第3回定例会代表質問 2022.9.14奥田雅子 

いのち・平和クラブを代表して、岸本聡子新区長の所信表明について質問します。

長引くコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安の影響で食料品や電気料金など、生活必需品の価格は上がり続け、私たちの暮らしを直撃しています。とりわけ、非正規雇用を余儀なくされているひとり親家庭など家計が苦しい人への支援が急がれます。全国的にみると、女性や子どもの自殺が深刻で、2020年の自殺者数は男性が減ったものの、女性は7026人(前年比15.4%増)となり、小中高生の自殺は過去最多の499人。翌年2021年も473人と過去2番目に多い数となっています。誰かに相談できる場が身近にあれば命を落とさずに済んだかもしれません。

気候危機問題では待ったなしの状況で、当区もゼロカーボンシティ宣言を掲げ、2030年カーボンハーフ、2050年実質ゼロを目指すとしており、省エネ・創エネを強化していく必要があります。岸田首相は、脱炭素のためには原発の再稼働をすすめ、老朽原発の延命をさらに行い、原発の新設まで指示する等、原発回帰への姿勢を表明しました。ウクライナのザポリージャ原発が攻撃の対象となり、今もなお、安全の確保が確認できない状況に世界は不安に包まれています。原発の事故の恐ろしさを私たちは福島で経験しています。地震大国の日本でリスクの高い原発の再稼働の前にまだやるべきことがあるはずです。

国民の半数以上が安倍元首相の国葬反対の意思を示し、憲法学者から憲法違反に当たるとの指摘もある中で、国が強行することは民意に反することではないでしょうか。経費も政府の言う16億という金額で本当にできるのか疑問であり、そのうえ旧統一教会との組織的な関わりを本気で究明しようとする意志は見られず、岸田政権に対する不信感を拭えません。

もっと、私たちの暮らしに密着したことに目を向け、人々の幸福度を上げるために税金を使い、政治を機能させてほしいものです。暮らしに一番近いところにある地方自治体が地域の課題を的確に捉え、その解決のために市民と力を合わせ、地方自治力を今こそ発揮していかなくてはならないと思います。

それでは、区長の所信表明の項目に沿って質問してまいります。

まず、

「はじめに」について

・区民や議会、職員との対話を重んじる姿勢はとても重要で共感できます。区長就任後から連日怒涛の毎日が続いていることと思います。庁内各部からのレクチャーや関係機関との面談などを通して、これまで知り得なかった課題を知ることができたとありますが、区長就任前と就任後の気持ちの変化はあったか。岸本区長にとってはゼロベースからの新たな出発であり、改めて区政運営に対する覚悟について伺います。

・選挙公約として掲げた「さとこビジョン」は共感できる部分も多い一方で、これまでの議会での議論を積み上げてきたことを考えると、難しいと思われる部分もありました。区長も現在の計画と矛盾したり衝突したりする場合には、今後どのように進めていくのかの具体的提案が職員よりあったということを書いておられます。特にどのような部分が矛盾、衝突の恐れがあるのかお聞きします。また、今後、どのようにすすめていこうとしているのか確認します。

・30か所を超える区立施設やまちづくりの現場に出向き、状況認識を深めたとありますが、区長が印象に残った場所や取組みについて感想を伺うとともに、これまでの認識が変わったものはあるのか伺います。

・自治基本条例は民主主義における「自治」を育てていくための道具となるべき条例だと認識しています。今年3月には自治基本条例の第6章の規定を踏まえ、長年の議論を経て議会基本条例が制定されました。私たち議員もこれらの条例を使いこなしていかなくてはならないと考えていますが、区長は杉並区の憲法ともいえる自治基本条例に則った区政運営として、区民の区政への参画と協働、区民が区政の情報を知る権利を特に尊重したいと掲げています。例えば、どのような場面、取組みをイメージしているのかお聞きします。

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「プロフィール」について

・プロフィールの紹介、また、区長当選後に出版された「私がつかんだ コモンと民主主義」は興味深く読ませていただき、岸本聡子区長の人となりを垣間見ることもできました。その中で、一般にあまり聞きなれないキーワード「ミュニシパリズム」がありますが、改めてどのような運動論なのかお聞きするとともに、この「ミュニシパリズム」を区長はどのように区政に取り入れていこうとしているのか伺います。

・「区民のための区政を行う」という大きな目標を共有して、対話と協力の組織的な文化をつくりたい、分断と競争を乗り越えたいという思いを語っておられます。「区民のための区政を行う」のは至極当然のことでありますが、その実現のための方法がとても重要だと考えます。区民は様々な思想・考え・要求を持っており、まさに対話と協力がカギになると私も考えますが、言うは易しです。本気でやるとなれば時間とエネルギーのいる取組みとなります。後段の主要政策の分野でも触れられていますが、特にどのような部分で区長の思いを実現させたいと考えておられるのか、お聞きします。

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・重視するテーマと現状認識について

・「気候変動問題と防災」では

1)区長は7月に策定した環境基本計画で2030年までに温室効果ガス排出量を2000年度比で50%削減するカーボンハーフという高い目標が設定されたことを高く評価し、目標達成のためには、社会、経済、都市計画、土地利用、産業構造、の変革がせまられていると述べている区長の認識を確認します。また、この課題に対応するために先進自治体の調査や、区内の事業者や研究者と連携して技術を開発するチームを構築したいとの思いに期待するところですが、具体的に考えていることがあればお示しください。

2)岸田首相がロシアのウクライナ侵攻で原油価格の高騰やエネルギーひっ迫の懸念か ら、原発再稼働や原発の新増設を進めるとの方針転換を示しました。しかし東日本大震災の原発事故後には東京の浄水場から放射性物質が検出され、杉並区にも放射性物質を大量に含む雨が降り注ぎ、今も区役所の地下には数万ベクレルの放射能が検出された芝生の養生シートが保管されているという事実があります。暮らしの安全を守り、原発によらない脱炭素を進めるためには、本庁舎はじめとする区立施設におけるPPSからの電力・再生可能エネルギーの購入をさらに拡大していくことが必要だと考えますが、区長の考えをお聞きします。

・「地域の強固なネットワークを活かす」について

地域のネットワークは長い経過の中でつくられ、勝手に出来上がるものではないと考えており、地域にある大小様々な団体や組織、人を目的意識的につなぐ装置が必要だと考えます。何のためにつながるのか、様々な課題解決を行える態勢をどのように構築していくのか、区長の考えをお聞きします。

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・区政運営の基本姿勢P13

・区長は「基本構想は尊重していかなければならないものと受け止めている」と述べておられます。その上で、総合計画、実行計画は時代の変化に柔軟に対応するために必要に応じて毎年度修正する仕組みがビルトインされているという理由で、今年度は区長就任に伴い、「部分修正を行いたい」と述べています。区長は総合計画・実行計画については異論があるということなのか確認しておきます。今年度は区長の公約に照らし具体的にどのように変えようとしているのかお聞かせください。

さらに、公約の実現を念頭に置き、2024年度の見直しを1年前倒しし、来年度行うと述べています。どこを実現しようと考えているのかお示しください。

・「隠し事のない透明な区政(日本一の情報公開を目指して)」についてです。

1)「さとこビジョン」で掲げた6つの主要な政策分野の最後に、透明性のある区政をと述 べられ、この点は区長の信念と受け止めました。区政の情報を区民の皆さんと幅広く共有していくこと、区政の情報は区民のものとの基本的な姿勢が示されていることは重要だと考えます。日本一の情報公開を目指しての日本一とは、区長の認識では現在の日本一の自治体をどことお考えなのか。参考自治体があればお示しください。

2)区長の考える区政情報の公開とは、具体的にどのような情報を、どのような形でどの範囲までを公開していくのでしょうか。情報公開手続きをしなくても区が積極的に公開することを示しているのかどうか、行政情報の公開できる判断基準について確認します。

3)区の情報公開条例では、「情報の公開を求める区民の権利」と、「区が区政に関し区民に説明する責務」、「情報の公開に関し必要な事項を定めること」、「区民の知る権利 の保障と区民の区政への参加を推進」「地方自治の本旨に即した、公正で開かれた区政の進展を図る」としています。区政情報は区民のものであるという視点は、現在の区条例からはうかがえません。この点を明記する必要があると思いますが、条例改定は視野に入れているものと受け止めてよいのか、また、それはいつ頃とお考えなのかもあわせて確認します。

4)また、特別職以外の一般職の場合、地方公務員法第34条第1項で、守秘義務が課 されています。違反すれば、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処せられることに対し、法律に基づく特別職である区長には守秘義務は課されていません。区長が知り得た情報もすべて区民に公正に知らされるものと受け止めてよいのかどうか、確認します。

5)所信表明の最後のページにある、区長の行動記録の公表についてです。首長がどういう団体や人物とあっているか区民の注目度は高く、これまでは、区長の行動記録の公開を求める情報公開請求は少なくありませんでした。区長は具体的な公表方法について、公務として、いつ・どこで・誰とあったのかの記録はすべて公表するとしています。この点は区長就任の7月11日からすでに「区長の日程表」で公開されていますが、その基準について確認します。

6)区長の行動記録の公表について基本的には賛同できますが、面談する方が公表されることを望まない場合や相手との関係で公開できないものはないのか、確認します。

7)首長は首都直下地震など不測の事態に備え、常に居場所などが情報として管理されています。首長の公務と政務、私的の時間と範囲の境界をどのように区別するお考えかお示しください。

・「財政運営、参加型予算」について

「区民参加型予算」の導入に触れていますが、現在ある協働提案制度とは異なるものなのか。区長が考える「区民参加型予算」とはどのようなものなのか、具体的なイメージをお聞きします。

・「最小の経費で最大の効果」について

そのための方策に民間委託の検証をしていくことなどを例に出されており、その考えには賛同しますが、それ以外の方策としてどのようなことを考えておられるかお聞きします。

・「多様性は杉並区の豊かさと力。区の職員を含め働く人たちとともに」について

1)「多様性」という言葉は、よく国籍や性別、障がい、LGBTQなどに関連すると連想するものですが、区長はここでは「公共の再生」や様々な仕事に従事する人々の働きやすい環境や処遇改善について「多様性」と表現されたと理解しました。ここでいう、「公共の再生」とは具体的にどのようにしたいと考えているのか確認します。

 

2)区長はランチミーティングを主催し意見交換をする場所を作ることや会計年度任用職員も含むなど重要な構想があります。人選や規模をどのようにお考えなのか。無作為に区長が選ばれるのか、職員団体をお考えなのか。いかがでしょうか。

3)ランチミーティングは今年度中に月2回、合計16回主催するとありますが、それは勤務時間扱いなのでしょうか。職員にはそれ以外の1時間または45分の休憩時間を確保できるようにするお考えなのかどうか。また、他の職員に負担を強いることがないようにする必要がありますが、その点は どのようにされるお考えかを確認します。

4)会計年度任用職員の処遇改善を積極的に取り組むとの区長の姿勢は私達も同感で す。具体的にはどのようなことをお考えなのか、お示しください。

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主要な政策P17

・「子どもの視点でこどもの育ちを支えます」について

1)子どもの権利条例を制定する意義は子どもに関するあらゆる施策に子どもの意見が反映され、最善の利益が保障されることを、どの時代においても担保されるということだと考えます。子どもたち自ら権利について話し合う場には児童館の中高生委員会など主体的に活動する子どもたちもぜひ巻き込んでほしいと思います。一方で、大人も含めて子どもの権利を理解していくことも必要であり、子どもも大人も同じテーブルで話し合う場も必要ではないでしょうか。区長の見解を伺います。

2)ヤングケアラー対策については私も幾度か質問にも取り上げてきました。子どもが子どもらしくその時間を過ごすためには、担っているケアを少なくする支援が必要です。国の調査でも自ら助けてと言えない実態が浮かび上がり、子どもが置かれている状況に周りの大人が敏感に反応し、必要なサービスにつなげることが求められています。今年度、区では横断的にヤングケアラー対策に力を入れて取り組まれていると認識しています。ぜひ、その取組みを前にすすめるよう後押ししていただくことを期待するものですが、改めて区長のヤングケアラーに対する思いを確認します。

3)区長が所信表明では触れていない保育について、「子どもの視点で、子どもの育ちを支える」という観点から伺います。

まず、一つは、この間の保育需要に対する区の保育施設の整備で民設民営化に多くを依存してきた状況は国や東京都の財政負担の影響もあり、大きくは国の政策誘導も一因だと私たちは考えています。それにより、民間の認可保育所の数は充足してきた一方、保育の質の向上が課題とされ、区はこの点について真摯に取り組まれてきたと認識しています。区長は保育の在り方についてどのようにお考えでしょうか。また、今後の財政負担などをどのように整理し進めていくお考えでしょうか。

4)2つ目として、私達はとくに保育園や児童施設については、現状以上の民営化や民間委託はやめるべきだと思います。前区長は、行政がそのスキルを持たなければならない必要性から特に今後直営保育園は残す方向を表明していました。すでに民営化が計画され「保育施設利用のご案内」に示されている保育園については、区長はどのようにされるお考えか、確認します。

・「誰もが暮らしやすい地域を目指します」について

1)私ども会派でも数年前から性的マイノリティの方を講師とした学習会を開催したり、当  事者に話を聞く機会を設け、誰もが暮らしやすい杉並区を作るために活動してきました。他の先行自治体の事例を参考により良いパートナーシップ制度を創設することに期待するところですが、改めて区長の考えをお聞きします。

2)移動手段について、移動困難者や交通の空白地域の課題に対しては、どのように 取り組むのか、区長のお考えをお聞きします。

3)施設再編整備について確認します。区長はこの課題を選挙の争点だったとし、計画ありきではなく利用者をはじめ幅広い区民や現場の職員の声を丁寧に聞き、これまでをしっかり検証し今後の進め方について検討するとしています。

例として児童館をあげていますが、区長もいみじくも示すように学童クラブ待機児童が増えている課題があります。施設再編整備計画は老朽化に伴う課題解決だけでなく、利用者のニーズの変化やとりわけ児童館ではキャパシティの問題などから、施設の機能を今後どう拡充していくのか、その見直しの必要性が含まれていると認識しています。学童クラブ待機児童解消を行うためにはどのような対策が必要とお考えでしょうかお答えください。先日、新規開設された「子ども・子育てプラザ善福寺」を見学し、中高生委員会の意見を取り入れた小学生や中高生がいつでも通えるマルチルームが設置されたことを確認しました。そこに至るまでには多くの地域住民が中高生委員会などと一緒になって区と話しあってきた成果で、児童館の再編の在り方のモデルになるのではないかと感じましたが、施設再編整備計画の進め方の検討とは具体的にどのようにされようとしているのか確認します。

4)区長は既存施設の耐震性能を建物の軽量化や耐震補強によって現行法レベルま で向上させることが出来、既存構造躯体の約80%を再利用し、建て替えの60%~70%のコストでできるという手法を示されています。建物の長寿命化については賛成です。杉並区が現在示す区立施設長寿命化方針と比較して何がどのように違うのか、わかりやすくお示しください。

・「対話を大切にしたまちづくり」について

1)聴っくオフ・ミーティングの第1回は「杉並らしい子どもの居場所づくり」をテーマに  開催されました。応募および参加の状況、話し合われた内容について報告いただくとともに、手応えについても区長の見解をお聞きします。また、今後の予定するテーマが決まっていればお聞かせください。

2)阿佐ヶ谷北東まちづくりについて

区長は「阿佐谷北東地区まちづくりは、防災性・安全性の向上など、地域の課題解決のために推進している重要な事業」と述べ、「一定程度理解する」と述べていますが、地域の課題としては小児科をはじめとする多くの診療科を有する河北総合病院はかけがえのない存在であり、この地で建て替えができなければ区外へ移ることになる恐れもあるということでした。この点に関する区長の見解を伺います。病院側と意見交換を行い、進め方について検討するとは、計画の変更を求めるということでしょうか。計画はすでに始まっていますが、具体的にお答えください。

3)都市計画道路について「住民の意見を聞き取り、対話を重ねつつ、検討していく」 区長の姿勢は重要です。補助132号線について計画が発表された際には、沿線に反対の声が多くなかなか進展できませんでした。その後30年かけて沿線住民と話し合い、事業化に至った経緯があります。沿線では建て替えにあたり後退を余儀なくされた方も多く、計画に従って多くの住民が対応してきました。ここで仮に計画を中止するようなことがあれば区が訴えられる可能性もあります。区長は進行中の事業をどのように変えようとお考えかお聞きします。

なお、補助227号線は沿線商店街や高円寺地域との具体的な話あいはまだないにもかかわらず、区が再開発を進めているとの情報が選挙の中で繰り返しなされてきましたが、区長の判断をお聞きします。

また、都施工補助133号線については、地域の現状や緊急の必要性がないことか らわが会派は反対であることを述べておきます。

4)施設使用料の見直しに関しては、「周辺区との均衡も必要」と述べていますが、これ までの施設使用料の設定基準をどのように変えようとしているのか確認します。

5)市民政策研究所について、独自にシンクタンクを持つ意味について区長の見解を 伺います。また、既に独自のシンクタンクをもっている自治体の例があるのかお聞きします。

・「豊かな環境と平和を守り文化を育てる」について

・先日、区民主体で気候市民会議の学習会が開かれ、区長も参加され、私たち会派からも参加しました。気候市民会議とは区民から無作為抽出で参加者を募り、社会の縮図を作って区民が政策提言を行うものと理解しました。これまでその問題に関心がなかった人も含め、問題を自分事として考える人を増やす非常に有効な区民参加の取り組みだと思いましたが、どのように行うのか。具体的な考えがあればお聞かせください。

2)区長は、前田中区長が示した遊休区有地を活用した太陽光発電事業の調査・研究について、遠隔地にある区有地で発電した再生可能エネルギーの利用は国内外へのメッセージ性が高いと評価され、これを前に進めるとしていますが、具体的にどのようにされるお考えかをお聞きします。

・「区民のいのち・くらしを大切に」について

1)住宅政策については、まさに住まいは人権であり、全ての人に住まいの保障をしていくことが必要です。特に住宅確保要配慮者が賃貸住宅に入居しやすくするためには居住支援の仕組みとセットで取り組むことが必要であり、居住支援協議会を機能させていくことが重要だと考えます。

また、国が定める住生活基本計画では世帯人数に応じて健康で文化的な住生活の基本として必要不可欠な住宅の面積に関する水準は単身で25㎡、2人以上の世帯で10㎡×人数+10㎡となっていますが、杉並区内には7㎡の狭小住宅が多く存在しています。健康で文化的な住生活の観点から課題だと感じています。また、増える空き家の利活用がなかなか進まないことも課題と認識しています。区長も幅広い検討を行っていきたいと述べておられますが、具体的にどこでどのような検討を行っていくのか見解を伺がいます。

*居住面積(25㎡):トイレ・浴室・洗面室・玄関含めず

2)認知症対策について区長が示された認知症介護研究・研修センターが主催する認知症フォーラムに私も以前参加し、その後の議会質問にもつなげました。そのフォーラムはその前年2019年の6月に国が認知症施策推進大綱を策定し、そこに認知症とともに希望をもって生きる暮らしと地域をつくるという画期的な考え方が示されたことを受けてのことでしたが、認知症とともに生きる希望宣言や認知症本人大使の創設など、さらには認知症にやさしいまちづくり条例の制定なども視野に入れていくことが必要だと考えています。

区長は現在の区の取組で課題だと感じているところはどこか。また、認知症介護研究・研修センターとの連携によって認知症ケアについての新たな機軸を築くと述べられておられますが、具体的にどのようなことを考えているのかお聞きします。

3)障害者福祉の分野は様々な障害特性がある中で、それぞれの困りごとが違い、一 律の対応ではしきれないという課題があり、1にも2にも当事者の声を聴く姿勢が問われていると思います。ユニバーサルなまちづくりを当たり前にし、地域社会の一員としてその人らしく暮らしていける環境づくりが求められています。庁内横断的なサポート体制の構築が必要だと考えますが、障害者の自立支援や社会参加について区長の考えをもう少し詳しくお聞きしたいと思います。

・「透明性のある区政」について

区長車を廃止し自転車で通勤する姿勢は区民からは好感を持たれています。しかし、公務で他の自治体を訪問したり、国や都との協議で出かける際、また職員とともに動く際に公用車が無ければ無駄な時間や非効率なことがあります。公用車は一定の効率性から必要ではないのか、お考えをお聞きします。

るる質問をしてまいりましたが、

・結びで区長はクリティカルに考えた上で、場合によっては力を合わせ、場合によっては別の方法を提案する、こういう一連の行動が議会でも区役所でも普通に行えるようにしていきたいと述べておられ、実現したいことは大きな変革ではなく、地域経済、働く人を守り、区民を幸せにするための着実な取組を見出し実行していくことだと述べておられます。私たち会派の区民のいのちと暮らし、平和を守り、一人ひとりの人権が尊重される杉並区にしていきたいという思いとの違いはないと考えます。特に、杉並区初の女性区長が誕生し、政策全般にかかわる全ての領域、政策分野にジェンダーの視点を入れていく「ジェンダー主流化」が進むことを大いに期待し、ともにすすめていきたいと考えます。あらゆる分野においても熟議を尽くしながら、より良い形を見つけ出し、しくみにしていくことに、私たち会派も積極的に取り組んでまいる所存だということを最後にお伝えし、代表質問を終わります。

 

 

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