンションなどの火災に対応できるための拡幅や歩道の安全確保が必要ですが、そこに暮らし商売を営む方たちのくらしと事業を継続できるのか、不安が訴えられているのもわかります。必要な補償を行い、時間がかかっても住民の理解を得ながら進めるよう求めておきます。

・補助133号線は、住宅地に大規模な立ち退きを要する計画が、地域の理解を得られていない現状があることを指摘しておきます。

 

第5にみどり豊かな環境にやさしいまちについてです

・多岐にわたる環境問題は私たちのいのちを脅かしかねない待ったなしの状況であり、その負の遺産を次の世代に引き継ぐようなことがあってはなりません。カーボン・ニュートラルの実現に向けた取組みやワンウエイプラスチックの削減対策などに期待します。原発に頼らない新電力PPSからの電力購入による財政削減実績と新年度の拡大を確認しました

・新たな環境基本計画策定にあたっては、より具体的な数値目標を定めた地球温暖化対策実行計画 の策定、プラごみの海洋汚染をこれ以上悪化させないための具体的な取組み、生物多様性地域戦略の策定、省エネをすすめ再生可能エネルギーの利用拡充など、地球環境を取り巻く問題に対し、総合的に取り組んでいくことを求めます。

 

第6に健康長寿と支えあいのまちです

・外出を控え、家に籠りがちになった高齢者などの体力や認知機能の低下に対し、認知症早期発見の取組みが開始されることはとても重要です。同時に「認知症」になっても希望をもって日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症高齢者の本人発信支援と社会参加支援の視点を持ったイベントや仕組みづくりをすすめていただくよう改めて要望します。

・ケアマネが一人の事業所でコロナ感染した場合でも利用者のサービスが継続できるよう区内事業所の連携がとれる区独自のシステムが作られました。今後有効に活用されるよう期待します。

・在宅医療体制や相談支援の充実、医療と介護の連携強化は今後ますます必要度が高まっていくと思われます。在宅であっても24時間切れ目のない支援体制の構築に期待します。

・障がい者の社会参加を保障する移動支援について、長年にわたる障がい当事者や家族などの要望によって見直しが行われました。精神障がい者も含めすべての障がい種別が対象とされ、利用期間も緩和され、また高次脳機能障がい者への年齢制限が撤廃されたことは重要です。一方で通所に関する利用がいまだ制限されるなど課題も残されています。今後も障がい当事者のニーズ把握に努め、より一層制度が充実されるよう求めておきます。

・区民が抱える生活課題が複雑化・複合化する中で、縦割りでは解決しきれない状況に対し、これまですすめてきた包括的相談支援をさらに一歩進め、全世代対応型の支援体制の展開に向けた検討に着手することに期待します。実態把握には介護者の会や子ども食堂、地域のサロンなどからも意見聴取し、より具体的な課題の把握に努めるよう求めます。

 

第7に人を育みともにつながる心豊かなまちです。

・児童館のあり方検討部会が行財政改革本部のもとに設置され検討が行われています。子どもの健全育成に寄与する児童館のあり方については、単なる場所にとどまらない保育の質の確保はとても重要なテーマです。今回、保育の質について担当部長から「保育や学童の質とは、子どもたちに寄り添う対応、権利を尊重する対応、自主性を育てる対応を基本とし、子どもたちに、どういう風に保育士や支援員が対応するのか紙で学ぶことではなく、長い経験をする中でノウハウを継承し、育っていかなければならない。区の職員もそうしたことを身に着けていく場が必要。」という重要な答弁がありました。これは保育園や学童クラブの現場を持つことの重要さを示すものであり、今後の検討を求めておきます。

・児童館からプラザに移行した地域では中高生の利用が増えている状況を確認できました。また、善福寺地域では児童館を中心に地域の方々が子どもの健やかな成長を支援する居場所のあり方について議論を重ねてきました。6か所目となる子ども・子育てプラザ善福寺の整備にあたっては、地域の声を尊重し、その意見も取り入れながら計画を進めていただくよう要望します。

・学童クラブや小学生の放課後等居場所事業の民間委託について、会派は保育園と同様に核となる直営館を維持することが学童クラブ保育の質の保障につながると求めてきました。今回区長から「学童はじめ、すべて民営化してアウトソーシングしようという発想に立っていない。民営化することで区が失ってはいけないものがある限り、そういうものは守る」と答弁がありました。ぜひ核となる直営館を維持するよう求めておきます。

・これまで充実を求めてきた産前・産後支援ヘルパー事業が拡充され、さらには新たに宿泊型・日帰り型の産後ケア事業の実施を評価します。

・保育園の待機児童ゼロを引き続き実現し、新年度も13園の認可保育園が開設され、さらに2022年4月に6園の整備が予定されています。保育園ニーズは数から質へと移ってきています。選ばれる園となるためにしのぎを削り合うことは悪いことではありませんが、保育の質の中身を見誤ることなく、2020年2月に作成した「保育実践のてびき」に沿った質の確保を区内すべての保育所と共有確認することを求めます。また、保育の質を確保するために巡回指導・訪問や保育士等の人材確保・定着化支援、保育園児が利用することを想定した公園づくりなどを引き続き行うことを確認しました。今後、私立認可保育園がさらに増える中、保育の質の維持のために、27の直営園の維持を強く求めておきます。

 

・2019年度の不登校数は小学生199人、中学生340人にのぼりました。小学生対象のさざんかステップアップ教室が区内1か所で通いにくい状況に対し、中学生対象の宮前教室でも小学生を受け入れるとしたこと、教室の定員をなくしたことで改善が図られたことを評価します。

・学校はすべての子どもに対して、人間尊重や男女平等の精神の徹底をはかる教育を行う必要があります。中学校での男女混合名簿の導入が2校という状況は男女平等の精神に反するものです。教育委員会が男女平等の姿勢を貫き、学校に男女混合名簿の導入を促すよう求めるものです。

・教員の負担軽減のため、保護者との日常の連絡にメールを活用するよう提案し、いくつかの学校で試行を検討するとの前向きな姿勢を確認しました。今後に期待します。

 

第8に、新たな時代を見据えて

・新基本構想策定について、暮らしの基礎となる地球環境問題に重点が置かれ、SDGsに沿って各分野の目標が設定されつつあり、誰もがその人らしく暮らせる杉並区の将来像に大いに期待するところです。

・行政デジタル化について、国にデジタル庁が設置され、マイナンバーカードの利用拡大が始まります。特定給付金での失敗を反省することなく、今月には国民健康保険証利用を開始し、いずれは口座への紐付けや民間利用の拡大をすすめようとしています。いったん許せば、国や企業の意のままに、なし崩し的に個人情報が流用されることを危惧します。区の個人情報保護条例を引き続き堅持し守り抜く姿勢を確認しました。

 

 

次に、予算関連議案についてです

議案第6号は今後の在住外国人支援事業等の更なる推進とそれに伴う事故等へのリスク管理を含めた体制強化を図るため、2021年4月に杉並区交流協会を一般財団法人化するための議案であり、その必要性を理解しました。

議案第7号は阿佐ヶ谷地域区民センターの住所を移転先に変更し、利用料金を定めるなどの条例改正です。先にリニューアルオープンした地域区民センターにおいて、これまで利用してきた登録団体の活動の継続に支障をきたしました。また、バリアフリー化の課題も残したことから、阿佐ヶ谷地域区民センターについても登録団体や障がい当事者の声の聞き取りや説明を丁寧に行うことを求めました。

議案第8号はコミュニティふらっと成田の名称と位置を定めるものです。

議案第9号は、未婚の方を「ひとり親」として税制の対象とされることの改定です。

第10号は、介護保険料がコロナ禍の影響から第8期の保険料を第7期と同じくすることがわかり、所得税改定の影響がでる部分についても対策が取られました。

議案第11号は、第1に、食品衛生法改正により規制を強め、都条例を廃止し申請を受ける市区町村の手数料を定めたものですが、コロナ禍で厳しい事業者に対して、手数料を減免するなどの配慮がされることを確認しました。第2に、都市の低炭素化の促進に関する法律及び建築物の省エネ向上に関する法律の改正による手数料の改定です。今回新たに規定された300㎡未満の建物や一般住宅を低炭素建築物として申請した場合の税の減免などの優遇措置も確認できました。

議案第12号は直営で運営する成田保育園の位置変更です。

議案第13号は、ケヤキ公園への児童館を移すための位置変更であること、

議案第14号は、南阿佐ヶ谷第3自転車駐車場の名称と位置を定めるためのものです。

議案第15号は、都議選や衆院選に備え、これまで長い間変わらなかった選挙立会人などの報酬額を、最低賃金や他区の事例を参考に、適切な額に改正するものです。

議案第28号国民健康保険料は、コロナ禍の影響で均等割は若干値下げになったとはいえ、所得割があがり暮らしへの影響が気になるところです。しかしながら、国保料が青天井にあがる状況から国保制度の抜本的見直しが必要であり、引き続き国に求めるよう要望します。

議案第30号は、新年度一般会計補正予算第1号、新型コロナワクチン接種の予算であり、歳入は国庫負担金と国庫補助金をあて、不足分は財政調整基金から補填されています。本来全額国が負担すべきものであり、今後、国の補助金等を求めていくことを確認しました。その他は、新年度も保育園待機児童ゼロを継続するとともに、保育の質を守る取り組みなど必要なものです。

議案第31号国保事業会計補正予算については一般会計繰り入れに関するものです。

 

以上の理由及び要望を付して、議案第21号杉並区一般会計予算、第22号杉並区国民健康保険事業会計予算、議案第23号杉並区介護保険事業会計予算、議案第24号杉並区後期高齢者医療事業会計予算、その他予算関連議案にはすべて賛成いたします。

 

最後に、新型コロナウイルスの対応に追われる中、予算特別委員会の審議に必要な資料作成にご尽力いただいた職員の皆様に感謝を申し上げ、いのち・平和クラブの意見開陳といたします。

第1回定例会一般質問と答弁 2021.2.15そね文子

Q1-1~3)〇HPVワクチンの薬害について二度と同じ被害を起こしたくないという強い思いを保健所も変わらずに持ち続けているか改めて確認する。

〇HPVワクチンの成分は変わらず薬害の治療法がかくりつしたわけではない。積極的勧奨が中止されているのは異例の措置であり、その理由が安全性の問題であることは何ら変わらないことを区はどのように認識しているか伺う。

〇厚労省の10月の通知と改訂版のリーフレットが届いたのと同時期に、裁判を戦っている原告団及び弁護団から各自治体にHPVワクチンに関する要望書が送られたと聞くが、区はそれを受け取っているか確認する。

A1-1~3保健所長)HPVワクチンの薬害の思いについてですが、区もワクチンによる健康被害が起こってほしくないという思いは常に持ち続けています。積極的な接種勧奨が差し控えられていることについては、国の審議会でワクチンの安全性等の検討が長年続けられており、積極的な接種勧奨を再開するまでの結論が出ていない状況だと認識している。また、区は要望書を受け取っている。

 

Q1-4~8)〇健康被害にあった方が区内にいることから慎重に対応するとし、今年度は出さないと答えていた区が、1か月後にはHPVワクチンの情報提供のはがきを出したのはどのような経緯か伺う

〇区がリーフレットではなくはがきで情報提供したことは適切だと考えるが、はがきを選んだ理由を伺う。

〇今後も国のこのリーフレットを送付しての情報提供は行わないように求めるが、区の見解を問う。

〇武蔵野市では対象者にはがきで情報提供を行い、積極的勧奨は行っていないことが明記された市のホームページのQRコードのみを記載し、それを見た後に厚労省のホームページのリンクも見られるようにしている。区も同じ対応を取るべきと考えるが見解を問う。

〇はがきはひとりに1回以上出すべきではない。今後の対応を区はどのように考えているか伺う。

A1-4~8保健所長)対象者に対し情報提供を今年度行った経緯ですが、令和2年10月に国からワクチン接種対象者に個別に情報提供するように通知文が出た後、令和2年12月の医療行政連絡会において、杉並医師会から区に対してHPVワクチンの個別情報提供を一刻も早く行うよう要望がありました。また、近隣自治体も年度内に個別情報提供を行う状況を踏まえ、区は急遽令和2年12月中に接種対象である小学6年生から高校1年生に相当する者へはがきで情報提供を行った次第だ。はがきにした理由は、ひとつは経費面で、二つ目は周知内容があくまでも制度周知でありはがきの紙面で十分と判断したためだ。

国が作成したリーフレットについては、現在も積極的な接種勧奨が差し控えられている旨の記載がわかりにくい印象があり使用していない。今後も区民からの相談や予診票を渡す際には、区が独自に作成したリーフレットを用いて、副反応が生じる可能性を含め丁寧に説明していく。12月に区が送付したはがきは近隣区市を参考にし、区民が多くの情報を得られるように区と国のホームページのQRコードを記載した。今後ははがきの紙面を研究し、次年度については新たに対象となる新小学6年生と転入者に送付する予定である。

 

第1回定例会一般質問と答弁 2021.2.15そね文子

Q1-1~3)〇HPVワクチンの薬害について二度と同じ被害を起こしたくないという強い思いを保健所も変わらずに持ち続けているか改めて確認する。

〇HPVワクチンの成分は変わらず薬害の治療法がかくりつしたわけではない。積極的勧奨が中止されているのは異例の措置であり、その理由が安全性の問題であることは何ら変わらないことを区はどのように認識しているか伺う。

〇厚労省の10月の通知と改訂版のリーフレットが届いたのと同時期に、裁判を戦っている原告団及び弁護団から各自治体にHPVワクチンに関する要望書が送られたと聞くが、区はそれを受け取っているか確認する。

A1-1~3保健所長)HPVワクチンの薬害の思いについてですが、区もワクチンによる健康被害が起こってほしくないという思いは常に持ち続けています。積極的な接種勧奨が差し控えられていることについては、国の審議会でワクチンの安全性等の検討が長年続けられており、積極的な接種勧奨を再開するまでの結論が出ていない状況だと認識している。また、区は要望書を受け取っている。

 

Q1-4~8)〇健康被害にあった方が区内にいることから慎重に対応するとし、今年度は出さないと答えていた区が、1か月後にはHPVワクチンの情報提供のはがきを出したのはどのような経緯か伺う

〇区がリーフレットではなくはがきで情報提供したことは適切だと考えるが、はがきを選んだ理由を伺う。

〇今後も国のこのリーフレットを送付しての情報提供は行わないように求めるが、区の見解を問う。

〇武蔵野市では対象者にはがきで情報提供を行い、積極的勧奨は行っていないことが明記された市のホームページのQRコードのみを記載し、それを見た後に厚労省のホームページのリンクも見られるようにしている。区も同じ対応を取るべきと考えるが見解を問う。

〇はがきはひとりに1回以上出すべきではない。今後の対応を区はどのように考えているか伺う。

A1-4~8保健所長)対象者に対し情報提供を今年度行った経緯ですが、令和2年10月に国からワクチン接種対象者に個別に情報提供するように通知文が出た後、令和2年12月の医療行政連絡会において、杉並医師会から区に対してHPVワクチンの個別情報提供を一刻も早く行うよう要望がありました。また、近隣自治体も年度内に個別情報提供を行う状況を踏まえ、区は急遽令和2年12月中に接種対象である小学6年生から高校1年生に相当する者へはがきで情報提供を行った次第だ。はがきにした理由は、ひとつは経費面で、二つ目は周知内容があくまでも制度周知でありはがきの紙面で十分と判断したためだ。

国が作成したリーフレットについては、現在も積極的な接種勧奨が差し控えられている旨の記載がわかりにくい印象があり使用していない。今後も区民からの相談や予診票を渡す際には、区が独自に作成したリーフレットを用いて、副反応が生じる可能性を含め丁寧に説明していく。12月に区が送付したはがきは近隣区市を参考にし、区民が多くの情報を得られるように区と国のホームページのQRコードを記載した。今後ははがきの紙面を研究し、次年度については新たに対象となる新小学6年生と転入者に送付する予定である。

 

 

第1回定例会一般質問 2021.2.15

杉並区のHPVワクチンに関する情報提供のあり方について

私はHPVクチンの重篤な副反応で多岐にわたる症状に苦しんでいるという女子中学生の保護者から連絡を受け、2013年の予算特別委員会でこの問題を取り上げました。その中学生は2011年10月12歳のときに区内医療機関でワクチン接種を受け、直後から具合が悪くなり、翌日から入院となりその間に様々な症状が出て10日目にはほぼ寝たきりの状態になりました。診察した医師からもHPVワクチン接種による副反応被害であることの診断書を得ていました。保護者からの話を聞き、また医療機関から厚労省への報告の症状の多さを見て信じられない思いでした。報告には、多すぎるので全部は読みませんが、四肢痛、末梢性浮腫、感覚鈍麻、注射による四肢の運動低下、発熱、皮膚変色、疼痛、注射部位刺激感、ワクチンを接種した腕の広汎性腫脹、歩行障害、多汗症、注射部位疼痛、注射部位腫脹、異痛症、浮腫、複視、等とありました。自分の名前がわからなくなるほどの記憶障害、1から10まで数えられない計算障害、手足が勝手に激しく動く不随意運動などの状況にあることをうかがい、それを議会で共有しました。その時のやり取りが新聞などのメディアで報道され、ワクチンによる副反応の被害が初めて明らかになりました。そして全国から同じ症状に苦しむ人の声が届き、2013年3月25日、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が立ち上がることとなり、杉並の被害者家族が代表になりました。ですから、私にとっても杉並区にとってもHPVワクチンの薬害というものは特別にリアルで2度と同じ被害を起こしたくないという強い思いを共有しているものと認識しています。当時の区の担当者は人事異動によって変わっていますが、保健所は変わらずにこの認識を持ち続けているのか、改めて確認します。

その後2013年4月にHPVワクチンは国の法定接種になりましたが、被害が相次いでいる事実を受け、2か月後の6月14日厚労省は積極的な勧奨を差し控えることを勧告する通知を出しました。そこからHPVワクチンの接種率は1%未満となり、副反応の被害もほとんど出なくなりました。しかし国が緊急対策促進事業として接種を行った2010年から2013年3月まで、そして定期接種になってから積極的な勧奨を控える通知が出されるまでの2か月間の間に接種を受けた(子ども)少女たちには多くの副反応被害が出ました。現在、その被害者130名以上が原告となって国と製薬会社を相手に全国で裁判が行われているのが現状です。私はこの裁判の支援にも関わり、できる限り裁判の傍聴にも行っています。

HPVワクチンの被害は日本だけでなく全世界に広がっており、10か国以上でも裁判が行われている状況があります。そんな中、日本では産婦人科医会や医師会を中心に国会議員などがHPVワクチンの積極的な勧奨再開を強く要請する動きがあります。

そのような動きに押され、昨年7月17日、厚労省は厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議にHPVワクチンのリーフレットの改訂案を出し、10月に改訂版のリーフレットが発行されました。私はこの改訂版リーフレットには問題があると考えます。理由は後ほど述べます。

そしてこのリーフレットと共に2020年10月厚労省は「ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の対象者等への周知に関する具体的な対応等について」との通知を出し、対象者に個別に情報提供することを各自治体に求めました。

しかし、HPVワクチンの成分が変わったわけではなく、また薬害の治療法が確立したということもありません。このまま接種を勧め、接種者が増えたら同じ被害が出る可能性があります。ここで確認しますが、積極的勧奨が中止されているのは異例の措置であり、その理由が安全性の問題であることは何ら変わらないということを区はどのように認識しているかうかがいます。

厚労省の10月の通知でも、積極的な勧奨にならないように情報提供することを求める内容になっています。この通知と改訂版のリーフレットが届いたのと同時期に、HPVワクチン薬害の裁判を戦っている原告団及び弁護団から各自治体にHPVワクチンに関する要請書が送られたと聞いていますが、区はそれを受け取っているでしょうか。確認します。

この厚労省通知が出されたことを受け、私は担当課長に区がどのように対応するか確認したところ、課長からは「区には重篤な副反応の被害者が出ている状況で慎重に行う。通知ははがきで来年度から出す。今年度は出さない」とお答えいただきました。その話を聞いて私はとりあえず安堵し、あえて議会での質問をする必要はないと判断しました。ところが、2月1日、中学生の保護者である区民から、こんなはがきが来ましたと「HPV感染症予防ワクチン接種のお知らせ」と題するはがきを渡されました。こういうはがきが来たら、副反応のことを知らない保護者は娘に打たせる人もいると思うと心配されていました。そのはがきは12月付で出されたものでした。被害が出ることを懸念し、今年度は出さないと答えていた区が、1か月後にはがきを出したのはどのような経緯からなのかお聞きします。

ここで先ほど述べたHPVワクチン薬害訴訟全国原告団及び弁護団から杉並区にも送られた要請書の内容を紹介します。

まずは薬害被害者の状況を一部抜粋して紹介します。「積極的勧奨差し控えの理由となったHPVワクチンの副反応は、頭痛、全身疼痛(光過敏、音過敏、嗅覚障害)、激しい生理痛、脱力、筋力低下、不随意運動、歩行障害、重度の倦怠感、集中力低下、学習障害、記憶障害、発熱、月経異常、過呼吸、睡眠障害など、全身に及ぶ多様な副反応が一人の患者に重層的に表れるという特徴を有しています。その治療法は確立しておらず、被害者は現在も副反応症状に苦しんでいます。副反応として専門的な治療を行っている医療機関は全国でもわずかであり、そうした医療機関への遠距離入通院は患者に重い負担となっていますし、そもそも適切な治療を受けられていない人も少なくありません。副反応は日常生活や就学に重大な影響を及ぼし、10代前半で接種した被害者の女性たちは通信制高校への転校、進学や将来の目標を断念といった深刻な被害を受けてきました。そして社会に出る年齢となった今、副反応は就労の重大な障害となっています。このような被害者の存在を決して忘れてはなりません。

次にHPVワクチンの危険性についての指摘です。

副作用被害救済制度における、障害年金の対象となる障害、それは日常生活が著しく制限される程度の障害とされますが、その認定数が、他の定期接種ワクチンの死亡及び障害の認定数の約15倍となっており、さらに定期接種になってからの数字で比較するとその頻度は31,8倍になっています。これは厚労省が出した数字をもとに計算されたものです。このデータからも副反応の重篤性とHPVワクチンの高い気危険性は明らかです。このような危険性が新しいリーフレットからは全く読み取れないことが懸念されています。

要請書からの引用はここまでです。

私も接種から何年も経過しているのに、母親が押す車いすに乗った被害者が「お母さんがいなくなって、ずっと探しています」と言っているのを見て胸がつぶれる思いでした。

ここで質問します。区がリーフレットではなくはがきで情報提供をしたのは適切だと考えますが、はがきを選んだ理由をうかがいます。

このリーフレットは先ほど述べたような深刻な副反応の危険性が伝わるものになっていません。また改定前のリーフレットでは明記されていた、国が積極勧奨を差し控えている事実も記載されていません。協力医療機関が設置されているとありますが、実際には被害者が安心して受信できる医療機関は乏しく、差別的な対応をされる例があとをたちません。補償についても、国が副反応の因果関係を明確に認めていない中で、十分に受けられないケースが多く存在しているのが現状です。一方でリーフレットには子宮頸がんの危険性やHPVワクチンの効果が強調されており、積極的に接種を勧める内容となっていると言わざるをえません。このリーフレットが個別送付されるようなことがあれば接種者が増え、新たな副反応被害者が生み出されることが懸念されます。

今後もこのリーフレットを送付しての情報提供は行わないように求めますが区の見解をうかがいます。

次に区内で送付されたはがきに記載された内容についてうかがいます。「HPV感染症~子宮頸がんとHPVワクチン~に関する情報を各HPでご案内しています」との説明があり厚労省のHPと杉並区のHPのQRコードがついています。それぞれのQRコードを読み込むと、杉並区は「HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症予防ワクチンと子宮頸がん」というページが出てきます。

杉並区の方では一番初めに平成25年度厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会でHPVワクチンの定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされた事実が述べられています。スクロールしていくと厚労省のヒトパピローマウイルス感染症 子宮けいがんとHPVワクチンのページのリンクが出てきます。こちらは適切な情報提供だと思います。

一方厚生労働省HPのQRコードを開くと、ヒトパピローマウイルス感染症の説明として以下の文章が出てきます。「ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。」そして「HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。」との文章があり、リーフレットが見られるようになっています。このページにはHPVワクチンの接種勧奨が中止されているとの記載はどこにも出てきません。そしてリーフレットにもその記載はありません。厚労省HPだけを見ると、この接種が現在安全性の問題で積極的におすすめされていないことを知ることができません。これは危険なことだと思います。武蔵野市では対象者にはがきで情報提供を行っていますが、ワクチン接種の積極的勧奨は行っていないことが明記されている市HPのQRコードのみを記載し、それを見た後に厚労省のHPのリンクも見られるようにしています。区も同じ対応をとるべきと考えますが、見解をうかがいます。

今回区はお知らせを対象となる小学6年生から高校1年生の女子に送りました。効果は証明されていない、そして重篤な副反応の頻度が極めて高いワクチンの個別の情報提供は本来行わないのが最善だと考えます。しかしはがきを出すなら、厚労省は積極勧奨にならないように情報提供することを求めているのですから、一人に一回以上出すべきではありません。今後の対応を区はどのように考えているかうかがいます。

区内の被害者は、一番楽しいはずのティーンエイジャー時期に普通の生活を送れず、治療に多くの時間を費やしてきました。副反応を診察できる医療機関に行きつくまでにいくつもの病院をたらいまわしにされ、医師からの精神的なものだとの言葉に傷ついてきました。保護者が被害者の置かれた状況を訴えると、ワクチンを進めようとする(医師)人たちから反ワクチン派として攻撃を受けることも続いています。しかし、当時、被害者や保護者は区を信頼し、そのお知らせに従ってワクチンを接種したのですから、反ワクチン派であるはずがありません。接種から10年がたち、当時中学生だった女性は通信制の大学を卒業されましたが、まだ体調に波があるため就職はできない状況です。このような被害があったことを、区は決して忘れずに今後も真摯に対応することを求め、一般質問を終わります。

第3回定例会一般質問と答弁 2020.9.11 そね文子

Q1-1-1,2,3,4)〇パリ協定から3年経ち、世界の動き、国の動きに対して杉並区はどのような認識を持っているのか。

〇杉並区環境基本計画の基本目標Ⅰの「低炭素・循環型のまちをつくる」の目標値である、エネルギー消費量や再生可能エネルギー等の目標に対する進捗状況はどうなっているか。

〇来年は環境基本計画の策定年度にあたる。この新たな計画の中で、長期目標に2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを設定し、長期目標達成のための中間目標を定める必要があると思うがいかがか。

〇パリ協定は平均気温上昇を産業革命以前に比べて2°C以内に保ち、1.5°Cに抑える努力をすることなどが目標である。こらからの10年がもっとも大事だとの認識を持って、早く手を打つための目標を設定する必要があると思うが区の考えを問う。

A1-1-1,2,3,4 区長)地球温暖化が進展すると気象災害のリスクは高まると予想される。しかし、社会、経済活動の進展は人間活動の増大につながり、結果として地球環境に大きな負荷をかけ、気候変動等の環境問題として顕在化して私たちの生活に影響を及ぼしている。この間、世界各地において気象災害が発生しており、わが国でも平成30年の西日本豪雨や昨年の台風15号、19号など気候変動の影響が否定できない深刻な気象災害が発生していることから、パリ協定が掲げる世界的な取り組みの必要性が私たちに突きつけられていると感じている。

このような気候変動という課題に対し、次世代が豊かに暮らしていける社会を実現するためにも、基礎自治体である杉並区として、しっかり取り組むことが重要と考えている。こうした考えのもと、この間区立学校等の太陽光発電機器や蓄電池の設置、低炭素化推進機器の導入助成など、温暖化対策を進めてきた。これらの取り組みにより、区内の電力消費量に対する再生可能エネルギー及び家庭燃料電池の発電量の割合は、平成22年度の0.2%から令和元年度は1.6%と着実に上昇するとともに、エネルギー消費量においては、平成22年度比12%削減の目標に対し令和元年度で約15%削減となり、すでに目標を達成している。

これらの取り組みの基盤となる環境基本計画については、令和3年度が秋期となることから、新たな基本構想策定に向けた議論を踏まえながら、令和4年度を始期とする新たな計画として策定する予定だ。気温上昇を2℃以内に抑えるというパリ協定の長期目標から考えれば、今後10年の取り組みは重要である。そのため、計画策定に当たってはこれまでの取り組みを評価・検証するとともに、パリ協定が目指す長期的な目標に留意し、今後の10年を見据えて区として目指すべき目標の設定や新たな取り組みについて検討していく。

Q1-1-5)〇環境基本計画に書かれている地域エネルギービジョンについて今後のCO2削減を強化していくために長期的な目標・ビジョンを明確にして取り組む必要がある。環境基本計画の外に出し、中長期のエネルギービジョンや温室効果ガス削減計画を策定して取り組むことが求められるが区の見解は。

A1-1-5 環境部長)区のエネルギー政策については、現環境基本計画において、環境保全や地球温暖化対策と密接な関係にあることから、今後は環境基本計画kの一部に位置付けて取り組むこととしている。エネルギー政策については、新たな環境基本計画においても重要な要素であると考えるので、どのように整理していくか、策定に向けた作業の中で検討していく。

Q1-1-6) 東京都は「ゼロエミッション東京戦略」を策定した。杉並区もこれと整合を図り、目標を定め環境基本計画策定の際には表記してほしいがいかがか。

A1-1-6 環境部長)区の計画策定に当たり国や都の計画と一定の整合性を図る必要があると考える。都のゼロエミッション東京戦略は市部を含む都全体を対象とした取り組みであることから、これを踏まえ表記などは検討していく。

Q1-1-7)温室効果ガスの排出量のうち、自動車からのCO2排出量が大きな割合を占めることから、区は庁有車に電気自動車など次世代自動車の導入を検討するとしてきたが、進捗状況はいかがか。

A1-1-7 総務部長)公用車の入れ替えの際に、次世代自動車の車種と価格を踏まえて導入の検討を行っており、これまでに職員用貸し出し車や地域安全パトロール車の一部をハイブリット車とした。今後はCO2排出量が少ないクリーンディーゼル車や、急速充電が可能で、災害時に非常電源として利用できる電気自動車の採用についても検討していく。一方で、現在保有している天然ガス車については燃料の補給場所が少ないなどの課題があることから入れ替え後の導入は見送っている。

Q1-1-8) 電気自動車普及のための充電設備を増やすことが必要である。区では助成を行っているが、これにより設置された充電設備の種類と数を問う。

A1-1-8 環境部長)電気自動車充電設備助成については平成28年度から実施しているが、本年8月末時点までの申請件数は累計31件である。いずれも急速充電器ではなく、3件は車から家庭への給電が可能なV2H機器である。

Q1-2-1)原発事故あるいは電力自由化から、新電力会社と契約する自治体が増えているが、当区本庁舎の電力調達は東京電力と随意契約しているがその理由は。

A1-2-1 総務部長)区は災害時に本庁舎が停電した場合に備え、非常用発電機を設置しているが、変電所やケーブル線そのものにトラブルが生じる場合にも備える必要がある。そのため本庁舎の電力供給は、東京電力と2系統の異なる回線で受電できる契約を結び、本線が故障した場合は予備線に切り替えることにより停電時間を極力短時間にするようにしている。

一方平時においては、東京ガスと契約し都市ガスをエネルギー源とするガス・コジェネレーションシステムにより自家発電を行い、本庁舎の使用電力の2割を供給するとともに、発電時の排熱を冷暖房利用することによりエネルギーの省力化を図っている。これらの契約には専門的な知識・技術が求められることからいずれも随意契約としている。

Q1-2-2)〇区では「電力調達に係る環境配慮方針」を定めているが、今後10年間でCO2を半減させていくためにこの基準を引き上げるように見直すべきと考えるが、区の見解は。

〇再生可能エネルギーの調達を進めるためにつながりのある他自治体との連携も視野に入れる必要がある。交流自治体で生産される再生可能エネルギーを購入している区もあり、当区でも検討すべきと考えるがいかがか。

〇自治体は主体的に温暖化対策・エネルギーシフトに取り組むべきである。電力調達は自治体のエネルギー政策や気候変動政策と密接にかかわるので、環境政策の一環として取り組む必要があり、担当部署が連携、関与していくことが望ましいがいかがか。

A1-2-2 環境部長)温暖化対策の取り組みを推進するうえで、環境に配慮して電力を調達することは重要である。そのため区立施設の電力については、施設の規模や用途、災害対応等を勘案し、検討を行ったうえで調達を行っている。電力調達契約評価基準の引き上げについては、国は再生エネルギーの主力電源化を目指していることから、「二酸化炭素排出係数、環境への負荷の低減に関する取り組み状況に関する条件例」の得点例についても、これを踏まえて見直していると認識している。基準の改定に当たっては、当面国が示す例を参考にするが、他自治体の実態も注視しながら研究していく。

また、他自治体が実施している交流自治体からの再生可能エネルギー購入事例は承知している。その実施に向けては相手自治体のエネルギー政策を踏まえた交渉や調達コスト等かだいもあることから今後研究していく。区立施設の電力調達は、区のエネルギー施策や気候変動対策とも関連することから、環境部門所管との連携を一層深めていく。

Q2-1) 柔軟剤の香りなどで健康を害する人がいるが、区はどのように認識しているか。

A2-1 杉並保健所長)柔軟剤や洗剤の香りで体調が悪くなり、辛い思いをしている人が近年増加傾向にあると、国民生活センターの相談内容などから認識している。

Q2-2,3) 〇香りによる健康被害について周知するポスターやパンフレット等を作成して区役所や区立施設で周知してはどうか。

〇特に子どもを香りや化学物質から守るために、保育園や幼稚園、児童館や子育てプラザでのポスター掲示やパンフレット配布を行ってはどうか。

A2-2,3 杉並保健所長)香りや匂いの感じ方には個人差があり、強い匂いへの不快感、化学物質への反応などによる体調不良の病態や発症の仕組みなどには未解明な部分が多い。こうしたことから、ポスターやパンフレットで一様に説明することが難しく、保健センターでは相談の中で個々の状況に応じた対処方法の理解促進に努めている。

また、消費者センターのホームページでは、商品トラブルで寄せられた柔軟剤等の香りに関する相談事例等を紹介している。今後、関係所管で情報共有と連携を図りながら、効果的な周知方法に関して研究していく。

Q2-4,5,6)〇教育委員会の香害への認識を問う。

〇教育委員化には子どもにも分かりやすいパンフレットを作り、学校で配布し授業でも取り上げてほしいがいかがか。

〇匂いで学校に来られない子どもがいることを受け止め、学校で使用するワックスや洗剤、手洗い石けんの見直しを行った事例を他の学校に知らせ、化学物質過敏症の予防となるような指針を作ってほしいがいかがか。

A2-4,5,6 教育次長)香害については、柔軟剤や消臭・除菌剤の人工的な香りに含まれる化学物質により、めまいや吐き気、頭痛などの症状を誘発するものとされ、その反応には個人差が大きいとされている。

学校での取り組みは、校医や学校薬剤師からの医学的見地に基づいた助言を踏まえ、各学校において必要に応じて対応している。香りによる健康上の問題や化学物質過敏症の予防となる指針の策定については、今後も国などから示される情報を収集し、学校現場からの報告などを踏まえて対応を研究していく。

Q2-7) 化学物質過敏症は花粉症と同じように、これまで何ともなかった人が、その人の許容量を超えた化学物質に暴露することによって突然発症する病気です。誰もが発症しうるものということを周知し、すでに化学物質過敏症を発症している生徒が責められ、いじめにあわないような教育的配慮をおこなうことが必要であるがいかがか。

A2-7 教育政策担当部長)化学物質過敏症に悩む児童生徒をはじめ、さまざまな病気を抱える児童生徒が偏見やいじめにあわないよう、病気への理解や配慮、いじめ防止等の指導が必要である。各学校で引き続き、児童生徒の状況に応じた対応と、安全・安心な学校生活が送れるような配慮を進めていく。

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第3回定例会一般質問と答弁 2020.9.11 奥田雅子

Q1)日本栄養士会災害支援チームが「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」を紹介し、区は有益だとの認識を示したが、その後区の施策において何が検討されたのか。救援所では授乳スペースは必須となったか。

A1 危機管理室長)「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」に関する検討状況と震災救援所の授乳スペースに関するお尋ねだが、手引きの中で紹介している液体ミルクについては9月から備蓄を開始したところだ。

また、震災救援所の授乳スペースに関しては、新たに「要配慮者テント」や「ワンタッチ式テント」の配備を進めるなど環境を整えたところだ。

Q2)授乳を支援するという観点から、震災救援所運営連絡会のメンバーの研修や訓練、マニュアルの見直しなどが必要だと考えるが、乳幼児栄養支援の実現に向けて区はどのように取り組んでいくのか。

A2 危機管理室長)震災救援所運営標準マニュアルでは、物資等配給時での女性への配慮については記載しているが、「授乳を支援する」との表記はないので、今後液体ミルクの取り扱いや要配慮者テントの設置等と合わせてマニュアルの見直しを行う。また昨年度、各震災救援所には要配慮者対策や授乳スペース確保のための施設の区割りを重点項目として依頼しているが、見直し後のマニュアルを踏まえた研修や訓練の実施についても、震災救援所会長・所長会などて働きかけていく。

Q3)災害時の妊産婦の栄養摂取について区はどのように考えているのか確認する。

A3 子ども家庭部長)妊産婦については妊娠経過に伴う心身の変化に応じた栄養や水分が必要であり、多くのエネルギーのほかビタミン、ミネラル等の摂取も重要だと認識している。区としては妊産婦と乳幼児が災害時要配慮者であり、きめ細やかな配慮が必要との考えのもと、震災救援所運営標準マニュアルに記載し、状況やニーズに応じて支援していく。

Q4) 災害時の乳幼児親子の支援には助産師との連携が欠かせない。そのため平時からの地域の助産師との連携が重要と考えるが、区ではどのような連携があるか。また災害対策の母子支援の検討に助産師や保健師からの情報提供や意見聴取の機会を設けることは可能か。

A4 子ども家庭部長)平時には区が実施している産後ケア事業において、妊産婦と乳幼児へのきめ細やかな支援があるほか、ゆりかご面接、すこやか赤ちゃん訪問などで、出産に向けての準備や乳幼児の発育・発達の相談や授乳指導などその専門性を生かした支援を連携しながら行っている。また現在妊産婦・乳幼児の避難所について杉並区災害時要配慮者対策連絡協議会の意見を聞きながら検討を行っている。今後の検討にあたって助産師等からの意見聴取の機会を設けることも考えていきたい。

Q5) 液体ミルクの備蓄は検討するとの答弁を得ているが、杉並区では液体ミルクの配布についてはどのようにしていくのか。

A5 危機管理室長)液体ミルクは温度管理が可能な防災課サーバー室のほか、高井戸災害備蓄倉庫、井草災害備蓄倉庫に大型冷蔵庫を設置して備蓄するが、今後備蓄場所は増やす計画だ。配布方法については液体ミルクを必要とする乳幼児が避難する震災救援所に救援隊本隊が搬送し配布することを想定している。

Q6)粉ミルクや液体ミルクの備蓄の消費期限が近づいたものを保育園やパパママ教室で一律配布することはWHOの国際基準に違反となるのではないか。

A6 危機管理室長)賞味期限が近づいた粉ミルクについては区内の保育園で有効活用しており、このことがWHOの国際基準違反には当たらないことは確認している。液体ミルクについては今後賞味期限が近づくものが出てくるが、納入を年5回程度に分けて行う事で期限の近づく備蓄を少量に抑えるとともに、乳児院への寄贈など有効活用策を検討していく。

Q7)災害時の乳幼児の栄養・授乳については内閣府ガイドラインで示されたリーフレットや、乳幼児支援団体のオンライン相談があるが、区はこれらを積極的に活用してほしい。区が妊婦や乳幼児がいる家庭向けに作成している冊子「災害の備え」にこれらの取り組み内容を反映させて普及させてはどうか。

A7 子ども家庭部長)災害時に安心して授乳できるようにするためには、妊産婦や乳幼児の心身の状況やニーズに合った栄養支援や、衛生面に配慮した環境整備に加えて平時からの情報提供が重要と認識している。区作成の冊子「災害の備え」に内閣府ガイドラインで示されたリーフレットや乳幼児支援団体オンライン相談等のアクセス先を掲載するなど、積極的な情報提供に努めていく。

Q8)内閣府ガイドラインには、地域防災計画や避難所運営マニュアル、庁内の防災・危機管理と男女共同参画、福祉部局等との連携地域防災リーダーの育成等について、女性の視点から取り組みを進め、地域の災害対応力強化するようにとされている。防災はあらゆる区民の事情に対応していかなければならないが、区においては防災の庁内横断的な連携をどのようにイメージし取り組んでいくのか。

A8 危機管理室長)防災における女性の視点については、防災会議委員への女性の登用、地域防災計画や震災救援所運営標準マニュアルへ女性への配慮を記載するなど取り組んできた。女性の視点については防災部門だけの対応は困難であり、男女共同参画や福祉部門との連携は必要不可欠と認識している。組織横断的な課題に対しては関係所管との連携を一層深め、協議・検討していく。

Q2-1)東京・生活者ネットワークが実施した「女性の安全・安心自治体調査」の結果を区はどのように受け止めたのか。

A2-1 区民生活部長)本年6月に公表された調査結果は、事前学習会や視察、ヒアリングなどを経て、都内23区25市の48自治体からの回答をさまざまな角度から分析・評価したもの。その中で杉並区は総合ランキングで11位で比較的高い評価だったと受け止めている。その一方で性暴力対策取り組みへの評価が低いとされ、詳細な分析が必要だと考える。

Q2-2)自治体のセクハラ対策は指針を作り職員に周知することが求められている。区ではセクハラ等の防止に関する規定や具体的なハラスメントの内容を示した取扱基準があるがそれらを職員にどのように浸透させているのか。セクハラ防止の研修について、対象や頻度、内容について問う。

A2-2 総務部長)セクハラ防止の職員研修については、平成30年度には管理職、31年度には係長、防止担当者を対象に1回ずつ実施。専門家を講師に招き、ハラスメント全般の知識や具体事例を通した解決方法を学んでいる。その他、メンタルヘルスや管理職昇任前の研修にも組み込みセクハラ防止の意識づけを行っている。区のセクハラ防止に関する指針や規定、基準の周知は各職場に配置した防止担当者が行っているが、今後とも周知徹底を図り職員に浸透させていく。

Q2-3,4)職員の相談窓口は、セクハラ被害当事者の視点がなければ相談しづらい。また、相談、その後の調査、救済の際には誤ったジェンダー観や、セクハラはコミュニケーションとして矮小化するような価値観があってはならない。相談しやすい窓口となるにはハラスメントについて人権意識を伴う専門性が求められるがどのように工夫して取り組んでいるのか。

A2-3,4 総務部長)区では身近な相談先として各職場にセクハラ等防止担当者を配置しており、必要に応じてより専門的な対応のために産業医4名と人事や男女共同参画担当の職員で構成する11名のセクハラ等相談員を配置している。職員からの相談には防止担当者と相談員が連携して対応し、相談者の意向により当事者双方や関係者からの聞き取りを行い、解決に取り組んでいる。

Q2-5,6)この3年間の職場内でのセクハラの相談件数を問う。当区はセクハラについて職員への実態調査を実施していない。相談ができずに我慢している人が多いという現実がある中で、セクハラのない働きやすい職場環境づくりためにみ、周辺の人の証言も含めて実態調査が必要だ。相談がなければセクハラがないわけではない。他自治体の例などを参考にアンケート調査を行ってはどうか。

A2-5,6 総務部長)各職場の防止担当者から相談員に上がってきた件数は平成29年度が3件、30年度が1件、令和元年度が2件です。セクハラの防止や適切な対応のためにはその実態を把握することが必要なので、今後他自治体の取り組み事例などを参考に実態把握を行っていく。

Q2-7,8)人権侵害であるセクハラの防止に向けて、区民への啓発活動が必要だが区の取り組みを問う。今年6月のパワハラ防止法制定と合わせ、男女雇用機会均等法のセクハラ防止対策も強化されたが、事業者に向けた区の対応を問う。

A2-7,8 区民生活部長)区民に対する啓発については、国が設定している男女共同参画週間及び女性に対する暴力をなくす運動期間に合わせ、毎年6月と11月に区役所ロビーでパネル展示や図書類の紹介を行っている。また、男女平等推進センターや区の広報・ホームページで適宜啓発活動を実施している。

事業者への対応としては男女雇用機会均等法の改正を見据え、昨年8月に東京都労働相談情報センターと、区内中小事業者を対象としたハラスメント対策及び労働時間管理等に関するセミナーを開催したほか、産業振興センターにおいて国が作成した法改正に関連するチラシやパンフレットを配布している。

Q2-9,10)区はデートDV啓発のためのカードやミニリーフレットを作成しているがどのように周知・配布を行っているのか。区の実施しているデートDVの出前講座の内容および受講者の反応を問う。

A2-9,10 区民生活部長)デートDVについては主に10代、20代の若者が被害者となっているため、カードやリーフレットは中学校、高校、大学など教育機関のほか、児童青少年センター及び体育施設に広く配布している。また出前講座は高等学校を対象に年2校程度実施している。内容は座学のほか、生徒自身にデートDVを体験するロールプレイ等を行っている。受講した生徒からは「理解が深まった」「相手を尊重する大切さを痛感した」「デートDVをしない、されないよう気をつけたい」などの感想があった。

Q2-11)デートDVは行けないことと生徒の意識の中にきちんと落とし込むことが重要だ。教育活動の中にも生かしてほしいが教育委員会の見解を問う。

A2-11 教育政策担当部長)学校では「自分の大切さと共に他の人の大切さを認める」という人権尊重の理念に基づき、保健体育や家庭科、道徳教育において男女相互の理解や共に協力し尊重しあうことの大切さについて指導してきました。さらに次年度からは、保健体育の教科書にDVという言葉が示され一層指導内容が明確になる。

今年度は中学校でも出前講座を実施するので、取り組み状況を中学校間で共有しさまざまな機会をとらえて生徒を被害者にも加害者にもしないという視点で取り組みを広げ、生徒の心を育んでいきたい。

Q2-12) 男女平等政策を進めるためにはジェンダー主流化が重要なポイントと考えるがいかがか。

A2-12 区民生活部長)「ジェンダー主流化」は1997年の国連経済社会理事会において定義付けられたもので、すべての政策的課題において①男女間の格差を明らかにする ②その格差を縮める、もしくは解消するための戦略を策定する ③戦略を実行するための資源を投入する ④戦略の実施状況をモニタリングし必要な見直しを行う という4つのステップで取り組むことと理解している。本区における男女共同参画の取り組み方針についてはこの考え方のほか、来年度以降に男女共同参画行動計画の次期改定を図る中で、各方面からの意見を聞きながら検討していく。

第3回定例会一般質問  2020.9.11 そね文子

いのち・平和クラブの一員として

  • 杉並区の気候危機対策について
  • 香害対策について

一般質問します。

まずは杉並区の気候危機対策についてです。 

今年7月、豪雨により九州地方が大きな被害を受けたばかりのところ、9月には台風9号、10号が再び九州地方を襲いました。海水温のこれまでにない上昇により、巨大化した台風が常態化しています。

世界的な気候変動の影響によって、これまで経験したことのない猛暑や豪雨、台風の強大化、それに伴う自然災害の発生、熱中症の増加や農作物への被害など、気候変動による影響は誰の目にも明らかです。

2015年にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議COP21において2020年以降の温室効果ガス排出削減などのための新たな国際枠組みであるパリ協定が採択されました。パリ協定は世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5度から2℃未満に抑制することを目的とし、1.5度に抑えるためには2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにすることが必要とされています。しかし現在すでに地球の平均気温は産業革命前と比べて約1度上がってしまっています。

日本はというと、2016年に出した温室効果ガス削減目標、「2030年までに2013年度比で26%削減」が不十分と指摘を受けていたのに、それを据え置いたまま、今年3月末に国連に日本の目標を再提出し、さらに非難を受けました。

 昨年9月、アントニオ・グテレス国連事務総長は、1.5℃を目指して2030年までに温室効果ガスを45%削減、2050年には実質ゼロに、2020年までに新規の石炭火力発電を中止することを各国に呼び掛けました。 

 いま日本に求められる具体的な取り組みは、温室効果ガス削減目標の強化と化石燃料(特に石炭)依存から再生可能エネルギー100%の社会への転換です。

  • 環境基本計画について
  • そこで先ず、パリ協定から5年。このような世界の動き、そして国の動きに対して杉並区はどのような認識を持たれているのか伺います。

ここから杉並区の環境基本計画についてうかがいます。

1-2.環境基本計画の基本目標Ⅰは「低炭素循環型のまちをつくる」とされ、地球温暖化防止のへの取り組みが示されています。現在の目標値は杉並区全体のエネルギー消費量を2010年度比で12%削減する、区内の電力消費量に対する再生可能エネルギー及び家庭用燃料電池による発電量の割合を2%ふやすとされています。一方、2013年6月に策定された杉並区地域エネルギービジョンの目標では2021年度までに2010年度比でエネルギー消費量を10%削減する、再生可能エネルギーの割合を2%にするという目標が掲げられていました。このエネルギー消費量の目標値は2016年度に達成され、目標を12%に上方修正されたことは評価すべきことです。現在の目標値に対する進捗状況はどうなっているのか伺います。

1-3.来年度は環境基本計画の改定作業の年にあたります。今年の東京の8月の平均気温は観測史上最も高く、2.1度高かったと報道がありました。そのような状況で、東京23区では8月に熱中症で死亡した人は統計がある2007年以降で最多の195人との報道があり、2度の上昇がどのように大変なことか、私たちは身をもって体験しました。

環境基本計画の目標値をパリ協定の2050年の長期目標と整合させること、長期目標達成のための中間目標なども定める必要があると思いますが、区の考えを伺います。

1-4.この10年がもっとも大事だとの認識を持って、できる限り早く手を打つための目標を設定する必要があると考えますが、区の考えをうかがいます。

1-5.現在は環境基本計画の中に入れ込まれている地域エネルギービジョンは、当区が他の自治体に先駆けて(東日本大震災後の)2013年に策定したものです。今後、CO2削減を強化していくために、長期的な目標・ビジョンを明確にして取り組んでいく必要があると考えます。基本計画の外に出して中長期のエネルギービジョンや温室効果ガス削減計画を策定して取り組むことが求められていると思いますが区の見解を伺います。

1-6.東京都は2019年12月、気候危機行動宣言を行い、2050年までの気温上昇を1.5度に抑えること、2050年にCO2排出実質ゼロを実現するための具体的取り組みとロードマップ「ゼロエミッション東京戦略」を策定しています。都内の自治体として杉並区もこのゼロエミッション東京戦略と整合を図り、目標を定め、環境基本計画改定の際には表記してほしいと考えますがいかがでしょうか、お聞きします。

次に環境基本計画の目標実現に向けた主な取り組みとして示されている次世代自動車の普及促進について2点うかがいます。

1-7.杉並区の部門別エネルギー消費量では運輸部門の自動車からのCO2排出は約16%と大きな割合を占めることから、区は庁有車に電気自動車など、次世代自動車の導入を検討するとしてきましたが、現在の進捗状況についてうかがいます。

1-8.電気自動車普及のためには充電設備を増やすことが必要です。区は設備設置に助成をおこない普及に努めてきましたが、区が助成を行って設置された充電設備の種類と数についてもうかがいます。

太陽光パネルを設置している人は電気自動車のバッテリーに充電すれば、充電器代わりも使え、CO2削減に貢献し災害時の停電対策にもなります。今後も普及啓発に努めていただきたく要望いたします。

(2)次に小さな項目の2番目、区立施設の電力調達について質問します。

温室効果ガスの排出源を見ると、発電部門が39%、産業部門が27%、運輸部門が16%と大きなシェアを占めており、特に発電部門は最大のCO2排出源です。今求められるのは「原発・火力より再製可能エネルギー」の制度設計であり、いかに再エネに変換していくかが重要だと考えます。

地域で最大の事業所であり、気候危機の最前線にいる自治体の役割と可能性は大きいところから、私ども生活者ネットワークは、FOE Japan、グリーンピース・ジャパンと共に都内62自治体に対して、電力調達の状況に関する調査を行い、杉並区からも回答をいただきました。 その(調査)結果を踏まえ以下質問いたします。

2-1. 2011年の原発事故以降、あるいは電力自由化以降、新電力会社と契約する自治体が増えてきているなか、当区の本庁舎では東京電力、2016年からは東京エナジーパートナーに社名が変わりましたが、東京電力と随意契約で電気を調達している理由についてうかがいます。

2-2.当区では「電力調達に係る環境配慮方針」を定めて、区施設の電力契約を行っています。その評価基準に二酸化炭素排出係数、未利用エネルギーの活用状況、再生可能エネルギー導入状況をあげていますが、再生可能エネルギーの導入状況の最高基準が5%以上までしかありません。世田谷区ではこの再生可能エネルギーの導入状況の最高基準を20%以上、江戸川区は50%以上まで引き上げ、それぞれ配点を高く設定して再生可能エネルギーの導入を図っています。当区の環境基本計画には区立施設における再生可能エネルギーの利用拡大が掲げられています。今後10年間でCO2を半減させていくために当区でもこの基準を引き上げるよう見直すべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

2-4 再生可能エネルギー調達の取り組みを進めるために、つながりのある他自治体との連携も視野に入れる必要があります。例えば、港区や目黒区、世田谷区では交流自治体との地域連携で、その交流自治体で生産される再生可能エネルギーを購入しています。杉並区の交流自治体の南相馬市は電力自給100%を目指し、再生可能エネルギー導入プロジェクトでメガソーラーや風力発電の導入が進められています。杉並区でも購入を検討できないのか、区の見解をうかがいます。

2-5 温室効果ガスの削減のため、事業運営で消費する電力を100%再生可能エネルギーでまかなうことを目標とする「RE100」に取り組む企業が増えています。

東京都は、2019年12月、「ゼロエミッション東京戦略の策定 ~気候危機に立ち向かう行動宣言~」を打ち出し、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化をかかげ、「RE100」をめざしています。世田谷区では本庁舎でRE100を達成、品川区でも区有施設が「RE100」を達成しています。自治体こそ主体的に温暖化対策・エネルギーシフトに取り組むべきと考えます。電力調達は、自治体のエネルギー政策や気候変動政策と密接にかかわるものであり、環境政策の一環として取り組む必要があると考えます。環境担当部署が連携・関与していくことが望ましいと考えますが、区の見解を伺います。

今、気温上昇による危機に対策をうたなければ、私たちの暮らしは成り立たなくなるという非常事態にあると考えています。これを区の最重要課題と認識し、区全体で取り組んでいただくよう強く要望し次の候の質問に移ります。

大きな項目の2番目、区の香害対策について伺います。ここで取り上げるコウガイは香りの害と書く香害です。

2018年10月の決算特別委員会で奥田雅子議員がこの問題を取り上げましたが、私たちの生活環境には多くの化学物質があふれ、化学物質過敏症を発症する人が増え続けており、2009年には厚生労働省が、カルテやレセプトに記載する病名リストに化学物質過敏症を登録しています。最近では柔軟仕上げ剤や消臭除菌剤の香料による健康被害の訴えが相次ぎ、新たな化学物質過敏症として問題になっています。2018年7月に杉並・生活者ネットワークが行ったアンケート調査には、電車、バス、タクシー、公共施設、飲食店、エレベーター、子どもの持ち帰る給食着など様々な場所で洗剤や柔軟剤などの匂いが気になる、その匂いによって鼻づまり、頭痛がおこる、めまいがする、大変困っていて病院を受診しようと考えているなどの様々な声が寄せられました。

柔軟剤には香料を徐々に放出して香りを長持ちさせるためにマイクロカプセルが使用されていますが、カプセルに添加されているイソシアネートは非常に毒性が強く欧米では規制対象の物質です。衣類に付着したマイクロカプセルは空中に飛散し、それを吸い込むことで、化学物質過敏症の症状であるアレルギー反応を起こすと言われています。化学物質過敏症はいったん発症すると、建物の建材に使われる化学物質、無香料の制汗剤や消臭剤、インクや印刷物、殺虫剤や農薬など様々なごく微量の化学物質に反応するようになり、公共交通機関を使えない、学校や職場にいられないなど、その人の人生に深刻な被害をもたらすことになります。

1.そこでまず、香害による健康への影響を区はどのように認識しているかうかがいます。香害については、報道でも取り上げられるようになりましたが、まだ多くの人が認識するにはいたっていません。柔軟剤によって命の危険を感じ、外出できない人がいることを広く社会に知らせることが必要と考えます。

2.人の多く集まる区役所をはじめ地域区民センターなど区立施設へのポスター掲示、パンフレットを作成し、周知してほしいと考えますが区の見解をうかがいます。

3.身体の小さい子どもは大人以上に化学物質の影響を強く受けます。子どもを化学物質から守るため東京都では子どもを基準とした使用規制のガイドラインを設けていますが、区においては、保育園や幼稚園、児童館や子ども子育てプラザなど子どもの居場所でのポスターの掲示、パンフレットの配布を行っていただきたいと思います。区の見解をうかがいます。

生活者ネットワークでは区立施設で使用する洗剤については、水質汚染の視点からも無添加の石けんを使用するよう求めてきましたが、改めて様々な香りが添加された合成洗剤ではなく無添加の石けんを使用することを運営事業者に対して区からも求めるよう要望いたします。

<教育委員会・学校の対応>

生活者ネットワークでは都内自治体の教育委員会に対し2019年9月から12月にかけて、柔軟剤などによる香りの害について学校がどれだけ認識を持ち対策が取られているかを調べるためにアンケートを実施しました。杉並区でも全小中学校から回答をいただきました。

アンケートの結果から、子どもが持ち帰る給食着の匂いで具合が悪くなる保護者がいる、もう卒業したが化学物質過敏症で香に強く反応が出る生徒がいた、インクや柔軟剤のあるところに行くと具合が悪くなるのでPTAには関われないと申し出があったなど学校には様々な声が寄せられていることがわかりました。また、先日は子どもが化学物質過敏症を発症し、学校に通いたくても柔軟剤やシャンプーなど強いにおいが充満する教室にいると具合が悪くなり、教室にいるのは1日2時間が限度という保護者から相談を受けました。保護者は子どもが在籍する中学校で相談をし、具体的な支援について相談中です。

4.そこで先ず教育委員会の香害への認識についてうかがいます。

5.教育委員会には区と連携して子どもにも分かりやすいパンフレットをつくり、学校で配布し、授業でも取り上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうかうかがいます。

6.相談があった生徒は、教科書や印刷物のインク、油性ペン、絵の具、殺虫剤、除草剤、排気ガスなど、様々な化学物質に反応しますが、教室の柔軟剤やシャンプーの匂いがなければもう少し長い時間教室にいられると話しているそうです。教室や学校に充満する匂いで学校に来られないというのは、その子の教育を受ける権利が侵されているということです。学校には生徒や保護者への化学物質過敏症の正しい知識の啓発と香りがついたものの使用の自粛を要請してほしいと依頼しています。

学校でも真摯に受け止め、使用するワックスや洗剤、手洗い石けんの見直しなどをおこなってくれています。しかし化学物質過敏症の人が出てから対応するのではなく、今からすべての学校で同じ対応をしておくことは、学校にかかわるすべての人の化学物質過敏症の予防になりますし、学校がより安全な環境になるということです。現在起こっていることについては、早急な対応が必要なため、個別の学校の対応にならざるを得ませんが、教育委員会でもこのような事例があることを他の学校に周知し、杉並区の学校すべてが化学物質過敏症の予防対策を行うための指針を作ってほしいと考えます。区教委の見解をうかがいます。

7.化学物質過敏症は花粉症と同じように、これまでなんともなかった人が、その人の許容量を超えた化学物質に暴露することによって突然発症する病気です。誰もが発症しうるものということを徹底して周知し、すでに化学物質過敏症を発症している生徒が責められたり、いじめにあわないような教育的配慮を十分に行うことが必要ですが、区教委の考えをうかがいます。

杉並区には化学物質過敏症に実績のあるクリニックがあります。そのような医療の専門家と連携し取組みを進めることも考えていただきたく要望いたします。以上で一般質問を終わります。

第3回定例会一般質問  2020.9.11 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として

  1. 災害時の授乳支援について 2.ハラスメントを許さない職場、地域の実現に向けて  一般質問します。

先ず、 災害時の授乳支援について

乳児の栄養については母乳育児や人工乳との混合、人工乳のみと母親の希望や事情、考え方により人それぞれであり、その選択が尊重されることは大事ではありますが、子どもを主体として見た場合、栄養の確保、免疫力の獲得、情緒の安定、さらに災害時における状況などの視点からどのような栄養法を選択するのかは妊娠期から知識として持っておくことが重要だと考えます。乳幼児栄養については現在、広い視野から国内外でも一定のガイドラインが作られており、国際的な規準としては、ミルクのマーケティングについて、WHOがすでに1981年に採択した「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」があります。乳児用ミルクや哺乳びんの宣伝や販売促進、妊娠中の女性や母親、その家族にむやみやたらと試供品の提供をしてはならないことや保健医療システムは製品の販売促進に利用されてはならないなど、偏った情報とならないように製品を宣伝することを規制し、政府や企業、保健医療システムが守る規準として定められています。日本はこのWHOの国際規準に賛成していますが、国内法制化をしていないため、国際規準の内容を正しく理解していない人が少なくないと言われています。

一方、災害対策の観点では、国連機関や緊急援助活動に取り組むNGOや専門家から構成されるIFE(災害時の乳幼児栄養)コアグループが2017年に発行した『災害時における乳幼児栄養:災害救援スタッフと管理者のための活動の手引き』第3版の日本語訳が2019年3月1日に発行されています。このような世界の動きを受けて、日本国内ではNPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会と母と子の育児支援ネットワークが共同で2019年3月11日に災害時の乳幼児栄養支援に関して「国際ガイドラインに沿った防災対策を」という声明を出しています。

そして、今年5月に内閣府男女共同参画局から災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~(以下、内閣府ガイドライン)が発行されました。その中にも今回取り上げたい、妊産婦や母子に対する目配りや栄養支援によって災害関連死を予防することなどについて明記されています。

このように、この間、災害時における乳幼児の栄養支援に注目が集まっている中で、杉並区ではどのような対策が進められているのかを確認していきたいと思います。

私は先日、乳幼児の栄養のあり方についてのセミナーを受講する機会がありましたが、講師の母と子の育児支援ネットワーク代表の本郷寛子さんによれば、災害時のように極度なストレスがかかると母乳が止まるというのは間違いで、一時的に母乳の出が悪くなることはあっても、吸わせ続けることで再開するようにお母さんの体はできているのだといいます。授乳回数を減らしたり、人工乳の量を増やすと、その分、母乳の生産が減ってしまうということです。母乳にふくまれる免疫物質は災害時に心配な感染症から赤ちゃんを守ってもくれることや調乳の衛生管理や手間もないため、母乳育児をしている場合はできるだけ継続できるように、その気持ちを尊重し・寄り添い・励ますサポートが必要で、安心して授乳できる環境を用意することがとても重要となってきます。そうすることで、人工乳がどうしても必要な人に継続的に十分な量が行き渡ることにもなります。

杉並区の震災救援所管理標準マニュアルには女性の視点が盛り込まれるようになり、救援所での妊産婦への対応も体制が整ってきたことは、昨年の一般質問でも確認しています。しかしながら、赤ちゃんのいるお母さんの現在の栄養法を聞き取ったり、不安な気持ちを聞いたり、母乳の分泌を増やしたい意志があるのかどうかなどの希望に耳を傾け、お母さんに必要な支援につなげていくこと、そのためのアセスメントを丁寧に行うことの意義が救援所運営連絡会メンバーに十分理解されているかといえば、いまだ不十分だと考えます。1昨年の第1回定例会一般質問でも、災害時における授乳支援について取り上げました。その時は日本栄養士会災害支援チームが災害時の乳児の命を守ることを目的にした「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」を紹介し、区は有益だとの認識を示されましたが、その後、区の施策において何か検討がされたのか。救援所では授乳スペースは必須となったか伺います。また、授乳を支援するという観点から、この間の国内外の動きを参考にしながら、震災救援所運営連絡会メンバーの研修や訓練、マニュアルの見直しなどが必要だと考えますが、乳幼児栄養支援の実現に向けて、区はどのように取り組んでいくのか見解を伺います。

①昨年の第1回定例会一般質問でも、災害時における授乳支援について取り上げました。その時は日本栄養士会災害支援チームが災害時の乳児の命を守ることを目的にした「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」を紹介し、区は有益だとの認識を示されましたが、その後、区の施策において何か検討がされたのか。救援所では授乳スペースは必須となったか伺います。

②また、授乳を支援するという観点から、この間の国内外の動きを参考にしながら、震災救援所運営連絡会メンバーの研修や訓練、マニュアルの見直しなどが必要だと考えますが、乳幼児栄養支援の実現に向けて、区はどのように取り組んでいくのか見解を伺います。

③授乳中のお母さんは母乳をつくるためにはいつもより1日に350㎉多くエネルギーが必要とされています。母親が元気でいるためには食事が大事です。ビタミンやミネラルの摂取も重要で、妊婦の場合、流早産のリスク、胎児の成長に必要な神経系の発達にも影響が出る場合があり、食品からの摂取が困難な場合は過剰にならない範囲で栄養機能食品等の利用も必要とあります。災害時の妊産婦の栄養摂取については区はどのように考えているか確認します。

④災害時の乳幼児親子の支援には助産師との連携が欠かせません。そのため、平時からの地域の助産師との連携がとても重要と考えますが区ではどのような連携があるか。また、災害対策の母子支援の検討をする際、助産師や保健師からの情報提供や意見聴取の機会を設けることは可能か伺います。

⓹この間、液体ミルクの活用についても取り上げてきましたが、国内でも生産が可能となり、災害時における活用も前進したと考えます。備蓄の仕方については、今後検討との答弁を得ていました。杉並区では液体ミルクの活用についてどのようにしていくのか確認します。

⑥また、粉ミルクや液体ミルクの備蓄の消費期限が近づいたものを保育園やパパママ学級などで一律配布することは、WHOの国際規準に照らせば違反となると思います。区はどのような対応をしているのか伺います。

⑦内閣府ガイドラインの第3部便利帳のページには授乳アセスメントシートやリーフレット、関連情報が紹介されています。液体ミルクの注意点チェックリストや災害時の赤ちゃんの栄養として、ミルク編と母乳編が両面になっているリーフレット、紙コップでの授乳方法や「どうする?災害時の赤ちゃんの栄養(漫画編)」など平時にも災害時にも役立つツールが具体的に紹介されており、積極的に活用をしていくべきと考えます。また、母と子の育児ネットワークが今年7月に立ち上げた無料の災害時の乳幼児の栄養・授乳支援オンライン相談があります。お母さん対象と支援者対象の2種類があり、赤ちゃんを持つお母さんからのLINEによる相談と乳幼児の栄養・授乳支援に関するオンライン相談となっています。このようなしくみも積極的に活用していくべきと考えます。これらについて子育て中のお母さんの意見を聞くなどして、災害時に必要となるだろう情報や対応について区としてもまとめて準備が必要ではないか。区では妊娠中の方、乳幼児がいる家族向けに知っておきたい!「災害への備え」という冊子を作成していますが、今申し上げたツール類を冊子に反映し、1冊にすべてが収まっているというものにして普及させてはどうか、区の見解をお聞きします。

⑧新型コロナウイルスという新たな感染症の問題もある中で、震災救援所のみならず自宅避難なども視野に入れた対策が求められています。弱い立場にある乳幼児親子の支援のあり方について、議論を深めてほしいと考えます。内閣府のガイドラインのはじめにには、地域防災計画や避難所運営マニュアル等の作成や見直し、庁内の防災・危機管理担当部局と男女共同参画担当部局、福祉部局等との連携、地域防災リーダーの育成等において、女性の視点からの取組みを進め、地域の災害対応力を強化するようにと記載されています。防災はあらゆる区民の事情に対応していかなくてはならない分野だと思いますが、杉並区では防災分野における庁内横断的な連携をどのようにイメージし、取り組んでいくのか最後に確認し、次のテーマに移ります。

次に、ハラスメントを許さない職場、地域の実現に向けて

東京・生活者ネットワークではこれまでもジェンダー問題を政策の柱に据え、学習会や調査活動、政策提言などに取り組んできました。2018年にはジェンダー問題プロジェクトを立ち上げ「東京に暮らす女性たち」のおかれた実態調査を行ったことに続き、昨年2019年には「女性が暮らしやすいまち~安全安心プロジェクト」を立ち上げ、セクシャル・ハラスメント、ドメスティックバイオレンス、性暴力の3つのテーマで調査・研究を行いました。学習会や視察、当事者や支援者からの聞き取りなどを重ねた上で調査項目を作成し、防止対策、相談支援、被害者支援、予防教育、研修などの自治体施策の調査を今年2月に行いました。全32問にわたるアンケートに23区25市から回答を得、杉並区も回答を寄せてくださり、感謝申し上げます。

この間、セクハラや性暴力を許さない声が#MeToo運動として世界的にも広まり、国内でも官僚や首長によるセクハラ問題や性暴力被害に対する司法判断に抗議するフラワーデモなどによって、これまであまり表面化しなかった問題が見えるようになってきました。また、このコロナ禍でのDV被害の増加や子どもの虐待との関連など、女性への暴力について、個人の問題から社会の問題へと意識が変わりつつあります。とは言え、これまでの性差別や慣習としての性別役割分業の問題は根強いものがあり、2019年12月に発表された世界経済フォーラムによる日本のジェンダーギャップ指数は153か国中121位で前年の110位からさらに下げた結果がその実態を表しています。

今回の調査では、生活者ネットワークが施策に期待する値を100とし、点数化した結果、最高でも54点、平均で33.93点となり、まだまだ課題があると考えます。杉並区は点数としては7番目の40点。市区ランキングでは11位でした。調査から見えてきた課題について、今回は主にセクハラと学校におけるDV予防教育に対する取組みについて質問していきます。

①区はこの調査結果をどのように受け止めたか伺います。

②自治体のセクハラ対策は指針を作り職員に周知することが求められています。杉並区ではセクハラ等の防止等に関する規定や具体的なハラスメントの内容を示した取扱基準がありますが、それらを職員全体にどのように浸透させているのか伺います。

③職員の相談窓口では、セクハラ被害当事者の立場の視点がなければ相談しやすくはなりません。相談窓口や受付以降の調査・救済のいずれにも、誤ったジェンダー観やセクハラをコミュニケーションとしかとらえられず、矮小化するような価値観が入らない対応が必要です。客観的判断と同時に、相談しやすい窓口となるよう、ハラスメントについて人権意識を伴う専門性が求められると考えますが、区の見解と実際の取組みの工夫について確認します。

④セクハラ防止の研修について、対象や頻度、内容について伺います。調査では大田区、国立市、西東京市が首長などへの研修を行っていることがわかりました。職員を管理監督する立場から職員向けに行っている研修内容を把握する意味でも区長も研修に参加されることをぜひ検討していただきたいと思います。

⓹ここ3年間の職場内でのセクハラの相談件数についてお聞きします。

⑥当区はセクハラについて職員への実態調査を実施していないとの回答でした。一般的に、セクハラの相談ができずに我慢している人が圧倒的に多いという現実がある中で、セクハラのない、働きやすい職場環境づくりのためにも、周辺の人の証言も含めて実態調査が必要だと考えます。相談がないことイコールセクハラがないわけではないため、すでに実施している自治体の例などを参考にアンケート調査を行ってはいかがか。区の見解をお聞きします。

⑦雇用主として職員に向けた自治体や国家公務員のセクハラ対策はありますが、全ての人を対象とした禁止規定や救済策の根拠となる法律が日本にはありません。深刻な人権侵害となるセクハラについて自治体が対策していることを区民に示すことは、地域社会の意識を変える意味でも重要なことです。セクハラはいけないこととして区民に向けた啓発冊子の作成や配布、講座の開催や区民向け相談などが必要と思われますが、区では具体的にどのような施策を行っているか伺います。

⑧今年の6月のパワハラ防止法スタートと合わせて、男女雇用機会均等法のセクハラ防止対策も強化がされました。事業主はパワハラ対策が義務化とともに、セクハラやマタハラ対策の強化も求められています。中小企業には2022年4月1日以降の義務化まで、猶予期間があるものの、事業者に対して区が働きかけしているようなことはあるのか、お聞きします。

学校におけるDV予防教育について3点伺います。

⑨区はデートDV啓発のためのカードやミニリーフレットを作成しています。リーフはコンパクトにまとまっていてよくできていると思いましたが、このリーフやカードはどのように周知・配布しているのかお聞きします。

⑩デートDVの出前講座の実施は特に中学校での開催に期待したいところですが、この間は高校への出前講座がされていると認識しています。講座の内容、受講した生徒の反応はどうだったかお聞きします。

⑪デートDVはいけないことと生徒の意識の中にきちんと落とし込むことが重要です。今後は教育活動の中にも活かしてほしいが、教育委員会は生徒にどのように浸透していけばよいと考えるか、見解を伺います。

⑫杉並区男女共同参画行動計画の基本理念に「わたしらしく あなたらしく だれもがともに認め支えあいいきいきと輝けるまち すぎなみ」を掲げ、「杉並区男女共同参画都市宣言」に込められた理念を集約・発展させ、全ての人が性別にかかわらず等しく認められ、かけがえのない存在として互いに尊重しあい、自分らしさを発揮して存分に活躍することができる社会づくりを目指すとあります。まったく同感です。男女平等政策をすすめるためにはジェンダー主流化が重要なポイントだと考えますが、区の見解を最後に確認し、私の一般質問を終わります。