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第4回定例会一般質問   2011.11.21 市橋 綾子

自転車のまちづくりについて          

私は生活者ネット・みどりの未来の一員としまして、「自転車のまちづくりについて」質問します。

 

私は「自動車優先社会から歩行者優先、自転車のまちづくりへ」を政策に掲げ、実現に向けて活動しています。今年の第一回定例会でも今回と同じタイトルで、主に行政の計画について質問しました。今回は、311日の震災以降自転車利用が増えていること、また先日、警察庁が自転車走行について悪質で危険な運転の取り締まりを強化するよう全国の警察に指示を出したということもあり、この時期をとらえて交通安全と自転車駐車場問題の視点から5つの項目に分けて質問します。

 

1つ目として杉並区交通安全計画について2点伺います。

杉並区交通安全計画は区長を会長とする杉並区交通安全協議会が交通事故死傷者を絶滅させることを主眼に、1971年から5年を一区切りとして策定しているもので、今回の第9次計画で40年目を迎えました。近く、第9次の計画が策定されますが、1点目の質問として、第8次計画の成果と、第9次計画の特徴は何かうかがいます。

 

2点目。第9次計画案では4年間で死亡者数がゼロ、事故発生数1,900件以下にするという数値目標が立てられています。この数値目標を達成させるためには、策定中の基本構想および総合計画に第9次計画が反映されるものと考えますが、どのように位置付けられるのか伺います。

 

2つ目。交通安全教育について伺います。

1025日、警察庁から全国の警察本部に「自転車は車両であるということを徹底する」との通達が出されました。これは「車道を通行する自転車」と「歩道を通行する歩行者」の双方の安全を確保するものであり、悪質で危険な運転に対して街頭取締りを強化していくとの姿勢は、当然のことと受け止めています。事故を起こさない、また事故に合わないようにすることが第一であり、そのためには交通ルールとマナーの習得が必要であることが過去40年間、交通安全計画のなかで言われ続けてきました。交通切符を切られて「交通反則行為を知らなかった」とならないよう、区はこれまでの交通ルールとマナーの周知方法から脱却した交通安全の教育改革とも言うべき抜本的な施策が必要と考えます。そこで6点伺います。

 

 

1点目。警察は悪質で危険な自転車走行については交通切符を切るなど、取締りを強化するとしていますが、交通切符とはどういうもので、切符を切られる対象者はどういう人か、また、現在の取締り状況はどのようになっているか伺います。

 

2点目。区は小学生、中学生、高齢者に向けて交通安全教室などを行っておられますが、今後は携帯電話やヘッドホーン、傘差し運転などが増える高校生、成人に向けた交通安全教育にも力を入れるべきと考えます。区のお考えをお聞かせください。

 

3点目。子どもは首が座ったころから母親、父親がこぐ自転車に乗っています。子どもにとって交通ルールのお手本は保護者です。小中学校の子どもたちへの交通安全教育に加えて、就学前の子どもを持つ保護者に対しても交通安全教育が必要と考えます。現状はどうなっていますでしょうか。また、今後について区のお考えを伺います。

 

4点目。子どもたちは56歳からひとりで自転車に乗れるようになります。早い時期に、「自転車安全利用五則」を通して命を大事にすることを教える必要があると考えます。自転車安全五則とは、1.自転車は車道が原則 2.車道は左側を通行、3.歩道は歩行者優先で、4.安全ルールを守る、5.子どもはヘルメットを着用、の5つですが、特に「自転車は車であること」「歩行者が優先であること」を子どもが見てすぐわかるようなポスターにして、子どもの目に触れやすい教室内や廊下、職員室の前、保健室、トイレなどに貼り、低学年の時期に教える必要があると考えますがいかがでしょうか、お考えを伺います。

 

5点目。区は区内の自転車を使用する事業者に対して、自転車の安全利用の研修を行っておられますが、この取組みをもっと拡大したらいかがでしょうか。本庁職員の皆さんが自転車に乗って移動されているのをよく目にします。本庁職員の方に向けても、また区の関連施設、出先機関などでも自転車を多く使用する方に対して研修を広げてはいかがでしょうか。伺います。

 

6点目です。東日本大震災以降自転車利用が増えています。区内の幹線道路、五日市街道で月1回、自転車の走行総数と車道走行数を定点調査している方がいらっしゃいます。朝の7時から8時の1時間で見てみますと、311日の震災前の走行数が100台程度だったのが震災直後314日には243台、4418台、5423台、6472台とふえ、それ以降コンスタントに400台以上を保っている数字を見ても、震災前の3倍から4倍に増加していること、そしてその数の6割強の自転車が歩道を走っていることがわかりました。歩行者の安全確保は喫緊の課題となっているところに、今回の警察の通達がありました。今後、自転車の車道通行が増えてくることが予想されることから、自動車の運転者はこれまで以上に車道を走る自転車に対して注意が必要です。現在、区は3台の広報車に、自転車の安全走行を呼び掛ける看板を付けて町なかを走らせていますが、この看板に、例えば「車道の左側に自転車が走っています。巻き込み注意」などを書いて自動車の運転者に対し、自転車の走行への配慮を促したらいかがでしょうか、お答えください。

 

3つ目として自転車安全走行について2点伺います。

警察庁の昨年の統計では、交通事故自体は減っているものの、自転車が関係する事故が増えている実態があります。全国の交通事故のうち、自転車が関係した事故は151626件、そのうちの84%が自動車との事故になっていること。また、歩行者との事故は自転車事故全体の1.8% 2760件ですが、そのうちの40%にあたる1039件が都内で起きていることが報告されています。

1点目として杉並区の自転車が関係する事故の数字はどうなっているでしょうか。それは都内の他の自治体と比較して特徴があるのかどうか、あわせて伺います。

 

2点目。私は自転車が安全に走るためには自転車走行レーンがぜひ整備されるべきと考えています。このたびの警察庁の通達によれば、自転車走行環境の整備のなかで、「自転車走行レーンの設置が望まれる」と書かれています。このことに対して区のお考えを伺います。

 

4つ目にTSマーク保険についてうかがいます。

区は交通ルールのパンフレットの見開き2ページを使って、自転車保険であるTSマーク保険の加入を呼び掛けておられます。自転車と歩行者との事故が増えていることから自転車側に高額な賠償請求がされる事例も聞いておりますので、自転車保険への加入を呼びかけることは必要なことと思います。しかし、現実にはこのTSマーク保険は一般的に知られていないうえ、今年私が自転車を新しく購入した際に経験したのですが、自転車商の方もいま一つ積極的にTSマークをつけるという姿勢になっていないように感じました。そこで伺います。このTSマーク保険の引き受け団体はどういった団体で、保険の内容はどのようになっているのでしょうか。また、TSマーク保険を区が勧めていくのであればもっと加入を拡げる必要があると考えますが区のお考えを併せてお聞きします。

最後5つ目として商店街の自転車駐車場、いわゆる駐輪場対策について2点伺います。

1点目。駅前の放置自転車は区の努力で減少している一方で、商店街での買い物客対象の駐輪場設置が進まないことが、自転車等駐車対策協議会でも懸案事項になっていますし自転車利用総合計画でも指摘されています。設置が進まない理由を区としてどう捉えておられるのか伺います。

 

2点目。自転車を商店街近くに停めておけないから少し離れていても駐輪場がある大型店舗に買い物に行くと言う人も少なくありません。先日、サイクリングのまちおこしを始めている埼玉県ときがわ町の例を聞きました。なかなかお客さんが商店街に留まってくれず素通りされてしまってお金が地域に落ちない、と悩んだ末に自転車問題の専門家のアドバイスによって、飲食店前に駐輪場を整備したら、食事に立ち寄る自転車愛好家が増え、地域にお金が落ちるようになったという話を聞きました。どこの商店街にも当てはまるものではないかもしれませんが、商店街の活性化につながる対策の1つとして、駐輪場の設置は大きな要素だと思います。商店街の駐輪場は、商店街が自らの力で設置すべきものと考えますが、商店街の規模も大小さまざまあるわけで、自前でできる商店街ばかりではないでしょう。商店街任せでは難しいという点も否めません。商店街に来るお客さんの交通手段を調査し、買物の金額との関連を見ながら、ニーズがどの程度、どの部分にあるかを探り当てていけばそこに駐輪場はできると専門家は言っています。協議会を立ち上げて、商店街にもっとお客さんを呼ぶ、売り上げを上げるにはどうしたらいいか、という議論から始める必要があると考えます。また、商店街の中にある大型店舗やチェーン展開している店への協力依頼は不可欠ですし、商店街を利用する人たちの問題でもあることから、その地域の町会・自治会と組んでまちぐるみで考えることが必要ではないでしょうか。そこでうかがいます。商店街が駐輪場設置に向けて取り組みを始められるよう、区として、さまざまな調査活動、場所の選定、駐輪場の運営方法などに関して後押しできることはないでしょうか、お答えください。

 

最後に2009年の道路交通法規則の一部改正で、子ども2人乗せ自転車が解禁になってから丸2年が過ぎました。街なかではチャイルドシートに子どもを乗せて元気よく走っている若いお母さん、お父さんの姿をよく見かけます。このチャイルドラック搭載自転車は子どもが自分で自転車に乗れるまでの期間、つまり5年程度の期間の使用になります。そのためレンタル方式を導入している自治体もありますが、当区ではレンタル方式をとりませんでした。この自転車はラックが重いうえ、子どもをガードするようにできているので大きく場所をとります。子どもが自分で自転車に乗れるようになると、自転車からラックを取り外す人、自転車ごと手放す人が出てくることが予想されます。ネットオークションや知り合いに譲れる人は問題ないですが、粗大ごみとして自転車やラックを処分する人も相当数出てくることになり廃棄物が増えることが考えられます。例えばシルバー人材センターでラックやラック付き自転車のリユース事業に取り組むとか、それらを自転車商に持ち込めば再販できるようなしくみがあれば、廃棄物にならずにすみます。今後の対策が求められるところです。以上、チャイルドラックおよびラック付き自転車のリユースについて問題提起をさせていただきまして、私の質問を終わります。

第3回定例会 決算特別委員会意見 2011.10.6

                                                         生活者ネット・みどりの未来 小松久子

意見開陳に先立ち、930日、関まさお議員の、思いもかけない突然の、そして早すぎたご逝去に接しまして、生活者ネット・みどりの未来を代表して心からお悔やみを申し上げ、謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。

 

それでは、決算特別委員会に付託された2010年度杉並区一般会計歳入歳出決算および各特別会計歳入歳出決算について意見を申し述べます。

 

当該年度は、山田宏・前区長が任期を11カ月残して区政を途中で投げ出し、参議院選挙と同日で区長選挙が行われた結果、田中良区長が誕生するという、大きな転換の年でした。しかも、年度末のことし第1回定例会最終日だった311日におきた、未曾有の大震災と原発事故により、これまでの区政について、また私たちのくらしの全般について、あらゆる面から見直しを迫られるという、思わぬ展開となりました。

 

この間の我が国の経済状況を見てみますと、今年春先までは、円高やデフレ傾向が企業収益を圧迫するとともに、雇用状況も悪化傾向にあったものの、政府の景気対策や中国を中心とするアジア圏経済の回復などにより、生産や輸出には好転が見られました。しかし、春先以降は、ギリシャの財政赤字に端を発した世界的な通貨危機、米国経済の低迷、長引く円高、大幅な株価の低迷に加え、東日本大震災の被災などの影響から、いま現在、先行きの景気減速が懸念されるところです。

 

それは、杉並区においても、当該年度の特別区民税と国民健康保険などの収入未済が、一般会計と特別会計を合わせて110億円を超える、という状況からも見てとれます。生活保護などの扶助費の増大にも、それは表れています。

 

「経常収支比率が80%を超えたというマイナス要因はあるが健全な財政である」と言いきってしまうより、区の財政状況は、特別区民税の大幅な減収を基金の取り崩しや起債によりなんとかしのいだ、と見るほうが適切でしょう。

 

限られた時間ではありましたが委員会での質疑をとおし、また、いただいた資料をもとに施策の執行状況について調査を行った結果、私たち会派での賛否の判断は分かれました。一般会計ならびにすべての会計決算案に対し小松久子、市橋綾子、そね文子は認定すべきものと判断しましたが、奥山たえこ、すぐろ奈緒は、前山田区政のもとでの当該年度予算に反対とした経緯もあり、老人保健医療会計をのぞく各会計決算について不認定といたします。

 

以下、決算審査の締めくくりに当たり、時間の制約により述べられなかったことや、再確認をお願いしたいことなど、何点か絞って述べさせていただきます。

 

まず、減税基金条例についてです。他の委員の質疑の中で、減税基金条例を廃止する議案を来年第1回定例会で提案、という方針が、副区長より唐突に示されました。田中区長が、前区長の最後の置き土産ともいうべき「減税自治体構想」について、就任早々より退けようとされていることは感じとれましたし、もともと、願望にもとづく実現の疑わしいストーリーでした。条例の廃案自体はきわめて納得できる話です。ただ、この廃止に向けての手続きについては、条例違反の疑いがあることを指摘しておかなければなりません。

 

減税基金条例第2条には「区長は、基本方針を策定し、またはこれを変更しようとするときは、あらかじめ杉並区減税基金委員会に報告しなければならない」と定められています。委員会はこれまでに3回開かれ、今年は111日と74日に開かれていますが、条例の廃止ともなれば基本方針の重大な変更ですから、「あらかじめ減税基金委員会に報告」がされなければならないはずです。ところが会議録を見る限り、そのような報告がされた形跡はありません。

 

また減税基金条例には、昨年3月、区議会第1回定例会本会議において可決成立した際、議員提案による付帯決議が加えられた経緯があり、そこには「基本方針の策定、変更にあたっては、あらかじめ区民および区議会の意見を聞くこと」という記載もされています。しかし、区民および区議会の意見が聞かれたこともありませんでした。

 

「意見を聞くこと」と「報告」のいずれもなしに基本方針の変更とスケジュールが示されたことを、どう考えればよいのでしょうか。区には早急に説明を求めるものです。また減税基金委員会に対して、条例廃止の方針について報告する義務があります。

 

さて、当該年度は行財政改革「スマートすぎなみ計画」終了の年でした。ここで掲げられた、「協働化率6割」という「6割ありき」の目標設定に違和感を抱き続けた者として、これからは民託や指定管理と「協働」を分けていこうと考え直されたことに安どしています。ただ「協働と行革を一体化して総合計画を策定する」と言われたことについては、「協働」の価値がまたまた見えにくくなってしまうのでは、と危惧しています。そのようなことにならないように、繰り返しになりますが、NPOなどの活動の現場にいる人や区民を交えて「参画と協働」をきちんと議論する場を設けるよう、ぜひご検討ください。

 

質疑をとおして、公共調達のあり方の見直しが必要であることを指摘いたしました。たとえば、山田区政時代の工事の入札について、電子入札制度を利用しているにも関わらず、落札者のプロフィールや落札時期に鑑みると、予定価格とその落札率があまりにも不自然なケースがありました。議決事件の要件にわずか10万円弱下回ったこのケースは、議会報告もされないため、議会は気がつかないことになりかねません。いま区長は変わりましたが、今後は、例えば決算審議の資料として契約台帳を、しかも電子データにしたものを議会全体に提示するということが必要だと考えます。

 

入札では、学校等の工事案件の多くにほぼ100%の落札率が続く一方で、区民生活の最も近くにある地域区民センターの入札において数十の事業者が、落札めざしてしのぎをけずり、事業者は無理してでも落とす。落札率は80%程度。その経済的しわ寄せが、従業員にかぶせられ、現場は混乱、官製ワーキングプアを再生産する。そして区民サービスにも影響が及ぶ。このような状況を、いったい誰が喜ぶというのでしょうか。

 

ここで、当区における地域区民センター設置の目的と役割を原点に戻って確認し、どのような公共調達が望ましいのか考えてみてください。最低制限価格のあり方を見直そうと当局も努力されているのは承知していますが、ここに「生活賃金を保障する」という考え方を付加していくこと。そして、社会的価値の実現などいわゆる政策入札に切り替える、または仕様書や参加資格を改善することで、自治体の有する社会的責任CSR(コーポレイト・ソーシャル・レスポンスビリティー)の実現に努めてください。

 

随意契約のあり方にも問題があります。今のような情報化の時代に、「このウェブサイトはどこそこの事業者しか運営ができない」と堂々と理由に挙げて随契するという特別待遇はもはや通用しない、と認識しなければなりません。最初に依頼した事業者に、ずっとすがりきっている、このようなスキームを許しているありようについて、再考を求めるものです。次の予算に向けて、改善に取り組んでください。

 

報酬のあり方については、区長が変わった後も、改善が見られませんでした。行政委員の報酬だけでなく、校医、そして後で述べます園医などの専門非常勤職員の報酬についても、勤務実態に比して著しく不合理だと思える金額が散見されます。生活苦のため税金を納められない区民が増える中にあって、本当にこの支給額や方法でよいのか、市民目線に立ちかえって見直していただくことを求めます。  

 

さて、商店街振興策の問題として、空き店舗について採り上げ、地域の資源として社会貢献にも活用できるようなしくみを、と申しました。商店街振興策としてはこれまで、切り札となるような施策が見つからないまま、イベントに助成する元気出せ商店街事業やなみすけ商品券など、相当な額を投入してこられましたが、その成果が見えないなかで登場した長寿応援ポイント制度は、元気な高齢者施策というだけでない効果が期待されたのではないでしょうか。

 

長寿応援ポイント制度は開始から2年経過しましたが、決算審査では施策の実態を把握できるデータが存在していないことが分かりました。そのため、施策の必要性の有無や改善点を判断することができませんでした。対象者には、区民の税金を使って商品券を交付しているのですから、「なんとなく成果が出ている気がする」という感覚的な評価では困ります。客観的かつ詳細な運営状況を明らかにすべきであり、そのための調査・分析を行うことを求めます。

 

昨年、区内で里子として育てられていた3歳の女の子が家の中で死亡した事件が、里親の虐待による可能性のあることが今年になって判明しました。虐待がもし事実なら、なぜこの事件は防げなかったのか、という思いで質疑をいたしました。里親制度が東京都のしくみであることは承知しています。けれども子どもは地域の子であり、区が関わっていれば、里親への支援や里子に対する見守りがあれば子どもは死なずにすんだのでは、とどうしても思ってしまいます。まして、児童相談所の機能は区に移管される方向性が、すでに示されています。里親制度は難しい課題を抱えた制度ですが、子どもの最善の利益のために、この社会に必要な、そしてもっと広げていきたい制度です。国が人的配置などの支援策を打ち出したことは朗報ですが、区は、今回の事件を区の問題としてとらえ、2度とこのようなことが起きないよう、子育て家庭に対するサポート体制を見直していただきたいと思います。

 

認可保育園の園医さんについて質問しました。法で定められている年2回以上の健診に対し、区から直接、園医側に費用が支払われている保育施設と、委託運営費に算入して間接的に支払われている保育施設があります。質疑の中で、委託の保育施設が支払っている健診費用がいくらか、区が把握しておられないことが明らかになりました。小規模な保育室の場合、委託運営費に占める健診費の割合が多くなっている現状があり、現場では保育の質を下げない懸命な努力がされています。委託運営費を上げるか、委託運営費の中から健診費用として区が見込んでいる額を抜き出し、家庭福祉員の場合と同じように健診費用を区が支払う形態にすべきと考えます。検討を期待します。

 

つづいてごみ問題です。可燃ごみ減量の目標達成が難しい状況で、目標値をゆるめることにするとの答弁がありましたが、ちょっと待っていただきたい。可燃ごみを減らすには、その40%を占める生ごみを減らすことがどうしても必要で、その努力をしないで安易に目標値を下げることには疑義があります。委員会で提案してきたことを実験するなどして、生ごみの減量に本気で取り組んでいただきたい、と強く要望いたします。

 

放射能対策については、誰もが初めて直面する問題で、区は迷いながらも区民の不安を受け止め、意見を採り入れて、放射線量計測や説明会、また給食食材の計測等、取り組んでこられたことを評価しています。今後もホットスポットの除染作業などが加わってくると思われ、放射能対策は、正解がない中で長期に向き合わなければならない問題です。

 

そのようななか、区が、学校での放射能の教育について理解を示してくださったことに、力を得た思いです。区民を、放射能の問題を一緒に考えるパートナーとして、信頼関係を築きながら対策に取り組んでいただきたいと思います。

 

教育に関連して、消費者教育についても述べておきたいと思います。食育についての実績を拝見しますと、食と農業のかかわりについてはよく捉えられていると思うのですが、消費者として食のことを考える学習はされているのだろうか、と疑問に思いました。農業の学習や食育で、国産のもの、産直のものを選ぶ意味を学ぶのはフードマイレージの学習ですが、それが消費行動につながらなければ環境配慮にはなりません。

 

「協働」についての質疑で「いい民間を育てるのは行政の役割」と申し上げましたが、じつは行政の役割以上に「消費者の役割」だと考えます。その意味で「いい消費者」、つまり「考えて、行動する消費者」を育てることは、ぜひ教育で取り組んでほしい大事なテーマだと思います。お金の使い方、管理のしかた、一人ひとりがお金を使うことが社会とどのようにつながっているか、またお金の使い方で社会をどう動かしていけるか、などの教育に意識的に取り組んでくださることを期待しています。

 

エコスクールについてです。当区では、小中学校の改築、改修にあたり、環境負荷、エネルギー消費の低減を目的としたエコスクール化を進めてきましたが、対象となる小中学校5校全校において、改築の後、電気使用量がかえって大幅に増加していることが明らかになりました。エアコンの使用だけでは説明のつかない、大量のエネルギー消費となっています。到底「エコスクール」とは言えない状況です。今後の小中学校の改築にあたっては、エコスクール化の目的、目標を再確認し、設計の段階から抜本的に見直しを図るべきと考えます。既存の5校については、施設の運営や維持管理の中で、いかにエネルギー消費を抑えるか、その取り組みについて至急検討されることを求めます。

 

私たちは、政策決定・意思決定の場に女性が参加することが必要だと考えています。防災対策についても例外ではありません。決算審議では触れませんでしたが、資料請求で「震災救援所運営連絡会会長の性別と委員数とその性別」を伺ったところ、運営連絡会委員の男女比は1:1と同数でしたが、45か所の震災救援所のうち女性の会長はたったの1か所でした。震災救援所の責任者は高齢の方が担っている場合が多く、万一の時は不安という声が上がっています。運営連絡会の会長を2名、男女一人ずつとすべきと考えます。また、3月の震災を受け、各震災救援所の運営マニュアルを早急に見直すよう、働きかけを願うものです。

 

住民自治について一言申し上げます。「放射第5号線の岩崎橋付近の道路構造を平面とする」旨の説明会がありました。これは、都が設置した「放射第5号線事業推進のための検討協議会」が2年4カ月かけて作成した「一部トンネル案」とする提言を、同じ東京都が切り捨てたものです。これまで検討協議会の中で違う意見を1つ1つ積み上げて合意を見つけながらつくり上げた成果が、ものの見事にこわされた形です。杉並区の住民自治が踏みにじられた重大な問題だと言わざるを得ません。質疑の中で、区としても東京都に対し、何度も一部トンネル案を尊重するよう機会を捉えて求めて来られたことがわかりました。だからそこ、都が示す納得いかない理由での平面整備を杉並区は断固として東京都に抗議すべきです。

 

決算審議をとおして、「住民のご意見をお聞きしながら」というフレーズが区側の答弁で、幾度となく繰り返されました。しかしお聞きしてそれをどう生かすのか、の道筋が見えません。基本構想策定にむけて行われた区民意見交換会でも同じことが言えます。市民討議会方式の討論会自体は評価できる試みですが、参加者の意見をまとめた報告書の冊子は、基本構想策定過程でどう扱われているのか。どう生かしていくかの道筋がありません。

 

これまで区はまちづくりに区民が参加する方法を少しずつではありますが取り入れ、「どうせ意見を言ったって区が好きにやるのだから」という初期の時代から、「ともにまちをつくっていこう」という参加型市民が増えてきた矢先にこれでは、行政との信頼関係はゼロ、参加意欲を失墜させるものです。

 

住民自治は、市民がつくる提案を区の計画や条例に生かす道筋が必要です。そのためにはさまざまな場面での合意形成のしくみを整備していかねばなりません。地域のことは地域が決める、大事なことは市民が決める、そういうまちづくりのしくみをつくっていくことが、住民自治を進める基盤になります。

 

エネルギーの問題も、自治の問題としてとらえることが必要です。原発は安全でもなければコストが安くもない、ひとたび事故がおきれば温暖化防止どころか膨大な量の処分不能な核のごみを生み出し続ける、巨大モンスターです。原発に依存する社会に未来はありません。国の脱原発政策の一進一退に惑わされることなく、杉並区は脱石油・脱原発に向けてしっかりと目標を定め、地域エネルギー政策を推し進めていくべきです。

 

最後になりましたが、決算審査にあたり資料の調整に尽力くださった職員のみなさまには、この場をお借りしてお礼申し上げます。今後の政策提言に生かしてまいります。

 

以上をもって、生活者ネット・みどりの未来の意見といたします。

第3回定例会一般質問  2011.9.12 そね文子

私は生活者ネット・みどりの未来の一員として、子育て応援券について、子どもの給食の放射能対策について、以上2点、質問いたします。

《子育て応援券について》

子育て応援券事業は、育ての不安感や負担感を解消し、親の子育て力を高める」「子育てを応援するまちをつくり、地域の子育て力を高める」という目的を掲げ、20076月に始まりました。時保育、子育て講座、親子参加行事などの有料の子育て支援サービスに利用できる券(チケット)を、就学前の子どもがいる家庭に交付し、サービスの利用を促すものです。生活者ネットワークはこの制度が、その目的にそった効果的な事業に育つことを願って、これまでもさまざまな提案をしてきました。

 

当初は区内在住の0歳から2歳までは6万円分、3歳から未就学の5までの子どもに3万円分の応援券が無償配布されました。その後2010年に子ども手当が導入されたのを受け、同年10月からは、3000円で1万円分の券が購入できる、つまり7,000円のおまけがつくという制度に変更されました。併せて、試行としてサービスを利用するきっかけにと、出生時に申請した人に応援券10,000円分が無償配布されています。

 

20114月に区は子育て応援券に関する意識と利用状況の実態などを把握するため、その利用者3000人と出生時無償応援券の対象者200人を対象にアンケート調査を実施しました。

先ごろ私どもも報告書をいただきましたが、利用者820人と出生時無償応援券対象者61人からの回答があり、また同時期に実施した870の応援券登録事業者へのアンケートには529事業者からの回答があった、と書かれていました。これらの調査結果から、以下、○点質問をします。

 

まず、区はこのアンケート結果全体を通してどのような感想をもたれたのでしょうか、またこれまで実施されてきた応援券事業の成果をどうとらえておられるのか、伺います。

 

利用者アンケートでは85.6%の利用者が「地域の様々な人と関わったり、外出のきっかけになっている」と答え「子育てに疲れたり、悩んだときの支援として役に立っていると思いますか」の設問に対し「思う・やや思う」と87.6%の利用者が答えています。目的と照らし合わせて効果が出ているものと理解しますが区の認識はいかがでしょうか。

 

子育て応援券は昨年11月の事業仕分けの対象になり、廃止を含めた抜本的な見直しが必要という評価を受けました。しかし、719日に行われた子育て応援券推進懇談会を傍聴したところでは、今後も継続して行くことが前提で議論がされていました。区では今後、子育て応援券を継続なさるのか、継続されるのであればどのような形で継続されるのか伺います。

子育て応援券の申し込みは年3回締め切りがあり、その都度、購入金額の上限が設定されています。無償だった時には1度申請すれば、年度初めに一括で応援券が届いていました。子ども手当と連動しているからですが、1回に入金される子ども手当の金額で十分払える額なのですから一括購入もできればありがたいという声を聞きます。また申し込んでから券が手元に届くまでに、長いときは半年待たなければならないことも改善の余地があると思います。手続きを簡素化し使い勝手を良くする工夫はできないのでしょうか。うかがいます。

 

出生時に申請した人に無償配布されている10,000円分の応援券は、今年9月までの試行とされています。しかし、最初の敷居を低くし応援券に触れるために、このサービスはぜひ続けていただきたいと考えます。試行ではなく本格実施すべきと思いますがいかがでしょうか。

 

この無償応援券は先ほども述べたように、出産直後に申し込みをすると、3ヶ月から7ヵ月後に受け取ることになります。核家族化が進み、出産を身近に感じることがない環境で育った多くの女性にとって、出産は遠い出来事となりました。お産をして自宅に戻った直後の一番大変な時期にヘルパーに来てもらってサポートを受けたり、母乳相談や育児相談に利用したりするためには、応援券を手にするのが3か月から7か月たってからでは遅いと考えます。先の利用者アンケートでも「産後で慌しく、体調を崩していたりで申し込みそびれてしまった」という意見があり、一番使いたいときに使えなかった不便さを訴えていました。よい制度であるのに使えないのではとても残念です。

 

また、妊娠中から地域の妊婦や母親と知り合い、情報交換の場に参加して、子育て応援券の利用についても情報を得たりすることができたら、それは産後の大変な時期を乗り切る大きな助けになる、という話を聞いています。とくに第1子を出産予定の妊婦にとっては、出産前から支援サービスが利用できれば、出産に備える心の準備の助けになりどんなに心強いことかと思います。第1子のときには、例えば母子手帳と一緒に無償応援券を配布することはできないでしょうか。区の考えをうかがいます。

 

サービス提供事業者の登録状況の推移を見ると、子育て応援券事業が始まった2007年には登録事業者が429であったものが今年4月末現在では870と倍以上に増えています。その内訳で、特に任意団体と個人の事業者が倍以上に増えていることに注目しています。これは親自身の中からサービス提供者になる人たちが現れるなどして、区民主体の多様な子育て活動が広がったと考えられるのではないでしょうか。

 

そう考えるのは、私の友人が子育て応援券の制度があることで事業を始め、それを見た人たちが自分たちでも何か始める、という形で子育て支援の輪が広がっていく現場を、私自身が利用者として実際に見てきたからです。そして、子どもを持つ母親が「自分にとってあったらいい」と考えて企画した子育て講座、例えば子どものアレルギーにも対応した食事作りの講座、予防接種を様々な視点からとらえ考えるための講座、子どもと母親を育てる絵本の講座とその後の参加者同士の意見交換と交流などに私も参加し、そこで知り合った友人や得た情報が自分の子育ての大きな支えになるという経験をしてきました。

 

子育て中の当事者が事業を起こし応援券事業者になる、そういう事業者が増えるということは「子育てを応援するまちをつくり、地域の子育て力を高める」という応援券事業の目的に沿うものだと考えます。区の認識はいかがでしょうか、うかがいます。

 

推進懇談会でも指摘されていましたが、応援券が音楽教室や英語教室などの習い事に使われるケースがあって、本来の目的からしても税金の使いみちとしても疑問の残ることも認識しています。そういうケースに関しては、目的と趣旨をいま一度確認して精査することも必要だと思います。また、つねに公平な目で応援券事業を評価するしくみは必要でしょうし、そうすることで区民の理解や信頼も得ることができます。この事業が杉並の子育て力を押し上げるしくみとして大きく育って行くことを応援したいと考えています。続いて、2番目の項目、子どもの給食の放射能対策について質問いたします。

 

《子どもの給食の放射能対策について》

311日の福島原発事故から11日で半年が経過しましたが、未だに収束の見通しが立っていません。823日、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会の質問に、政府は福島原発から出た放射性セシウム137は広島の原爆の168個分という報告をしました。東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の研究では、放射能の1年後の残存量が原爆は1000分の1に減るが、原発は10分の1にしかならないとされています。杉並区議会では、第2回定例会において全会一致で「福島県及びその他地域のこどもに対する放射線被曝量『年間1ミリシーベルト』基準の遵守を求める意見書」を採択し、政府に提出しました。でも未だに、福島県では1ミリシーベルトどころか5ミリシーベルトを超える高線量地域に子どもたちが住み続けさせられています。

 

1986年に過去最悪と言われた原発事故を起こしたチェルノブイリでは、事故3年後に年間5ミリシーベルトを超える地域には人が住んではいけないとされ、人は強制移住させられました。そのような状況下に、いま日本の子どもが置かれています。

 

私は先日、『チェルノブイリ・ハート』というドキュメンタリー映画を観ました。映画の中で、原発から80Kmから100Km離れた地域の産婦人科医の話では、事故後16年を経て、健常に生まれてくる赤ちゃんは15から20%しかいないと言っています。ベラルーシでは原発事故後、障がいを持って生まれてくる子どもが明らかに多いのにも関わらず、放射能との因果関係は証明されないということで、統計にはなにも出てこないということす。

 

現長野県松本市長の菅谷昭さんは、医師としてチェルノブイリで被災地の子ども達の小児甲状腺がんの外科治療を中心に5年半の医療支援活動を行ってきた方です。その菅谷市長が、内部被曝の恐ろしさを「放射能は体に入ってからでは遅い」ということで、子どもの給食に使用する食材の放射能ゼロを目指す方針をとり、放射性物質が検出された地域の食材使用の制限をしています。

 

さて、これまで杉並区が区民の強い要望を受けて、すべての小中学校、保育園、幼稚園、子供園、公園で放射線の計測を実施されたこと、また第2回定例会で要望した放射線の説明会を4回、シンポジウムを1回開催されたことを評価しています。説明会の開催時間が平日の昼間で、出にくいという意見を受けて、区は一昨日、910日土曜日に追加開催されました。10日の説明会では、以前とは違って質疑に1時間半をあて、区民からの意見を真摯に受け止めてくださったと評価するものです。しかし、730日に開かれたシンポジウムには私も定員いっぱいで入場できず、あとからホームページでシンポジウムの動画を見ました。率直に申し上げて、杉並区が顧問にお願いした加藤和明氏と国立がん研究センターの津金昌一郎氏の、心配しすぎることの弊害が大きいという発言に区民は、上から安心を押し付けられたような思いを抱いたのでは、という感想をもちました。また、会場との質疑応答が紙に書かれたものを通してだったことは残念でした。シンポジウムは私たちがこれから放射能とどう向き合っていくのか、放射線の被ばくからどうやって子どもを守るのか、参加者とパネリストが一緒に対話をしながら考える場であってほしいと願うものです。

 

生活者ネット・みどりの未来は、他の会派にも呼びかけて、放射線説明会とシンポジウムの追加開催に加えて、シンポジウムの進行にあたって「区民の立場に立って伝える」コーディネーターの設置などを求める要請を行いました。ぜひ検討をお願いいたします。

 

小金井市では、チェルノブイリで原発事故が起こった後、市民からの陳情で放射能測定器を購入し、それを市民団体の連絡会が共同で管理、使用し、維持費は市が負担するという、市民との協働のしくみを取り入れてきました。杉並区でも区と区民が協力して除染活動をするなど、信頼関係を築きつつ共に放射能対策に取り組むことを望むものです。

 

放射線の説明会では、これから大量にでる放射線が高いと思われる落ち葉をどうずるか、実際に見つかったホットスポットの除染をどうするか等について話がでました。そして学校の給食の放射能汚染対策について多くの参加者から質問がありましたが、これから、この杉並区で問題になるのは食べ物を通して放射性物質を体内に取り込んでしまう内部被曝の問題です。

 

今定例会では、「ゲルマニウム半導体検知器」の購入にかかる経費が補正予算に計上される予定です。いま実施されている空間線量の測定と結果の公表は安心と信頼につながりましたが、今回予定しているのは水、食品、土壌の放射線を計測できる、非常に精度の高い機器ということで、大いに評価するものです。この件に関連して、以下、質問いたします。

 

1点目です。区はこれまで一貫して食品の放射能検査をする予定はないと言ってこられました。しかし今回購入を決断されたのはどのような判断によるものだったのか、おうかがいします。

 

次に、2点目としてその検知器について、具体的にどのようなものかうかがいます。性能、機械の特徴、耐久性、メンテナンスの必要性など、お示しください。またどこに設置し、誰がどのように扱うことになるのか、質問いたします。

 

この検知器は受注を受けて作られるもので、設置までに時間がかかると聞いています。実際の設置時期はいつになるのか、3点目としてうかがいます。

 

4点目です。消費者庁が自治体向けに放射能検査機器の貸し出しをすることになり、独立行政法人国民生活センターを通して10月から行なうと発表しました。区は承知しておられるでしょうか。機器設置までの間、区内での放射線計測のため、貸し出しの申し込みをする予定があるか、うかがいます。

 

5点目です。新しく導入する検知器を使って食材の放射線量を計る場合、検査には時間がかかるため、1日3検体までしか計れないと聞いています。けれど区民から要望が殺到することもふくめ、検体は無限に出てくる可能性があります。検査の進め方について方針あるいは計画を立てる必要があると思います。どのような計測の方針を立て検査を進める予定でしょうか。

 

うかがって、子どもの給食に関連して質問いたします。以下、学校給食と併せて保育園等の給食も対象として前提にあることを予め申し述べておきます。

 

さて、放射能汚染された稲わらを食べた疑いのある牛肉が、杉並区でも学校給食で使われたことが報告されました。このことからもわかるように、今の国の検査体制では、流通している食材を使用するというだけでは安心は保障されません。保護者から特に心配の声の多かった牛乳については区が販売業者に要請し、9月の学校給食に間に合うように自主検査をすることになったとのことですが、その経過報告や検査結果について、ぜひ公表していただけるよう求めます。

 

秋からは主食の米が徐々に新米に切り替わるため、放射能汚染が心配されます。主食である米の放射能対策を優先的に計測するべきと考えます。区の見解はいかがかうかがいます。

 

一回の食事で大きな割合を占める米が、ほかの食材と同じく放射性セシウム500bqという基準値であることが保護者の不安を大きくしています。放射線量の低い地域のコメを使ってほしいと望む保護者を責めることはできないと思います。機器が据えられて放射線量計測を区が行えるようになるまでの措置として、文部科学省が発表した土壌の放射能汚染地図を参考に、子どもの給食に汚染が少ない地域の米を仕入れていただくことは可能でしょうか。区の考えを伺います。

 

杉並区は、衛生試験所を自前で持っている数少ない自治体のひとつとして、試験所という資源を有効に活用し、検査で得られた情報は他自治体とも共有すべきと考えます。検査データの公表は不可欠と考えますがいかがか、おうかがいします。

 

ところで、財団法人食品流通構造改善促進機構(以下、食流機構とします)という団体があるのをご存知でしょうか。農林水産省のもとに設立された公益法人で、食品の放射能検査データをサイト上で検索可能な形で公表しています。厚生労働省が公表した『食品中の放射性物質の検査結果について』をデータベースに、逐次情報は追加されています。私は偶然このサイトを見つけ、団体に直接電話してそのサイトのしくみについて詳しく聞きました。

 

もし杉並区が食品の放射線検査を行った結果を東京都に報告すると、そこから厚生労働省にそのデータが送られ、厚労省から食流機構に食品の検査結果が送られます。食流機構では例えば東京都杉並区産のジャガイモの検査結果をデータベースに蓄積し、ジャガイモと検索すればこれまで計測されたジャガイモの検査結果が〇〇県○○市ではどうだったという数値が一覧表で見られるという仕組みです。これは今食材の放射能汚染を心配する者にとって一番欲しい仕組みだと考えます。放射能の汚染は、岩手県の一部より福島県の一部の方が線量の低い地域もあるように、斑に分布しています。このような検査結果を知らされないがために、一部の地域で汚染が確認されると、その県全体の産物を買い控えるのが風評被害です。風評被害を防ぐため、有効なデータベースとするための情報提供のために、杉並区の給食食材の産地を市レベルまで明らかにすることを事業者に要請し、放射線の検査結果を公表されることを強く望みます。

 

そして、生活者ネットワークが議会質問でもとり上げてきた食品の表示制度と併せて、食品の産地公表のあり方を見直し、野菜やコメがどこの市区町村でとれたものなのかがわかる仕組作りを国が危機感を持って早急に進めることを、区からも要望していただけるよう、要望いたします。

 

また、先の第2回定例会でも質問として取り上げましたが、放射能の説明会だけでなく、現在保健所が取り組んでおられる「食に関する意見交換会」のような場で、食をめぐる放射能汚染問題もとりあげていただきたいと思います。放射能をテーマとした保護者、学校関係者、栄養士、給食調理員、食材の生産者など、給食に係る全ての人がそれぞれの立場から意見を述べ、情報交換できる場が必要です。現場に携わる方には、様々な立場の方の考えや状況を理解したうえで、出来る限り子どもを守るための給食の実現に努力されることを要望するものです。

 

では、最後の質問です。これから支出することになる検知器導入の費用や、区のこれまでの計測にかかった費用はすべて福島第一原発の事故のために発生したもので、区民の貴重な税金が使われています。これらの費用は、原因を作った東京電力及びそれを推進してきた国に請求すべきと考えますがいかがか、うかがいます。

 

原発推進のための情報操作、情報統制、情報隠しが次々に明らかにされてきました。福島第一原発の事故は当初、津波で電源が失われ冷却機能を失ったためとされていましたが、ある原発設計者の話では、津波ではなく地震で圧力容器そのものが破損した可能性が高いこと、しかしそれを確かめる手段もないということでした。野田新総理は原発廃止を40年後とし、それまではしっかり安全を確保して原発を再開するとしていますが、この地震大国で安全を確保することはそもそも無理です。

 

今夏、東京電力管内で稼動していた原発が2基であった8月9日、東京電力は200万キロワットを東北電力に融通すると発表しました。7月下旬に東北地方で大雨のため水力発電所が甚大な被害を受け停止を余儀なくされ、8月に入り管内の気温上昇で冷房使用が増え電力需給がひっ迫したという理由でした。200万キロワットとはちょうど原発2基分の発電量ではなかったでしょうか。電力は夏のピーク時に合わせてつくられるとされていますが、明らかに夏のピーク時も原発なしで十分にやっていけることが証明された出来事でした。

 

これまで私たちが追い求めていた豊かさとは何だったのか、改めて問い直したい思いです。リモコンを押せば直ぐにテレビがつくこと、ボタンを押せばすぐに熱いお湯がでること、リモコンがついた家電が増え、ちょっとした便利さのための待機電力に原発4基分の電気が使われています。これが本当に必要なのか、福島の故郷を奪われた人や、外遊びができなくなってしまった子ども達の立場で考えたいと思います。電力使用制限令が解除になったからと言って元に戻す必要はないと考えます。経済的な豊かさのために命を縮める人、永遠に故郷を失う人、労働で被爆する人がいる。それを幸せな社会とは呼べません。放射能汚染の根本原因を取り除き、子どもたちに安心して食べ物を与えられる、生活の基本的なことが保障された社会を次の世代に渡すために、行政と区民がともに脱原発を強く進めましょうと申し上げ、私の質問を終わります。

 

第3回定例会一般質問  2011.9.12 市橋綾子

男女平等の推進について              

 

私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、「男女平等の推進」について質問します。

 

311日に起きた東日本大震災がもたらした被害は、多くの人の命を奪い、生き残った方たちの生活すべてが破壊されるという甚大なものでした。津波と原発事故により、震災のあった日から長い人で半年以上も避難所での生活を強いられているという現実のなか、あらためて避難所運営やボランティア支援のあり方が問い直されています。私ども生活者ネットワークでは、「内閣府中央防災会議専門調査委員」でもあるNPO法人イコールネット仙台 代表理事の宗片恵美子さんをお招きして被災者支援の学習会を開き、お話をうかがいました。

 

災害発生直後の避難所では、食糧など緊急課題への対応が最優先になるのは当然ですが、それでも先送りできない女性特有の問題が生じます。昨年2月の第一回定例会での一般質問でも申しましたが、今回も避難所では女性への性暴力やDV被害をはじめとする女性ならではの悩み、例えば避難所では着替えもままならず、毛布にくるまっての着替え、人の目の多い避難所で若い母親が被災のストレスに加え、授乳や子どもの夜泣きに気兼ねをするといった新たなストレスなどは無視されてしまうことなどが報告されていました。

 

こういう状況は被災者自身からはなかなか語られないためときに行政は「声がないのでニーズがない」とすることがあります。性暴力は重大な犯罪ですが、被害届を出さなければ犯罪として扱われず闇に葬られています。避難所生活が長引くにつれ、こうしたきめ細かなニーズを拾うことができる人材が求められます。私は、かねてから「防災計画の策定に女性の参画が必要」「震災救援所運営責任者に女性も位置づけるよう女性のリーダーの育成を」「震災救援所の運営責任者への支援」などを提案してきましたが、この学習会に参加して、避難所運営責任者に女性を置く必要性をあらためて確認しました。

 

さて、2008年、我が国の災害対策の根幹をなす防災分野の最上位計画である「防災基本計画」が修正されました。それまで「女性の参画」とだけしか書かれてこなかった箇所に、「男女双方の視点に配慮した防災を進めるため、防災に関する政策・方針決定過程および防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立する必要がある」、また、「地方公共団体は、避難場所における生活環境に注意を払い、常に良好なものとなるよう努めるものとする。また、避難の長期化等必要に応じてプライバシーの確保、男女のニーズの違い等男女双方の視点等に配慮するものとする」という記述が加えられました。それから3年が経過しましたが、区の防災体制は男女双方の視点を取り入れたものになっているのだろうか。「男女共同参画都市宣言」を掲げた杉並区なのにどうして地域防災計画を決める31人の防災委員のほとんどが男性なのか、と探っていくうちに、防災に限らず区が行う施策に男女共同参画の理念が浸透しきれてないのでは、という思いが湧いてきました。そこで今回、防災の視点をからめながら男女平等の推進について5つの柱をたてて質問をいたします。

 

まず4点伺います。

1点目。「男女共同参画社会」とはどういう社会を指すのでしょうか、区の認識を伺います。2点目。杉並の「男女平等推進センター」は「男女平等」が使われています。しかし、当区の施策では「男女共同参画」が使われています。本質的には「男女平等」だと思うところですが、男女平等と男女共同参画の違いは何か、をお示しください。3点目。1997年に「杉並区男女共同参画都市宣言」を行った背景と、この宣言をつくることで何をめざしたのでしょうか。伺います。4点目。これまで当区が進めてこられた男女共同参画事業の評価、そして課題はなにかお示しください。

 

次に2つ目の柱、国の第3次男女共同参画基本計画との関連で2点伺います。

昨年12月、国は第3次男女共同参画基本計画を策定しました。この基本計画は男性と女性が対等なパートナーとして社会に参画することをめざした法律「男女共同参画基本法」に基づき策定されたもので、2000年に最初の基本計画が策定されて以来、5年ごとに評価・総括をし、今回第3次の基本計画となっています。毎回、「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」を筆頭に、「社会制度・慣行の見直し」「意識改革、雇用等の機会均等」など、重点分野が示されていますが、今回、これらに加えて「男性、子どもにとっての男女共同参画」「貧困など生活上の困難に直面する男女への支援」「地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画の推進」「科学技術・学術分野における男女共同参画」「高齢者・障がい者・外国人等が安心して暮らせる環境の整備」の5分野が挙げられました。

 

そこで1点目の質問です。今回、国が新たに提示した重点分野は、杉並区にとっても重要な課題と考えます。区として、これらをどう捉えておられるのでしょうか。また、今後どのように施策に反映させていかれるのでしょうか、お示しください。

2点目です。国は毎年、男女共同参画社会白書を発行していますが、2004年に起きた中越地震以降毎年、「新たな取組を必要とする分野」として「防災」が挙げられてきました。しかし、当区の男女共同参画行動計画にはこれまで「防災」に関しては入れられてきませんでした。なぜ入っていないのでしょうかお答えください。

 

今回の震災で、被災地の女性たちは、家財道具がヘドロをかぶり、足の踏み場のない我が家を見て、目の前の出来事を信じたくないという思いで、家に入るどころか、近づくこともしない状況にありました。やっとの思いで家の中に入ったとしても体が動きません。なんとかしなくちゃ、わたしがなんとかしなくちゃ、でも頭も体も動かない。当然だと思います。その女性たちが避難所で炊事を任され、朝5時に起きて夜まで100食を3回つくり続けているのです。3か月も4か月も、そしていま半年が経ち、すっかり疲弊しきっています。地震でやっとの思いで助かった人たちが避難所生活の中で亡くなることがこれまでの震災でも報告されていますが、亡くなる方のうち女性の数が男性よりも多いということがこれまでも報告されています。

 

また避難所の責任者の多くは男性で、女性たちが声を出しにくい事柄だったり、あるいはやっとの思いで申し出たとしても要望がなかなか伝わりにくい、理解されないという事例を多く聞いています。私もボランティアで被災地を2回訪ね、ヘドロで汚れた食器や炊事道具を洗い、瓦礫撤去後の川の清掃、草刈りをしてきました。被災地では当時水が出なかったため、私たちがタンクに入れて持って行った水で下洗いしかできませんでしたが、それでも被災した女性たちは片づけの目途が立ったと言って、ほっとした表情を浮かべていました。真に必要な支援によって、被災した女性たちは次に向かって歩き出すことができるのですが、自ら「自分の家のあと片付けをしてほしい」と言えない状況があるのです。

 

そういう女性への支援が必要であるにもかかわらず、避難所の男性責任者から「女性支援のためのボランティア」への理解がなかなか得られず、「なぜ女性に限っての支援なんだ。だめだ」と拒絶され、理解を得るまで説明と説得に長い時間を費やしたこと、このような避難所は1つや2つではない、ということが、日本弁護士連合会主催のシンポジウムでも語られていました。男性からの声だけではなく、女性からの声も届きやすいしくみをもった避難所づくりが必要なのです。これでこそ男女平等の推進ではないでしょうか。

 

特に杉並区の人口は女性の方が2万人も多いのです。これから高齢化が進むにつれ、女性の割合はもっと高くなっていくはずです。防災を考えるとき、そのことを前提とすることが必要ではないでしょうか。避難所の責任者に女性を入れることをはじめとして防災施策に女性の視点を入れるよう担当課としても声をあげていただきたいと、あらためて要望します。

 

3つ目の柱として男女平等推進センターについてうかがいます。

先日、横浜市男女共同参画推進センターが防災ガイド「わたしの防災力ノート」を作成したことを知り、お話を伺ってきました。センターが多くのNPOをはじめとする市民グループ、企業、行政の参加で、女性の視点を生かした「わたしの防災力ノート」をつくり、地域の町会・自治会の集まり、防災訓練、消防団や地域の防災員の集いなどに向けて、これまで2000人の男女に出前学習会を行っています。

横浜市に3館ある男女共同参画推進センターは、それぞれが担当課と月1回の連絡会議を持ちながら、地域のネットワークづくりや男女共同参画の積極的推進を促す事業を進めています。キーワードは「地域」。女性の視点で自分が住むまちのリスクを点検するなど、まちづくりへの参加も視野に入れた事業を行っています。お話のなかで、男女共同参画は地域づくり、まちづくり、仲間づくりです、とおっしゃっていたのが印象的で、杉並の男女平等推進センターの建設に向けた講演会で、国立女性教育会館の館長をされていた志熊敦子さんが「センターができたら地域の掘り起こしをするのが一番大事」とおっしゃっていたことを思い出しました。

 

すでに横浜市では国の第3次基本計画に基づいた行動計画を策定済みということもありますが、センターの機能が当区と全然違いました。横浜市のセンターは公益財団法人男女共同参画推進協会が指定管理者として運営を担い、講座・セミナーの企画、NPOや市民グループ、企業、学校、行政機関等との協働事業、情報収集と提供、広報、調査研究・事業開発、その他は当区と同じように相談事業と施設管理運営事業を行っています。

男女共同参画の課題解決につながる講座・セミナーが多彩なプログラムで展開されていました。

当区はどうでしょうか。「男女平等推進センター」は1997年に児童青少年センターと併設でオープンしました。2007年からは相談事業をNPOに、受付、図書類の管理と貸出、会議室の貸出業務を株式会社に委託しています。

このたび出された国の第3次基本計画では「男女共同参画センター・女性センター等の機能の充実・強化」が掲げられていますが、当区のセンターは果たして「機能」を果たしていると言えるのでしょうか。残念ながら単に入れ物として存在しているようにしか見えません。

 

そこで3点おたずねします。

1点目。男女共同参画を推進するうえで、当区のセンターはどういう位置付けにあるのでしょうか、うかがいます。2点目。区とセンターは一体となって、地域のネットワークづくりや男女共同参画の積極的推進を促す情報発信を行っていくことが重要だと考えますが区のお考えをうかがいます。その場合、センターのあり方についての見直しが必要と考えますがいかがでしょうか。お答えください。3点目。センターの立地についてうかがいます。センターは、徒歩ですと丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から15分、JR荻窪駅から20分の住宅街の中にあり、高齢者や障がい者、お勤め帰りの方、ベビーカーを押す人にとって、立ち寄りやすい場所にあるとは言えません。よりアクセスの良い場所への移転を求める声を私どもに頂いています。センター機能の充実・強化が求められるなか、だれもが立ち寄れるセンターにする工夫が必要だと考えますが、区としての見解を伺います。

 

4つ目の柱、「男女共同参画をめざす杉並区行動計画」について2点うかがいます。

当区の行動計画は、今年331日までを計画期間としていましたが、その後改定されないまま半年が経過しました。男女共同参画社会の実現に向けて、次の行動計画を早急に策定すべきと考えますが、策定の予定はどのようになっているのでしょうか。うかがいます。2点目です。行動計画を着実に推進していくためには目標の数値化が必要と考えます。当区では、保育所数や高齢者施設の定員数、各種審議会等の女性委員の比率などは数値で目標設定されていますが、これに加えて男女共同参画に向けて「めざす姿」を打ち出し、それに向けた具体的な、例えばワークライフバランスに取り組んでいる企業の割合や男性育児休業取得率など、目標数値を示すことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。また、目標達成に向けて進行管理と評価が重要になってきますが、現在の進捗状況調査報告書では「何なにを行った」しか見えてきません。実施したことが目標に照らしてどうだったのか、という評価が必要と考えますがいかがでしょうか。お答えください。

 

今回取り上げた男女平等というテーマは新鮮味がなく使い古された感がありますが、今回取り上げた避難所で女性が置かれた状況を見ても、「子育て・介護」の現状から見ても、相変わらず女性が抱える問題であり、いまだに不平等な状態にあるのが現実です。「男女平等」は意識して取り組まねばならない重要なポイントです。

 

そこで今回の質問の最後に、現在策定中の新基本構想に関連してうかがいます。

前に述べましたように、男女平等は、私たちの暮らしに密接な子育て、介護、防災、まちづくり、教育、環境、くらしなどあらゆる所管との連携や全庁的な体制が必要であり、男女共同参画推進の担当所管だけでは進みません。いま、区では新基本構想策定作業が行われていますが、男女共同参画というテーマが議論されることが少なかったように思います。基本構想、また、総合計画の策定にあたっては「男女平等」を意識的にしっかり盛り込んで施策化するべきと考えますが、区としてのお考えはいかがでしょうか。お考えを伺って質問を終わります。

 

生活者ネットすぎなみ81号  2011.7.25発行

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第2回定例会小松久子の質問と答弁 2011.6.15

<新基本構想について>

【Q】 ● 6月4日に開催された区民意見交換会の開催の目的、またこの手法を使った経緯を伺う。

    

【A】  区民と共有する目標となる、新たな基本構想づくりには、多様な区民の意見を聴きながら進めることが何よりも重要です。そうした考えに立ち、昨年11月には区民アンケートを実施し、約5千人という、これまでにない多くの方々からご回答をいただきました。しかし、回答者の約7割が60代以上で、基本構想審議会でも、若い世代の声をさらに聴取すべきとの意見があり、これを踏まえて、本年2月に転入・転出者に対する追加アンケートを行い、30代以下が約8割を占める約1千人の方から回答をいただいています。

     こうした取組に加え、今回は、住民基本台帳から無作為抽出した区民が少人数での討議を行うという、区民参加の新しい手法を区として初めて採り入れ、意見交換会を実施しました。

     意見交換会では、若い方から年配の方まで、バランスのとれた区民の方々による自由闊達な討議が行われ、建設的で多様な意見が出されたところです。改めて杉並区民の意識の高さ、区政に対する大きな期待と熱い思いを感じ取ることがきました。また、参加したほぼ全員の方から、今回の試みを高く評価する意見が寄せられており、有意義な取組だったと思います。

  

【Q】 ● 参加者の人数や、属性、年代などの状況、実施の概要を伺う。

  
実施してみての区の感想はいかがか。成果と課題は。また参加者からどのような意見がだされたのか。

  
各グループから出された意見を基本構想にどのように生かすのか。

  
この手法は、今度の区政の課題について、区民意見を聴取する場合にも使えるのではないか。今後、実施する

意向はあるか。

  
問題は、出された意見をどのように生かすかということである。区の考えを伺う。

  
昨年秋の区民アンケートやこのたび募集した団体意見、審議会での議論など、さまざまな意見が寄せられているが、どのように生かしていくのか伺う。

  
区民の基本構想に寄せる意見は多様で、それらすべてを反映させるのは不可能であるが、今後策定する分野ごとの計画に反映するのは可能と考えるがいかがか。

  
基本構想づくりのための、子ども・若者の意見聴取をどのように実施する考えなのか伺う。

 

【A】  無作為で抽出した区民1,000人のうち77人の参加があり、内訳は女性が29人、男性が48人で10代から70代まで、全体としてバランスのとれた構成でした。

当日は、参加者が4、5人の班に分かれ、まちづくり、環境、健康、子育て、そして教育などのテーマを討議し、その結果を発表しました。進行は、参加者の自主性を基本に進め、また、3つのテーマごとに班のメンバーを入れ替えて行いました。

 実施後の感想、成果と課題ですが、若い世代から高齢者まで多様な視点からの活発な討議が行われたこと、また、参加者のほぼ全員から意見交換会を通じて区政への関心がより高まったとの意見が寄せられていることなどから、初期の目的は十分達成することができたと思います。その一方で、もう少し討議の時間をとれなかったのか、などについて工夫・改善すべき点もあったと考えています。

 今回の試みは大変意義あるものであったと考えています。今後、どういう場面で採り入れていくか、検討していきたいと思います。

     次に、今回の意見を新たな基本構想づくりにどう活かしていくかですが、その都度、基本構想審議会に報告し、審議の参考にしており、審議会での活発な議論につながっています。なお、意見交換会は、別途、報告書を取りまとめ、公表していきます。

     また、これらの意見は、庁内でしっかりと共有し、今後の様々な計画策定の参考にしていきます。

     子ども・若者の意見聴取は、基本構想審議会の進捗状況等を見ながら考えていきます。

<新しい公共支援事業について>


【Q】 ● 内閣府が推進する「新しい公共支援事業」のため、2年間の時限事業費として、都に5億7400万円が交付された。区は、この事業をどのようにとらえ、どのように進めていくのか。今後のスケジュールと区の考えを伺う。

    
都の意向では、提案されている4つの事業のうち、「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」がメインになるという。この事業の概要について、事例を挙げて説明いただきたい。

    
新しい公共支援事業は、区の「協働」に対する認識が問われるものと考える。この事業の実践を通して、区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えるが、区の見解を伺う。

    
この事業の推進は、区政全体にわたる政策的な課題でもあり、政策経営部企画課が所管するべきものと考えるが、いかがか。

    
昨年秋の区民アンケートで、「協働の地域社会づくり」に「参加したい」と答えた人が8割を超えた。区民のこのような意見を生かすために、区としての積極的な取り組みが望まれるが、区の見解を伺う。

 

【A】  「新しい公共支援事業」は国が2年間の時限措置として、NPO等の活動基盤整備などの支援等を行うことにより、新しい公共の担い手となるNPO等の自立的活動を後押しするとともに、NPO等が地方公共団体と協働して取り組むことを支援するものです。

     「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」の概要は、多様な担い手が協働して自らの地域の課題解決

に当たる仕組みで、NPO等と地方公共団体が協働する取組を施行する事業です。東京都から示された事例では、町会・自治会、NPO等との協働による、高齢者の見守り・お助け事業や地域の相談所設置事業などがあります。

     また、本事業の実践を通してのNPO等と行政との関係は、相互の立場や特性を認め合い、積極的に連携・協働して地域の課題を解決していくものとされています。

     次に、この事業への区の取組ですが、事業は東京都を通じて行われる予定で、現在、実施要綱やスケジュールは示されていません。具体的な取組については、都から事業の要綱等が示される中で、検討していきます。

 

【Q】 ● 以前の議会で、区の「新しい公共」と円卓会議の「新しい公共」は同様のものと答弁されたが、区長の公約に「杉並版『新しい公共』の発想で区民のみなさまとの協働計画を策定」とある。「杉並版『新しい公共』」とは何か。また、その協働計画と策定のスケジュールを伺う。

 

【A】    「杉並版『新しい公共』」ですが、今後、ますます多様化し増大する区民ニーズに行政だけで対応することは困難であり、区民と団体、そして事業者との協働によって担っていく分野が拡がっていくと思います。こうした中で、この間の区民アンケートなどでも示されている杉並区民の高い参加意向を背景に、区民、団体、事業者が主体的に関わり、皆で支え合う豊かな地域社会を築くことであると考えます。

こうした考え方に基づく区民等との協働は、今後ますます大切になり、新たな基本構想の実現にとって欠かせない

課題と認識しています。この点については、現在、基本構想審議会の調整部会でも議論しており、その内容を踏まえ、区民等との協働に関する取組について、今後、検討していきます。

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第2回定例会市橋綾子の質問と答弁 2011.6.15

原子力災害対策について

【Q】 ● 地域防災計画の修正版はいつ出るのか。また、大災害の経験を反映して見直す修正版は今後どういったスケジュールと手順で行われるのか。区として見直しに盛り込まねばならないものは何だとお考えか伺う。

  
防災計画に原子力災害対策の記述を入れる必要があると考えるがいかがか。

  
杉並区国民保護計画には、今回の原発事故のような大規模災害に対する記述がない。見直しが必要と考えるが、区の考えを伺う。

 

【A】   地域防災計画の平成23年修正は、先般、531日に開催した防災会議で決定しましたので、7月中に製本・配布する予定ですが、今年1月の段階での各防災関係機関の修正案に基づいての計画ですので、311日の東日本大震災を踏まえての修正とはなっていません。

     東日本大震災を踏まえての修正は、平成24年修正に反映したいと考えており、スケジュールとしては、平成23年修正同様、9月頃から各防災関係機関が修正作業を始め、翌年1月頃から区が都と修正案の協議を行い、5月の防災会議決定を経て、7月に製本・配布する予定です。

     修正に際し盛り込む内容については、今回の震災では、東北地方の沿岸部は甚大な被害を受け、津波に対する想定の見直しなど様々な論点もあるかと思います。今後、計画の実効性を高めていく検討が必要と考えています。

     いずれにしても、ご指摘の原子力災害対策も含め、都の地域防災計画との整合性も図っていく必要があるので、都の動向も注視した上で検討していきます。

     最後に、国民保護計画は、法に基づき、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態に備えて策定しているものですので、見直すことにはなりません。

 

 

【Q】 ● 今後、区は基本的方向として、低炭素社会、脱原発社会をめざすべきと考えるが、区の認識を伺う。

  
今回の原発事故を受け、エネルギー政策の見直しが求められている。区はエネルギーの地産地消を進めるべきと考えるが、区の認識はいかがか。

 

【A】  この度の原子力発電所の事故を契機に、再生可能エネルギーの重要性は、従前にも増して大きくなっています。今後のエネルギー政策は、当面、既存の原子力発電施設の安全対策に万全を期すとともに、省エネの視点から暮らしや企業活動のあり方を見直しつつ、再生可能エネルギーの割合を高め、可能な限り原子力発電を抑制していくことが重要です。従って、区でもこうした観点から、再生可能エネルギーの普及・拡大を図り、今後、総合計画等の策定を機に必要な検討を進めていきます。

省エネ・エネルギー政策について

【Q】 ● 311日以降、区においてどのような節電の取組みをしているのか、本庁舎では、どのくらいの節電になっている

のか、伺う。

 

【A】  大震災直後は区内での計画停電の実施が取り上げられ、区民に節電を呼び掛けるとともに、区立施設内の消灯や施設の開設時間の短縮などを緊急対策として実施しました。また、この夏の電力危機に向けては、区施設のピーク時の使用最大電力の20%削減を目標として取り組み、総使用電力量の削減にも最大限努めていきます。

     次に、本庁舎における節電実績は、今年と昨年の5月を比べてみると、ピーク時の使用最大電力で9.4%の削減、また使用電力量では12.1%の削減です。空調未使用時期ですが、対策の効果が着実に表れていると考えます。

 

 

【Q】 ● 地球温暖化対策の推進に関する法律で、都道府県、政令指定都市等に義務づけている区域施策編を区でも策定すべきと考えるが、いかがか。

  
太陽光発電機器設置の助成をするだけでなく、区が効果の分析や確認を行うとともに、設置している区民を集めた情報交換や交流の場を設けることが、導入促進に必要と考えるが、いかがか。

  
区内で使用される電力量のうち、何%を再生可能エネルギーで賄うか、新しいエネルギービジョンを示すべきと考えるがいかがか。

 

【A】   法律で定める地域省エネ計画は、今後、総合計画等との整合性を図りつつ、従前と同様に「省エネビジョン」として策定に向けた検討を進め、その中で、ご指摘の再生可能エネルギーの導入目標なども定めていきたいと思います。

     また、太陽光発電機器の導入促進は、設置による節電効果等を分析し、情報発信していくとともに、学識経験者や事業者、利用者の意見も参考に、効果的な普及促進に努めていきます。


 

第2回定例会曽根文子の質問と答弁 2011.6.15



【Q】 ● 区が放射線を測定することにした目的を伺う。また、この間の区民からどのような声が寄せられていたか伺う。

    
放射線計測について補正予算で経費として927万5千円が計上されているが、その内訳とともに、どこをいつまで計測する予定か具体的に示されたい。

    
区民の不安解消には、測定データに加えて放射線を理解する学習会や情報交換の場を設けることが必要と考えるが、区の考えはいかがか。

    
区民が放射線を正しく理解するためホームページの充実が必要です。区の取り組み予定を伺う。

    
子どもを放射能から守るため区は最大限の努力をすべきと考えます。区の決意を伺う。

 

【A】   はじめに、測定実施の目的と区民の声ですが、小さな子供をお持ちの保護者などから、区内の大気や学校の校庭・プール、公園の砂場などの放射線量を測定してほしいという要望がありました。区では、こうした声を受け、放射線問題の対応は広域的な調査と対応が必要と考え、区長会が都に広域的な対応をするよう緊急要請を求めてきましたが、なかなか動きが見られないので、区民の安全安心を確保することを目的に区独自に測定することにしました。

     次に、補正予算の内訳と測定の場所・期間ですが、区内の大気や運動場・砂場の土壌、プールの水について、区内を東西南北に区切り、それぞれから1か所ずつ計4か所を、月1回ずつ継続的に測定する費用を計上しています。また、場所については、運動場は小中学校・保育園から4か所、砂場は保育園・公園から4か所、プールは小中学校から4か所と和田堀公園プールを加えた計5か所、大気は当面、運動場と砂場の土壌測定に合わせその空中線量を測定します。期間は来年3月まで、プールは9月までです。

     今後、区では測定結果が出次第、順次、公表していきますので、その結果を見ながら、学習会や情報交換の場の設定を考えていきます。

     ホームページの充実は、区として測定結果を評価するにあたり専門家から指導をいただきますので、それをふまえ分かりやすい内容としていきます。

     最後に、区民の安全・安心を確保するために最大限努力していくことは当然とことと考えています。

 

【Q】 ● 測定結果について、評価を行い公表するとしているが、どのような専門家が評価を行うのか。また、庁内の対応体制について伺う。

    
今回は検査等を外部に委託しているが、原発事故は収束の見通しが立たず、長期にわたって放射能と付き合うことになると予想される中、長期的な視野に立って取り組むことが必要と考えるが、今後、どのように取り組むか、伺う。

 

【A】  今回の放射線量測定については、子供をお持ちの保護者の方などからの切実な心配をふまえて、区として独自に実施します。測定結果の公表は、その数値の意味する評価を、信頼できる専門家からの指導を受けて、区民の皆さまにできるだけ分かりやすくお知らせしたいと思います。その専門家は、大学共同利用機関法人「高エネルギー加速器研究機構」の名誉教授であり、NPO法人放射線安全フォーラムの理事長、加藤和明先生にお引き受けいただきました。加藤先生は、国の放射線審議会の委員をされていたなど、放射線の専門家として長年活躍されており、既に本区のプール水の測定結果公表にも、ご指導いただいています。

     また、庁内体制ですが、危機管理対策会議のもとに、杉並保健所長を部会長として関係部課長で構成する「放射線量測定等対策部会」を設置し、横断的体制を整えたところです。

     原発問題の解決の見通しがつかない中にあって、今後については予断を許しませんが、周辺状況を見定めつつ適切に対応していきます。      

 

【Q】 ● 学校や保育園の給食に使用する食材について、放射能に関わる安全確保のためどのような取組みを

     されているのか伺う。

 

【A】   給食の食材については、国の基準に基づき安全が確認され市場に流通しているものを使用してお

り、給食における安全性は確保されていると考えます。

 

【Q】 ● 学校給食を食育の機会として区が積極的に取り組んでこられたことを評価しています。いま直面し

ている放射能汚染の問題についても、食の問題のひとつとして子どもも考えることが必要です。区の

見解をうかがいます。

 

【A】 現在、各学校では、給食の時間や各教科等において、食に関する指導内容の充実を図るなど、児童

 生徒の発達段階を踏まえた食育が進められています。 

今後、各学校において行われている食育の指導を一層充実させていくことで、放射線を含め、食品の品

質及び安全性について正しい情報に基づき、自ら判断できる力を身に付けることができると思います。

第2回定例会一般質問   2011.6.15 小松久子

 <新基本構想について><新しい公共支援事業について>

 

私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、新基本構想について、新しい公共支援事業について、以上2点、質問いたします。

 

杉並区の10年後のビジョンを描く新基本構想策定に向けたスケジュールが進行中です。基本構想審議会では、現在3つの部会と、学識経験者による調整部会での議論が併行されているかと思います。基本構想は、杉並区における行政計画の最上位に位置するものですから、策定途上にあるいま、その進捗状況を確認したいと考え、以下、質問いたします。

 

生活者ネットワークは基本構想づくりに関して、かねてよりそのプロセスに思い切った市民参加を、と求め、具体的な提案もしてまいりました。そのひとつが、今年2月の第1回定例会一般質問で「サイレント・マジョリティ―の声を引き出す有効な手法」として提案した市民討議会「プラーヌンクスツェレ」です。

 

このたび64日、区が、まさにこの手法を採用して「10年後の杉並を考える意見交換会」を開催されたことは、提案した者として区の挑戦を評価したいと思います。

 

そこで、質問の1点目として、あらためてこの意見交換会開催の目的と、この手法を使った経緯をおうかがいします。

 

先の議会質問でも述べましたが、市民討議会の特徴は、無作為抽出した市民に呼びかけて参加者を募り、当日は小グループに分かれて議論する、実際に参加した人には時間と労力への対価として報酬を支払う、などというものですが、当区ではどのように実施されたのでしょうか。64日の会での参加者の人数や属性、年代などの状況、実施の概要は実際どうだったのか、うかがいます。

 

私も、基本構想審議会委員の一人として、また市民討議会の実践に強く関心を寄せる者として、期待をもって、短時間でしたが傍聴いたしました。まず感じたのは、参加者の中に一見して若い世代の方が多い、ということでした。また45人のグループに分かれての議論が、その日初対面同士とは思えないほど闊達に、しかも楽しそうに盛り上がっていたこと、さらに各グループの議論のまとめを報告発表する段階で、いずれも立派にプレゼンテーションがされていたことなどに感心いたしました。

 

また同時に、議論を引き出すための情報提供として区が行った区政の概要説明については、わずか15分という短時間だっただけに難しさも感じました。15分間で何をどう語るかで、次に続く議論を実質的には誘導することになるため、ほかの説明だったらどのような議論が展開されたのか、研究の余地があると感じました。区にとっても、貴重な経験になったといえるのではないでしょうか。

 

主催者である区は、実施なさってみて、どのような感想をおもちになったでしょうか。まだ報告をまとめられている途中かと思いますが、現段階で、成果と課題は何だとお思いでしょうか。また参加者からはどのような意見が出されているか、併せておたずねします。

 

そして、この日各グループからまとめとして出された意見が今後、基本構想にどのように生かされるのか、参加者の多くが関心をもって見ているはずです。区のお考えをうかがいます。

 

市民討議会「プラーヌンクスツェレ」は、すでにこれまで北海道から鹿児島まで全国各地で実践されており、都内でも八王子、立川、三鷹などの各市や千代田、新宿、港、墨田区などで実施されました。一度開催した後テーマを変えて3回以上実施する自治体は全国で17に上っています。杉並の場合は今回、基本構想に向けた意見聴取の位置づけだったと思いますが、他自治体の例を見ますと、とり上げられるテーマはいろいろです。千代田区、墨田区、江東区、葛飾区などでは「学校選択に関して」というテーマで実施され、また三鷹市の市民討議会は「東京外かく環状中央ジャンクション」のテーマで開かれるなど、さまざまな政策課題がとりあげられています。自治体によっては、これまで一般的に行われてきたアンケート調査を補完しうるものとしても、採用されているように思います。

 

市民参加の手法としてこれまで一般的に採用されてきた公募区民と違って、無作為抽出の人たちはテーマに対して利害関係をもたないこと、その日に初対面同士であることが、自由な話し合いの空気を生むのだと思います。プラーヌンクスツェレは合意形成しやすいと言われるのもなるほどと思いました。

 

当区でも、今後、ある課題について区民意見を聴取する場合に、この手法が使えるのではないでしょうか。区はその意向があるかどうか、おうかがいします。

 

ただ問題は、そこで出された意見をどのように生かすかということです。市民討議会を実施した自治体では、どこも「議論の結果を政策決定にどう反映させるのか」という課題に直面するようです。当区はいかがでしょうか、お考えをうかがいます。

 

市民討議会だけではありません。昨年秋に実施した区民アンケートの結果や、このたび募集し68日に締め切られた団体意見、審議会での議論など、さまざまな意見が寄せられています。これらをどのように生かしていくお考えでしょうか。

 

区民の基本構想に寄せる意見は多様であり、それらをすべて反映させることは不可能です。ただ、今後策定する分野ごとの計画に落とし込むことは可能であり、そうすべきです。いかがか、おたずねします。

 

この項の質問の最後に、子ども・若者の意見聴取についてうかがいます。若者の意見ということでは、審議会の中で報告された「転入者・転出者に向けたアンケート」が、回答者947人中、30代以下が約8割、40代以下では9割以上という結果になり、それに相当するとみなすことが可能です。

 

しかし一方、18歳未満の子どもの意見については、2月議会の質問でうかがったとき「今後、検討していく」とのご答弁でしたが、具体策が示されていません。子どもは地域に欠かせない構成メンバーなのであり、子どもの意見表明は子どもの権利条約に保障された主要な権利のひとつです。

 

ただ、子どもの率直な意見を引き出すには相応の工夫が必要です。大人の側から子どもの中に入っていくことが重要で、しかもその大人は子どもが信頼する、子どもの目線に立てる人でなければなりません。新基本構想の策定にあたって、ぜひ区にはトライしていただきたいと思います。

どのように実施されるお考えでしょうか。

 

うかがって、次の項目「新しい公共支援事業について」、質問いたします。

 

このたび内閣府が推進する「新しい公共支援事業」のための基金が東京都に設置され、2年間の時限事業費として都に57,400万円交付されました。都ではこの事業を行うにあたり基本方針の検討やモデル事業の選定などを行う運営委員会を設置し、5月に第1回会議を開催、自治体担当者に向けた説明会も開催されました。 

 

内閣府の「新しい公共支援事業の実施に関するガイドライン」によれば、「新しい公共」とは「人々の支え合いと活気のある社会」をつくるため、「市民団体、企業、政府等がそれぞれの役割を持って当事者として参加し、協働する場」とされ、また「従来は官が独占してきた領域を公(おおやけ)に開いたり、官だけでは実施できなかった領域を官民協働で担ったりするなど、市民、NPO、企業等などが公的な財やサービスの提供に関わっていくという考え方」とも記されています。

 

この考え方が、新しい公共支援事業のベースになっています。従来の、補助金をばらまくだけの施策と異なり、NPO等と行政がともに地域の課題を解決していこうとする姿勢が明確に示されています。その意味で、これまでになかった施策に期待を寄せる立場から、以下、質問いたします。

 

東京都は、支援事業の内容として、1.NPO等の活動基盤整備のための支援事業、2.寄附募集支援事業、3.融資利用の円滑化のための支援事業、4.新しい公共の場づくりのためのモデル事業、以上4つのタイプの事業を実施するとし、このうち4番目のモデル事業には、基金の半分にあたる28,700万円をあてる意向を示しています。

 

区は、モデル事業をすすめる上で、現場を抱える自治体として都につなぐ業務を担うことになります。杉並区はこれまで協働をすすめてきた区です。その立場から、この事業をどのようにとらえておられるでしょうか。また、実際どのように進めていかれるのでしょうか。2年の時限事業といい、いますでに6月ですから、関心のありそうなNPOや企業などに早く情報提供しなければ企画や準備にも時間がかかるでしょうし、実際に活動できる期間がさらに短くなってしまい、成果が出せないうちに交付金が打ち切られてしまうことになりかねません。手続きが急がれます。

 

東久留米市で先日、都の担当者を招いて事業説明会が開かれ、私も参加してきましたが、市内で活動するNPOの方から活発に質疑が出されていました。当区での今後のスケジュールはどうされるのか。併せてうかがいます。

 

ところで「新しい公共」という概念はさほど新しいものではなく、1990年代からすでに議論が重ねられ、実践もされてきていました。ただ、国がリードする形で具体化への歩みが始まったのは、鳩山前首相が所信表明演説で述べたことからでした。内閣府に「新しい公共円」卓会議が設置され、杉並区では昨年、「新しい公共」を公約に掲げた田中区長の誕生により、議会でさかんにこの言葉をめぐって質疑応答が交わされました。

 

区長の公約には「杉並版『新しい公共』の発想で区民のみなさまとの協働計画を策定」とあります。私も以前、議会質問で「新しい公共」の理念についてうかがいましたが、そのとき、区の「新しい公共」と円卓会議の「新しい公共」は同様のもの、と答弁されました。であるとすれば、杉並版「新しい公共」とは何でしょうか。杉並版「事業仕分け」は昨年実施されたのでわかりましたが、杉並版「新しい公共」の発想とはどんな発想なのか、語られなかったように思います。また協働計画とはどのようなことか。さらに、策定のスケジュールについても、うかがいます。

 

さて、「新しい公共支援事業」のほうに話を戻します。都の意向では、先ほど述べたように、提案されている4つの事業のうち「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」がメインになるということです。そこで、この概要についておうかがいします。事例を挙げてご説明ください。

 

新しい公共支援事業は、官と民とが役割を分担し連携する必要があることから、区の「協働」に対する認識が問われるものになると考えます。自治基本条例に「協働」をうたい、協働の推進のためのガイドラインを策定するなど、杉並区が「協働」ということについて他自治体に先駆けて取り組んできたことは評価したいと思います。

 

しかし、この間の経過の中で、市民活動団体などから区の「協働」に対する認識に不満があったのは事実で、それは区の所管や職員の中でも協働ということに対する認識がさまざまであったこと、また、大企業への民間委託から小さな任意団体との協力関係までが十把ひとからげに「協働」の実績としてカウントされることへの違和感もそうでした。

 

新しい公共支援事業の実践を通して区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えます。見解をうかがいます。

 

また、この事業を推進していくことは区政全体にわたる政策的な課題でもあり、政策経営部の企画課が所管するべきものと考えます。いかがか、おうかがいします。

 

昨日、私はすぎなみNPO支援センターが開催した「新しい公共を考える―分権時代の協働のまちづくり―」と題する講演会に参加してまいりました。行政とNPO・市民活動の協働がこれからの地域社会を活気づかせていくためのヒントを得られるような内容だったと思います。区の職員もかなり参加されていましたので、今後の行政運営に生かしていただけるのではと期待しています。

 

昨年秋の5千人から回答のあった区民アンケートで、「協働の地域社会づくり」についての問いに対し「参加したい」と答えた人が8割を超えました。今年、311日の大震災を経験した後では、もし同じ質問をしたなら「コミュニティの再生」や「地域の人同士のつながり」を願ってもっと多くの人が肯定的な回答を寄せるのではないでしょうか。

 

震災後の地域には、人との絆を編み直したいと考える人や、社会的な活動をもっと充実させたいと考えるNPO団体が確実に増えている、という実感があります。区民のこのような意思を生かすことは市民自治をすすめる原動力になるものです。「新しい公共」は区長の公約であり、また区にとっては「協働」の実践体験を積むためにも、積極的な取り組みが望まれます。見解をうかがって、私の質問を終わります。

第2回定例会一般質問  2011.6.15 市橋綾子

私は、「生活者ネット・みどりの未来」の一員として、1.原子力災害対策について 2.省エネ・エネルギー政策について 質問いたします。

 

311日に起きた東日本大震災は大津波によるおおぜいの犠牲者と被災者を生み、それに加えて起きた福島第一原子力発電所の事故は、発電所から20キロ圏内に人が住めない状況を引き起こしました。福島第一原発からおよそ230キロメートル離れている東京杉並区ですが、遠く離れているから大丈夫とするのか、それとも想定外をつくらないように備えるのか。

自治基本条例第7条の3、「区はさまざまな災害等から区民の生命、身体および財産を保護するため、危機管理の体制の強化に努めなければならない」に則り、最初の項目、原子力災害対策について3点うかがいます。

 

まず1点目。地域防災計画は、災害対策基本法の規定に基づき自治体の防災会議が策定する計画で、住民の生命、身体および財産を災害から保護する目的で策定されています。毎年検討が加えられ、必要に応じて修正が行われます。当区の地域防災計画は20103月に修正版として作成されたものですが、このあとの修正版はいつ出されるのか、また、311日の大震災の経験を反映した修正版は今後どういったスケジュールと手順で行われるのか、区として次回見直しに盛り込まねばならないものは何とお考えか、併せてうかがいます。

 

2点目です。災害に備える計画として当区が策定している地域防災計画は、震災編と風水害編からなっています。今回のような原発事故を受けて、もし杉並区にさえ住んでいられないような状況がおきたらどうするのか、と考えたときに区には原子力災害に備える計画がないことに気がつきました。ただ、核燃料輸送車両の事故に対応する記述がありましたが、警察と消防関係機関の対応しか書かれておらず、万一事故が起きた場合区としてどういう行動をとるのかが示されていません。事前に核燃料輸送車の走行ルート、通過時刻は明かされないことは、消防職員にとっても周辺住民にとっても問題ですが、そうであるからこそ、それを見越した備えが必要だと考えます。

いまなお収束していない原発の状況を見るにつけ、日本に原発がある限り、事故に備える対策がこの杉並区にも必要だと思います。今回、南相馬市に派遣した区の職員の経験を生かしながら、防災計画に原子力災害対策の記述を入れる必要があると考えますがいかがでしょうかお答えください。

 

この項目の最後に杉並区国民保護計画への記述について伺います。

2004年に制定された「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」国民保護法により、杉並区国民保護計画は策定されています。もちろんこの法律は武力攻撃や大規模テロなどを想定したものであることは承知していますが、大規模な災害やテロなど人為的な危機への対応が不十分とする杉並区の基本的考え方からすると、新しい危機の想定に「原子力災害」を加えたうえで、見直しが必要と考えますがいかがでしょうか、お答えください。

 

次に、大きな項目の2つ目、省エネ・エネルギー政策について伺います。

これまで地球温暖化防止策としてなかなか実績が上がらなかった省エネですが、今回の原発事故により東京電力から「計画停電」が発表され、家庭や事業所などいたるところで節電が行われた結果、消費電力が減少し計画停電の実施には至ってはいません。これからの夏に向けより一層の節電が求められることは言うまでもありません。今回の原発事故による「節電」を一過性のものとするのではなく、地球温暖化対策である省エネに向けた視点で6点質問します。

 

2008年から2012年を第一約束期間とする地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択した京都議定書で示されたCO2削減の目標数値の達成、低炭素社会の実現に向けて、国、都、区においてさまざまな施策が行われています。一方で、54基ある原子力発電所のうち34基が、事故および定期検査により停止している現実があります。つまり、いま日本ではすべての原発のうち3分の1しか動いていません。事故後の運転再開はもちろんのこと、定期検査終了後の運転再開については、住民の同意を得ることは難しいことが想定されます。これまでは原発を推進して、CO2削減を目指してきたものを、これからはエネルギーの大量消費を見直すことを前提にしつつ「脱原発で且つ低炭素な社会」、つまり、脱原発を図りながら自然エネルギーの推進によりCO2を削減して低炭素社会を実現しなければなりません。

私ども東京・生活者ネットワークでは、2000年2月に「市民エネルギービジョン」を策定しております。その内容は、脱原発宣言、分権型エネルギーへの転換、ライフスタイルの見直し、そして環境第一主義の地域エネルギービジョンの提示、などを柱にしています。10年前に自覚したビジョンを現実のものとする責任が、今まさに緊急性を持って私たちに迫ってきています。

 

そこで1点目の質問です。基本的方向として低炭素社会、脱原発社会をめざすことは可能であり、またそうすべきと考えるものですが、区としてどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いします。

 

国では20086月「地球温暖化対策推進に関する法律(温対法とよばれるものですが)」の改正で、すべての地方公共団体に事務及び事業に関しての実行計画の策定が義務付けられました。翌月の7月には東京都が「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」を改正し、事業者が温室効果ガス排出総量削減の義務を負うことになりました。事業者である杉並区は、20102月にそれまでのISO14001を返上し、杉並区役所エネルギー管理方針として「杉並区環境・省エネ対策実施プラン」を策定し、その施行から1年が経ったところでその成果が気になるところですが、現在、温室効果ガス排出総量がどのくらい削減できたかの結果をまとめているところとうかがっております。

当区の「環境・省エネ対策実施プラン」は温対法で自治体に策定が義務づけられた「実行計画」ですが、地球温暖化対策は区役所だけが取り組む問題ではなく、市民や事業者を含むすべての人が区域全体で対策を講じて取組まねばならない問題です。杉並区はこれまで、「地域省エネルギービジョン」を打ち出し、「地域省エネ行動計画」、区役所だけが取組む「環境・省エネ対策実施プラン」、そして「環境基本計画」と次々に策定してこられましたが、対象が区役所だけであったり、目標年度も2013年度、2014年度となっていたり、本当にこれで温室効果ガス削減目標が達成できるのか甚だ疑問です。

 

そこで2点目です。温対法で、特例市・中核市・政令指定市・都道府県に策定を義務付けている「区域施策編」があります。これは、省エネだけでなく、エネルギーをどう調達するか、熱中症対策など温暖化問題への対応策など地域の特性に応じた施策を策定するものですが、杉並区のような特別区には義務付けられていません。

エネルギーに対する市民の関心が高まっているこの機を捉えて当区としても地域施策編を策定し、区域全体で取り組むべきと考えますがいかがかでしょうかお答えください。区域施策編の計画を策定した場合、計画を推進し、目標を達成するため、一般住民・環境団体・事業者代表の参加で実働を担う推進組織の設置が必要であることを申しあげておきます。

 

さて、311日以降、区が行った節電の取り組みにはどのようなものがあるのか、また、それを実施したことで311日の前と後で比較した時、本庁舎ではどのくらいの節電になっているのか3点目としてうかがっておきます。

ちなみに、私たちは旧会派「区議会生活者ネットワーク」の控室を使っていますが、6月に入ってから室温が31℃にもなって暑いこともあり、先日8本入っているロング蛍光管のうち4本を抜いていただきました。残った4本でもなんの支障もなく、早く抜いておけばよかったと反省しているところです。

 

4点目です。区は、地球温暖化防止策として自然エネルギーへの転換に向けて太陽光発電機器設置の助成を行っていますが、区が把握しているのは助成件数にとどまっています。せっかく助成という形で税金を投入しているのですから、実際どのくらいの量が発電できているのか、経済的効果はどうか、設置者にどういう省エネ意識・省エネ行動の変化があったのか、メンテナンスの方法や施工業者の評価などの情報を設置者から集め、区のデータとして蓄積していくことが大事ではないでしょうか。それには情報交換や交流の場が必要です。区が助成した世帯に限らず、太陽光パネルを設置しているすべての区民に区の広報などで呼び掛け、設置者に自然エネルギーを普及する人になってもらうことが導入の促進になると考えます。そのためにも、区がかかわって設置者交流の場をつくるべきと考えますがいかがでしょうかお答えください。

 

自治体の地球温暖化対策を具体的に進めていく際の課題として、市区町村ごとの温室効果ガス排出推計が困難なことがあげられています。目標を立てる際、そして実践した結果の評価のためにもデータの情報開示は必要です。先般、世田谷区が東京電力に世田谷区内で使用されている電気消費量を出すよう要請したと報道がありました。当区もその翌日に東京電力荻窪支社に協力を要請したと聞いています。区内分の電気消費量を出すのは無理とのことで23区内の前日の総電力量しか出てこないという現状です。当区としても引き続き東京電力に要請していただきたいと要望します。

 

今回の原発事故を受け、国ではエネルギー政策の見直しが言われていますが、これは国だけの問題ではなく、自治体にもどのような方針に基づきどのようなエネルギーをどのように使うのかといった「自治体としてのエネルギー政策」を定めることが必要です。

現在、区内には区の助成を受けて設置した太陽光パネル804か所に加え、都だけが助成していた時期の設置者、助成を受けずに設置した方も相当数あり、今年度末には330か所ほど増え、年度末には1130か所にもなり、いわば「市民立太陽光発電所」が増え続けていきます。一方、太陽熱利用の給湯器や高効率給湯器も区の助成を受けて順調に設置が増えているとうかがっております。また、先日行われたハーモニーまつりあんさんぶる荻窪会場で、太陽熱集熱パネルが展示されていました。一番大きいもので横70センチ縦200センチ厚さ6センチ、およそ畳1畳に相当する大きさです。この太陽熱で温めた熱気を換気扇で室内に送り込むシステムです。換気扇はパネルに埋め込まれた太陽光発電機で動かしますのでコンセントいらず、つまり電気代ゼロの暖房システムで、外気温プラス30℃の暖房効果が得られます。エネルギーを最も消費するのは暖房ですのでこのシステムは省エネとして期待できます。なによりもいいのは戸建てだけでなくマンションでも設置できるものです。このような自然エネルギーの利用は今後減ることはないと考えます。当区はもうすでに相当量のエネルギーを生産する「エネルギー生産基地」であるという発想を持って、これをさらに推し進めてエネルギーの地産地消をすすめていくべきと考えますが、区の認識はいかがでしょうか、5点目としておたずねします。

 

6点目、最後の質問です。

いま、太陽光、太陽熱をはじめとする再生可能エネルギーの導入を加速し、エネルギーの地産地消のまちづくりを目指すときです。先日新聞で、前高知県梼原(ゆすはら)町長 中越武義(なかごしたけよし)さんの紹介がありました。梼原町は国の環境モデル都市の一つですが、町長就任の翌年から、太陽光、太陽熱、地熱、小水力、バイオマスと次々と自然エネルギー利用を採用して実績をあげられているのを知り、もちろん小さな町で地域性も杉並とはまったく異なるものではありますが、その先見性と実行力に目を見張りました。しかも、そのやり方は、決してトップダウンではなく、市民を前面に立ててやってきた、つまりエネルギー自給100%を目指すことを宣言した町長のリーダーシップがあって、市民とともに実現してきた結果である、と書かれていました。

当区においても、区内で使用される電気量のうち何%は再生可能エネルギーで賄う、といった新しいエネルギービジョンを示すべきと考えます。我が区でも首長のリーダーシップを期待するところですが、区長のご決意をうかがいまして、私の質問を終わります。