新型コロナワクチンの副反応被害の事実に基づく検証について
Q1.新型コロナワクチンの国の副反応疑い報告について、全件数、重篤の件数、死亡者数について問う。
A1.(杉並保健所長)4月15日発表の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会検討部会の資料によると医療機関からの副反応疑い報告件数は36,876件、うち重篤8,932件、死亡1,646件。製造販売業者からの報告件数は28,289件、うち重篤は記載なし、死亡は2,114件となっている。
Q2.すべてのワクチンの47年間の救済が認められた数が3,636件でそのうち死亡は158件、それに比べて新型コロナワクチン副反応で救済が認められた数が7,354件、そのうち死亡は593件である。たった3年間で認定数は2倍、死亡は約4倍になっている。この事実について区の見解を問う。
A2.(杉並保健所長)新型コロナワクチンはその他すべての定期予防接種の回数に比べ、当区の令和4年度の実績で見ても約2.6倍と多いことや、これまでの定期接種と異なり、6か月以上のすべての年齢層が対象であったことなどが関係している可能性があると考える。
Q3.新型コロナワクチンの区内の副反応疑い件数、重篤の件数、死亡者数を問う。また予算特別委員会で確認した数から増えていればその数を聞く。
A3.(杉並保健所長)5月31日時点の区民の副反応疑い件数は全体で85件、うち重篤は29件、死亡は8件でした。予算特別委員会で報告した2月13日時点より全体で2件増加し、重篤、死亡者は増えていない。
Q4.区は2024年5月「杉並新型コロナ感染症対応記録」を発行したが、この記録の概要、工夫した点、今後これをどのように生かしていくのか考えを問う。
A4.(杉並保健所長)この記録は国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された令和2年1月から、コロナが5類感染症に移行した令和5年5月までの間の区に、都、区における感染者の動向やコロナ対策に関する取り組みなどをまとめたもので、時系列に記載することでその水位が把握できるよう工夫した。今後新たな感染症等の対応を行う際には、この記録を参考に迅速な意思決定や対応を図っていく。
Q5.区の感染症対応記録にはワクチン副反応被害のこと、救済制度所の申告件数、認定数も掲載してほしかった。報告書はWEB発行なので、改めて副反応のページ追加してもらいたい。
A5.(杉並保健所長)本報告者は5月8日に新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当から5類になる約3年半の感染状況に応じた区の取り組みについて、感染症予防対策、地域協体制の強化、ワクチン接種体制整備など分野ごとにまとめたものだ。これらの取り組みの結果や効果については言及していないので、接種後の副反応についても掲載する予定はない。
Q6.区で救済制度の申請を人の具体的な症状はどうだったか。
A6. (杉並保健所長)じんましん、アナフィラキシー、肩関節周囲炎、発熱、急性心筋宴などである。
Q7.ワクチン接種が始まった後の第5派から大きな感染の山が見られ、接種が進むほどに感染が広がったことは事実と考えるが区の見解は。
A7. (杉並保健所長)ウィルスが感染性の高い株に変異したことが大きな要因と考える。
Q8.厚労省に報告されている約2.200名の死亡という大きな被害が出ている。この重大な被害を出しているワクチン接種をいったん中止し、検証することが必要だと考えるが区の見解を問う。
A8. (杉並保健所長)ワクチン接種については国が判断すべきことであり、有効性、安全性についても国の責任で検証されるべき事項であると考える。
Q9.2月16日の国会で原口一博議員が新型コロナワクチンに感染、重篤化予防効果はあるのか質問し、厚労省は現在調べているところだと答弁している。区はこれをどのように受け止めるか。新型インフルエンザ等対策推進会議の意見に対する見解も併せて問う。
A9. (杉並保健所長)先に答弁した通り、推進会議の意見を含めワクチンの有効性、安全性については国の責任において検証されるべき事項であると考える。
Q10.平常時にワクチンの治験環境の整備・拡充・数万人単位の大規模臨床試験が必要、薬事認証プロセスの迅速化と基準整備との記載がある。現在日本の製薬会社の工場が次々と建てられ、薬事承認が迅速化され、国民が安全性未確認のワクチン漬けにされていくことを危惧するが区の見解は。
A10. (杉並保健所長)ワクチンの薬事認証は医薬品医療機器等法に基づき実施されており、治験被験者の人権の保護は確保されている。今回の新型コロナの対応を踏まえ、さらに有効な感染症対策を行うため、より迅速に承認を行う制度として緊急承認制度が創設されましたが、ワクチンの治験環境整備等については国の責任において実施されるべき事項である。
新型インフルエンザ等対策政府行動計画について
Q11.新型インフルエンザ等対策政府行動計画の情報提供・共有・リスクコミュニケーションを見ると、平常時から国が都道府県及び市区町村の福祉部門や教育委員会などと連携して、感染症や公衆衛生について情報提供・共有を行う。また学校教育の現場をはじめ、子どもに対するわかりやすい情報提供・共有を行うとしている。これは自治事務への指示に当たり、自治の侵害ではないか。子どもたちの間により強い同調圧力を生むことを危惧するがいかがか。
A11. (教育委員会事務局次長)当該計画における情報提供等は、これまでと同様に国と地方自治体が連携し感染症に関する情報を共有するものであり、学校現場などに対する国からの指示には当たらないと考える。
Q12. 5月13日の参議院行政監視委員会での議員の質疑の中で、ワクチン担当大臣の「ワクチンにより亡くなった人は誰もいない」との発言が取り上げられ、多くの人が予防接種健康被害救済制度に申請しておりワクチンに起因して亡くなった人がいるのは事実だと述べた。後から振り返ると大臣が誤情報を流していたことになり、多くの国民がこのことを知ることからパブコメに多くの意見が寄せられたと考えるが区の見解を問う。
A12.(危機管理室長)パブリックコメントには約19万件の意見が寄せられたと聞いており、国民の関心が高かったことがうかがえますが、意見の内容は明らかになっておらず、件数が多かった具体的な理由について見解を述べることは困難である。
Q13. 初期時に「偏見・差別などの偽・誤情報への対策として、国はSNS等のプラットホーム事業者が行う取り組みに対して必要な要請や協力等を行う」とある。これは発信されている情報を消すということで、政府に都合が悪い事実が消され、必要な情報が得られなくなること、また政府に都合の悪い発言を恣意的に取り締まることに法的根拠を与えることになると危惧するが区の見解は。
A13. (危機管理室長)不適切で誤った情報が流布されることで国民生活に混乱が生じることのないよう、国が適切に対処することは人権を守る上でも極めて重要だ。しかしこれが恣意的に運用されることはあってはならず、この点を踏まえ国には国民の理解が得られるよう、その時点で得られた科学的知見に基づく確かな情報をいち早く正確に提供することに努めてもらいたいと考える。
Q14. 地方自治法の改正と呼応するように、国が自治体に指示を出し、言論を封殺し、新薬開発のためのモルモットにするような計画に、多くの国民が危機感を持ち連休中にもかかわらず多くのパブリックコメントを寄せた。区としても区民の命を守る立場でこの行動計画に対して他の自治体の首長とタッグを組んで計画改定の見直しを求めてほしいが区の見解は。
A14. (危機管理室長)国に対して行動計画改定の見直しを求めることについては現時点では考えていない。パブリックコメントを踏まえた国の計画改定の動きを注視していく。
多文化共生の推進について
Q15.「多文化共生基本方針」について策定にいたった背景と目的を確認したい。
A15. (文化・スポーツ担当部長)国は、外国人住民の増加や多国籍化などの社会経済環境の変化に対応するため、令和2年に「地域における多文化共生推進プラン」を改訂し、地方公共団体に多文化共生の取り組みを推進するよう求めている。区としてはこれまでもすぎなみ交流協会と連携して外国人相談窓口の設置、子ども日本語教室の実施など外国人支援に取り組んできたが、こうした取り組みをさらに推進し、マイノリティである外国人等を含め誰もがいきいきと暮らし地域社会が活性化できるよう、国の動向も踏まえ区の基本的な考え方tp取り組みの方向性を示す「杉並区多文化共生基本方針」を策定することとした。
Q16.方針策定のために設置した多文化共生推進懇談会に、より広く区民の意見を取り入れるためには公募区民をいれたほうがよかったとかんがえるが、今回そうしなかったのはなぜか。また今後どのように区民の意見を聴こうとしているのか。
A16. (文化・スポーツ担当部長)同懇談会は在住外国人支援や多文化共生しゃかいについて専門的な見地や当事者の視点から意見や助言を聞く場として設置した。そのため多文化共生等に知見のある学識経験者をはじめ、当事者である在住外国人、地域の事情に明るい町会連合会から推薦された区民等の校正となった。一方広く区民の意見を聞くために、無作為抽出による4千人へのアンケートや多文化共生の推進のとり組む団体へのヒアリングに加え、パブリックコメントとは別に方針案を策定する前段階で広報等を通じて意見を募集する。こうして集まった意見を踏まえて、文化・交流課が主体となり多文化共生基本方針を策定していくが、そのプロセスにおいては組織横断的に会議を開催するなど全庁で共有を図っていく。また人権擁護に取り組む関係各課の連絡会議や子どもの居場所づくりを検討する会議の場も通じて多くの部署と連携していく。
Q.17 5月25日に実施した「聴っくオフ・ミーティング」には区長も参加したとのことだが、どのような人が参加し、どのような話し合いが行われたのか、基本方針を策定するに当たっての区民の声を聞く機会として捉えられているのか、区長の感想と併せて問う。
A.17 (区長)ミーティング参加者は無作為抽出した区民と広報すぎなみを見て応募した人、区内在住の外国人です。ディスカッションでは、外国人から日本で暮らしていくには「こころ」「言葉」「制度」の3つの壁が存在するという話があり、日本人、外国人が地域で共にいきいきと暮らしていくためにはどうしたら良いかアイデアを出し合いました。参加者からは「食をテーマに、誰でも立ち寄れるダイニングを作ったらどうか」「私たちは無意識に偏見を持っていることを常に意識したい」という意見があった。今回のミーティングでいただいた意見は方針の策定に生かしていく。感想だが、私自身が外国で苦労して暮らしてきたことを思い出した。外国人が日本語でワークショップに参加するのがどれだけ大変なことかよくわかります。外国に暮らす中で、その社会が私のことを歓迎していると感じられたときは本当に嬉しかったことも思い出しました。この取り組みを進めていく中では日本人がやさしい日本語を書いたり話したりする練習も必要だと思いました。マイノリティである外国人と地域社会のみなさんと一緒に、人権の尊重を前提に誰もがいきいきと暮らせる杉並をめざして多文化共生の取り組みを進めていく思いを強くした。
Q18. 区では子どもの権利擁護に関して取り組みを進めているところだが、子ども日本語教室においても子どもの権利に沿った運営がなされていくべきと考える。また子どもの権利については子どもが学ぶことはもちろん、そこに関わる大人が学ぶことは更に重要である。子ども日本語教室の運営にかかわる大人が子どもの権利について学習する機会を持つことが必要と考えるが、区の見解は。
A18.(文化・スポーツ担当部長)子どもがかかわる教室である以上、当然ながら子どもの権利に沿った運営となるよう取り組んでいく所存であり、教室に関わる大人が子どもの権利について学習する機会をつくっていく。
Q19. 子ども日本後教室に通う子どもの保護者を対象として相談会が始まっているが、どのような相談があるのか、そこから見えてきた外国人のニーズはどのようなものか。
A19. (文化・スポーツ担当部長)子ども日本語教室では、月に2回保護者を対象に相談会を開催している。相談会では、「子どもが何を勉強しているのかわからない」「学校の手紙が読めない」という困りごとや、「ボランティアや他の保護者と話せてよかった」という交流を求めるこえがあがっており、在住外国人が気軽に相談できる場や交流できる場を欲していることがわかった。
Q20.多文化キッズサロンの場所探しに力を入れていると思うが進捗状況はいかがか。多文化キッズサロンでは、学習支援・相談・交流・居場所などがあげられているが、現在子ども日本語教室で学習支援を行っているボランティアは交流を担う協働のパートナーになると考えるが区の見解は。
A20. (文化・スポーツ担当部長)多文化キッズサロンの実施場所については、施設マネジメント部門とも情報を共有し、民間施設を含め候補地の検討を進めている。子ども日本語教室の運営を支えるボランティアは、日本語の学習支援にとどまらず、区内大学と連携して日本の季節や伝統を学べる行事を企画するなど、地域との交流にも大きな役割を担ってもらっているので、多文化キッズサロンにおいても強力なパートナーになり得ると認識している。
Q21. 外国にルーツのある外国籍や日本語のコミュニケーションが難しい日本国籍の子どもの小中学校の在籍数、国籍などを確認したい。またその子どもが在籍している学校の数を問う。
A21. (教育政策担当部長)外国籍の子どもは本年5月1日現在、区立小学校40校に261名が在籍している。国籍は中国136名、ネパール52名、ベトナム13名その他60名である。区立中学校21校に72名が在籍し、中国26名、ネパール24名、韓国5名その他17名である。外国から帰国し日本語指導が必要な日本国籍の子どもは区立小学校に8名、区立中学校に4名在籍している。
Q22. 子どもへのさまざまな支援が必要だが、どのようなメニューがあるのか。
A22. (教育政策担当部長)支援の方法としては、指導者が学校を訪問して一人当たり120時間実施する日本語指導がある。また、小中学校それぞれの希望者を対象とした子ども日本語教室がある。さらに外国籍の新入生の保護者に対し、入学前に日本語に加え中国語、ハングル、英語、ネパール語で作成した就学手続きの案内を送るとともに、就学先不明の外国籍の子どもの保護者に就学先調査と就学方法の周知を行い、外国籍の児童生徒の就学機会の確保を図っている。その他学校からの申請により、教育委員会からAI翻訳機の貸し出しも行っている。
Q23. 杉並区交流協会に通訳ボランティアを依頼する場合は誰が派遣を頼むのか。通訳ボランティア派遣の周知が必要ではないか。
A23. (教育政策担当部長)学校から交流協会には管理職が依頼する。本制度の周知については交流協会とも連携し、校長会や副校長会などで情報を伝えていきたい。
Q24. 通訳ボランティアの費用は気兼ねなく使えるように確保されているのか。費用の確保、どこからそれを支出するのかを明確化しどの学校でも使いやすくする環境整備が必要だがいかがか。
A24. (教育政策担当部長)保護者面談等で通訳ボランティアの派遣実績があるが、各学校が自校に配当されている学校サポータ予算で対応している。学校サポータ―予算は本来地域の人々が技能や知識、経験を生かしてキャリア教育や防災教育など、子どもたちの学びを豊かに展開することを目的にしているため、今後通訳ボランティアの費用確保を含め必要なときにボランティアが派遣できるように関係課で協議していく。
Q25.保護者に日本の学校を説明することが必要だと考える。多言語でそれを説明する冊子などがあればいいが、区の見解は。
A25. (教育政策担当部長)東京都教育委員会が作成した、日本の学校で楽しく学ぶためのデジタル資料がある。小中学校での授業や日常生活の様子、持ち物や日本の学校の習慣などが動画で紹介され、オンラインで視聴できる。英語、中国語を含め5か国の言語で作成され、日本語の字幕を表示する機能もある。このデジタル資料を活用したい。
Q26. 高校受験や進学に当たって外国ルーツの子どもの支援を行っているボランティアの手の届かないところはどうなっているか。十分なサポート体制をつくってほしいと考える。また、高校受験と進学について多言語で冊子を作り、制度や手続きがわかる情報提供をしてほしいがいかがか。
A26. (教育政策担当部長)進学指導を行うのは学級担任など学校教員の役割だ。日本語指導を必要とする子どもは年々増加しており、日本語指導や子ども日本語教室の指導者と連携しながら情報提供を進めていく。さらに都立高校への入学を希望する子どもたちには、英語、中国語、韓国語、朝鮮語で作られた冊子があり各学校を通して配布している。加えて、先に述べた東京都のデジタル資料には高等学校版もあり、中学生の進学指導も目的の一つとしているので活用していく。
Q27.日本語の取り出し授業の指導者は退職した先生が支援を行うことが多いと聞いたが、日本語教育についてはどうなのか。研修の機会が必要ではないかと考えるが区の見解は。
A27. (教育政策担当部長)令和3年度から大学教授や区の子ども日本語支援総括コーディネーター等の専門家を講師として、年1回指導者向けの研修を実施している。引き続き指導力向上を図るため、学校の長期休業中を中心に研修を実施していく。
Q28. 保育園でも通訳ボランティアが必要になることがあると考えるが実績がない。どのように対処されているのか。外国ルーツの保護者が困っていることはないか。調査と制度の周知が必要だと思うがいかがか。
A28.(子ども家庭部長)保育園での保護者対応ですが、日本語がわからない保護者に対しては入園のしおりや園だよりをひらがなやローマ字で表記したり、漢字にルビを振ったりするなどの対応をしている。保護者が入園の説明等を聞く際には、日本語がわかる家族や知人と一緒に来るほか、いわゆる翻訳アプリを使用するケースが多くなっている。私立保育園においても同じ対応を行っていると聞いている。これまで入園の説明等において言葉が通じないことで困ったという声はあがっていないが、保護者が安心して子どもを保育園に預けられるよう各家庭の事情等を聞きながら対応を行っていく。なお、保育園への調査と通訳ボランティアの周知については保育所等との連絡会を通じて行っていく。