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第1回定例会 予算特別委員会まとめの意見 2014.3.17 そね文子
予算特別委員会の最終日にあたり、区議会生活者ネットワークの意見を申し述べます。
今回の予算特別委員会では、2014年度各会計予算案の他に11本の関連議案が同時に付託されました。限られた時間内で十分に質疑ができませんでしたので、以下、時間の制約により述べられなかったことを中心に申し上げます。
東日本大震災から3年がたちましたが、東京電力福島第一原発事故の収束は遠く、故郷を奪われたままの人たちは依然として14万人を数えます。多くの国民が「原発ゼロ」を望むなか、安倍政権は新しいエネルギー基本計画で、原発を重要なベース電源と位置づけ再稼動に向かって動いています。先月行われた都知事選挙でも、脱原発知事の誕生に期待しましたが残念な結果に終わり、人々の暮らしを大事にしない現政権の暴走はさらに速度を増しています。だからこそ区民のいのちと暮らしを守る基礎自治体の役割はますます重要になっていると言えるでしょう。私たちは、都知事選を機に掘り起こされた脱原発の民意が区政にも生かされるよう、知恵を働かせていきたいと思います。
国の経済状況は、昨年のアベノミクスの「第一の矢」として、過去最大の金融緩和と円安への誘導により、大企業の業績が回復し、富裕層を中心に消費が上向いてきました。しかし、ここに来て、世界的な情勢は、緊迫化するウクライナ情勢、中国の「影の銀行」問題からくる大幅な株安、円高の流れがあります。国内では、「第二の矢」である新成長戦略に具体性が見られないなか、4月から始まる消費税増税に伴う「駆け込み需要」の反動など、複合的に重なるリスク要因が日本経済に影を落としています。生活保護費の切り下げ、雇用が不安定な若者の増加や子どもの貧困の連鎖などの一層の深刻化が懸念され、弱者の救済は急務です。
一方、当区の財政状況を見ますと基金残高が年々減少してきており、来年度予算案でもその傾向がさらに顕著になっています。今後、10年、20年後の区立施設の老朽化とその改修費、維持費を考えた時、基本構想に示された施設再編整備計画づくりに着手されたことは、当然なことだと受け止めています。
最初に、施設再編整備計画について申し上げます。区は、昨年9月の素案(中間のまとめ)から計画案に至るまで、児童館やゆうゆう館の利用者、施設の関係者、施設のある地域の町会などを対象に、延べ160回以上の説明会を開いて来られたことは、一定の評価をするものです。しかし、素案(中間のまとめ)を公表する前に、なぜ実際の施設の利用者、関係者の声を聞かなかったのでしょうか。区民が主体的に取り組む施設再編の形にできなかったことが残念です。今後、具体的な施設の配置について、地域住民と対話型で進めていくと区からお答えいただいています。区と区民との協働の取り組みに期待します。
防災に関連して2点申し上げます。首都直下地震に備え、区は狭あい道路拡幅整備に取り組んでおられます。今年度に続き来年度も、拡幅整備目標を8,000mとする狭あい道路の解消に力を入れた予算が組まれました。2項道路に接しているお宅が、家の建て替え時に塀を後退しなければならないことをご存じでも、塀だけを改修する場合も後退要件の1つになっていることはあまり知られていません。区の職員は目標達成に向けて一所懸命になるあまり、所有者への説明が専門用語の羅列になっていないか、熱心さのあまり強い口調になっていないか、など振り返りながら進めていただくことをお願いいたします。
また、戸別訪問をしてお留守だった方用に、2項道路に面した家屋や塀などを改修、補修・補強する場合は必ず役所の担当係に相談することが、「読めばわかる」「見ればわかる」パンフレットの作成を求めます。生け垣助成の申請でみどり公園課に相談があった場合には、道路のチェックもしくは担当所管につなぐなど、庁内の連携をもって臨んでいただくことをお願いします。
2点目は、大震災が起きた場合、被災後の復興に向けた備えである「地域復興協議会の設立」についてです。早稲田大学都市・地域研究所の阿部俊彦氏は、東日本大震災後のまちづくりがなかなか進まない理由の1つに、復興に向けて市民の準備がないことを指摘し、被災後に立ち上がるための訓練が大事である、と述べておられます。地域で活動するNPO、町会、自治会、社協、民生委員、企業などで活動する方たちが、自分たちにできること、また期待されていることを確認するため、顔を合わせるもので、取り立てて特別なことを行うものではありません。当区でも、区内3地域をモデルにしてすでに始まっている「地域懇談会」がこの「地域復興協議会」の役割を担えると考えます。NPO支援センターや社協が企画しても良いでしょう。復興への準備を視野に入れ、危機管理の所管に加え、区民生活部、福祉部などとも連携してその体制づくりへの歩みを進めることに期待します。
福祉に関連して申し上げます。
在宅重症心身障害児レスパイト訪問看護事業、保育対応型児童発達支援事業所設置助成の予算が新規に計上されました。片時も気を抜けない介護を担う家族に代わって看護士が子どもを見てくれれば家族は安心して休養をとれます。それは命の洗濯の時間となるでしょう。潜在するニーズを考え、障がい児を抱えた家族の就労のための保育対応型児童発達支援事業所開設にむけた動きは、保護者を元気付けることと思います。どちらも当事者に寄り添った先進的な取り組と高く評価し、今後の展開に期待します。
子宮頸がんワクチンにより、副反応被害を受けた中学生に対し、区が独自の救済制度をつくると発表してから1年が過ぎました。中学1年の10月に接種を受けた中学生はいまだに数々の症状により、学校に通うことができない状況ですが、救済のないまま、4月から高校生になると医療費無料の適用もなくなります。区は「子宮頸がん予防ワクチン接種による健康被害専門家会議」を設置しましたが、国の副反応検討部会の結論を待つだけの姿勢です。この部会の専門家は、半数が製薬会社からの寄付を受け取っています。多岐に渡る症状には目を向けず、全身に出る痛みを心身の反応と結論付けようとするなどの議論は被害者にとってはまったく納得がいかないものです。
杉並の被害者は接種直後から症状が出て即日入院しており、主治医もワクチンとの因果関係を認めています。
区が「中学入学お祝いワクチン」として始めた事業です。区民を守るための判断を強く求めます。
さて、政府は2010年度の子どもの貧困率が15.7%になったと発表しました。さらにひとり親家庭の子どもの貧困率は50.8%です。6人に1人の子どもが、ひとり親家庭の2人に1人の子どもが衣食住に困っているということです。未来を担う子どもたちが等しく安心して生活し、教育を受けること、子どもの貧困の解決を図ることは国の最重要政策だと考えますが、日本はその対策が遅れているといわざるを得ません。
昨年の8月に行われた生活保護費の切り下げにより、杉並区内では、約250名の子どもが就学援助を受けられなくなったのではないかとのご答弁がありました。これを踏まえ、小学校における教材費の公費負担と中学校の修学旅行費の保護者負担軽減策を新たに打ち出したことは高く評価するものです。
生活保護世帯の中学3年生への学習塾代の助成でも成果が上がっているとのことを嬉しく思いました。どの子どもも等しく教育を受けられる機会が保障されることに今後も力強く取り組んでくださるようお願いいたします。
学校給食、今回は牛乳に限定して伺いました。アレルギーではないけれど、様々な健康に対する考えから牛乳を飲ませない方針の家庭が一定数あることを申し上げました。はじめから飲まないと申し出ている子どもの牛乳が発注され廃棄されている。環境配慮と食育の観点から、学校という場で毎日大量の牛乳を廃棄することに疑問を感じ問題提起させて頂きました。区教委にはぜひ受け止めていただきますよう、お願いいたします。
続けて教育に関して、部活動活性化モデル事業について申し上げます。この事業は、中学校部活動の活性化を図ることを目的に、顧問教員などの指導者不足の学校へ、教育委員会が指導者を派遣するもので、昨年9月から、スタートした3年間のモデル事業です。昨年12月に行ったアンケートでは、技術力の高いコーチに教えてもらえて上手になった、部活動が楽しい、との記述が見られ、おおむね良好だと思われます。ただ、子どもから大人に向かい心も体も大きく変化するこの時期に、どういう大人に出会うかはその後の彼らの人生に大きな影響を与えます。指導者として技術面だけでなく、指導力や人間性についても見落とせません。1年間に複数回のアンケートをとることや、モデル事業を行っている9校の学校支援本部の方たちとの情報共有の場も必要ではないでしょうか。ご検討ください。
次に可燃ごみの減量について申し上げます。可燃ごみを減らす決め手になるのが4割を占める生ゴミであり、その最適な装置がコンポストだと思います。私もコンポストを愛用していますので、家庭から生ごみは出していません。コンポストをPRするために、全戸配布されるゴミ収集カレンダーに、いろいろなコンポストの写真と使っている人の声を掲載されてはいかがでしょうか。保育園や学校での取り組みを進め、土にかえる資源だということを子どもたちに教えていただきますようお願いいたします。
第1回定例会一般質問 2014.02.18 市橋綾子
私は、生活者ネットワークの一員として、1.杉並のめざす「協働」について、2.将来の区営墓地の展望について 質問します。
まず杉並のめざす「協働」について伺います。
このたび、「予算編成方針とその概要」を伺い、区長に就任されてからの3年半の取組みについて、私どもの政策に照らしながら振り返らせていただきました。区長が掲げられた3つの公約のうち、10年ビジョンとなる基本構想そして総合計画の策定と、杉並版事業仕分けを実施されたこと、と2つの公約の実現について述べておられましたが、もう一つの公約、「新しい公共の発想で協働計画を策定する」については、残念ながら区長から伺うことができませんでした。「協働」は、これまで生活者ネットワークが一貫して取り組んできた政策であり、地域の活動を実践してきた立場から、区の取り組みを私どもは評価しております。その点をうかがう意味も込めて、区立施設再編に関係して4点、「協働の取組方針」から3点伺います。
区長は、公約の1つ「10年ビジョンとなる『基本構想』」を2012年3月に策定し、この実現のために、「参加と協働による地域社会づくり」と「持続可能な行財政運営の推進」、そして「区民と共に実現していく」とされたことは、区政のリーダーとなられた区長の力強い決意の表われだと、私どもは賛意を示してきたところです。
しかし、いま区が最重要課題として取り組んでおられる、市民生活に大きな影響がある「区立施設再編整備計画」の素案づくりにおいて、「参加と協働」はどこにいったのでしょうか。一昨年の2012年10月に行われた区民アンケートと、同年12月の無作為抽出による区民意見交換会を指して「参加と協働」とされるのでしたら、それはあまりにもご認識不足です。基本構想には「参加と協働」は区民とのコミュニケーションによって支えられる、としていますが、素案づくりにおいて区民とのコミュニケーションが不十分であったことを指摘したいと思います。昨年9月の「素案」発表後、多くの区民から驚きと戸惑いの声があがり、区が行った説明会では設定した時間内に収まりきれないほどの質問が出されました。また、議会には陳情が複数出されています。これらの区民の反応を区はどうとらえておられるのか、1点目としてうかがいます。
昨年12月15日、無作為抽出による区民意見交換会が行われ、見学させていただきました。参加者は27名と決して多くはありませんでしたが、一所懸命に与えられた課題に取り組んでいらっしゃいました。ただ、当然ながら施設を利用したことがある人と利用したことがない人では関心の持ち方が違いました。施設再編の問題は、財政問題という現実的な課題と、少子高齢化に立ち向かう地域社会づくりの中で、「参加と協働」のもと、区民の生活を守り、その多様な活動を保障していくという二つの課題を、如何にバランスよく解決していくのか、ということだと思います。そういう意味では、進めていくプロセスに市民がかかわることへの視点が欠けていたのではないでしょうか。
全国的に行われている、また行われようとしている公共施設の見直しは、方針やビジョンといった「総論」から入るやり方と、当区のように個別施設ごとに提起する「各論」から入るやり方があるようです。昨年10月、多摩市が策定した「公共施設の見直し方針と行動プログラム(最終案)」は、個別施設ごとの提起がされ、当区と同じように市民へのアンケートや説明会が実施されていますが、その他にテーマ別討論会、施設活用のワークショップを開催して市民の声を拾う、また市民意識の醸成のための講演会を開催し、1年以上もかけて最終案が策定されています。公園づくりと比較するのは乱暴かもしれませんが、当区の公園づくりは、たとえば済美公園やいま取り組んでおられる(仮称)下高井戸公園など、どのような公園にするのかを決める時期に、関心ある方たちの意見をワークショップ方式で聞きとり、設計に反映させていく方法で行われています。自治基本条例を持つ当区において、また基本構想で「参加と協働」「区民とのコミュニケーション」を標榜する区は、9月に発表された「素案」づくりに際し、施設のある地域の実際の当事者である利用者を含め、当該施設の関係者の方々の声を聞きとるべきだったと考えますが、2点目の質問として区のご見解を伺います。
3点目の質問は、「あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との交換」についてです。「あんさんぶる荻窪」は、当時、区民の皆さんの参加で「複合施設をつくる会」をつくり、市民と区が丁寧に議論を重ねてつくった施設です。税務署と交換するにしても、その発表前に、先ほど申し上げた利用者、施設関係者に説明をすべきでしたし、発表直後にでも説明がされるべきだったのではないでしょうか。区のご見解を伺います。
4点目の質問です。現在、施設再編整備の「素案」から1段階進んだ「計画案」となりましたが、これから決める部分がまだ多くあります。全員協議会で私どもの「施設再編は地域育成のチャンスであり、区民と対話型で計画づくりを行うべき」との質問に、「子どもから高齢者まで幅広く議論ができる形で地域に入っていく」との答弁をいただきました。しかし、予算書のなかに具体的に地域に入って区民に説明し、意見を聞きとる、議論をする形跡が見当たりません。パブリックコメントも相当数寄せられていると思われ、それに応えることも必要です。具体的計画がおありでしょうか。お答えください。また、職員の方が通常業務の中で行っていくのでしょうか、これについても予算書で読み取ることができませんでした。併せて、うかがいます。
次に「協働の取組方針」から「すぎなみNPO支援センター」関連で3点伺います。
1点目です。庁内組織の杉並区行財政改革推進本部が昨年1月に決定した「杉並区における今後の協働の取組方針」において、中間支援機能の充実・強化が打ち出され、期待するところです。「すぎなみNPO支援センターの組織体制の再構築」を重点とし、「来年度からすぎなみNPO支援センターの新体制による中間支援組織として活動を展開する」としていますが、新体制とは何か、具体的な内容についてお示しください。
2点目。予算編成方針に、「地域の多様な活動主体が連携・協力しながら地域の課題を解決できるよう新たな協働提案制度に取り組む」とあります。新たな協働提案制度の試行として、一つは区内農産物に係るまちなか地産地消事業の構築、二つ目に区民向けの多様な交通安全教育の企画・運営・実施、三つ目は家庭からでる生ごみを減量する施策の普及・拡大、以上3つの協働テーマの募集があり、交通安全教室と生ごみの減量の2事業が今年度採択されました。この4月からの実施に期待するものですが、今後、これらの事業の評価と検証はどの時点でどのようにして行われるのでしょうか。また、その後、この試行実施を踏まえて、協働提案制度をどのように広げていくのか伺います。
3点目。私どもはこれまで、地域コミュニティづくりには、地域の中でNPOや町会・自治会がつながることが必要であり、そのためには、地域に係るテーマを、顔を合わせて、ともに考え、話し合う機会をつくることが大事、と訴えてきました。区は、「連携を持ってやっていく」との答弁のもと、様々な機会をとらえて実施されてきていることを評価するものです。先日も、阿佐谷地域区民センターで地域懇談会が開催され、地域の町会、・自治会、商店会、民生児童委員、青少年育成委員会、ケア24、教育関係者、NPO等様々な立場の方々が参加され、活発な意見交換と活動交流が行われたと聞いています。この動きは、今年度3地域、来年度はさらに他地域にも広げていかれると伺っておりますが、今回の「施設再編」のような地域に関係する課題こそ、顔を合わせ、話し合う機会をつくることが「自治と協働」を進めるうえでも大切であり、地域コミュニティづくりにつながると考えます。区のお考えをうかがって、次の質問に移ります。
2つ目の質問、将来の区営墓地の展望について伺います。
いまの世の中は、気がつけば、生まれる子どもは少なく、亡くなる人が多い「少産多死」の時代になり、葬儀や埋葬のあり方が大きく変わってきています。身内だけで行う家族葬や密葬といった小さなお葬式を選択する方が増え、また無宗教葬にするなど葬儀の仕方も多種多様になり、葬儀費用が低価格化しています。その一方で、これから先お墓に入りたい人は増えこそすれ、お墓の絶対数は簡単には増えないことから、お墓の価格は下がりません。
杉並区にある寺院墓地に新規にお墓を作るとすると、いくらぐらいかかるか調べてみました。寺院によって、また、お墓の大きさによって違いはありますが、お墓の利用料である権利費が百万円台、墓石を建てるのに百万円台の費用がかかります。それでも区外からの希望者もいるため、需要に対する供給量の不足から競争率は高く、簡単には購入できない状況です。ちなみに区内にある墓地は96か所、およそ36,000基のお墓があり、納骨堂は8か所でその収容数は1,600体程度で、これからお墓が増える状況にはないと、伺いました。そこで今回、数万円で購入できるような区営墓地を展望して6点質問します。
生活クラブ生協が組合員に対して行った「葬儀と埋葬に関するアンケート調査」に1622人から回答がありました。今回は、埋葬について述べますが、新規に墓地を購入する場合にどういうものを望むか訊いたところ、樹木葬、散骨、合同納骨塚、手元供養を選択した方が約7割と、個人所有の墓地にこだわらない傾向が見られました。なかでも、土や海など自然に返る樹木葬や散骨については約8割が賛同していることからわかるように、お墓に対する人びとの意識が大きく変わってきています。
また、価値観の多様な現代、夫と一緒のお墓に入るのはいや、という女性は珍しくありませんが、しかしお墓は買えないし、と行き場のないお骨は、まるで難民状態です。オギャーと生まれて待機児童、入学すると待機学童、特養の入所を待つ待機高齢者、その先は待機お骨。公営の墓地として都営霊園がありますが、現在のところ量的に足りず対応しきれていません。無縁仏を引き受けるお寺ではそのような骨壺が数十体も保管されていますが、それらの行き場がありません。
近頃は、テレビや新聞等で新しい葬儀や納骨のあり方などが数多く取り上げられています。1点目の質問として、区長はそれらに対してどのようなお考えをお持ちかうかがいます。
先日、NHK朝の情報番組で、全国1488人の既婚女性に、「あなたは夫のお墓に入りたいですか」という意識調査の結果が紹介されました。夫と一緒の墓に入りたくない、と答えたのは6割。では男性はどうか。「夫婦は一緒のお墓に入るべきか」との質問に、4割のひとが「そうは思わない」「どちらともいえない」と答えています。この数字から見えてくることは、「夫婦は同じ墓に入るもの」という慣習にとらわれず、自由な発想で最期の選択をしたいと考える層がすでに広がっていることです。これに対し、区長はどのようなご感想を持たれたでしょうか、2点目として伺います。
社会現象としても、独身者が増えていますし、少子化で子どものいない夫婦や一人娘が他家に嫁いだ、などでお墓の継承者がいない世帯も増えています。自分が死んだ後のお墓をどうしようかという不安を抱える方がこれからは増えてくることが容易に想像できます 2011年3月に出された、東京都市町村自治調査会の調査「墓地と市町村のかかわりに関する調査研究報告書」では、公営墓地における樹林墓地、樹木葬の導入が書かれています。樹林墓地、樹木葬とは、これまで家単位に建てていたお墓を「誰もが入れるお墓」という発想で、墓石はつくらず、樹木の下に遺骨を納める墓地のことです。小平霊園にある樹林墓地は、遺骨は1体134,000円、パウダー状に細かく処理する粉状の遺骨は1体44,000円で納めることができるもので、予定数500体のところに16倍の申し込みがあったことがニュースで取り上げられ、ご存じの方もいらっしゃると思いま
そこで3点目として伺います。これまで区に、お墓の心配事や、あるいは区営の墓地はないか、お墓を紹介してほしい等の相談・問い合わせはありましたでしょうか。また、そのような問い合わせがあった場合に区はどのような対応をなさるのでしょうか伺います。
2012年2月、「杉並区墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例」が設置され、地方自治体も墓地をつくろうと思えば、つくれるようになりました。今後、超高齢社会における死後の始末として、価値観の多様化という観点からも、経済的な困難を抱える高齢者の増加という福祉的な観点からも、低価格で場所をとらないお墓のニーズはこれからもっと高まると思います。墓地を迷惑施設ととらえるのではなく、亡くなった身近な人が眠る場所であり心のよりどころとする発想の転換がほしいと思います。身近なところにお墓があることは、人の死を身近に感じられることにつながり、それは地域コミュニティの包容力を高めることにもなります。区営墓地を展望すべき時期が来ていると考えます。まず区民ニーズを把握し、区営墓地の設置を検討すべきではないでしょうか。区の見解を伺いまして質問をおわります
第4回定例会一般質問 2013.11.21 市橋あや子
私は、区議会生活者ネットワークの一員としまして「地域包括ケアシステム」について質問します。
今年7月31日に厚労省が、2010年の「全国市町村別平均寿命(生命表)」を発表し、都内で平均寿命が最も長い自治体は杉並区、との報道がありました。一方で、「健康寿命」という言葉もよく耳にするようになりました。健康寿命とは、自立して生活できている年齢の指標です。都民の健康寿命は男性が69.99歳、女性が72.88歳で、平均寿命までには男性9.83年、女性13.51年の「不健康な期間」があるといいます。人生の最期まで健康でありたい、「ピンピンコロリ」でありたい、と誰もが望むことです。疾病予防や健康増進、介護予防などによって、平均寿命と健康寿命の差を短縮できれば個人の生活の質の低下を防ぐことができるとして、国、都、区がさまざま施策の展開を図っているところです。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、65歳以上の人口は2042年の約3900万人でピークを迎えると推計されています。そして2020年には高齢者の中で75歳以上が半数を超え、特に団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。こうしたなか、厚労省は、「2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的の下で、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制、いわゆる「地域包括ケアシステム」の構築を推進する」として、各自治体に地域包括ケアシステム構築の努力義務が課せられました。
当区においても、現在3か所のモデル地域を設定して、ケアシステムの構築に向けた検討・試行が行われています。現在、試行期間中ではありますが、「地域包括ケアシステム」の構築に向けて提案も含め、「健康長寿モニター事業」「介護保険法の改正」「地域包括ケアシステムのあり方検討」「地域の支え合い機能」の観点で質問します。
はじめに、「健康長寿モニター事業」について2点お訊ねします。
当区では、介護保険事業計画の改定前の基礎調査として行っている「高齢者実態調査」、2009年の「ひとり暮らし高齢者実態調査」、「健康長寿モニター事業調査」など、高齢者に対して多くの調査が行われています。昨年度から始まっている「健康長寿モニター事業調査」は、高齢者施策構築の基礎資料を得るために80歳の区民にモニターとしてご協力をいただき、健康状態や生活習慣などについて尋ねる5年間の追跡調査として始められたと聞いています。
今年7月に「初年度報告書」が出され、興味深く拝見しました。まずは、お元気な方が多い、というのが率直な感想です。また、市民活動に参加している率が高いのは、「長寿応援ポイント」がきっかけになっていることも考えられます。しかし、外出を億劫に感じている人が約4割それも女性に多いこと、外出が1週間に1日~2日以下の人が3割弱、1週間のうちでご近所と話をしない人が約3割、近所に挨拶する人がほしいという人が8割強いらっしゃるなどの数値に、外出や話をすることが少ない高齢者を家に閉じこもらせないしくみの必要性を感じたところでもあります。
そこでお訊ねします。
1点目。「健康長寿モニター事業」の調査のねらいは何か。また、初年度調査で見えてきたものは何か、伺います。
2点目。この調査は5年間の追跡調査としていますが、毎年の調査結果を今後の施策展開にどのようにつなげていくおつもりか、伺います。
次に、介護保険法改正を控えて当区の状況について4点伺います。
当区の高齢化率も今年4月1日現在で20%を超えました。21%以上の超高齢社会は目前に迫っています。介護保険制度がスタートして13年が経ち、来年の介護保険法改正に向け、要支援者への予防給付を市区町村の地域支援事業へ全面移管させるのではないかと懸念されていましたが、どうやら通所・訪問介護だけが移管される状況になっています。しかし、これらは重要な事業であるだけに裁量を任される区の責任は重大です。要支援者に向けたサービスについて4点伺います。
1点目。要支援者が要介護認定者全体に占める割合の全国平均は約22%、同じく介護保険給付費全体に占める割合は6%、そして要支援者の約4割は独居、ひとり暮らしと言われています。当区のおのおのの実態はどうなっているでしょうか。お伺いします。
2点目。今回の法改正で区に移管が想定される予防訪問介護ですが、なかでも「生活支援サービス」は介護の重度化防止に有効であり、長期的な視点では給付抑制につながります。これらは在宅生活の維持に不可欠なサービスとしてその重要性を指摘するところですが、区の見解を伺います。
3点目。自治体に移行することで区民が心配するのは、サービスの質の低下です。今後は自治体の裁量によって、ボランティアやNPO事業者を入れながらサービスの提供が行われるわけで、自治体間格差を懸念する声も出ています。利用者が自己負担を変えず、移行前と同じサービスを利用できるようにすべきと考えますがいかがでしょうか。区の見解を伺います。
4点目。そのためには、見守りや話し相手などの誰にでもできるボランタリーな活動と、公費に基づく有資格者が行う事業との区別を明確にし、介護に携わる人にスキルアップ研修を行うなど、良質なNPO事業者の支援が必要と考えますが、区の見解を伺います。以上のような調査の結果や介護保険制度改定の状況などを照らし合わせて考えると、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯になっても、また認知症になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、介護・医療・住まい・生活支援・予防が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」づくりが急務です。厚労省は、システムの構築に向け、日常生活圏域のニーズ調査を実施し、地域の課題やニーズを的確に把握することを取組の1つにあげています。そこで、当区で行われている「地域包括ケアシステムのあり方の検討」について3点伺います。
1点目。当区では、モデル地域を対象に実態調査を実施しておられますが、その調査状況とどういった内容の調査が行われたのかを伺います。
2点目。地域包括ケアシステムの構築には、生活支援・予防について、地域にあるさまざまなインフォーマルサービスを含む社会資源とのネットワーク化が重要と考えます。ネットワーク化をどのようにつくっていかれるのか、区のお考えを伺います。
3点目。区はモデル3地区での取り組みを経てこのケアシステムを区内全域に広げていくとしていますが、そのためには、その推進役としてのケア24の役割には大きいものがあります。当区の地域包括支援センター「ケア24」は20センターありますが、これらは15法人の運営委託で行われており、そのあり様も運営状況も15法人さまざまです。ケア24が担う役割はますます多様で、重要となってくるわけですが、そのような状況のなかで、3つのモデル地域の取組を、他の地域にどのように広げていかれるのでしょうか、伺います。
さて、ここまで地域包括ケアシステムの構築に向けた区の取り組みについて質問してきました。次に、市民が考える仮称ではありますが「地域支え合いセンター構想」を紹介させていただきます。
当区の地域包括ケアシステムはケア24が担当する地域の規模になっています。20か所、おおよそ中学校区に1か所です。厚労省でも「日常生活圏域」を中学校区人口2~4万人としていますが、高齢者や障がい者が実際に歩いて行ける距離と言えるでしょうか。とてもそうとは思えません。日常生活圏域は自治体で決められます。私どもは小学校区を「日常生活圏域」として考えてみました。
「ケア24」が中学校区に1つとするならば、小学校区に3~4か所の拠点―それは空き家・空き店舗などを活用したサロンであったり、子どもから高齢者まで集えるみんなの居場所であったり、またコミュニティカフェなど、地域で支え合うための拠点―があれば、公が提供するサービスにこれらのインフォーマルサービスが加わり、生活支援・介護予防は地域で支えられると考えます。
そこで、この支え合いの拠点として「(仮称)地域支え合いセンター」を考えたいと思います。センターと言いましても大きな箱モノのイメージではなく、コーディネート機能であり、拠点的な機能を重視するものです。「支え合い」の対象者は、地域に暮らす高齢者、障がい者、子どもと親など地域社会とのつながりや支援が必要な人々。どのような「機能」を持つかというと、高齢者や障がい者の居場所であり、見守りや話し相手、介護・子育て・障がい等の相談窓口、情報提供、地域資源のネットワーク化などがあげられます。ケア24と連携し、ある意味補完しながら、必要ならそこから新しい機能を生み出すそういう役割をも持つものです。
この「拠点」については、いま区が取り組んでいる施設再編整備計画で設置される地域コミュニティ施設も拠点になりうるでしょうし、空き家・空き店舗を活用することも考えられます。もしこれを、行政のしくみとして設置し、その運営を民間団体に委託するとして想定するなら、施設再編計画を策定しているいまだからこそ、検討も視野に入れられるのではないでしょうか。区から示されたこのたびの施設再編計画はハード面が中心であり、そこに地域住民の暮らしを重ね合わせて考えていく必要があることは、9月の全員協議会でも申し上げました。地域コミュニティ施設に「(仮称)地域支え合いセンター」の機能を付加していくことを強く要望いたします。
もう一つのパターンは、市民が自ら「場」をつくり、そこに「機能」をつくっていく、というもの。そのためには、空き家・空き店舗情報が欠かせません。現状では空き家や空き店舗情報がつながらないためにまだ多くはありませんが、空き家を利用した多世代が集う居場所づくりが始まっています。空き家・空き店舗の活用ができたらどんなに居場所づくりに弾みがつくことでしょう。
ケア24の勧めにより、認知症の初期の高齢者がそうした居場所につながり、生活に張りがでてきたり、市民同士の日常的な声かけやたすけあいが始まるというケースも聞いています。こうした空き家・空き店舗を利用した「市民型地域福祉事業」が少しずつ展開されてきています。そこで空き家について2点おたずねします。
1点目。今年度、当区は空き家調査を実施され、その報告は今会期中の都市環境委員会に出されると聞いています。どのような結果が得られたのでしょうか、お伺いします。
2点目。空き家・空き店舗活用は地域活性化、持続可能なまちづくりなど、地域のまちづくりの観点からも重要な課題です。ゴミ屋敷問題や防災・防犯からの視点だけではなく、京都市の「空き家条例」のように、空き家をまちづくりの資源としてとらえて有効活用をすすめることが必要ではないでしょうか、区のお考えを伺います。
最後に。
地域を、みんなで支えていくためには、行政のフォーマルな施策とともに、地域の福祉ニーズに沿った市民によるインフォーマルな活動や事業がますます必要になってくるでしょう。この度の地域包括ケアモデルの検討課題の一つに、「インフォーマルサービスを含めた生活支援」が挙げられていることからも、区におかれてもその重要性については認識されているものと理解するところです。市民による活動や事業には特に立ち上げ時にはある程度の資金が必要です。
当区に2000年度から2009年度まであった「地域福祉活動立ち上げ支援事業補助金」事業が今の時代にこそ必要だと考えます。10年間で、29団体が助成を受け33の活動をつくり、そのうち17団体が今も活発に活動し杉並の地域福祉事業を担っています。インフォーマルな生活支援サービスを立ち上げようとする市民活動団体への資金的支援を要望いたします。
以上、縷々述べてまいりました。冒頭でも申し上げましたように、いま区は地域包括ケアシステムの構築に向けて試行を行っておられます。そういう時だからこそ、当事者目線での提案をさせていただきました。
以上で、私からの質問を終わります。
決算特別委員会意見開陳 2013.10.9.市橋あや子
区議会生活者ネットワークといたしまして、決算特別委員会に付託された2012年度杉並区一般会計歳入歳出および各特別会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。
当該年度は、2011年の東京電力福島第一原発事故を受け、国として原発政策をどうするのかが注目されるなか、国策として原発を推進させてきた自民党へと政権が交代し、国民的議論の結果として出された「原発ゼロ」政策が後ろに追いやられたまま、現在に至っています。
国の経済状況を見てみますと、復興需要および円安・株高の進行を背景に景気に明るさが見えたものの、製造業の設備投資には依然として慎重な姿勢がうかがえるなど、景気の先行きは不透明な状況にありました。このような状況下では、短期的には、来年度から始まる消費税の段階的引き上げ、公共事業の息切れ、具体性のない成長戦略などからくる景気減速が懸念されます。長期的にも、進行する少子高齢化のなか、国が約1000兆円の負債を抱え、財政再建など到底対応できる状況にありません。
当区にあっては、杉並区基本構想・総合計画がスタートした年でした。東日本大震災の教訓と、首都直下地震が予測されていることもあり、基本構想の重点は「安全・安心」「少子高齢化」「まちづくり」をキーワードに予算配分がされました。
そのようななかで、地域エネルギービジョンの策定、全小中学校への学校司書配置、在宅療養支援体制の充実、待機児対策の迅速な追加対応など、意欲的に取り組んでこられたことに敬意を表します。
財政においては、特別区民税が6年ぶりに増加した一方、収入未済額は2年連続で減少しているものの依然として100億円を超えています。
持続可能な財政運営を行っていくためのルールの1つ、経常収支比率について80%以内を目指すとしたものが、82.8%と、前年度を0.1ポイント上回りほぼ横ばいとなりました。東電総合グランド跡地の取得、高井戸第二小学校や大宮前体育館の改築経費など、区民生活にとって必要な投資と扶助費の増によるものではありますが、これからも健全な財政運営のための不断の努力が強く求められます。
さて2012年度決算について、限られた時間ではありましたが質疑を通して、また、いただいた資料をもとに施策の執行状況について調査を行った結果、一般会計並びにすべての会計決算案に対して認定すべきものと判断しました。
そのうえで以下、決算審査の締めくくりに当たり、時間の制約により述べられなかったことや、再確認をお願いしたいことなど、何点か絞って述べさせていただきます。
区立施設再編計画について申し上げます。
少子高齢社会への対応、老朽化した施設の改修費用の増加などの財政問題から、今後7つの地域のなかで「なくす」「まとめる」方向で区立施設再編の素案が提示されました。その中の「児童館廃止」という言葉が、「老朽化した建物自体をなくす」意味であって、「児童館の機能・役割をなくす」ことではないこと、また、子育て中のお母さんたちの仲間づくりの場「ゆうキッズ」もなくなったり減ったりするのではなく、今後、41の小学校内、(仮称)子どもセンター9館、学童クラブ専用館になる10館程度で展開され、開館時間も終日館が設定されることが後になるにつれて説明され、今後「ゆうキッズ」の場が増えることを理解するまで時間を要しました。委員会で理解されにくかったことを参考に、住民への素案の説明は丁寧に具体的に行っていただくことを要望します。
今回、保護者の方の「安全」を求める声が多いために学童クラブを学校内に設置する方向に施策が動いているという現状には考えさせられるところがありました。子どもの最善の利益を考えた場合、放課後の居場所は学校の外にあることが望ましいと考えてきた者にとって、複雑なものがあるのは事実です。果たして地域は「安全」ではなくなっているのでしょうか。地域は「安心」して子育てできるところでなくてはなりません。あふれるように情報が発信される現在、保護者の方たちは「不審者」情報を手に入れることができても、このまちはいいまち、楽しいまち、という情報を入手できているのでしょうか。
地域には高齢者と子どもしかいない、なにかあったらどうするのか、そうだ!学校に居れば安心だ。そして手にする情報は不審者が出た時に送られてくる不審者情報メール。仕事を持ちながら子育てに入るお母さんにとって、未知の世界である地域が「怖いところ」「安心できないところ」、という状況がつくられてしまっているのです。それを克服する地域づくりを目指していただきたい。要望します。
同時に示された使用料の見直しについては理解するものです。ただし、登録団体の減額制度廃止については激変緩和措置を要望します。
在宅医療推進事業について伺いました。
病院から在宅療養生活にスムーズに移行するためのしくみですが、1年間の相談が約450件。病院から自宅に帰って療養生活を送られている方が相当数いらっしゃいますので、この数はもっと増えていいはずです。周知に力を入れていただくよう要望します。また、この事業は、いま区が取り組んでおられる「住み慣れたまちでさいごまで自分らしく暮らせるまち」を目指した「地域包括ケアシステム」のなかでも重要な役割を持つものです。医療と介護のより一層の連携に期待します。
また、「地域包括ケアシステム」は住民同士のささえあいがあって成り立つものと認識しています。行政によるフォーマルな仕組みと、地域のさまざまな団体によるインフォーマルな活動や事業が連携してこそ、「高齢者が最後まで自分らしく暮らせるまち」の実現に近づくものと考えます。現在、3つのモデル地区を設定して取り組んでおられますが、各方面の多彩な地域の資源を活用して進められることを望みます。
区営住宅、空き家活用について伺いました。
少子高齢社会、人口減少社会では、街をコンパクトにしていくこと、そして増え続ける空き家の活用が求められています。東京都も空き家を改修して高齢者共同住宅にする際の補助金制度を始めました。各地でさまざまな取り組みが始まっていますが、市民が空き家を活用し多様な住まい方ができるよう、区が一歩踏み込んで支援をしていただくことを求めます。
日本にいる留学生が部屋を借りる際、保証人制度に長年苦しめられてきましたが、今は一人暮らしの高齢者も同じ問題を抱えていることが質疑を通してわかりました。その人たちをターゲットに保証人を引き受ける会社が乱立し、契約更新ごとに数万円の利益を得ています。個人の責任を他人に負わせる保証人制度は国際都市にあって恥ずかしいことだと考えます。区が保証人に代わる証明書等を出すことで、不動産会社に保証人免除を促すなど、新たな仕組みを検討いただくようお願いします。
エネルギー政策について申し上げます。
今年6月に杉並区地域エネルギービジョンが策定されました。東日本大震災直後の第2回定例区議会の一般質問以来、原発依存のエネルギー政策から脱却するため、区に「地域エネルギービジョン」の策定をもとめてきた者として、歓迎します。市民出資型ファンドの創設の検討も提案いたしましたが、今後、省エネルギーを基本に、区民出資によるエネルギー創出を具体化するなど再生可能エネルギーの普及と拡大に期待します。
さて、当該年度の中学生環境サミットで、環境部長が生徒からの要望に答えて環境行動のチェックシートを区役所でも使うと約束しておられましたが実行してないとの答弁をいただきました。区役所で行われる各種懇談会や審議会でペットボトルが1人1本ずつ配られていることについては、新聞の投書欄などでも、率先して環境行動をすべき役所がまだそんなことをしているのかとの意見を見かけます。当区でも、ペットボトルのお茶をやめてマイボトルを呼びかける、またはポットをご用意いただいて、自分で湯呑に入れていただくなど、大人の責任として子どもからの提案に応えていただけるよう再度要望いたします。
雨水流出抑制の質疑の中で、井荻小学校の子どもたちが取組んでいる善福寺川周辺の清掃活動を取り上げ、今後沿川学校でたとえば子ども川サミットができないか、という提案をしました。区としてその方向で考えているとのご答弁でしたが、その時にはつい大人がやりがちな「調査」から入らずに、遊びの中から楽しみながら川に親しむ、そしてきれいな川の存在も知るなど、「体感する」ところからの川との出合い、ふれあいになるよう是非ともお願いします。
つぎに、井荻中学校で計画されていた、『はだしのゲン』の翻訳者アラン・グリースンさんの講演会が前日に中止になったことについて、この間の経過については了解しました。仕切り直しでの講演会開催を求める声に応えるよう、学校現場への支援をお願いいたします。
「はだしのゲン」については松江市教育委員会の対応を巡ってさまざまな報道がされてきましたが、私どもは、「はだしのゲン」は原爆が落とされた事実、戦争の悲惨さ、平和の大切さを教えるための有効な資料であり、子どもたちがふれることを制限することのないように望むものです。
さて、「南関東におけるマグニチュード7程度の大地震の発生確率は、今後30年以内に70%程度」と言われている首都東京ですが、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地として決まりました。東日本大震災から2年半が経過した今も、被災地の復興は進んでいませんし、原発事故の収束どころか、発電所貯留タンクからの放射能汚染水漏れの問題も解決に至っていません。私どもは東京でのオリンピック開催には多くの問題があることから反対の立場をとってきました。人口減少社会で不要不急の大型公共工事に着手し、大型施設などが負の遺産となってはなりません。しかし招致決定の事実は受け入れ、協力すべきところはしていこうと考えています。2020年には多くの外国人がやってきます。今日本にいる外国人が住みよい環境を作ることが7年後に向けての環境整備につながると考えます。
そして、少なくとも2020年の開催前までに、被災地の復興の目途をつけること、持続可能エネルギー政策への転換、地震による火災危険度4および5を内在させている当区のような自治体をなくすことが最優先でなされるべきと考え、今後も防災対策に取り組んでまいります。
最後に。
私どもは引き続き、原発依存のエネルギー政策から脱却し地球温暖化問題を解決するための活動に取り組むとともに、省エネルギーを基本に再生可能エネルギーの普及と拡大、地産地消をすすめ、行財政運営においても環境面からも持続可能な社会を目指し活動していくことを申し上げ、区議会生活者ネットワークの意見とします。
第3回定例会質問と答弁 2013.9.10 そね文子
【Q】 ● 子宮頸がん予防ワクチンの、今年度の定期接種の接種者数(月別)は何名か。また、任意接種の接種者数は把握しているのか。
【A】 定期接種数は、4月が8人、5月が2人、6月が32人、7月が4人です。なお、任意接種の接種者数は把握していません。
【Q】 ● 子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告数は何件か。
● 第1回杉並区任意予防接種健康被害専門家会議について、給付申込者は何名であったか。また、副反応報告書の重篤度と転帰の内訳はどうか。
【A】 子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告数は2件です。なお、定期接種の対象者での副反応報告は提出されていません。
第1回給付申込者は2名です。給付申込者の副反応報告書の内訳は、重篤度について「重篤」1名、「非重篤」1名、転帰について「未回復」2名です。
【Q】 ● 専門家会議の委員は、どのように決めたか。また、小児精神科が入っている理由を伺う。
【A】 従来法定接種の際に開催している調査委員会と同様に、医師会の公衆衛生担当医師等に依頼し、また健康被害の症状により、専門医師に依頼しました。小児精神科は、一般的に疾患の症状と心理的なものとの関連が相互にあることも多く、関連の有無も含めて、きちんと意見を聴取するために委員に入っています。
【Q】 ● 副反応症状を診たことがある医師や、リウマチ・膠原病などの専門医師が入るべきと思うがいかがか。また、審査対象者を直接診察している医師を参考人として呼ぶことは考えないのか。
【A】 ワクチンそのものの検討ではなく、給付申込者の症状について意見を聴取するため、症状に見合った専門医師を専任しています。副反応症状を診たことがある医師や、膠原病などの専門医師、直接審査対象者を診察している医師の参加は、専門家会議で意見を聞きながら検討します。
【Q】 ● 6月14日の積極的接種勧奨中止を受けて、区はどのように対応したのか。また、奨励中止という事実について、区はどのように認識しているか。
【A】 翌日の診療開始前までに接種委託医療機関に周知し対応を依頼するとともに、区ホームページを更新しました。また、今年度個別接種勧奨を実施した中学1年生に対して個別通知を送付するとともに、保健所・保健センターでの相談体制を構築しました。
勧奨中止は、接種対象者の不安を解消するために必要な措置であり、今後の国の副反応検討部会における議論を注視し、区民に対して最新の情報をわかりやすく伝えていきたいです。
【Q】 ● 勧奨中止以降、区に子宮頸がん予防ワクチンの接種の是非や副反応等に関する問い合わせや相談はあるか。ある場合、どのような内容か。区が説明会を開く必要はないのか。
【A】 勧奨中止以降、保健所・保健センター合わせて8件ありました。内容は、すでに1回接種した方からの2回目以降の接種時期についての質問や副反応についての一般的な質問でした。問い合わせ件数が少なかったことから、接種対象者や保護者は、今回の積極的接種勧奨中止を冷静に受け止めていると考え、今後あらためて説明会等を実施する予定はありません。
【Q】 ● サーバリックスのホームページに、臨床試験成績が掲載されており、副反応出現率が非常に高いと思われるが、このデータについての区の見解を伺う。
【A】 同ホームページには、複数の研究データが掲載されています。実際には、これ以外にも数多くの研究データが存在しており、それらを基に、ワクチンの効果や安全性について国が評価を行い、その結果、ワクチンが認可され、定期接種のワクチンとして使用されていると考えます。
【Q】 ● 文部科学省の実施した学校調査の具体的な方法とその結果について伺う。
【A】 教育委員会では、文部科学省からの通知に基づき、6月26日に全区立中学校長あてに「子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した欠席等の状況調査」を依頼しました。その結果、1名について症状の報告がありました。
【Q】 ● 子宮頸がん予防ワクチンが原因と思われる様々な副反応の具体的な内容について、学校からの通知等で周知する必要があると考えるがいかがか。
【A】 すでに保健予防課において、接種後の体調変化について、医療機関と連携した対応をとっています。そのため、教育委員会としては、個別に通知を出す考えはありません。
【Q】 ● 子宮頸がん予防ワクチンの副反応および積極的接種勧奨中止について、広報すぎなみ等、様々な媒体を活用し、区民に幅広く周知すべきと考えるが、区の見解はいかがか。
● 接種勧奨を早期に再開すべきとの意見が一部で出ているが、区民の健康を守る観点から、接種勧奨再開後、どのように接種を勧奨していくつもりか。
【A】 子宮頸がん予防ワクチンの副反応は、マスコミでも大きく報じられ、不安に感じている方も多いのではないかと思います。接種を迷っている方に対し、受けなかった場合にどうなるのか、健診の重要性や、一般的ながんの予防法、後日あらためてワクチンを接種する方法などについて、十分な情報提供を行うことで、接種の判断に役立ててもらいます。現在は、接種勧奨再開に向けた、国の具体的な動きはなく、今後の動向は不透明ですが、ワクチンの副反応等についてわかりやすい言葉で伝え、区民の不安を解消していきたいです。
【Q】 ● いじめ防止対策推進法の概要、区の受け止め方と今後の対応について伺う。
【A】 本法律は、いじめの定義を明確にし、いじめ防止等の対策に関する基本理念を定め、国、地方公共団体、学校等の責務を明らかにするとともに、対策の基本となる事項を定めたものです。
法制化によりいじめ防止の対応を具体的にすることは一定の効果があります。今後は、国のいじめ基本方針策定協議会の動向を見定め、これまでの教育委員会の対応をふまえて、改めていじめ防止を進めていきます。
【Q】 ● 杉並区立学校におけるいじめの発生状況について伺う。また、その中に深刻ないじめは含まれているか伺う。
● 杉並区のいじめの発生状況を踏まえて行った防止策について伺う。
● 各学校でいじめを発見するための対策はどのようにとられているのか。
● 教師のいじめを発見する力を高めたり、ネットいじめに対応する知識等を深めたりする研修の実施状況について伺う。
【A】 昨年9月に実施したいじめ緊急調査では、いじめの認知件数は、小中学校で合わせて197件です。これら、報告されている全てが、すぐに解決を図らなければならないものと受け止めています。
教育委員会では、いじめ対応マニュアル改定版を作成し、全教員に配布するとともに、様々な研修会において、いじめ問題の対応力強化をねらいとした研修を毎年実施しています。また、学校の組織的な対応が図られるよう、教育支援チームを設置する等の対策を講じてきました。
今年度は、いじめで苦しむ児童・生徒の悩みや不安を解消する「すぎなみいじめ電話レスキュー」を開設し、必要に応じて学校と適切に連携し、解決に向けた支援を行っています。
【Q】 ● 自殺予防月間と関連付けたいじめ防止の取り組みについて伺う。
【A】 区立学校では、年2回、区の自殺予防月間にあわせて「いのちの教育月間」を設定し、思いやりの心や生命を尊重する態度等をはぐくむ取り組みを全校で行っています。本年の前期では、中学校の生と開が中心となるいじめ防止にかかわる活動が実施されました。
さらに、後期では、8月に実施された中学生生徒会サミットの成果を生かし、中学生が小学校を訪問し、いじめ防止を訴える等の取り組みが行われる予定です。
【Q】 ● 本年度解説された「すぎなみいじめ談話レスキュー」の相談時間、相談方法、区ホームページ等での子ども・教職員への周知方法など概要について伺う。
● メールなどによる聴覚障害、言語障害のある子どものいじめ相談窓口開設についての区の考えを伺う。
● 携帯電話を使った電話相談に加え、無料電話回線「いじめ電話レスキュー」を開設する必要があると考えるがいかがか。
● 「すぎなみいじめ電話レスキュー」への相談を学校に繋げ、連携を図った事案はあるのか。
【A】 平日の午前10時から午後7時まで、専門相談員が専用携帯電話で相談者の悩みや不安の解消を図ることを中心に行っています。その周知方法は、杉並区報及び教育報への掲載の他、区立学校全児童・生徒、教職員に本事業の内容等を記載したカードを配布しています。今後さらに認知度を高めるため、全校へのポスター配布、教育委員会ホームページへの掲載を予定しています。
学校との連携ですが、相談者から同意が得られた際には、教育支援チームから当該校にいじめの事実を伝え、解決に向けた支援等を行っています。
言語や聴覚に障がある児童・生徒の相談は、各学校できめ細やかな教育相談が行われるよう指導しています。メール等による相談は、相談者と相談員との信頼関係が結びづらい等の課題があるため、現在は窓口を開設していません。無料電話回線の導入は、実施の方向で検討していきます。
【Q】 ● いじめの原因として加害者の家庭環境等に問題がある場合も考えられ、スクールソーシャルワーカーがいじめ対応にかかわることが有効と考えるがいかがか。
● 深刻ないじめの発生を踏まえ、スクールソーシャルワーカーの増員、優秀な人材確保に向けた処遇改善が必要と考えるがいかがか。
● 小学校でスクールソーシャルワーカーの派遣方法、職務等は認知されているのか。
● 区立学校へのスクールカウンセラーの配置状況について伺う。
●スクールカウンセラーの配置について、児童・生徒数の多い区立学校には配置日数を増やす必要があると考えるがいかがか。
● 専門職であるスクールカウンセラーの資質向上の方策について伺う。
【A】 スクールソーシャルワーカーは、児童・生徒が安心・安全に過ごせる生活環境づくりのため、児童相談所や関係機関と学校との連携の確保、あるいは福祉的援助の必要性がある家庭への自立支援の相談などを行っており、必要に応じていじめの事例に関わることがあります。
小学校への周知は、年度当初に校長会等で行っています。また、その処遇は、他の専門的な知識や技術を持つ非常勤と同様で、人員配置も適切に判断しています。
スクールカウンセラーは、中学校は週1回、小学校では区費カウンセラーも併せて配置し、週2回勤務しており、回数増は、課題に応じて適切に対応しています。
スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーともに教育現場での仕事に意欲的に取り組んでおり、ケースカンファレンス、スーパーバイズ、研修など多種の方策により、専門職としての資質向上に努めています。
【Q】 ● いじめ・不登校の現在の状況に関わり、養護教諭の果たす役割が重要であり、学級規模に応じて複数配置が必要と考えるが、現在の配置状況と今後の展開について伺う。
【A】 養護教諭は、東京都公立小・中学校教職員定数配当基準に沿って配置し、25学級までは1名、26学級以上が2名です。よって、本区においては、複数配置の学校はありません。今後も、定数配当基準に沿っていきます。
【Q】 ● 学校図書館司書を対象とした、学級担任と連携して行う、いじめの早期発見にかかわる研修の実施状況について伺う。
【A】 7月に発達段階等の状況に応じた児童・生徒理解や教職員との連携にかかわる研修を実施しました。今後も、いじめの早期発見に向け、学校図書館司書と教職員との連携が図られるよう研修内容を工夫していきます。
【Q】 ● 各学校で行った「杉並中学生生徒会サミット」の取り組みの中で、他校に広げていく内容のものがあったか伺う。
● 「杉並中学生生徒会サミット」を区としてどう評価しているのか伺う。また、今後の展開はいかがか。
【A】 生徒達が自ら考えた取り組みはどれも実践的であり、他の学校への広がりが期待できるものでした。例えば、言われて傷つく言葉について、アンケート調査を行い、相手が傷つく言葉を使わないキャンペーンを実践したり、いじめを受けている生徒に対してのメッセージを掲示したりする取り組み等がありました。今後は生徒達がお互いの実践の良いところを取り入れ、生徒会同士の情報交換や生徒会が小学校へ出向いて、サミットでの成果を伝える等、小中学校の連携を通して、いじめをなくす活動の充実が図れるよう支援していきます。
評価と今度についてですが、全区立中学校生徒会が集まり、生徒自身が自主的・実践的に、いじめをなくす取り組みの発表や意見交換ができたことは、大きな成果と捉えています。このサミットは区内全体のいじめをなくす取り組みへの出発点になりました。
教育委員会では、学校、家庭、地域と一層の協力・連携を図り、杉並区からいじめをなくしていけるよう、今後も真剣に考え、取り組んでいきます。
第3回定例会一般質問 2013.9.10 そね文子
私は区議会生活者ネットワークの一員として、HPV感染症予防ワクチン(子宮頸がんワクチン)に対して、区民の生命と健康を守る対応を求めることについて、いじめの視点から 子どもをしっかり受け止める学校の環境づくりについて、以上2つの項目について質問いたします。
私は、6月の第2回定例会でもHPVワクチンについて取り上げましたが、その後、国で大きな動きがあり、また杉並区でも区内の被害者を救済するための子宮頸がん予防ワクチン接種による健康被害専門家会議が立ち上がり1回目の会議がもたれました。私は全国の子宮頸がんワクチン被害者が参加する被害者連絡会に賛同人として関わり、多くの被害者と会う機会を得て、被害の実態を目のあたりにしてきました。
この間の国や区の動きをとらえ、また当事者のあまりにもつらい状況を少しでも好転させたい、との思いから今回、質問をいたします。
国の動きというのは、6月14日に発表された方針転換のことです。この日、開かれた第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会では、ワクチンの接種後に長期的な痛みや痺れを訴える人が相次いでいるとし、原因を調査し、きちんと情報提供できるようになるまで、接種の積極的勧奨を控えるべき、との結論が出されました。定期接種になった直後に接種を勧めないことになったのは異例のことです。
杉並区では、区内の被害者を救済するための専門家会議が立ち上がり8月27日、1回目の会議がもたれています。
そこで、はじめにうかがいます。
厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の結果を区はどのようにとらえておられるのでしょうか。また、この結果を受けて区はどのような対応をとったか、併せて伺います。
HPVワクチンは現在も定期接種の対象から除外されることなく、対象者が希望すれば接種を受けられます。保護者からは判断を丸投げされ、どうしていいかわからないとの話も聞かれましたが、保健所への問い合わせや相談はあったでしょうか。またどんな相談がよせられているかうかがいます。
区はこれまでワクチン接種を勧奨するために説明会を開いてきました。今年は接種勧奨の説明会が延期となり実施されないまま、勧奨が一時中断されることになりましたが、これは異例中の異例といえます。このことについての説明会が必要だと考えますが、予定はないのでしょうか、伺います。
次に、区内の接種状況について3点おうかがいします。
1点目 今年度に入ってからの接種者数を月別に伺います。
2点目 その後、新たな被害の報告はでてきていないでしょうか。
3点目 ワクチン接種者は助成対象者だけとは限りません。任意で受ける接種者数を区は把握しているのでしょうか、伺います。
次に杉並区独自の救済制度の審査会について伺います。
今年3月の決算特別委員会で、杉並区内に接種直後から深刻な副反応症状がつづいている中学生がいることが明らかになり、区は独自の救済制度を作って補償することを打ち出しました。補償については、専門家会議を作り、そこの意見を聞いて区長が決定するという枠組みが作られました。区独自の制度で被害者を支援しようとする姿勢を評価し、救済を期待するものです。
8月27日に杉並区で行われた第1回専門家会議について質問いたします。
1点目。この会議では、2名から出された申請について審査が行われたと聞いていますが、重篤かどうか、回復しているかどうかの内訳をお示しください。
2点目 委員の人選についてです。委員はどのように決められたのでしょうか、伺います。
専門家会議には被害者を診たことがある医師が委員として入ることが必要だと考えますが区の考えはいかがか、お答えください。
一方、委員の中に小児精神科の医師が入っていることに違和感をおぼえます。多くの被害者が、原因がわからず様々な病院を転々とし、最後に気持ちのせいだと精神科を紹介され、また診察を受け大変つらい思いをしたとの話をきいています。なぜこの会議に精神科の医師がはいっているのでしょうか。
また、厚労省に報告された副反応被害の中には膠原病やリュウマチなどの免疫疾患の被害者が多数みられます。その専門の医師を入れるべきではなかったでしょうか。うかがいます。
あるいは、必要に応じて被害者を診ている医師を参考人として呼ぶことも求められると考えますがが、区の考えはいかがか、お聞かせください。
次にHPVワクチンのひとつ、サーバリックスのHPに掲載されている、海外での実験結果について伺います。サーバリックスの製品情報、臨床試験成績の結果をみて大変驚きました。海外の被験者18歳から25歳の553名の結果について、新たな慢性疾患及びあらたな自己免疫疾患はサーバリックスで3.6%、1.1%、4価ワクチンでは3.8%、1.8%、重篤な有害事象の発現率はサーバリックス4.2%、4価ワクチン4.0%とあるのです。4価ワクチンとはもうひとつのHPVワクチン、ガーダシルのことです。また、15歳から25歳の女性9,319名にサーバリックスを接種した実験では重篤な有害事象の発現率9%とあります。非常に高いと思うのですが、区はそれをどうとらえるか伺います。
次に文部科学省から通達があった調査について伺います。
被害者連絡会では5月10日、文部科学大臣に面会し、長期の欠席を繰り返している女子生徒に対して、HPV接種と関係があるかどうかの調査を求めました。それを受けて、6月7日に文科省からはすべての中学校、高等学校、特別支援学校に対し、調査するよう依頼がありました。アンケートは7月31日までに回収され、このほどその調査結果が取りまとめられました。9月7日の朝日新聞、8日の日経新聞にもそのことが取り上げられましたが、調査によると、昨年度学校生活に支障が生じた生徒は171人で、その内4割は今も状況に改善が見られない。学校を30日以上休んだのは51人、とあります。「足に力が入らず歩行困難」「発熱や関節痛がひどく入院」「激しい頭痛や手足の震えで登校できない」などの症状で1年以上休んだ生徒も18人いました。部活動を辞めたり、体育の授業を長期間見学したりといった事例も多く、今も状況に改善が見られない生徒は69人に上った、とあります。
そのアンケート用紙を見ると、「学校が把握している範囲でお答えください」とあり、また一年間に30日以上欠席した生徒で欠席理由が子宮頸がんワクチンの接種に関連した症状があった生徒となっています。これでは、自分のひどい症状とワクチンの接種を結び付けて認識できていない生徒はカウントされません。また対象者に聞き取りをせず学校が把握しているものだけ、そして2012年度に限られたことにより、数は実際よりかなり少なくなっていると考えられます。それでも全国でこれだけの生徒から被害が出ているということです。
そこで伺います。杉並区内での調査はどのように行われたのでしょうか。
対象者一人一人に聞くべきではなかったでしょうか。
杉並区の調査結果はどうだったのか、お示しください。
副反応だと気付いていない人がいると思われます。せっかくの機会が最大限に生かされなかったのは残念でなりません。
せめて小中学校の保健室だよりや区報を使って、副作用に気付かないでいる人に、あなたが今苦しんでいる原因不明の症状はワクチン接種と関係あるかもしれない、ということを知らせていただきたいと思いますがいかがか、伺います。
多くの被害を生み出しているワクチンですが、厚生労働省の積極的な勧奨一時中止の通達が出た直後に、日本小児科学会などが接種再開を厚生労働大臣あてに要望し、8月末には日本産婦人科学会も接種再開を求める声明を発表しました。副反応の被害者を診ていない医師が、しかも子どもと妊婦の命を預かる医師たちがなぜこのような要望を出すのか、理解できません。
被害者連絡会では8名の被害者本人、そして家族と共に、8月23日に田村厚生労働大臣に面会し、ワクチン接種事業の中止、治療方法の確立と金銭的な援助、因果関係を明らかにするために接種年代における全員調査、接種後被害が出た患者を多数診察している医師を審議会や部会などの委員に加えることなどの要請を行いました。大臣と会談中も、子ども達はひどく痙攣したり、気を失ったりしながらも、一人一人が自分の苦しい症状を訴えました。24時間関節が痛く、ひと時もほっとできないという子もいました。そしてこの部屋を出てからも急に過呼吸を起こし、あわててビニール袋を探して息を落ち着かせなければならなかった子や、急に失神してばたんと激しく倒れる子もいました。彼女は失神して倒れ骨折をしたこともあり、駅の階段でこんなことが起こると恐ろしいので、その日はタクシーで家まで戻ることになりました。どれほど日常生活に支障が生じているのか、深刻さに声を失いました。それでもここに出てきた少女達はまだ外出はできますが、家を出られない子ども達もいるのです。このように少女達の健康な生活を奪ったワクチン事業は即刻中止すべきと訴えることは、被害者に会った者の使命だと思っています。
この項に関する最後の質問です。もし、国が接種勧奨を再開したとき、杉並区は区内に深刻な症状が治まらない被害者がいることを踏まえ、区民の健康をまもるためにHPVワクチンの接種は勧奨しないという判断をしていただきたいと考えますが、区長の考えを伺って、次の質問に移ります。
次に大きな項目の2つ目、
いじめの視点から 子どもをしっかり受け止める学校の環境づくりについて質問いたします。
私は2月の第1回定例会でいじめの問題をとりあげ、生徒自身による防止のプログラムを紹介しました。教育長からは、「いじめ問題を子どもたちが自身の問題として主体的にその克服に努めようという意識や態度をはぐくむことは、大変重要
なことであり、児童生徒によるいじめ問題解決への取り組みの支援を行い、さらには、子どもたちの取り組みを区内全体に広め、区民 とこの問題を共有できる場をつくっていきたい」との答弁をいただきました。8月4日に開催された「中学生生徒会サミット」は、そのことがさっそく実践されたものと受け止めております。コーディネーターとして参加された元日本女子バレー代表の三屋裕子さんは準備の段階から子どもたちと話し合いを重ねたとのことで、当日はご自分がいじめにあった体験を話されました。締めくくりの場面では、「いじめに対して大人はどうするのか、真剣に向き合っていかなければ。大きな宿題をもらった」とおしゃっていました。
学校でのいじめによる悲しいニュースが後を絶たないなか、私たち大人はどのようにして子どもを守るのか。すべての子どもは大切な存在だと伝えていくこと、すべての子どもが安心して学ぶことができる学校環境を作ることは大人の責務であり、そのためには学校にかかわるあらゆる大人が問題を認識する必要があると考えます。いじめがひどくなると言われる9月のはじめにあたり、注意を喚起する意味もこめて、質問いたします。
1.いじめ防止対策推進法が今年6月の国会において制定されました。その内容については疑問も感じるところではありますが、国がいじめを深刻な社会問題ととらえ対策を講じたことは、問題解決の一歩前進と思います。
・このいじめ防止法の概要をお示しください。
・区としてこれをどう受け止め、今後どのように対応していかれるのか伺います。
2.次に、区内の状況についてうかがいます。
・杉並区の最新の調査によるいじめの発生件数をお示しください。
・ また、深刻なケースは発生していないでしょうか。もしあったとすれば、その後の対応と防止策についてうかがいます。
・いじめがひどくなると言われる2学期ですが、子どもを死に追いやるようないじめは防止しなければなりません。9月は自殺防止月間であり、さまざまなイベントも企画されていますが、自殺防止の取り組みといじめ対策との連携はされているのか伺います。
3.いじめ電話レスキューが今年6月に開設されました。これまでも杉並区ではゆうラインや、済美教育センターの電話による教育相談などがありましたが、このいじめ電話レスキューは、いじめに特化して子どもに寄り添う目的だと認識しています。専門性を生かして 学校のいじめに対応してきた教育SAT内に電話を設置されたとのことですが、その概要、 曜日時間帯などをお示しください。
・この事業は6月から始まりましたが、利用状況はいかがでしょうか、うかがいます。
・以前、文教委員会で聴覚障害や言語障害を持つ子どもへの対応について質問いたしましたが、その後どうなったか、うかがいます。
次に、この電話レスキューの周知について伺います。ホームページで探しましたが、この電話の紹介がありませんでした。新しくできた大切な事業で、子どもに周知されなければ意味がありません。あらゆる媒体を使って広く知らせ、有効に使われるように努めていただきたいと思います。今後、どのように取り組んでいかれる予定か伺います。
・受信に携帯電話が使用されています。携帯電話は受け手がどこにいてもつながるメリットがありますが、電話をかける側の金銭的負担が懸念されます。また公衆電話でかければ子どもにとっては大きな負担になります。子どもがかけやすいようにフリーダイヤルも用意するということはできないでしょうか。うかがいます。
・受けた相談内容によって、学校と連携し解決にむけて動くという理解でいいでしょうか。また、そのような実績はあったのか、伺います。
・夏休みや新学期を前にこの制度を学校長・教職員に周知し、子どもが電話をかけやすくする連携はとられたのでしょうか?
・子どもがなかなかSOSを出せないことは生徒会サミットでの発言にもありました。勇気を出して電話してくれた子どもの訴えを尊重し、受けた相談は真摯に受け止め全力をつくして誠実に対応していただくようお願いします。
4.次に学校内での体制について伺っていきます。
まず、それぞれの学校ではいじめの発見にどのような対策がとられているのか伺います。先日、チャイルドラインすぎなみ準備会の講座で、いじめや体罰から子どもを守る活動を続けてこられた武田さち子さんの講演を聞きました。言葉によるいじめの中には、表面的にはわからない、裏の意味をもつ言葉が使われることがあり、教師が気づかない場合がある。たとえばマクドナルドのCMで使われた「ランランルー」という言葉、これは「死ね死ね、きえろ」という意味があり、消しゴムはきえろという意味を持つと聞きました。消しゴムをとられたり、机の上に置かれたり、筆箱の中にその子どもの名前を書いた新しい消しゴムをいれられたり、消しゴムかすをかけられたり、小さくちぎってなげられたりするのは、「きえろ」と言われているのだということです。今年6月27日、千葉県の高校で消しゴムを投げられてナイフで刺した少年事件がありました。知識・情報がないと、目前で行われているいじめを認識できないと思いますが、先生はこのようなことをご存じでしょうか?アンテナの感度を上げるための研修が必要だと思われます。また最近は携帯電話やパソコンを介したネットでのいじめの実態もあると認識していますが、それぞれ研修はおこなわれているのでしょうか。伺います。
5.つぎにスクールソーシャルワーカーについての質問です。いじめは100%いじめる側の問題だと認識するべきですが、加害者を教師が指導するという態度ではいじめは解決しないとも考えます。その背景には家庭環境に問題があったり強いストレスをかかえているなどの場合が考えられます。そのようなときには学校の外に出て行って加害者にかかわる人たちと関係をもてるスクールソーシャルワーカーの活用が求められるのではないでしょうか。そこでおたずねします。
・杉並区では現在8名のSSWを配置していますが、数は充分足りているのでしょうか。増員が必要ではないか伺います。
・また、SSWが動きやすい体制は確立されているでしょうか。小学校での活用は昨年から始まったばかりですが、学校関係者の認知はしっかりされているか伺います。
SSWは一般に処遇が悪く、若い男性のなり手がいないと聞いていますが杉並ではいかがでしょうか、伺います。
今年2月に日本社会事業大学の市民公開講座で、SSWはいじめにどう取り組むかというパネルディスカッションがあり、杉並区で活動するSSWの方の現場での取り組みを聞くことができました。普段から真摯に子どもに向き合い問題解決に導いていることがわかり、全国から集まった来場者も改めてSSWの有効性を認識したと思います。長野から訪れたという養護教諭のかたが杉並区の状況は夢のようだと溜息をつかれたのが印象に残っています。社会的にはまだSSWへの認識が薄く、配置も少なく処遇も悪いなか、8名の配置が杉並区の努力により確保されていることにあらためて敬意を抱きました。
先に述べたいじめ防止法では、心理、福祉の専門識でいじめ防止を含む教育相談に応じる者を確保するよう定めています。優秀な人材を継続的に確保するためには、十分な処遇とその保障が必要です。杉並区は国に先駆けてSSW配置をすすめ、有効に活用してきた自治体として、この専門職の重要性を広く知らせ、国や都にも処遇改善による人材の確保と育成に取り組む必要性を訴えていただきたいと考えますが、杉並区の考えを伺います。
6.次にスクールカウンセラーについて伺います。杉並区では区費の教育相談員も含め各小中学校にカウンセラーが配置されています。ただ、児童・生徒数の多少にかかわらす一律に同じ条件では、実状に合わないのではないでしょうか。生徒数の多い学校ではカウンセラーが勤務する日数を増やすなどの対応が必要ではないか、伺います。
・また、SCは学校にひとりで配属される専門職として高度な質の確保が求められるとかんがえますが、質の確保はどう行われているのか、伺います。
7.次に養護教諭についても質問します。
学校の中で保健室は子どもにとってなじみがあり、訪れやすい場所の一つです。しかし最近、学校支援本部やボランティア、PTA役員など、学校にかかわる人たちから、保健室にだれもいないことが多いという声を聞いています。養護教諭の仕事は病気やけがの対応だけでなく、SCが担当するような課題も持ち込まれることでしょう。たとえば近年増えている心の健康問題の増加と多様化、特別な支援や配慮を必要とする児童への対応、保健室登校、児童虐待への対応など業務も多岐に渡ります。教師からの相談や、体育の授業を受け持ったり、平日に研修があったりと多忙を極めていると聞きます。子どもの怪我の様子からいじめや虐待の発見者となることもある、重要な役割を負っているのが養護教諭だと思います。いつ行っても養護の先生がいることが必要です。
・またスクールカウンセラーの場合と同様、子どもの数の多い学校の場合、十分な対応ができているのか気になるところです。養護教諭の複数配置が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。また区内で複数配置している学校はあるのか、ある場合は何校か、伺います。
いじめに遭ってクラスに行けなくなったときに、保健室登校を認めることで、その子の居場所が確保されるということが現実にあります。いじめを受けている子どもにとっときに保健室は避難場所であり、また担任や教科の教師と違い評価をしない養護教諭は、子どもにとって貴重な存在であることを申し上げておきます。
8.次に学校図書館司書についてお聞きします。
・今年の第1回定例会で、学校図書館に常駐している司書についてもいじめに対応する研修をしてはどうかと伺いました。生徒の生活について理解を深めることは必要で、いじめの早期発見、対応のため、学校司書にも研修等で担任教師との情報共有については伝えると答弁をいただきましたが、その後どのような対応がされていますでしょうか。伺います。
9.最後に、先に述べた中学生生徒会サミットについてうかがいます。
この初めての試みは、区内の全中学校の生徒がいじめをなくすために自分たちで考えて様々な取り組みを行い、それを発表するものでした。全校生徒にいじめに対するアンケートを行ったり、ポスターをつくったり、話し合ったり、生徒自身が真剣にいじめにむきあう機会になったことはすばらしいと思いました。
・彼らの発表の中に予防に有効で、他の学校にも広げられるような取り組みがあったでしょうか、お聞かせください。
・生徒たちが取り組む中で、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門職の人たちとの情報交換や連携の場を設けてはいかがかと思いました。生徒達がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーという仕事と役割を知ることは、将来彼らが社会に出てから役に立つと思い提案させていただきます。
最後に、区はこの生徒会サミットをどのように評価しているのでしょうか、また今後の展開はいかがか伺って私の質問を終わります。
第2回定例会一般質問 2013,5.31 そね文子
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)への区と教育委員会の認識と対応を問う
生活者ネット・みどりの未来のそね文子です。「HPV感染症予防ワクチン(子宮頸がんワクチン)への区と教育委員会の認識と対応」について質問いたします。
私は1年前の2012年6月の第2回定例会で「子宮頸がん予防ワクチンの課題と今後のありかたについて」として一般質問をしました。杉並区は中学入学お祝いワクチンとして、全国に先駆けてこのワクチンを導入した経緯がありますが、推進論ばかりでなく慎重論もあること、検診の重要性、性教育と本人が接種を理解し判断して受けることの必要性などについて指摘しました。
その中で、区内の副反応事例の有無について質問すると、保健所長からは重篤な副反応の報告はないとの答弁がありましたが、それが事実と違い質問した時から8ヶ月前の2011年10月に2回目のサーバリックス接種直後からひどい副反応で学校に行けなくなっていた女子中学生がいたことが、保護者からの連絡で、今年2月にわかりました。それを3月の予算特別委員会でとりあげ、区は当時の答弁を訂正・謝罪し、区独自の救済制度を設け被害者に補償をするという対応をとった経緯があります。
それが新聞で取り上げられ被害者の実態が明らかになると、全国から同じ副反応に苦しむ多くの被害者の声が届き、3月25日には「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が発足することになりました。会には被害者家族とともにそれを支える自治体議員や市民が賛同人として加わっており、私もここで活動に取り組んできました。会として、厚生労働省に被害者救済、副反応被害の実態調査と接種事業の中止を要請し、文部科学省にも必要な要請を行ってきました。これらの活動を通して全国の被害者家族とお会いし、多くの生の声を聴く機会を得て参りました。
被害者の深刻な状況を目にし、また厚労省の副反応検討の審議会などを傍聴し、専門家を講師に迎えての勉強会で知識を深める中で、このワクチンは即刻中止すべきとの立場から質問いたします。
1.まず、杉並区内で発生した重篤な副反応被害の中学生について、その後の確認をしたいと思います。
最初の質問です。任意接種時に補償する機関として紹介されていた医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請はできたのでしょうか
2番目として、杉並独自の補償制度のその後の進展についても確認いたします。
3番目。4月からの定期接種化を受け、HPVワクチン接種対象者へのお知らせの発送は5月末と聞いていますが現在の杉並区での接種受付状況はどうなっているかうかがいます。
2.さて、5月16日に第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が開催されました。この審議会は、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会からの被害の訴えを受け厚生労働大臣が緊急要請して開くことが決定したものと伺っています。ここでHPVワクチンの副反応について検討がされました。
被害者連絡会には発足以来300件以上の声が届けられています。中には医師に症状をワクチンの副反応と認めてもらえず、厚労省の副反応報告には上がっていない方からの相談も多く含まれています。それらの事例も含めて、連絡会から24件の被害者の情報提供をしており、それについてもこの検討会で審議がされることになっていました。
先ず、この審議会の構成委員の半分がHPVワクチンを販売する製薬会社から寄付をもらっていることに驚きました。検討会の冒頭にとくに多額の寄付をもらっている委員は、会の議決に参加する権利がないことの説明がありました。被害者連絡会が提供した報告24件の検討は医学的判断に足る資料ではないとされ内容についての議論はされることがなく、結論は、至急調査を開始するが、接種事業は継続するとされました。しかし、座長が接種一時中止について、委員全員の発言を求めたにも関わらず、意見を言ったのは、寄付を受けていた委員のみでした。そして多額の寄付を受けて議決権のない委員の発言から結論が導かれる形で議決もとられず、副反応については慎重に見守り接種を継続することになりました。傍聴していた被害者たちからは「被害者の声を聴くことを求める」とたくさんの声が上りましたが、委員たちがそれを避けるように退場する場面がテレビのニュースで報道されました。会から情報提供した24件については引き続き調査が行われることになり、6月に改めて検討会がもたれることになりましたが、この日の結論は、要するに、これからどんな被害が出るのか実験を続けるということだと認識しました。区はそれをどのように認識しますか。おうかがいします。
この審議会は6月にもう一度開かれ、ワクチンの一時中止をするかどうかの結論を出すということになっています。自治体向けの情報(効果や副反応情報、保護者へのお知らせ文など)もそこで委員が再確認することになっているそうで、厚生労働省の担当官は自治体はその結果が届くまでは待てばいいと言っています。これを受けて、実際にお知らせの発送を、待っている自治体もあります。
たくさんの副反応被害があって、緊急に検討会が開かれている現状を考えると、杉並区もこの審議会の結果がでるまでは、お知らせの発送を待つべきだったと思います。それまで接種事業も中断すべきと考えるがいかがでしょうか。うかがいます。
5月20日の参議院の決算委員会でHPVワクチンについての質疑があり厚生労働省、矢島健康局長が答弁に立ちました。
この質疑応答をとおしてわかったことは、一般女性のHPVの16型と18型での感染率は0.7%、感染しても90%の人が自然排出するため「持続感染するのは」10%。16型・18型の感染症が中等度・高度異形成にいたりがんを発症する可能性があるのは10万人に7人、として、非常に必要性が低いことが確認されています。
また定期的な細胞診とHPV–DNA検査の併用検診で発見すれば、適切な治療により概ね100%が治癒すると健康局長が答弁しています。
併用検診でほぼ100%発見され、適切な治療で概ね100%治癒するのだから、検診受診率の向上こそが重要でありワクチンを接種する必要はありません。
また副反応報告については5月16日の副反応検討会の資料によると
サーバリックスの重篤な副反応は接種者258万人に対して795人、10万人に31,81人。
ガーダシルは70万人に対して83人、10万人あたり11.86人。両剤合わせると、328万人に878人、10万人に26.77人の割合で出ています。
一方日本の子宮頸がんによる死亡率は女性の人口10万人に対し1ケタ。年間の死者数は2500人、部位不明の子宮ガンの7割を加えて最大値を見積もったとしても約3500人であるとされています。これを女性の人口10万人当たりに換算すると3.8人から5.3人となります。
子宮頸がんの死亡者のうち、16型、18型でなくなっているのは半分から7割であることからさらにこれより少なくなります。それに対して重篤な副反応が10万人に26.77人であることを考えると、ワクチンとして許容されるべきでないと考えます。
これは厚労省が認め、また同省に寄せられた報告をもとに計算した数字です。効果が薄く副反応
出現率が死亡率より高いこのワクチンの必要性が理解できません。
3.ここで杉並区内の数字について伺います。
杉並区で接種が始まった2010年から現在までの接種者数、副反応報告数について、サーバリックス、がーダシルの別に、把握している数はどうなっているでしょうか。
またそれをもとに計算すると重篤の副反応出現率はどうなるでしょうか。併せてうかがいます。
区内の2009年度、2010年度、2011年度それぞれの20代の子宮頸がんによる死亡者数はすべてゼロであります。そのことから考えて区内でのワクチン接種の必要性をどうとらえるのか、区の見解をうかがいます。
4.次にHPVワクチンについての区から接種者への情報提供について伺います。
先ほど述べた副反応の検討部会では資料9-1として「子宮頸がん予防ワクチンの接種に当たって」が配布されました。それを見ると、有効性についての中にこうあります。「子宮頸がんは数年から数10年に及ぶHPVの持続的な感染の末に発症するとされており、本ワクチンについては、導入後間もないことから、がんそのものを予防する効果は現段階では証明されていません。」
またこの中には最後にこうもあります。
「子宮頸がん予防ワクチンの接種は強制ではありません。上記の有効性、リスク等について、十分に理解したうえで、接種を受けるかどうかご判断ください。」
本日ポストに保健所が発送した子宮頸がんワクチン接種のお知らせが入っていました。区の
お知らせには、この薬剤が劇薬であること、重篤な副反応事例、このワクチンはがんを起こ
すとされるハイリスク型15種類のウイルスのうちの2種類、50から70%にしか効かないこ
と、子宮頸がんを予防することは現段階では証明されていないなどの内容を記載し、接種を
受けるかどうかの判断を各自ですることが大変重要だと考えるが、それは明記されているかうかがいます。
今年3月に保健所が予定していた「子宮頸がんワクチンの説明会」が体制を整えるためとして延期されました。その後の説明会の予定はどうなっているでしょうか。
杉並区内の重篤な副反応被害の当事者が声を上げたことで、それから多くの副反応被害の実態が報道されてきました。被害者連絡会の働きかけもあり、現在は調査が行われ、先に述べたように国会でもこれが取り上げられ、厚生労働省も認める有効性と副反応頻出度なども話題に上るようになっています。様々な報道がされる中で、区からワクチン接種のお知らせが届き、戸惑う区民が多くいると考えます。
接種を継続するのであれば、子どものいのちと健康を守るため、このようなワクチンを取り巻く現在の動向や副反応実態も含めた事実を知って判断できるようにするため、説明会を開催すべきと考えるがいかがでしょうか。
次に医療現場での情報提供、インフォームド・コンセントについても伺います。これまで述べてきた期待される効果やリスクについて、最終的に医療機関で接種を受ける前に医師から確認することを徹底していただきたいと考えます。またHPV感染症は性感染症であるから、性体験がある人にはワクチンの有効性が低いことの説明をしていただきたいと考えます。被害者連絡会には20代、30代のかたからの相談も寄せられており、医療現場での説明責任がはたされていないと感じています。副反応報告にも重篤な事例として20代、30代の流産があがっています。また、一度接種を受けて具合が悪くなった人には追加接種はしないようにすべきと考えます。被害者の方達は痛いのを我慢し、また具合が悪くなっていても、せっかくこれまで受けたのだからと追加接種を受けて、重篤な事態に陥っているかたが多くいらっしゃいます。具合が悪くなったことを医療機関に伝えたときに、接種を止めてくれていたら、また今のように副反応で苦しんでいる人がいるという情報に接することができていたら、追加接種することはなかったのにとおっしゃいます。
医療機関に対し、接種希望者との情報共有を徹底させていただきたいと考えるがいかがですか。おうかがいします。
5.次に文科省への、被害者連絡会からの要請について、教育委員会の認識について伺います。被害者連絡会では5月10日、文部科学大臣に次のことを求め「ワクチン接種副反応により義務教育を受けられないでいる生徒の状況についての調査要請書」を手渡しました。
1、 すべての小中学校、高校、専門学校、大学において短期及び長期の欠席などを繰り返している女子児童生徒に対して、HPV接種とのどのような関係があるかただちに全国調査を行うこと。
2、 全国の学校に教育委員会もしくは文部科学省を通じて、厚生労働省が収集している被害報告事例などを活用し、副反応の実態があることを周知させる。教師や学校には実態の多様性や未知の症例のあることを十分に自覚し、被害者への無理解な言動などで被害者の心的なダメージを強めることの無いよう注意喚起すること。
3、 全国各地で学校に通学できなくなっている女子児童生徒に対する教育的な措置を徹底させること。体調を見ながら、闘病先での補講について最大限の配慮をするよう学校に注意喚起し、その指導遂行の制度の創設を検討すること。
大臣からは積極的に取り組む旨の返事がありましたが、このことに関連して以下、質問します。
教育委員会はこれをどのように認識しているか、他の委員からも言及されましたが、再度伺います。
また、要請にもとづき、文部科学省から何らかの通知があったのか伺います。
文部科学省からの通知の有無に関わらず、学校からは副反応実態を知らせていただきたいと考えます。3月の予算特別委員会で、区内の副反応被害について、中学校の養護教諭及び学校関係者へ説明するよう求めましたが、その後どのように対応していただいたか伺います。
また、予算特別委員会では、副反応症状が多岐にわたり、未知の症例のあること、ワクチンの副反応と気づかないでいる被害者がいること、副反応についての無理解から被害者に精神的苦痛を与えてしまう場合があることを、教育委員会から教師に周知することも求めました。その後の対応についても伺います。
杉並区はこのワクチンの導入時には中学校の入学の書類にお知らせをいれ周知するなど力の入れようだったと聞いています。被害が多く出ている今、中学校では教育機関の役割として、性教育、自分の体を守ること、大切にすることと合わせてこのワクチンの説明会を開いていただくよう要望いたします。
6.最後に相談窓口と支援体制について伺います。
被害者が一番に求めているのが治療の情報です。これがわからず多くの方が病院をいくつも渡り
歩くご苦労をされています。
副反応被害が起こったときには、どこで治療が受けられるかの情報提供、救済制度への申請手続き、また学校への連絡など一括して相談、支援を行うことが必要と考えます。
私立中学校に通う生徒、高校、大学、専門学校で理解されず、また出席日数がたりなくなり留年や転校を余儀なくされる状況も起こっています。学校への連絡も相談・支援窓口が行える体制をとる必要があると考えるが、いかがか。
全国子宮頸がん被害者連絡会は杉並区の事例から始まり、その代表は、杉並区の今だに深刻な症状に苦しむ中学生ののお母さまがなさっています。杉並区は国の公費助成が始まる前から全国に先駆けてHPVワクチンを取り入れたことを考えると、他のどこよりもこの問題に真摯に向き合う責任があると考えます。被害者が一番求めているのはもとの健康な体に戻してほしいということです。でもいくら救済制度を作っても、治療方法がわからない中ではその願いはかなえられないのが現状です。
中学生のお母様はつきっきりの介護が必要で、時間のない中、国への要請や記者会見に出てきて現状を訴えています。それはこれ以上自分のような被害者を出してほしくないという御嬢さんや被害者家族の強い願いだからです。
東京・生活者ネットワークでは5月17日に厚生労働大臣宛に「HPVワクチンの接種事業の中断及び中止と副反応被害者に対する救済体制整備を求める要望書」を提出し意見交換を行いました。国がぜひこの要望にそって対応することを強く願っています。
そして杉並区は、これ以上被害に苦しむ子どもを増やさないために、いま苦しんでいる人の側に立った独立した自治体としての判断が求められていることを申し上げ私の一般質問を終ります。