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代表質問  2016年2月12日 いのち・平和クラブ そね文子

いのち平和クラブを代表して「平成28年度予算の編成方針とその概要」及び区政の諸課題について質問いたします。

質問に先立ち、先日2月6日に起きた台湾の地震でお亡くなりになった方々、被災された方々に哀悼の意を表し、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

では本題に入ります。
昨年は安倍政権が、民意を無視し、違憲とされる安保関連法案を強行に通し、日本が他国の戦争に参加する道をひらくという、戦後の国のありようを大きく変えた年でした。しかしこれに反対するあらゆる世代が、連日国会を取り囲む抗議行動を大きく繰りひろげ、なかでも若い人たちが「民主主義が壊されたら、またここからつくり始めればいい」と語り、多くの行動する若者を生み出したことに希望を感じました。
区長は、成人祝賀のつどいで、初の国会議員選挙が行われた126年前、最下位当選者の得票数が56票であったこと、その後国民の運動によって選挙権が拡大していったにもかかわらず、日本は戦争に突入し多くの犠牲が払われたことを話されました。そして「18歳に引き下げられた参政権を立派に行使していただきたい」と新成人に訴えかけ、強い印象を残しました。

1. まず、憲法と平和施策についてお聞きします。

① 安倍首相が、7月参議院選の争点に憲法改定を明言し、この国を支えてきた拠りどころを根こそぎ変えようとしている今、立憲主義と憲法の意義について、あらためて区長の見解をお聞きします。
② また、戦後70年を過ぎ戦争体験の風化が進む中、杉並区の平和施策についての区長の見解と取り組みを求めます。
③ 一方、辺野古新基地建設をめぐり沖縄県の許認可権を否定した国が、県を裁判に訴え、憲法に規定された地方自治の理念が危機にさらされています。自治体と国の対等な在り方について区長の見解をお聞きします。

2. 次に、福島を忘れない取り組みと震災対策、脱原発についておたずねします。
昨年夏に女性議員の視察で南相馬市を訪れた際、除染によって排出された放射性廃棄物が大きな黒い袋に入れられ、それがいたるところに山積みにされている光景を目の当たりにしました。市内にはいまだに人が住めない帰還困難区域と居住制限区域、またそうでない地区が混在し住民は分断され、制限が解除になっても戻らないという人も多く、復興のめどはまったく立っていない状態でした。福島を置き去りにして、原発再稼働を進めることは許されることではありません。

① 東日本大震災からから5年経た今、区長の一貫した「福島を忘れない」取り組みを評価しています。区長は震災直後にいち早く南相馬市にかけつけ、交流自治体とスクラム支援会議を立ち上げられました。自治体の災害支援の在り方について国に提言し、福島への支援を継続して来られた取り組みについて、総括と今後の課題をおたずねします。
② 3.11の教訓から、自治体として区に課せられた課題は何か、区長の見解と新年度の予算における具体的取り組みをお聞きします。
③ 九州電力川内原発に続き関西電力高浜原発が再稼働され、四国電力伊方原発の再稼働も時間の問題となっています。しかし福島第1原発事故の被害の教訓から、過半数の人が原発に頼らない社会と再生可能エネルギーの拡大を望んでいることは、あらゆる調査結果に現れています。引き続き太陽光発電など再生可能エネルギーの普及を推進するなど、区の積極的な取り組みを求めますが、お考えを伺います。
④ 区は、区立施設で使用する電力を特定規模電気事業者、PPSから購入し、学校施設から区民センター、区庁舎に拡大してきました。昨年第4回定例会では、3年間で1億4848万円の財政削減効果があったことを確認できました。この4月から家庭用電力が自由化されるにあたり、PPSからの購入をさらに拡大するよう求めますが、いかがかお聞きします。また、可能な限り太陽光など再生可能エネルギーを電源とする事業者を支えるために、そのような事業者から購入するよう求めますが、いかがでしょうか。

3.続いて、温暖化防止と省エネ対策についてお聞きします。
① 昨年秋に開かれたCOP21で採択されたパリ協定で、日本は2030年までに温室効果ガスを13年度比で26%削減する目標をかかげました。東京都ではすでにそれを上回る30%削減の目標を立てました。これを受けて、杉並区では温暖化防止に向けてどう取り組んで行くのか、お考えをお聞きします。また、現在区は1990年度比でCO2を2%削減するという暫定の目標を設定していますが、この機会にCO2削減目標をより高く設定しなおすべきと考えます。いかがか、併せてお聞きします。

建物の断熱リフォームや、新築の際に高い省エネ基準をクリアさせることは、省エネを進めるためにたいへん有効な手段です。
② 区立施設再編整備計画を進めるに当たり、新施設建設の際の省エネ基準の設定はどうなっているのでしょうか。高い基準を設けるべきと考えますが、区の見解を求めます。
③ 本庁舎では、毎年目標を持って節電に取り組み、2010年度比で20%以上の削減を達成するという大きな成果を上げています。しかし、それに比べて学校や他の区立施設での削減はまだ進んでいません。区民サービスを目的とする施設で、同じ比率の削減は無理だとしても、区民にも理解を求め、目標をもって節電に努めていただきたいと思います。お考えをお聞きします。

4.次に施設再編整備計画について伺います。私たちの会派は、築40年を超えようとする区立施設が一斉に建て替え時期に入るにあたり、30年~40年前と状況が大きく変化し、区民ニーズや施策の優先順位からも一定の施設の再編が必要なことは理解しています。区民から寄せられた不安や疑問に対して、細部にわたりますが、区長の明快な答弁をお願いいたします。
① 施設再編整備の第1の柱に保育園待機児童ゼロを据えたことは評価しています。しかしゼロ歳児をはじめ、依然として厳しい現状があります。これについて区の認識と新年度の待機児童数をうかがいます。
② 区の総合戦略では、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」との基本目標を掲げています。田中区政のもと、待機児童解消に向け、認可保育園を柱に増設に取組み、2010年から5年間で保育定員を2,890人増やしてきたことは高く評価します。これまでの取り組みについての総括と、今後の待機児童解消に向けた計画と決意を伺います。
③ 一方、区の合計特殊出生率が0.99と低位にあるなか、区は新たに「多子世帯の保育料等の負担軽減の実施」を行います。区独自の対策として、対象者の年収区分を2倍程度に引きあげますが、対象範囲を広げる目的と、拡充によりどの程度対象者が増えるのかお聞きします。
④ また全ての多子世帯への支援とはならず、対象とならない世帯から不満がでることが予想されます。対象者数の把握状況とその対策についてお聞きします。この施策によりさらに保育園が不足する事態にならないように、保育園の計画的増設を求めておきます。
⑤ この新たな取り組みは、4年間試行的に行われますが、子どもを安心して産み育てられる環境につながるものとなるよう期待します。この課題の最後に「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」少子化対策に向けた区長の決意についてお聞きします。
⑥ 施設再編整備のもう一つの柱に、特別養護老人ホーム待機者の解消を据えて、高齢者関連施設の整備を据えたことを評価します。要介護高齢者を抱え、仕事もできなくなり家庭が崩壊する厳しさは当事者でなければ理解できません。特養待機者の解消は緊急課題であり、待ったなしです。特養待機者の解消に向けた取り組みの実績と、待機者の現状、その解消に向けた特養増設の計画を示してください。
⑦ いのち平和クラブは、施設再編整備に児童館事業の拡充を求め、具体的取り組みを確認してきました。さらに、子どもを取り巻く環境の厳しさから、放課後の安全な居場所づくりを施設再編整備計画の第3の柱に据えるよう求めてきました。計画の中に盛り込まれた取り組みと、今後の姿勢を確認します。
⑧ あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財産交換についてお聞きします。あんさんぶる荻窪と税務署との交換の動きが新聞で初めて知らされたこと、またあんさんぶる荻窪が駅至近にあり、なかでも荻窪北児童館が乳幼児親子から小中学生の使いやすい場所として親しまれてきたことで、区民の中に不安や反対の声もあります。一方、急を要する特別養護老人ホーム200床や区内全域の在宅介護の困難事例に対応できる後方支援機能設置のための用地獲得の目的は理解もできます。そのためには、交換後に児童館利用者などの居場所が保障されることが不可欠です。
最近、2010年12月に、区長が財務省理財局長に出した荻窪税務署建替えの一時休止を求める要望者の真意が問題となっています。そこでお聞きします。あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財産交換に至る過程で、区長が荻窪税務署の建て替え計画を把握したのはいつだったのか確認します。また、区長が、荻窪税務署の建替えの一時休止を国に要望した目的はなにかをお聞きします。当時は特別養護老人ホーム建設の具体的な方向は出ていませんでしたが、この段階ではどのような利用を考えておられたのかお答えください。当時、荻窪駅北東地域の再開発計画が現実にあったのか、再開発との関連があればお聞きします。
⑨ その後、数年間事態が進まなかったのはなぜでしょうか。建て替えを延期していた国から問い合わせが来たのはいつか。それに対して区はどのように対応したのかおたずねします。また、あんさんぶるとの財産交換という手法を着想されたのはいつか。その理由もあわせてご説明ください。
⑩ 区民の中には、公務員住宅跡地だけで特養建設は可能であり、あんさんぶるとの交換はしなくてもできたという意見があります。それは可能であったのか確認します。先ほど、他の会派から今でも定期借家制度を使い、公務員住宅跡地を安く借りて特養をつくることができるということや、区が計画する特養は税務署を立てた後の残りのスペースに入るとのことが図を使って示されました。この点について、私たちも直接、関東財務局に連絡し確認しました。当局からは「制度のスキームがあることは“仮“の話としてあると答えた」と、あくまでも仮のこととして答えたとのことでした。これを今からでもアンサンブルとの交換がなくても特養建設が可能であるかのような主張を議会で行うのは区民が混乱することになります。明快な答弁をお願いします。6000㎡を超す区内の広大な用地の取得はここ以外、方南町の公務員住宅など区内で他にもあったという意見がありますが実態はどうだったのかお聞きします。
⑪ 国との財産交換の交渉に入った過程で、議会に対する説明をいつどのように行ってきたのか。また地元住民に対する説明をどのように進めてこられたのか確認します。引き続き住民には正確な情報を伝え理解を得るために努力していただくよう要望します。

5.次に、施設一体型小中一貫教育校についてお聞きします。
① 学校改築にあたり、施設一体型小中一貫教育校について保護者からの不安や意見が寄せられています。地域や学校関係者の理解を得て建設され、開校から1年を迎える施設一体型小中一貫教育校の杉並和泉学園を、区はどのように評価されているのかお聞きします。
② 高円寺地域の小中一貫教育校の建設については様々な意見がありますが、杉並和泉学園の開校までの取り組みを高円寺の新しい学校づくりに生かしていくことが重要であると考えます。区の見解を求めます。
③ 施設一体型小中一貫教育校については、他自治体の先行例では、未だ成果が検証されておらず、一方、初等教育と中等教育の独自の役割も認められています。今後の施設一体型小中一貫教育校の計画化に当たっては、杉並和泉学園の検証を踏まえるとともに、地域の実情を把握し、保護者・学校関係者の意見を聞きながら、慎重に進めるべきであると考えますが、区の姿勢をお聞きします。
6.次に貧困対策についておたずねします。

2015年4月から施行された生活困窮者自立支援法に基づく総合相談窓口として、「くらしのサポートステーション」が開設されました。生活保護に至る手前のもう1つのセーフティーネットとして期待するところでです。

① しかし、生活困窮者の問題を解決するには、相談を受け付けるだけでなく、相談窓口に行きつかない困窮者への対応として、アウトリーチが必要だと考えますが、区の見解を求めます。
② 困窮者は税金や保険料の滞納、住宅費の滞納など複合的な問題を抱えることが多く、分野を超えた様々な機関との横断的な連携によって問題解決を図ることが必要だと考えますが、区の見解を伺います。
③ 昨年の生活保護の住宅扶助費の削減による厳しい現状が訴えられています。住宅扶助費の削減や単身世帯の床面積基準額の計画化による転宅指導によって、個々の状況にどのような変化があったのか確認します。
高齢者2人世帯などでは、住み慣れた部屋からの転宅が必ずしも良いことではないと思われますが、その場合どのような配慮を行っているのかうかがいます。
当事者によっては転宅指導により精神的に不安になっているなどの相談も寄せられています。当事者の現状に寄添った対応を求めますが、区の見解をお聞きします。

6人に1人の子どもが、またひとり親家庭ではその54%が相対的貧困状態にあるとされています。2014年1月に子供の貧困対策法が施行されましたが、予算がつかず国としての覚悟と責任が感じられない不十分なものとなっています。
しかし、足立区では、子どもの貧困対策実施計画を策定し、専門の担当部署を創設するなど、基礎自治体として取り組む動きも出てきています。経済的支援を担う行政と地域の区民レベルの活動が連動して、子どもを中心に置き、家族ごと支援する体制をつくっていくことが喫緊の課題だと考えます。

④ 区が子どもの貧困の連鎖を断ち切るために、様々な施策を行っていると認識していますが、具体的な目標をもって取り組むことも必要だと考えます。区はどのような目標をもって施策を進めようとしているのかおたずねします。
⑤ 子どもの貧困を家庭だけの問題にせず、社会全体で支援していこうという市民レベルの無料学習支援や子ども食堂などの実践が広がっています。自分も何かできないか、と思っている区民も少なくありません。区民への情報提供や活動を後押し、支援する取り組みが求められていると考えますが、区の見解をうかがいます。
⑥ 私たち会派は、結婚歴のない一人親に対し「寡婦(寡夫)控除のみなし適用」をする他の自治体の事例をあげ、その必要性を訴えてきました。昨年国の方向性が示され、4定で区の前向きな答弁も確認できました。他会派の質問で、新年度に寡婦(寡夫)控除のみなし適用が保育料に適用されることがわかりました。新年度から寡婦(寡夫)控除のみなし適用をするに当たり、対象を保育料にした考え方についてお聞きします。

7.次に超高齢社会を見据えた地域包括ケアシステムについてお聞きします。
① 地域包括ケアシステムに関し「在宅医療・介護連携の推進」「認知症施策の推進」「生活支援サービスの体制整備」の3点が自治体として充実すべき施策とされています。2016年度に区が進めてゆくそれぞれの基本的な方向をお聞きします。
② 地域包括ケアシステムの推進の要ともいえる、生活支援サービスの体制整備に伴う協議体の形成および生活支援コーディネーターの設置に向けては地域の社会資源の連携・交流の場が持たれ、丁寧にすすめられていると認識しています。ネットワーク連絡会の場ではどのような意見が出され、区としてどのような課題を認識されたか伺います。
③ 区長は「高まる介護需要に対応して良質なサービスを安定的に提供していくためには、施設の整備と合わせて介護従事者の確保が喫緊の課題」だと述べておられます。介護従事者の負担軽減策と併せて、現場の職員の労働条件改善が必要です。介護事業の現場における課題を細かく分析し、その課題解決のために区がすべきこと、事業者がすべきこと、また利用者や地域がすべきことを明らかにし、効果的な対策をうっていくことが必要だと考えますが区の見解をお聞きします。

8.次に差別を許さない区政の取り組みについてうかがいます。
① 障がい者が、親亡き後も住み慣れた地域で生活できるための支援が必要です。新年度に、重度のグループホームなどの障がい者施設の整備が打ち出されたことは評価いたします。その具体的な方向とそれを支える体制整備についてお聞きします。
② 性的少数者を取り巻く問題が人びとの大きな関心を呼び、社会で取り上げられるようになりました。当事者の話を聞くにつけ、これは性的少数者側の問題ではなく、受け皿となる社会の寛容性や人権意識の低さが当事者を長きに渡って深く傷つけてきた問題だと知ることとなりました。電通の調査では日本人の7.8%が性的少数者だという結果が示されています。であればこの杉並区にも4万人以上の性的少数者がいるということです。性別違和を抱える方たちは同じ境遇の人に初めて出会うまでに時間がかかり、学校に上がってからの男女別名簿、更衣室やトイレの問題、修学旅行、中学の制服などで長い間とてもつらい思いをしてきたと言います。その間、誰にも相談できず、自殺を考えた人が6割にのぼり、自殺未遂も14%と非常に高い割合となっています。区民への啓発や、教員、区の職員や窓口業務にあたる職員の研修を早く行い、あらゆる相談窓口で性的少数者を理解した上での相談対応ができていることを明示するよう、求められています。性的少数者の生存権、人権を保障するために、今後区がどのような取り組みを行っていかれるのか、考えをお聞きします。

9.次に環境対策についてお聞きします。
① 農に親しむ成田西ふれあい農業公園が4月に開園予定です。区民と区内の農業者が交流する「ふれあい農業体験」などの取り組みも示されました。
先日、緑の保全方針で示されたモデル地区をどう作っていくか、地域住民と行政、農業従事者が話し合うワークショップを見学させていただきました。農業者の思い、農業継続のために求められること、住民の地域の農業にもっと触れたいという思いを聞き、区民と農業者の交流の場がもっと必要だと感じました。私どもも協力し、共につくっていきたいと思っていますが、今後の取り組みの方向と区長の決意をお聞きします。
② 将来にわたって杉並区の農業と緑を守るためには、子どもたちへの教育にも力を入れる必要があります。区ではこれまでも、区内の農家での小学生のイモ掘りや収穫体験などの取り組みをされてきたと認識していますが、今後それをさらに多くの学校に広げていっていただきたいと思います。区の見解を伺います。
③ あき家対策についてお聞きします。昨今、地域で「空き家」が問題となっています。ゴミのたまり場、放火や電線などからの火災の危険性、「不審者」の隠れ家や未成年のたまり場になるのではないかと、近隣に住む方の不安材料となっています。区でも昨年、空き家等対策協議会を設置して、総合的な空き家対策に取り組むため、空き家等対策計画をまとめていると聞いています。1月に素案が審議されたと聞いていますが、どのような対策を検討しているのか、行政書士や司法書士などの力を借りた調査や取り組みが必要と思いますが、区の見解をお聞きします。

10.最後に区民の区政への関心と参加を高める取り組みについておたずねします。
今回、区民との双方向のコミュニケーションをとり、その意見を区政全体に生かしていくことを区長が示されたことは高く評価委します。
① 無作為抽出による区民や、区内の高校、大学等での若者と区長の懇談会を実施するとのことですが、区民が区政や社会参加に関心を持つようになることを期待しています。今回方針にこのことをとりいれたのはなぜか、区長の考えをお聞きします。
② 一方で、もっと小さいころから、自分たちにとって良い社会は自分たちがつくっていくという、主権者としての資質や能力を育むシチズンシップ教育も必要だと考えます。この際、高校や大学に限らず小学生や中学生と区長の懇談の場も設けていただきたいと思いますがいかがでしょうか。以上お聞きし、いのち平和クラブの代表質問をおわります。

第4回定例会一般質問と答弁  2015.11.19奥田雅子

【Q】  ● 環境情報館が環境活動推進センターとして移転して1年経った。区はどのように総括し、課題は何か。また今後、拠点としての機能をどのように盛り込んでいこうとしているのか伺う。

【A】   明治の頃の杉並区は、河川は緩やかに蛇行し周りには田んぼが広がり、子どもたちは川の中で魚をとったりして遊ぶ、自然が豊かな農村でした。その後、昭和になり高度経済成長期を迎え、街が大きく変わり失われたものも多くありました。今、残された環境を守り育てていくためには、様々な環境施策が必要であり、その核の一つとして環境活動推進センターを位置づけています。

荻窪の環境情報館を「リサイクルひろば高井戸」と同じビルに移転させ、リニューアルすることで相互の機能強化を図るとともに、環境学習機能が充実する新杉並清掃工場や杉並正用記念財団、高井戸地域区民センター協議会とも連携した取り組みを行うことを目指しています。まもなく1年を迎えますが、高井戸での認知度も向上し、運営が着実に軌道に乗ってきています。

今後は、さらに多くの皆様にご利用いただけるよう施設のPRと魅力ある講座の開催などに努めるとともに、地域のイベントに積極的に関わっていくことで、地域と環境団体との接点を増やしていくことが重要でしょう。こうした取り組みを通して、環境団体の活動拠点としてのさらなる機能強化を図っていきます。

【Q】  ● 移転前と比べ利用状況はどうか。 環境活動推進センターという名称が他の施設と似ているという声が聞かれる。公募や環境団体からの提案で愛称がつくと良いと思うがいかがか。

【A】  講座室の利用率は、環境情報館の時よりも向上してきていますが、さらなる利用促進に努めていきたいです。センターの愛称は、区民の方がセンターに親しみを感じるとともにPR効果もあると考えていますので、今後、環境団体連絡会などを通じて愛称についての議論を深めていきたいです。

【Q】  ● 環境団体連絡会のねらいは何か。また、所属する団体の分野や数、参加状況を伺う。また、運営について課題は何か。

【A】  環境団体連絡会は区に登録している環境保全やエネルギー、公害対策などの分野をテーマとして活動する39の団体の交流や情報交換の場として、環境団体が主体的に開催しています。

連絡会は、通常年4回開催されています。各団体の参加状況ですが、出席率が高い団体がある反面、極めて低い団体があるなど両極端の状況が生じています。各団体の活動実態やニーズを把握した上で、連絡会の運営を改善していくことが課題となっており、区もそうした観点からの支援をしていきます。

【Q】  ● 環境をテーマとした、市民、事業者、区が一体となって考え、共有化する場が必要と考えるが区の認識を伺う。

A】   共有化の場は、環境問題の具体的な解決策を見い出していく上で大切なものです。区では、これまでも区民、事業者、環境団体などの参画を得て「杉並区地域エネルギービジョン」を策定し、区内の商店会や環境団体などで構成する「マイバック推進連絡会」を設置し、レジ袋の削減に取り組んできました。

今後も区民、事業者、区が一体となって考え、課題を共有する場が形成されるよう、さらに努めていきたいです。

【Q】  ● 高井戸センターまつりと環境活動推進センターの事業が連携した取り組みはできないか、区の見解を伺う。また、杉並清掃工場が完成した暁には、清掃工場も連携して環境のまつりの開催を提案したいが見解を伺う。

【A】   環境団体と区民センター協議会や杉並正用記念財団との間での交流や情報交換を積極的に行い、高井戸センターまつりなど様々な分野での連携が図られるよう努めます。

現在、杉並清掃工場の「環境フェア」は、改築のため休止となっていますが、新工場稼働後の再開に向け、工場側と連携策について話し合っていきます。

【Q】  ● 地域包括ケアシステムについて、区のこれまでの取り組みについて伺う。

【A】   区は、これまでも地域包括ケアの重要な要素である在宅医療や介護のニーズに対応するため、在宅療養支援体制の整備や認知症対策、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の在宅介護サービスの充実に努めてきました。さらに、地域包括ケアシステムの構築に向け、25年度から3か所のケア24をモデル地区に選定し、26年度には地域づくりのモデル事業を実施し、地域に根差した取組方法等を検討してきました。その成果を踏まえ、今年度より、全てのケア24に地域包括ケア推進員を配置し、日ごろの活動を通して、医療・介護の連携、認知症対策、生活支援体制の整備等を推進しています。

【Q】  ● 介護保険制度改定で介護予報給付の一部が地域支援事業に移行することとなった。区はどのように受け止めているのか、伺う。

●今回の新しい地域支援事業の意義は、新しい地域づくりとも言われているが、どのような地域づくりを行っていくのか、区の見解を伺う。

【A】  地域支援事業は、介護予防や自立した日常生活支援のための施策を総合的かつ一体的に行うもので、今回の予防給付の一部移行は、地域支援事業の趣旨に沿ったものと考えます。

また、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう地域包括ケアシステムを構築していくことは、地域づくりそのものであると捉え、各地域の特質や様々な地域資源・人材を活かし、皆の力であたたかく支え合う地域づくりを推進していきたいです。

【Q】  ● 介護予防・日常生活支援総合事業の目的と考え方について区の捉え方を伺う。

●利用者が介護予防給付から介護予防・生活支援サービス事業に移行する場合、該当者にとってどのような変更になるのか、新たな手続き等が必要になるのか、区民への周知を含め伺う。

●訪問型サービス・通所型サービスの類型の多様化について、区はどのような計画を立てているのか、また、その際の検討事項をどのように整理しているのか、伺う。第7期介護保険事業計画に住民主体によるサービスBを導入するとしたら、第6期中に準備することはないのか。

【A】   この事業は、区が地域の実情に応じて多様なサービスを充実することにより、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的・効率的な支援等を可能とすることを目指したもので、来年度から実施します。

介護予防給付からサービスを移行する方は、事業者と書類上の契約を改めて交わすことになりますが、利用者の方が混乱しないよう、ケアマネジメントを行うケア24を通して、個別に丁寧に周知していくこと等を考えています。

総合事業における多様なサービスは、現行相当の訪問型サービスと通所型サービスに加え、緩和された基準によるサービスと短期集中予防サービスを実施する計画です。次年度の円滑な移行・実施に向け、サービスごとの基準や単価等を定め事業者に周知していくことや、新たな介護予防ケアマネジメント体制等を検討課題とし、準備を進めています。

住民主体によるサービスBについては、実施主体として事故対応や苦情等への十分な対応が必要となるため、今後の指定事業者の動向も踏まえ、第7期介護保険事業計画策定に向けた取組みの中で、導入の必要性を検討していきます。

【Q】  ● 生活支援コーディネーター的な機能を担う地域包括ケア推進員をケア24に配置したが、現在の状況や期待するものは何か。

●協議体の形成に向けて、第1層レベルでの準備会を進めていると聞くが、その目的や活動について、伺う。

●区内の3ブロックで(仮称)生活支援ネットワーク連絡会を開催しているとのことだが、見えてきたことは何か。

●連絡会は1.5層の捉えになるかと思うが、国は第2層の協議体の設置を提唱している。第1層の協議体だけでなく第2層の協議体が重要と考えるとケア24を単位とした第2層の協議体が望ましいと考えるが、区の考えは。

●第1層と第2層の協議体との関係づくりも重要と考えるが、区はどのように体制づくりを進めていくのか。

●生活支援サービスの体制整備について、来年度以降の構想はどのように考えているのか。

 

【A】   ケア24への地域包括ケア推進員の配置により、今まで以上に地域の生活支援サービスに関わる資源や情報の把握が進み、関係者のネットワークづくりに繋がりつつあります。今後も高齢者の生活全般を支えている地域の多様な資源の掘り起こしを期待しています。

次に準備会ですが、協議体設置の考え方や役割、規模、構成メンバー等について意見交換を行い、それを参考に検討を進めることを目的としており、その活動の一つとして、今年度は既に生活支援サービスを提供している団体の連絡会を開催し、情報の交換・共有の機会を設けました。その連絡会では、地域における高齢者の生活実態や不足するサービスの把握とともに、団体同士のネットワークの必要性を確認しました。

そして協議体ですが、第1層の協議体は区全体で、第2層は高齢者の生活に近いところで設置する予定です。ご指摘の通り、第2層の協議体は具体的に活動を展開していく重要な役割があるので、ケア24の担当区域を考慮した設置を検討します。

今後、第1層と第2層の協議体が、相互に関わりを持って活動できるよう、それぞれの役割や機能について整理し設置していきます。

次年度は、この第1層、第2層の協議体の活動を通して、地域の支え合いや助け合いの地域づくりを進めていく構想です。

【Q】  ● その他の包括的支援事業として「住宅医療・介護連携の推進」と「認知症施策の推進」があるが、それぞれの進捗状況と課題について伺う。

【A】   「住宅医療・介護連携の推進」ですが、今年度から、杉並区医師会の協力を得て、医師をリーダーとした「在宅医療地域ケア会議」を開始し、医療と介護の関係者が区内7つの地域で、顔の見える関係づくりを進めています。今後は、この会議に参画した関係者間の連携を深め、高齢者1人ひとりに合った切れ目のない在宅医療・介護のサービス提供につながるよう努めます。また、在宅医療相談調整窓口でも、高齢者本人やその家族を始め、医療・介護・福祉の関係者からの相談にきめ細かく対応し、高齢者の在宅療養を支えていきます。

次に「認知症政策の推進」は、認知症になっても地域で安心して暮らせるよう、認知症サポーターの養成に力を入れるとともに、早期発見、早期対応を図るため、地域包括支援センター・ケア24での「物忘れ相談」の拡充や医療機関の連携を定めた「認知症クリティカルパス」の普及に努めています。加えて、認知症が疑われる高齢者を早期に医療・介護サービスにつなぐ「認知症初期集中支援チーム」を、来年一月に発足させる予定です。

こうした認知症の早期発見・早期対応の仕組みをしっかり機能させていくため、ケア24をはじめ介護関係者への研修を行い、認知症の本人や家族への対応力を向上させるとともに、区民の方に認知症の進行に応じた適切なサービスの案内ができるよう「認知症ケアパス」を今年度内に作成し、その普及・啓発に力を入れていきます。

 

 

第4回定例会一般質問  2015.11.19 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として、
1. 地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度改定について
2. 環境活動の推進について質問します。

まず、最初に「地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度改定について」です。
2000年に介護の社会化という期待を担って導入された介護保険制度は、それ以降、3年ごとの制度改定がなされてきました。私はこの間の法改正を法の本来の趣旨から言って後退したと考えています。その意味で好ましいと思えません。そのため「改正」と呼ぶ気持ちになれず、あえて「改定」と言わせていただきます。
昨年2014年6月、地域における創意工夫をこらした、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築を目的に制定された「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備に関する法律」に基づき、2015年に介護保険法も改定されました。この改定では、地域包括ケアシステムの構築と低所得者の保険料軽減の充実を掲げる一方で、保険料上昇をできる限り抑えるため、所得や資産のある人の利用者負担の見直しが示されました。
そもそも、地域包括ケアシステムのめざすところは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるように、「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の5つのサービスが一体的に受けられる支援体制をつくることにありました。そのために、国は在宅医療や訪問看護の充実など、介護と医療との連携強化や、24時間対応型定期巡回・随時対応サービス等の創設による在宅サービスの強化など、介護サービスの充実、健康寿命を延ばすための介護予防に向けた取り組み、見守りや配食、買い物などの生活支援サービスの推進、そしてサービス付高齢者向け住宅など高齢者の住まいの整備などを進めてきています。杉並区においても第5期介護保険計画からそれらの充実に取り組んでこられたと認識しています。
さらに2015年度から2017年度の第6期杉並区介護保険事業計画では、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据えて、杉並区においても単身高齢者世帯や高齢者のみ世帯の増加にともなって、医療や介護を必要とする高齢者がますます増加する状況に対し、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを本格化していく必要があるとしています。
これまでの区の取り組みと、第6期2年目に入る来年度に向けた施策の方向性を伺いたく、質問いたします。

<1>
少しさかのぼりますが、2013年10月1日号の広報すぎなみによれば、地域包括ケアシステムについて「暮らしやすい住まいで医療や介護を受けられる環境をつくり、住民同士が見守り等により相互にささえあい、高齢者が住み慣れた地域で、さいごまで自分らしい暮らしを続けることが出来る仕組みのこと」とイラスト入りでわかりやすく説明されています。おそらくは「地域包括ケアシステム」という文言が広く区民に示されたのは、この時が初めてではなかったでしょうか。

1-1-1.2年を経過する中で、この地域包括ケアシステムについて、杉並区はどのような取組みをされてきたのか最初に伺います。

<2>次に、新たな地域支援事業に関して2点お聞きします。
1-2-1.1点目として
今回の介護保険制度改定のなかで、大きな変化の一つは、これまでの要支援1・2が従来の国レベルの一律給付から、介護保険料を財源としながらも自治体レベルでの裁量に任される「地域支援事業」に移行し、拡充されたことだと考えています。自治体として、今回の改定をどのように受け止めているかお聞きします。

1-2-2.2点目は、
今回示された新しい介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業という3本の柱からなる「新地域支援事業」の意義は、介護保険制度の一部改定という意味合いを超えた「まったく新しい地域づくりの一大変革」とも言われているようですが、そのめざすところは何か、また、どのように地域づくりを行っていくのか区の見解を伺います。

<3>次に、介護予防・日常生活支援総合事業について4点伺います。
1-3-1.「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」としての新たなしくみの目的、考え方について区はどのように捉えておいでか伺います。

1-3-2.2点目は少し細かい話になりますが、利用者が介護予防給付から介護予防・生活支援サービス事業に「移行」する場合、該当者が混乱なく、きちんと理解できるようなスムーズな手続きがされることを望みますが、当時者にとっては、どのような変更になるのでしょうか。新たな手続きなどが必要となるのでしょうか。今後2016年度以降の予定について区民への周知の仕方も含め伺います。

1-3-3.3点目として、訪問型サービスや通所型サービスなどのサービス類型の多様化について、各自治体での裁量が活かされる取り組みになっていますが杉並区としては、どのような計画を立てているのか、また、その際の検討事項をどのように整理されているのかお聞きします。

1-3-4.また、国が提示しているサービスの類型において、多様なサービスには住民主体による支援の訪問型・通所型サービスBというものや配食や見守りのような生活支援サービスがあり、杉並区ではその計画は次期第7期介護保険計画に反映させていくと理解しています。しかし、住民主体の地域づくりには時間もかかることから、サービスBの導入に向けて、第6期中に準備していく必要があると思います。4つ目の質問として、区の見解をお聞きします。

<4>次に、生活支援体制整備事業について6点伺います。
地域支援事業に位置づくもう一つの事業「包括的支援事業」には4つの事業が挙げられています。その一つである「生活支援サービス体制整備事業」については、生活支援コーディネーターの配置および協議体の設置が制度化されています。この生活支援コーディネーターは、まさに「新しい地域づくり」のカギとなるものと理解しています。

1-4-1.まず一つ目、生活支援コーディネーター的な機能を担うものとして、各ケア24に地域包括ケア推進員を配置していますが、現在の状況やその期待するものは何か、伺います。

1-4-2.2つ目として、協議体形成をめざして、区全域を想定した第1層レベ
ルでの準備会をすすめていると聞いておりますが、その目的や活動について区
はどのように捉えておいでなのか伺います。

1-4-3.3つ目、現在、区内3ブロックで、(仮称)生活支援ネットワーク連
絡会が開催されていますが、連絡会を通して見えてきたことは何か、伺います。

1-4-4.また、3ブロック単位であると1.5層の捉えになるかと思いますが、国では中学校区を想定した第2層の協議体設置を提唱しています。私も次の段階として第2層が重要と考えており、最終的には20の地域包括支援センター単位が望ましいと考えています。20という地域分けはほぼ中学校区に相当し、いわゆる歩いて行かれる範囲です。このぐらいだと地域状況や人の関係性も把握できます。サービス体制を完結することは当初は無理としても、それは隣接地域との連携で可能であるわけで、住民サイドに立っての視点が必要かと思います。地域事情もあり一律にするのが難しいのであれば、できるところから始めるということもあるのではないでしょうか。最終的な到達点をどのレベルとイメージしているのか区の見解をお聞きします。

1-4-5.1層と2層の協議体との関係づくりも重要と考えますが、区はどのように体制づくりを進めていくのかお聞きします。

1-4-6.6つ目です。今年度各ブロック1回ずつの(仮称)生活支援ネットワ
ーク連絡会の集まりを持ったわけですが、今後の生活支援サービスの体制につ
いて、来年度以降の構想はどのように考えているのか、お聞きします。

<5>この項目最後の質問です。在宅医療・介護連携と認知症施策について伺います。
1-5-1.生活支援サービス体制整備事業以外の包括的支援事業として、「在宅医療・介護連携推進事業」「認知症施策推進事業」がありますが、病気を抱えても自宅等の住み慣れた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けられるためには、地域における医療・介護の連携が不可欠であり、その体制整備が重要な課題だと考えています。また、認知症への早期対応や地域の理解などケア24を中心に対策が進んでいると思いますが、それぞれの進捗状況、課題について伺います。

これまで行政が推進すべき施策・制度について述べてきましたが、その根底として今、そして今後求められるのは、住民による地域づくりだと思います。
先程、「まったく新しい地域づくりの一大変革」と申し上げましたが、それは、地域包括ケアシステムを地域の住民同士による“ささえあい”によって作り上げるべきではないのか、と考えるからであり、であれば自分たちのまちは自分たちでつくる、という住民の意識変革が必要です。近頃よく言われる「自助」「互助」「共助」「公助」の、互助の部分に住民自らが参加していくことが求められる時代になってきています。
さわやか福祉財団の理事長清水肇子さんは財団の機関紙で、「新しい制度の作り方でリスクを負うのは住民である。それも、住民がどのくらい参加するかで自分たちの制度の質が決まるのだから、議論の過程に住民不在はあり得ない。だからこそ協議体や生活コーディネーターに住民主体という柱が当然に必要なのである。」と述べておられます。私もその通りだと考えます。
私はこれまで、自分たちが必要としていて、既にあるけれど何か違う、私たちだったらこうするというしくみを自ら生み出し、地域に根差した市民事業を実際に運営する活動に関わってきました。キーワードは「参加」と「自治」です。区民の活動が推進されるために惜しみない支援や情報提供をお願いし、次の質問に移ります。

2つ目の項目、環境活動の推進についてです。

環境問題は地球温暖化やごみ問題、大気汚染、土や水の汚染、生物多様性の喪失、エネルギー問題など多岐にわたりますが、いずれも人間が活動することによって、地球上の自然環境に影響を与えているという意味で根っこは共通しています。また、自然は私たち人間の命をはぐくみ、恵みをもたらす一方で、自然災害など命を脅かすものにもなります。そのことを常に肝に銘じながら、自然環境と共生し、子どもや孫の代、そのもっと先まで持続可能な暮らしをつないでいかなくてはなりません。そのためには環境問題を自分の問題としてとらえ、問題解決に向けて行動する人を増やしていく取り組みは今の時代にはとても重要なテーマだと考えています。そのような問題意識から質問をしてまいります。

<1>環境活動推進センターは、環境問題の解決に向けて行動する活動の発信基地のひとつだと思います。高井戸の地で定着し、区民に愛着をもって利用されるセンターとなってほしいと考えます。そこでまず、最初に環境活動推進センターについて2点質問いたします。
2-1-1.昨年12月から環境情報館の機能の一部が、あんさんぶる荻窪からリサイクルひろば高井戸の3・4階部分に環境活動推進センターとなって移転し約1年が経ちます。移転前と比べ利用状況はどのようになっているのか伺います。また、この利用状況について区はどのように総括をし、課題は何ととらえておいでか。
今後、拠点としての機能をどのように盛り込んでいこうとしているのか、併せて伺います。

2-1-2.2点目。環境活動推進センターという名称が他の○○推進センターと
いった施設と似ていて覚えにくい、親しみが感じられないという声が聞かれま
す。たとえば区民からの公募や環境団体からの提案などで環境活動推進センタ
ーに愛称をつけることを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。区のお
考えをお聞きかせください。

<2>次に環境団体連絡会について質問します。
2-2-1.現在、区に登録している環境活動団体が集まり、年に4回環境団体連
絡会が持たれていますが、この連絡会が環境団体の活動の活性化につながるな
どの実りあるものとなっているのか気になるところです。この連絡会のねらい
は何か。
また、連絡会に所属する団体の分野、その数、連絡会への参加状況を伺います。
さらに、議題出しなど連絡会運営についても、区として考える課題について伺
います。

<3>次は環境活動を共有化する場について伺います。
2-3-1.杉並区の総合計画では持続可能な環境にやさしい住宅都市づくりの施策において、地域での環境美化・自然環境保全に向けた取り組みや環境教育・環境学習などに区民、事業者、地域団体、環境NPOが参加しており、今後も幅広い区民等の参加をすすめる必要があるとしています。環境活動推進センターは区の環境政策を推し進めていくための重要な機能をもっており、このセンターという場や発信される情報が区民に活用され、環境活動の活性化につながることを私は期待しています。以前行っていた環境博覧会のように、環境をテーマとした区民、事業者、区が一体となって考える場、共有化する「場」が必要だと考えますが区の認識を伺います。

2-3-2.まずは、来年の高井戸センターまつりと環境活動推進センターの事業と連携した取り組みを提案したいと思いますが、区の見解を伺います。
また、高井戸の地域は、清掃工場、高井戸地域区民センターそして環境活動推進センターが集中してあります。今建て替え中の清掃工場が完成した暁には、地域区民センターと環境活動推進センター、そして清掃工場が連携して、環境を一つのキーワードにした「まつり」の開催を提案したいと思いますが、区の見解を伺います。

区民、事業者と共に環境問題に取り組むことで、区の進めようとする環境政策への理解が広がり、ひいては環境活動推進センターの知名度も上がり、環境団体の活動促進、交流にも寄与できるのではないかと考えます。
以上、地域包括ケアシステムも環境問題も自分の暮らしのことを人任せにせず、自分で考え行動する人を増やすことが、持続可能な社会をつくっていくことに繋がると考えます。区民のやる気を引き出し、それを後押しする役割を区に発揮していただくよう期待して私の質問を終わります。

決算特別委員会意見開陳 2015.10.15 いのち平和クラブ そね文子

いのち・平和クラブを代表して、決算特別委員会に付託された2014年度杉並区一般会計歳入歳出決算および各特別会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。
2014年は、少子高齢化が加速する実態を改めて浮き彫りにした年となりました。「団塊の世代」の多くが65歳以上となり高齢者人口が初めて年少人口の2倍を超え、世界で最も高い日本の高齢化率は26%にまで達しました。
高齢者の単身世帯が増加し、認知症高齢者の見守りなど高齢者を地域で支える仕組みづくりが急務であり、持続可能な社会保障制度の確立が正念場となっています。また 、若い世代が働きながら子どもを産み育てられる環境整備や貧困の連鎖を断ち切る取り組みなどあらゆる世代への施策が求められた年でした。

国政に目を向けると、7月に安倍内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、戦争のできる国へと大きく方向転換した年です。憲法で縛られている権力者が、自らその縛りを解いて勝手に憲法解釈の変更を宣言し、国民の議論は置き去りにされました。さらに福島第1原発事故を契機に停止していた原発の再稼働を宣言し、住民の声を無視する形で九州電力川内原発の再稼働準備に舵を切った年でした。一方、法人税減税で大企業は優遇されても、4月実施の消費増税と8月からの生活保護基準のさらなる引き下げは、低所得者にいっそう厳しさを強いることになりました。
国が平和とくらしや福祉を脅かすときに地方自治体の役割が問われた年でした。私たちいのち・平和クラブは区民のいのちと暮らし、平和を守る一点で改選後、新たな会派を結成しました。その立場から2014年度決算委員会の質疑を通して評価する点を以下、申し述べます。

第1に、健全な財政運営を進めた姿勢です。対前年度比で一般財源は約75億円の増加となりました。収入未済額は4年連続で減少しています。持続可能な財政運営を行っていくための指標である経常収支比率は、目標80%以下を達成し、79.8%となりました。 これは一般財源が増加したためですが、人件費や扶助費などの義務的経費やその他経費も増加しています。歳出においては、公園の整備、保育施設の整備、特別養護老人ホーム等や障害者グループホームの整備など、区民生活にとって必要な投資が行われたと認識しています。区長は、行財政改革は、区民福祉の向上のための手段であり、それが目的ではないことを明言していることを評価しています。しかし今後も扶助費やその他の経費の増加は確実であり、区には健全な財政運営のために引き続き努力していただくよう求めるものです。
第2に、田中区長の憲法に対する姿勢です。一般質問への答弁で、「立憲主義は政治の根本であり、政治を志す誰もが従うべきもの」と答えています。本定例会でも、憲法99条で、国会議員など公職にある者の憲法遵守義務を定めていることが強調されました。

第3に、田中区長が自治体の役割を福祉の増進に据えていることです。障がい者施策では全国に先駆けて重症心身障がい児の保育施設実現を支援するなど、拡充が図られました。特に家庭の経済状況によって子どもが不利益をこうむることがないように、貧困の連鎖を断つことに施策を講じた取り組みは大切です。国の生活保護基準の引き下げが、就学援助などに及ぶ影響を考慮し、義務教育における教材等の区独自の一部負担など義務教育保護者負担軽減策を拡大したことは評価できます。

第4に、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)副反応被害者救済への取り組みについて
です。杉並区内に深刻な副反応被害者がいることが明らかになり、区は独自の救済制度をつくって対応するとしました。そして当該年度、初めて区長が被害者を見舞い、一部救済を行いました。今年の9月には国に大きな動きがありましたが、質疑の中で、国の救済が足りない部分は区で責任をもって対応するとの答えがあり、引き続き支援を求めます。
第5に、区民の命と安全を守る責任を果たしてきたことです。災害に強いまちづくりを進め、区内木造密集地域の不燃化対策、緊急車両の入れない狭隘道路拡幅の取り組みなどを評価します。また、南相馬市への支援と、福島を忘れない取り組みを継続し、区政にも生かしてきました。

第6に、教育の独立性・中立性・公正性について、今年4月、国の教育委員会制度の法改定にあっても、区の教育委員会の独立性を明言したことです。教科書の採択にあたってその適切な関わりを確認できました。

その上で、当該年度の予算に対して会派結成以前に要望した課題について、審議を通じて確認できたことを述べておきます。

第1に、施設再編整備計画についてです。老朽化しつつある区立施設全体の建て替えが順次迫られ、一方で40年まえ50年前の時代と大きく変化したニーズに対応することが求められています。それを進めるために、一定の施設再編が必要なことは当然です。
厳しい財政状況の中で、Aランクで約900人の待機者がいる特別養護老人ホーム建設と、待機児童解消のための保育園増設や学童クラブ増設を緊急かつ優先課題に位置づけたことは評価するものです。児童館事業の当初「施設を廃止」とした方針が改められ、児童館事業の継承・拡充の方向と具体的取り組みを確認しました。

審議の中で、子どもが犠牲となる悲惨な事件の頻発を受け、放課後の安全な居場所づくりが再編整備計画の大きな柱に据えなおされたことも評価できます。今後は児童館事業の継続・拡充の核となる仮称子どもセンターのあり方が大きな課題となります。今後、先行事例となる和泉児童館が子どもセンターに転換する際に、学校になじめない子どもたちや中・高生の活動の場を具体的につくることを確認しました。さらに乳幼児親子の居場所事業は子どもセンター14館に加え小学校区単位の身近なところに設置することも確認しました。また小学生と中高生等異世代間の交流や、地域との関わりを今後継承していく方向は確認できましたが、その具体化を改めて求めておきます。学校内に移設された学童クラブの質を担保するためには、事業者選定における保護者や児童館職員の関わりが重要だと考えます。あんさんぶる荻窪の財産交換にあたり、荻窪税務署移転後に空くスペースは、地域の子どもたちが使えるよう、国との交渉をさらに強めるよう求めます。
一方、施設再編整備計画とともに実施された施設使用料値上げと登録団体減額制度の廃止には、今も反対の声が聞かれます。利用時間を4区分に分けたことで、6時から8時の最も需要のある時間帯の利用が高額となっています。3年ごとの検証と見直しを確認しました。

第2に、前区長の行き過ぎた職員削減による定数不足が引き起こした、職員の健康問題です。超過勤務や、長期病欠が心療系や整形外科系に依然として多いことに表れています。当該年度は、必要な職場に職員の新規採用が行われたことを評価し、建築・土木など技術系職員に女性が多くなったことに対し産休・育休代替職員の増員を求めました。

第3に、区に働く2000人を超す非常勤職員と教職員の労働条件の改善です。この間に行われた非常勤職員の一定の賃金アップや労働条件の改善は評価します。5年を超えれば雇止めになる雇用年限制度に、再雇用や正規職への道が一部で開けつつあります。しかし賃金アップが再更新時には継続されない等課題が多く、抜本的見直しを求めます。区の事業を受託する事業所で働く労働者の労働条件に関して、モニタリング制度などを通じ一定の改善が図られてきました。入札制度の公正さや受託事業者の労働条件を保障するための公契約条例制定に積極的な検討を求めます。
第4に、10月実施となった共通番号制度導入における区の取り組みです。住民基本台帳等のシステム改修作業や個人情報保護条例の改定は、法律上やむをえないことだとしても、個人情報保護の重大性に鑑み、番号制度の利用拡大はしないよう、慎重な取り組みを求めます。区の職員のプライバシーと安全を守るために、職員の身分証に番号カードの利用はしないことを求めます。

第5に、今後ますます増加する単身高齢者及び高齢者のみ世帯をはじめ社会的弱者を地域全体でどう支えていくかについては、地域包括ケアシステムの構築に向けた議論の中でもすすめられていくことを確認しました。今後、高齢者や障がい者、子ども・子育て支援などそれぞれの枠組みを超えたまちづくりの視点をもち、フォーマル、インフォーマルな地域資源の横断的な連携による支援体制づくりに期待します。
第6に、男女平等推進施策についてです。新会派として、男女平等推進施策への取り組みの強化と性的少数者への必要な分野での配慮を行うよう求めます。
第7に、杉並の住環境を脅かす外環道などの大型道路建設や鉄道連続立体交差事業に対し、国や東京都に住民の声を伝える役割です。外環地上部街路(外環の2)の必要性の有無から検討を求めてきた区の姿勢を評価するとともに、区として外観の2は必要ないという姿勢を示す時期に来たことを指摘します。

西武新宿線については中井-野方間で地下方式を決定したにもかかわらず、区の西武新宿線沿線まちづくり協議会では構造形式を問わないまま議論を進めています。子どもや孫たちの時代に悔いを残さない安全で豊かな西武線沿線のまちづくりを期待するものです。
第8に、施設一体型小中一貫教育についてです。杉並区の小中一貫教育がめざす連続性と飛躍の方向性は理解します。しかし、施設一体型小中一貫校に関しては、東京都品川区や広島県呉市の先行事例で成功を確認できず、教育的効果については未だ検証されていません。区で先例となる新泉・和泉小中学校が開校し半年が経過しました。区がPTAなどの学校関係者や地域と10年近く話し合いを重ねてきたことでようやくPTAや地域の理解を得ました。しかし、施設一体型の行事のあり方などの課題もまだ残っています。小中6・3制は、6年生が最高学年としての自覚を持ち成長が促されることから専門家がその意義を認めています。和泉学園の検証をしっかり行い、今後、施設一体型一貫校を基本として拡大するのではなく、地域の実情に応じたありかたを検討するよう求めます。
図書館の全面改修は、2013年3月に制定された杉並区図書館サービス基本方針に基づき計画されることを確認しました。計画の検討にあたり利用者懇談会を開催しひろく区民の意見を聞くこと、図書館協議会や図書館職員、図書館の専門的知見を活かすよう求めます。

以上の評価と要望を申し上げ、認定第1号杉並区一般会計歳入歳出決算、認定第2号国民健康保険事業会計歳入歳出決算、認定第3号介護保険事業会計歳入歳出決算、認定第4号後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算、認定第5号2014年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算については賛成といたします。
終わりに会派の資料請求に誠実に応えていただいた職員の皆様に深く感謝申し上げ、いのち平和クラブの意見といたします。

第3回定例会一般質問   2015.9.11 そね文子

どの子もその子らしく育つための性の学びと支援について

いのち・平和クラブのそね文子です。質問に先立ち、先日の台風18号によって被災された方々に心からお見舞い申し上げ、すべての人の一刻も早い救済を望みます。
それでは、会派の一員として、どの子もその子らしく育つための性の学びと支援について質問します。

今年8月、大阪府寝屋川市の中学生2人が犠牲となった事件は、容疑者が過去に性犯罪を繰り返していたことが明らかになっています。また昨年3月、川口市で祖父母を殺害し窃盗をはたらいた当時17歳の少年は、幼少時に性的虐待を受けていました。これは最近の例で、少年犯罪に詳しい専門家は、子どもが巻き込まれる深刻な事件の背後には、昔から歪んだ性的環境が影響をおよぼしているケースが多いことを指摘しています。

また近年はインターネット環境が普及したことで、SNS等を利用して子どもが性的情報に簡単にアクセスできるようになり、30年前に比べると今はその機会が600倍と言われています。出会い系サイトやJKビジネスなどを通して、子どもが性的商品にされる被害もあとを絶ちません。一方、子どもが匿名でかけられ、なんでも話していい子ども専用電話では、つながった電話の2割を、性への興味・関心、性行動、性の多様性などを合わせた性に関することが占めているとの報告がされています。特に男子では、この割合が3割以上にも上っています。性の悩みを相談する場がなく、基本的な知識がないために思い悩んでいる子どもが多いということです。

このような状況にあって、性に関する正しい知識を学校で学ぶことは、差し迫った急務であると考えます。子どもが自分で危険を回避し自分の体も心も守るため、そして自尊感情を高め、生きる力を育てるための性教育を区は積極的に進めていただきたいという立場から以下、質問いたします。
まずは小項目の1番目として、小学校や中学校の性教育の取り組みについて伺います。

いま社会に氾濫している性の情報の多くは、女性の人権や尊厳を無視した女性蔑視であったり、好奇心をあおり興味本位の偏ったものだったりしています。そのような環境のもとで、子どもが性的犯罪の被害者になるだけでなく加害者になることもおきています。実際に、子どもが巻き込まれる事件はどの程度発生しているのでしょうか。また、そのような事件を回避するための取組みが必要と考えますが区の認識はいかがか、うかがいます。

私は、有効な予防策のひとつが学校での性教育だと考えます。学校で教えることが重要なのは、どの家庭にももれなく指導でき、子どもが開かれた知識として受け取ることができる、子ども同士でほかの子と同じ情報を持つことで安心感を得られる、などの意味があるからです。性教育は、生きることすべてに関わる教育です。教職員で組織されている東京都中学校性教育研究会が発行した冊子に、「命と人権の未来の教育が本来の性教育のもとになっています」という一文がありましたが、まったく同感です。子どもの身体や心の成長に合わせて、命の尊さ、生きることの意味を考えることを通して、自己の存在を肯定し、生きる力を育てる本来の性教育が行われることを願うものです。

2問目として、学校における性教育がどのように実施されているのか、小中学校それぞれについて概要をお示しください。
学校の養護教員は、保健室に日常的に持ち込まれる性の相談やトラブルに対応する中で、性教育の必要性を強く感じるそうです。しかし、これまで学ぶ機会がなかった性教育の授業を自分が行うことには不安もあり、外部の講師を呼んで授業ができれば助かると聞きました。このような希望に学校は対応しているのでしょうか。NPOなどの出前授業などを取り入れた性教育も必要と考えますがいかがか、3問目としてうかがいます。

ところで、子宮頸がんワクチンの副反応問題についてこれまで取り上げていますが、この接種は初めて性交をする前に打たなければ意味がないとされ、厚生労働省が6年生から対象としたものです。ところが学校で行われている性教育は中学3年が対象です。これでは整合性に欠けると言わなければなりません。

厚労省の統計によると、毎年約2万人の10代の女性が妊娠中絶をしています。子どもの電話相談員から聞いた話では、妊娠して困ってかけてきた高校生から「避妊て何ですか?」と聞かれて耳を疑い、月経の周期や妊娠のメカニズムについてもまったく知識がない子どもの多さに暗澹たる思いがするとのことでした。OECD加盟国でエイズが増え続けているのは日本だけという状況もあります。望まない妊娠もエイズも減らしていかなければなりません。男女ともに性衝動や性的欲求があるのはいのちを繋いでいくために必要で自然なことや、その衝動をどのようにコントロールするかを学んでほしいと思います。

しかしながら、いまの性教育のあり方は、深刻な性犯罪が実際に起きている現実社会にとても追いついていないと感じています。そこで、現在の性教育の課題はどのようなことだとお考えか、学習指導要領や東京都が発行する性教育の手引きに書かれた規定が足かせになっていることは想像がつきますが、あえてその認識を伺いたいと思います。ご答弁をお願いします。

性の情報がインターネット空間やマンガ等に商品として溢れているなかには、「男は男らしく、女は女らしく」という伝統的に押しつけられてきた価値観や、支配する性としての男性、支配される側の女性という思い込みに基づくものが多く、子どもは誤った大量の情報に繰り返し触れることになります。情報に対する批判的な視点を持ち、選択するための判断能力、すなわちメディアリテラシー教育の重要性が高まっています。そして、学校図書館に子どもが手に取れる良質の書籍を置いていただくことも性の正しい知識を得るためには必要だと考えます。見解をおうかがいします。

ここで、民間の団体が行っている「誕生学」という試みについてご紹介したいと思います。区内の小学校などでも保護者の主催により子どもに向けて行われてきたものです。お父さんの数億個の精子の中のたったひとつがお母さんの卵子と出会い、その0.1ミリの受精卵がいのちのはじまりで、お母さんのお腹の中で38週間を誕生に備えて過ごし、いのちの道を通って生まれてきた。自分が尊い存在だと体で実感するのが誕生学です。昨年は区内15校の小学校がおもに2分の1成人式のときの講演会でこの誕生学を実施したと聞いています。保護者の思いで行われてきた講座ですが、参加した大人から、性教育のひとつとして多くの子どもに体験してほしいという声がいくつも届いています。

性教育をとおして、自分の身体は性器も含めてすべて大切、そしていのちを繋ぎ、愛情を表現するための性交や性衝動があることも含め、すべてが尊いということを子どもが理解し、自尊感情を高められる教育を行っていただくよう要望いたします。

次に小項目の2番目として、性教育の担い手について伺います。
多くの教職員が性教育の授業を行うことを難しいと感じるのは、今の大学の教員養成課程に性教育の講座がないのが1番の問題だ、とある専門家から聞き、驚きました。担い手の人材育成が軽んじられていると言わざるを得ません。授業を行う教職員への研修が必要だと考えますが、それはどのように実施されているか、うかがいます。

東京都では、10年前の石原都政の時代に性教育バッシングが起きて授業が困難になり、指導方法の伝承も途絶えて行ったと聞きました。教員同士で学びの継承が必要だと考えます。区の認識をうかがいます。

さて、当然ですが性教育は学校だけで行うものではありません。そこで次に、学校以外の場での学びについてうかがいます。
親のための性教育の講座を行っている子育て支援団体の方の話を聞きました。子どもは小学校入学前から、「赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?」とか、「お母さんから生まれる赤ちゃんが、どうしてお父さんに似ているの?」など、素朴な疑問を親にぶつけてきます。それにどのように答えるのか、親が戸惑い悩むとの声は多く聞かれます。講師は、子どもが聞いてきたときに、その子の発達に応じてまっすぐ向き合い答えることが、その後の親子の信頼関係、性の問題で子どもが本当に困ったときに相談に乗れる関係を作るために大切だと話してくれました。

区としても子育て家庭への支援の一環として性のことを子どもの発達段階にあわせ、伝える方法を学ぶ、親のための講座を行ってほしいと考えます。区の考えをうかがいます。

地域の図書館ももちろん有効な学びの場と考えます。YAヤングアダルトコーナーなどで、さりげなく、子どもが手に取りやすいように性のことが学べる本を配置する工夫も必要だと考えますが、いかがでしょうか。うかがいます。

また、先ほど述べたように、保護者に対する性教育の本も充実させていただくことを要望いたします。

つづいて性的少数者、いわゆるLGBTsの視点から質問いたします。LGBTsとはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字とこの4つではない、その他の性の有り様を持つ人たちという意味で使います。
先日、会派の勉強会で性的少数者の当事者から話を聞く機会をもちました。そのお話は「子どものころは男女を意識せず過ごしてきたが、身体に変化が現われるころから違和感を持ち始めた。でも子どもはそれを言葉に出すことも、相談する場所もわからない。中学生になると男女別の制服があり、それに耐えられずに不登校になった。同じ境遇の仲間に会うのは大人になってからで、親を含め長い期間、誰にも話せず、ずっと孤立してきた」ということでした。このような状況を改善したいと思いました。

そこでまず、文科省が今年4月30日に出した通達「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」の内容について、それはどのようなものか確認します。また、通達を受けて現場での取り組みが必要だと考えますが、学校現場での取組みについて区教委のお考えを、併せてうかがいます。

当事者の方によれば、もし性的少数者に対して支援する意思があるなら、それがわかるように、その象徴となる虹色のものを身に着けるなどの工夫をしてほしいとのことです。学校内では保健室やスクールカウンセラーのいる相談室にLGBTの説明と共感を示す掲示をすること、来室した子どもの目につく場所に関係書籍を置き、そのことで悩んでいる子どもが相談しやすい環境を整えていただくことが助けになると考えます。学校で対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、うかがいます。

性教育の授業では、「思春期には異性に興味を持つのは自然なこと」などの表現に当事者は自分が異常なのかと傷つきます。性教育の際には、「多くの人が異性に関心や好意を持つようになるけれど、同性まだは両方の性に好意を感じる人、そもそも恋愛感情や性的欲求をもたない人など多様な人たちがいる」ということを付け加えるなど、指導者には、性的少数者のことも念頭に置いて話していただきたいと思います。

また、テレビでは同性愛者などの性的マイノリティをネタにして笑いをとる番組が多く作られています。それを先生や子どもが学校で口にすることがありますが、それは人権侵害で恥ずかしいこと、傷つく人がいることを意識し、子どもたちにも話せるようになって頂きたいと思います。また、学校図書館や地域の図書館のYAコーナーに性的少数者に関する図書も配置していただくことも
、合わせて要望いたします。

最後に、性についての学びや課題に取組むうえで必要な、庁内での連携について伺います。

最初の質問は、デートDV、恋人同士の間でおきる暴力についてです。ここでこの問題をとり上げるのは、ある調査では、若い女性の4人に一人が経験したと答えているといい、それが性被害と本質的に同じ問題を秘めているからです。子どもが性について正しく学び、適切な情報に接することが、このような問題の未然防止に必要なことだと思っています。デートDVについては男女平等の観点でとらえる自治体が多いようですが、埼玉県の取組みについて紹介させていただきたいと思います。埼玉県では男女共同参画課が「知っていますか?デートDV」というパンフレットをつくっており、それを県内の全中学校に配っているとの話を聞きました。議長、ここで実物をお見せしてもよいでしょうか(と許可を求める)。

こちらになりますが(実物を示す)、モデルとして描かれているのは制服を着た男女で、子どもにもわかりやすい内容です。いくつかの中学校ではこのパンフレットを使って性教育の授業の中で活用しているとの話でした。庁内連携の見本のような例だと思います。

杉並区の男女平等推進センターでは、デートDVの講座を企画したこともあると聞いていますが、パンフレットなどの作成は行っているか伺います。デートDVの未然防止対策として、義務教育で全員の手元にわたる中学校で配布してほしいと思いますが、区の考えをうかがいます。または講師を派遣するなどの連携はとれないか、併せて伺います。

最後は、先ほども述べた性的少数者に関する質問です。

電通総研の今年度の調査では、日本の性的少数者は7.6%存在するという結果が出ています。杉並区にも4万人以上の当事者がいるという計算になります。このうち、性同一性障害を持つ方は戸籍の性と外見が違うことにより区の窓口で苦慮することがあるといいます。改善は計られたと聞きますが、行政書類の本人記載欄には依然として男・女に○をつけるものが存在し、どちらに○をつけるかで苦しい思いを強いられ、トラブルが起こるということです。選挙では、投票所入場整理券からは性別欄が撤廃されていますが、受付でのバーコード読み取り時に、戸籍と見た目の性が違ったため受付担当者が不審がってそこを通過させてもらえず後ろに長蛇の列ができてしまい、本当に困ったという話をうかがいました。このようなことがあるので性同一性障害を持つ方は選挙に行かない人やいけない人が多くいるということです。このような状況を少しでも改善するためには区の職員への研修も必要と考えるところですが、区の考えをうかがいます。

当会派のLGBTsについての勉強会には区職員の方も担当課や関連部署から多数ご参加くださり、貴重な質問もいただいたことを一同嬉しく思いました。渋谷区や世田谷区では、同性カップルを配偶者と同等と認めて証明書や宣誓書を発行するなど独自の取り組みを進め、当事者の人たちに希望をもたらしています。

子どもがきちんと性を学び、大人も一緒に学び直す機会を保障することで、杉並区には性的少数者を含むすべての人が、その人らしい生き方ができるような社会を目指していただきますよう、会派一同要望し、また私たちも協力していくことを申し上げ、私の質問を終わります。

憲法違反である安保関連法案を廃案に!

違憲立法に反対する杉並区議会議員有志・声明

私たち杉並区議会議員有志は、昨年7月1日の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定に危機感を抱き、その撤回と日本国憲法の平和主義と立憲主義を政府が堅持することを求め、共同の取り組みを行ってきました。
戦後70年にして、政府が同じ過ちに踏み出そうとするいま、私たちは地方議会から声を上げるべき時と考え、政党や立場の違いを超えて、共同で声明を発することにしました。

6月18日の衆院予算委員会の集中審議で、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障関連法案について、安倍総理は「国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄だ」などと答弁しました。これは6月4日の衆院憲法審査会で自民党が参考人として招請した憲法学者を含む3名が、安全保障関連法を「憲法違反」と指摘したことを否定するものです。また、集団的自衛権の行使容認を合憲とする根拠として、駐留米軍基地に対し1959年最高裁の「砂川事件判決」をあげましたが、判決は「個別的自衛権を示したもの」として多くの憲法学者から「根拠にならない」と批判されています。
また、日本弁護士連合会からも「日本国憲法の立憲主義の基本理念並びに憲法第9条等の恒久平和主義と平和的生存権の保障及び国民主権の基本原理に違反して違憲であるから、これらの法律の制定に強く反対する。」とする意見書が出されています。
こうした状況下で現在、内閣法制局長官の経験者を含む多くの憲法学者が審議中の法案を違憲とし、廃案の呼びかけに賛同する憲法学者は200人を超えました。元自民党幹部の山崎拓、亀井静香、藤井裕久、武村正義らは「歴代政権が踏襲してきた憲法解釈を一内閣の恣意によって変更することは認めがたい」と法案を批判しています。
国会における政府側答弁は二転三転し、ますます混乱を呈しています。共同通信社が5月に実施した全国電話世論調査では、安倍政権の説明不足を指摘する回答が81%に上っています。安全保障関連法案は、戦争に加担しない国として信用されてきた、海外で人道支援活動等を行う日本人の命を危機にさらします。ペシャワール会の中村哲医師は、「他国の軍隊が戦争をすればその国の人々が加担者に映る、侵略者に守られているNGO職員は狙われ、かえって危険になる」と語っています。
政府は安全保障関連法案の審議を平和安全法制特別委員会で進めています。政府与党は6月24日までの国会会期を延長し、アメリカで約束した8月下旬の強行成立をねらっています。
現在、地方議会から慎重審議を求める意見書や廃案を求める意見書が上がり始めています。私たち杉並区議会議員有志は、未来を担う子どもたちに禍根を残さないために、また住民の生命と安全を守るべく、ここに本法案の廃案を求めるものです。

違憲立法に反対する杉並区議会議員有志(17名、五十音順)

市来とも子
太田哲二
奥田雅子
金子けんたろう
河津理恵子
川野たかあき
くすやま美紀
けしば誠一
上保まさたけ
新城せつこ
そね文子
富田たく
原田あきら
増田裕一
松尾ゆり
山田耕平
山本あけみ

第2回定例会一般質問 2015.6.1.奥田 雅子

いのち・平和クラブの奥田雅子です。会派の一員として
1.暮らしのセーフティネットとしての住宅政策について
2.地域を豊かにする空き家の活用について質問します。

いま、住宅政策は、少子高齢化、家族形態の変化、価値観の多様化、経済格差の広がり、地域コミュニティの希薄化、社会保障制度への不安などにどのように対応するかが問われています。住宅問題を単に箱としてではなく、ひとりで住むのか複数で住むのか、複数なら誰とどのようにどこで住まうのかという、住まい方に応じた住宅問題についての議論が必要です。
私は昨年まで地域福祉の活動に関わってきましたが、住まいに関してニーズと実態がかみ合っていないと感じることがいくつかあり、どうすれば解決できるだろうかと考えてきました。

一つには、世代間におけるニーズの違いです。広さを必要とする子育て時代には経済的余裕もなく十分な広さの住まいの確保はままならないのに比べ、高齢世帯は広い住宅に一人暮らし・二人暮らしというような不経済・不効率なことが多々起こっています。国交省が出した「H26年度住宅経済関連データ」でも、子育て世帯は「住宅の広さや間取り」に対する不満を多く持っている一方で高齢世帯は「住宅が広すぎて管理が大変」という回答が増加傾向にあると指摘しています。
二つ目には貧困が社会問題となる中、住宅ストックとしての数は十分足りているにも関わらず、住むところのない住宅困窮者が増えていることです。どんな状況にある人も住まいの確保は生活の最低条件として憲法でも認められた生存権にかかわることですから、市場からこぼれ落ちてしまう人に対するセーフティネット住宅の整備が必要です。
三つ目に、日本の住宅市場における中古物件の割合が欧米に比べて低いということです。メンテナンスやリフォームしながら長く大事に使う文化が形成されてこなかったことが空き家の増加問題の一因だと考えられます。まだ使える家は、小規模なリフォームや大胆に改修するリノベーションもふくめて手を加えることで、空き家にしないように促す政策誘導が必要です。これまで空き家は個人資産という性格上なかなか対策が進みませんでしたが、国の法整備を受けて自治体でも検討が始まっており、期待するところです。特に、私は「まちの縁側」ともいうべき、元気な高齢者や親子連れも立ち寄れる居場所を実際に地域の中につくってきたという経験から社会貢献的な空き家の利活用について注目しています。
そのような問題意識から以下、質問いたします。

最初に、暮らしのセーフティネットとしての住宅政策についてです。
今年度から施行された生活困窮者自立支援法の議論を通して、これまでの行政施策では単身の若年低所得者が住宅施策の主な対象になってこなかったことや、”貧困ビジネス“の温床となる無届施設の増加などへの対応が十分ではなかったことも浮き彫りとなりました。またネットカフェ難民に見られるように、とくに若者世代に、定住する住居がないために就職できない、定職に就けないからアパートなどが借りられない、といった悪循環が生じています。高齢者や障がい者、外国籍住民など、保証人が見つからないために民間賃貸住宅への入居が困難になっているなど、安定した生活基盤を築くためには住まいの確保が欠かせない課題となっています。

昨年2014年に策定された第5次杉並区住宅マスタープランは、2008年度から2017年度までとされた第4次マスタープランを、期の途中で見直す形となりました。第4次マスタープランで掲げられた基本理念は「ともにつくり ともに暮らす すぎなみのいえ・まち・ひと」でしたが、第5次は「誰もが安心して住み続けられる良好な住環境の実現」とされました。その中で、住宅確保要配慮者向けの住まいの整備や空き家対策が重点に掲げられたことを評価しています。この視点に着目し、現状および今後の施策の方向性についてお聞きしていきます。

1点目として、「杉並区の住宅政策について」です。
1-1-1「誰もが安心して住み続けられる」という文言は第5次マスタープランの重要なキーワードと考えます。区はどのような意図でこの基本理念を掲げたのか、見解をお聞きします。

1-1-2「杉並区総合的な住まいのあり方に関する審議会」が区長の付属機関として5月15日からスタートし、高齢者や子育て世代、障がい者の住まいについて検討していくと伺いました。先ほども述べたように住まいは誰にも平等に保障されるべき問題であり、数の確保やハード面の整備とともに、質を担保するソフト面の充実も重要です。また、現在すでに住まい方が多様化している実態にそって、既成概念にとらわれない議論を期待しています。審議会ではこれらを同時に検討していくことが必要であると考えますが区の見解をお聞きします。

2点目「住宅確保要配慮者への住宅支援について」特に公営住宅における対応についてです。
住宅確保要配慮者は、2007年に制定されたいわゆる「住宅セーフティネット法」において低額所得者、被災者、高齢者、障がい者、子どもを育成する家庭等と示されていますが、その中にはひとり親家庭やDV被害者、児童養護施設を18歳で退所した後の若者なども対象としてイメージしておくことが必要だと考えます。そのことを前提に以下、お聞きします。
1-2-1まず、公営住宅への入居についてです。要配慮者には公営住宅の抽選に際して、一般の人の5回分くじ引きの機会があるという抽選アドバンテージがついています。しかし、それでも抽選漏れしてしまった場合の次の救済策としてアパートあっせんや応急一時居室提供がされると伺いましたが、それらを通して要配慮者は住まいの確保が出来ているでしょうか?現状と課題をおたずねします。

1-2-2バリアフリー対策については、エレベーター設置は昨年度中に完了し、今年度からはスロープや手すりの設置をすすめていくと伺っていますが、多くの公営住宅は1階の玄関や集合ポストまでにも数段の階段がある場合が多く、早急(さっきゅう)な対応が求められています。住民からの聞き取り調査などを行い、バリアフリー対応についてニーズを把握すべきと考えますがいかがでしょうか?見解を求めます。

1-2-3また、今後、高齢独居や高齢に伴う障がいなどがますます増加すると予測される中、単身者用住宅や車いす使用者住宅の数は絶対的に不足していくと考えますが、その対策について区の見解をお聞きします。

1-2-4現在の区営住宅等の維持管理業務委託は主に修繕を中心とした内容になっているようですが、その業務委託内容に日常の見守りや相談・情報提供などの機能を加えていくことが出来れば、孤立しがちな高齢者や子育て家庭などの暮らしの安心度が高まり、住まいの質が向上すると考えます。いかがか、区の見解を求めます。

公営住宅の需要と供給の現状を見ますと、供給数が不足しているのに対し、独居であり
ながら家族世帯用の住戸に住み続けている世帯数は264世帯あります。この方々も最初は
家族で入居し、時間の経過とともに結果としてそのような状況にあるのだと推察しますが、
限られた戸数の住戸をできるだけ多くの、特に住宅確保要配慮者に提供していくための方
策を検討する必要があると考えます。単身世帯用への住み替えを促すことで空いたところ
に子育て家庭が入るというのも一つの例ですし、隣り合う住戸をつなげてグループホーム
などへ転用する事例も広がっています。また、退去後の原状復帰工事の時に改修を加える
ことで、家族でもカップルでもない他人同士が互いにプライバシーを確保しながら同居す
る、シェアルームのような住まい方ができる環境につくりかえることも考えられます。
今後、新たな公営住宅の建設が厳しい状況の中、知恵と工夫によって区民の課題の解決に取り組んでいただきますようお願いいたします。

続いて3点目として「誰もが安心して住み続けられる住環境の実現に向けた体制について 」伺います。
1-3-1マスタープランの「計画を実現するために」の項目で、「住宅確保要配慮者に対するセーフティネットについては国や都だけでなく、区民・民間事業者・NPOなど様々な主体が連携を推進していく中で居住支援、自立支援や良好な住宅市場の形成を働きかけていく。そのために、広く区民や民間事業者等が参加できるしくみづくりを行う」とあります。そのしくみづくりとは具体的にどのようなイメージを描いておられるのでしょうか、区の見解をお聞きします。

1-3-2区民の暮らしに寄り添ったしくみにしていくためには、まちづくり・福祉・保健・医療、防災など多方面の視点を取り入れることが必要です。第5次マスタープランには、これら関連部門との連携による庁内推進体制の強化と進行管理が掲げられていますが、具体的にどのような形で推進していかれるのか、おたずねします。

4点目、この項での最後の質問です。「情報・広報、相談体制について」伺います。
1-4-1住宅セーフティネットとしてあげられる住まいには、区営住宅・都営住宅、高齢者住宅みどりの里、シルバーピア、サービス付き高齢者向け住宅、都市型軽費老人ホーム、特養やグループホームなど多種多様なものがあります。多様なニーズに応え選択肢が多いのは望ましいことですが、区民には違いが非常にわかりにくくなっています。自分の状態や経済状況、今後の変化予測に照らし合わせ、どの仕組みが使えるのかが見てわかるように一覧になっていると当事者やその家族にとって助けになると考えます。さらに、住まいに関してなんでも相談できる場があれば、と思います。一番望ましいのは、コミュニティソーシャルワーカーが配置された「暮らしの困りごと総合相談窓口」のようなしくみだと考えていますが、ここでは、まずはあらゆる人を対象とした「住まいの総合相談窓口」的なものを想定しています。そのようなしくみづくりについて、現状の情報ツールの有無、住宅に関する情報提供や相談の体制についておたずねします。

次に、2項目目の「地域を豊かにする空き家の活用について」の質問に移ります。
空き家の増加が問題視されている昨今ではありますが、その中にはまだ十分使えるものもあります。整備・改修することで人と人の出会いの場や地域活動の拠点として活かしていくという発想に立つと、これを活用しない手はないと思います。
その視点でまず、「空き家を所有する側への支援」について3点お聞きします。
2-1-1 1点目です。マスタープランの中の空き家等対策の項目に「空き家の利活用、建替えや除却等の対応策を平成26年度中に検討し、安全・災害対策を推進する」とありますが、昨年度どのような検討がされたのかお聞きします。

2-1-2 さて、区は2012年度、空き家の所有者へのアンケート調査を実施されました。この結果によって具体的な状況が見えてきたと思います。特に「空き家の利活用を検討したい」と回答した16件、東京都の空き家活用モデル事業利用を「希望または検討」と回答した13件については今後、事例につながることを期待したいところです。区として実現に向けた取組みが求められていますが、2点目として、実際のすすめ方のイメージをおたずねします。

2-1-3 3点目、このアンケート調査で空き家の利活用方法に関する設問についてです。「賃貸住宅として貸し出したい」という回答が5件、「区の事業の拠点として貸し出したい」が2件、「建物・土地を売却したい」が4件、「建物を取り壊して公共用地として行政に使用してもらいたい」が2件ありましたが、私が期待したいところの「ボランティアや地域活動に貸し出したい」という回答は残念ながら0でした。資産は運用するか売却するかのイメージはあっても、社会貢献的な活用についてはなかなかイメージしにくく、選択先として考えられないのだと思います。けれど、私はぜひとも地域貢献的な活用を引き出していきたいと考えています。空き家の利活用について学びの場や見学会など実例を知る機会があれば、これを促すことにつながると考えますし、空き家にしないための予防策にもなると考えます。空き家の社会貢献的活用について区が積極的に発信していくべきと考えますが、見解をお聞きします。

最後に「空き家を活用する側への支援」についてお聞きします。
2-2-1いま、空き家の活用事例は様々な地域で展開されています。元気な高齢者や親子連れ、障がいのある方などが気軽に立ち寄れて会食などもできる居場所に造り変える取り組みが市民の間で広がり、たすけあいの拠点ともなっています。ほかにも、グループホーム、若者や高齢者のシェアハウス、子育てや子ども支援の拠点、NPOの共同事務所などニーズや考えられる用途はたくさんあるものの、法の壁が実現を困難にしている場合が多い状況です。先駆的な事例情報を収集して具体的な実践例を区が率先してつくってほしいと考えますがいかがでしょうか? 区の見解をお聞きします。

2-2-2先にも少し触れました通り、私はこのたびの選挙の前まで、そのような市民の取組みをすすめる活動の場に身を置き、このような居場所を「まちのほっとスペース」と呼んで地域のなかに増やすことに努めてきました。この活動をとおして目にしてきたのはこのような事業は営利を目的としていないため、安価な家賃であってもどこも運営は厳しく、スタッフの報酬も少ない中で支えられている状況です。空き家を活用した居場所づくりは、これからの地域包括ケアの形成にも有効なしくみになりうることが、実践からも確実に見えてきています。このような市民の活動を誘導するための区の積極的な支援が必要だと考えます。最後の質問として区の見解をお聞きします。

以上、杉並区基本構想でうたわれた「支え合い共につくる 安全で活力あるみどりの住宅
都市 杉並」を実現するため、区の前向きな答弁を期待して、私の質問を終わります。

第1回定例会 市橋綾子の質問と答弁

【Q】  ● 第6期介護保険事業計画(案)が策定されたが、これまでの要支援1、2の方に対する介護予防サービスについて、区はどのような評価をし、今回の計画策定に取り組んだのか、伺う。

【A】    現在の第5期介護保険事業計画期間までは、要支援者の自立支援に向けた介護予防サービスを通じて、要支援者に対する様々な生活支援や心身機能改善に取り組んでいますが、高齢者の皆さんが、医療や介護が必要になっても、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けるには、更に日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促していくことが重要になってくると思います。

今般の介護保険制度改正では、地域包括ケアシステム構築を更に推進するため、リハビリテーションの理念を踏まえた、新たな介護予防・日常生活支援総合事業をスタートさせようとしています。

区においても、地域包括ケアシステム構築の推進を念頭に、介護予防の更なる充実を目標に、第6期事業計画策定に取り組んだところです。

 

【Q】  ● 今回の制度改生では地域包括支援センターの体制強化が目指されている。第6期介護保険事業計画(案)では、どういう絵を描いているのか、重点的な取り組みは何か伺う。

【A】    この計画(案)では、全てのケア24に「地域包括ケア推進員」を配置して体制を強化し、医療・介護の連携や認知症対策の充実、生活支援サービスの体制整備に向けた地域づくりを本格化していくために、重点的に取り組む内容を明らかにしました。

具体的には、医師をリーダーとする在宅医療地域ケア会議を補佐し医療・介護の連携強化を図ることや、区の認知症地域支援推進員との連携による認知症施策の推進、高齢者の生活を支援するための担い手の養成やそのネットワーク化です。

【Q】  ● 第6期介護保険事業計画(案)に対するパブリックコメントでは、どのような意見・要望が寄せられたか、件数と内容を伺う。計画に反映するべきものがあったか伺う。

【A】  昨年12月1日から今年1月5日まで区民等の意見提出手続きを行い、16件の意見等をいただきました。内容は、今回の制度改正により創設される介護予防・日常生活支援総合事業について、特に予防給付から介護予防訪問介護や介護予防通所介護が地域支援事業に移行することへのご意見が多かったです。 ご意見や国からの通知等を踏まえ、計画(案)は、新たな記述の追加やグラフ・用語について、わかりやすく説明を加えるなどの修正をしました。

【Q】  ● 総合事業の実施時期はいつの予定か。複数の関連する所管があると思うが、どのような体制で検討していくのか伺う。

  •  区民に対し制度改正の説明を3回したと聞くが、その周知方法や時期、対象者、参加人数、参加者の意見等、開催状況について伺う。
  •  総合事業のサービスの提供側となる民間営利事業者、非営利市民事業団体等への対応として、今後どのような場を設定していくのか、時期も含めて伺う。

【A】   総合事業の中で、予防給付から地域支援事業に移行する介護予防・生活支援サービスについては、平成28年度当初から実施する予定で、すでに制度移行に伴う保険者業務の準備のために、高齢者担当部を中心に保健所とも連携しながら、詳細な事務の流れ等を検討しています。

制度改正に関する説明会は、昨年12月1日の区報やチラシ配布の他、介護事業者に対して個別通知で周知し、区民向けの説明会は、区内3か所で実施し役60名の参加、2回実施した訪問介護事業者や通所介護事業者対象の説明会では約450名の参加がありました。参加者からは、今回の制度改正の概要や総合事業に関する質問・意見がありました。また現在、訪問介護事業者や通所介護事業者を対象に、国の総合事業ガイドラインに対する意見や総合事業のサービス提供意向について、アンケートで調査中です。今年度中に、次の事業者説明会を行う予定ですが、介護事業者以外に地域で高齢者を支援している団体からも、機会を捉えて意見を伺う予定です。

【Q】  ● NPOやボランティアによる訪問型サービスや通所型サービスが、第6期の介護保険事業計画(案)に挙がっていないのは疑問。どのような判断をしたのか、その理由は。早急に検討すべきと思うが、その予定はどうか。

  •  地域のNPO法人やボランティア団体によるサロン活動などの実態把握が必要と思うが、いかがか、区は調査しているのか、今後も調査していくのか。
  •  地域のNPO法人やボランティア団体の活動が地域包括ケアシステムを支える社会資源として、区は捉えているのか、そのような団体の意見を聞くべきと思うが、いかがか。

【A】   第6期介護保険事業計画の期間においては、利用者の方が不安なく予防給付から地域支援事業に円滑にサービス移行ができるように進めつつ、ボランティア主体及び住民主体のサービスについても参画できる体制を整え、次の事業計画に反映させていこうと考えます。

地域で高齢者の多様な生活支援を行っている様々な活動や地域のサービス資源は、地域包括ケアシステムを支える上で、重要な社会基盤であると捉えています。そのため区は、地域の多様な高齢者の生活を支える資源について、地域の実態や活動している事業者や団体等から、意見やサービス内容などを把握するとともに、情報共有や情報発信ができるよう努めます。

 

 

【Q】  ● 地域包括ケアシステムの構築のために、生活支援コーディネーターは、高齢者の生活を支える地域資源や人材を発掘する視点をもつことが必要と考えるが、区の見解は。

  •  第1層の協議体の設置も早期にすべきと考えるが、いかがか。時期も構成メンバーも一律ではなく、地域の特性を生かし柔軟に設置していくべきと考えるが、いかがか。
  •  第2層の協議体のイメージはどのようなものか。地域包括支援センターの単位が妥当と思うが、いかがか。
  •  協議体には、地域のネットワークを生かし現状把握、既存のサービスの活用、必要なサービスの開発など、地域で多様なサービスが展開されるよう期待するが、いかがか。

【A】   地域包括ケアシステムの構築を進めていく上で、医療や介護の公的なサービスの充実は当然ですが、地域の支え合いや民間資源を含めた既存の社会資源を活用して、高齢者の在宅生活を支えるためのサービス資源を開発していくことやサービス資源をつなげていく仕組みが重要です。

そこで、新年度早々に区全域を対象とした第1層の協議体を設置できるよう、今年度内に可能な準備を進め、その準備過程で、地域の状況や人材を把握し、高齢者支援活動をしている区民ボランティアの方々等の意見を伺っていきます。協議体設置当初は、核となるメンバーを柱としつつ、整備状況に応じてメンバー構成は柔軟に工夫していきます。一方、地域レベルでの第2層の取り組みは、全ケア24に配置する地域包括ケア推進員の活用を考えています。適切な地域単位で、まずは潜在的な地域資源の掘り起こしや情報共有を徹底することから進めていきます。

 

 

【Q】  ● 総合事業で訪問型サービスや通所型サービスを担うボランティアに対して、適正な養成・研修やその後の受け皿とのマッチングが必要と考えるが、区の見解は。

 

【A】  すでに様々な介護サービスの中で、多様なボランティアが参加していますが、今後、ボランティアがサービスの担い手として、さらに大きな役割を担っていくためには、サービスを提供する事業者や団体がボランティアの養成や研修等を行い、責任ある活動を行える体制を整えていくことが重要です。区としては、様々な活動形態に応じた募集内容や事業者情報の把握に努め、ボランティア活動等に意欲のある方が、こうした活動に参加しやすい環境づくりを進めていきます。

 

 

【Q】  ● 現在の介護予防の二次予防事業について、費用対効果の側面をどのように評価しているのか伺う。

  •  今回の法改正で、要支援者を基本チエックリストで判断するとされているが、有効に機能できるよう対策を考えているか。要介護認定申請についても周知が必要と考えるが、区の考えは。周知の際の留意点をどのように考えているのか伺う。

 

【A】   区はこの間、虚弱な高齢者を対象者にした二次予防事業として、要支援・要介護認定を受けていない高齢者の方に、生活機能低下等の基本チエックリストを送付し、積極的に対象者の把握に努めてきました。その取組からは、二次予防事業に参加する高齢者が少ないことや、改善効果より維持効果の方が大きいことが認められ、より効果を上げるためには、自立支援のためのアプローチが重要だと評価しました。

今回の改正により、要支援者の把握のために基本チエックリストを活用できます。またそれに加えて、要支援者の生活状況を十分に把握し課題や目標を明確にすることで、確実に自立支援につながる介護予防ケアマネジメントを確立していきます。総合事業は、その方の状況に応じて、早めに介護予防の取組や必要な生活支援サービスを提供するものであり、区民の方には、あらゆる媒体や手法を活用し介護保険の認定申請を含め、総合事業の趣旨をわかりやすく丁寧に説明していきます。

第1回定例会 一般質問  2015.2.13 市橋綾子

区議会生活者ネットワークの一員として、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)に向けた体制について質問します。

2000年に、介護の社会化を謳った介護保険制度がスタートし、2006年には介護予防制度が導入されました。そして昨年2014年6月に成立した、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」により、介護給付の「予防訪問介護、予防通所介護」は給付対象外、一定以上の所得のある利用者の負担割合の引き上げ、小規模の通所介護事業所等の指定権限の区市町村への移行など、介護保険制度は大きく変わることになりました。

なかでも大きな変化は、予防訪問介護・予防通所介護は「新たな介護予防・日常生活支援総合事業(以下、新しい総合事業)」に移行することです。自治体の裁量で、地域の資源を活用して、自由なサービスや料金が決められることになり、生活支援サービスの充実や、高齢者の社会参加が介護予防につながると期待されますが、その体制を整えるためには、既存の事業所に加えて、地域の社会資源、たとえばNPOや元気な高齢者も含めた地域のボランティアが、介護予防や生活支援などの担い手になることが想定されています。

区は、この新しい制度開始を前に急ピッチで準備を進めておられると思いますが、杉並区として何をめざしどのように取り組んでいかれるのか質し、現場で活動する立場の人たちからの提案もふくめて、質問したいと思います。

昨年9月の第3回定例会で、私は「2025年を見据えた介護保険制度のあり方と地域包括ケアシステムについて」質問をしました。国からの情報提供が不十分ななかでの2015年度からの制度改正への対応に加え、第6期介護保険事業計画案の策定に向けた準備段階でもあり、うかがった質問に対して多くは「これから検討」とのご答弁でした。

第6期介護保険事業計画案が策定されたいま、改めて「新しい総合事業」の体制づくりを6つの視点、1.第6期介護保険事業計画案について、2.新しい総合事業に向けた準備について、3.新しい総合事業の多様なサービスについて、4.生活支援コーディネーターと協議体について 5.サービスを担うボランティアの養成について、6.介護保険制度の周知について、質問します。

まず、第6期介護保険事業計画(案)について3点うかがいます。
今回の介護保険制度改正があり、区においても第6期介護保険事業計画(案)が策定されましたが、これまで区が取り組んでこられた介護保険事業、なかでも要介護1,2の方に対する「介護予防サービス」について、区はどのような評価をし、今回の計画策定に取り組まれたのか、お伺いします。

田中区長は昨年、2期目に向けた所信表明演説で、地域包括ケアを推進する必要性を述べられ、先日の予算編成方針のなかでも、「医療や介護が必要になっても、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう地域包括ケアシステムの構築を進めていく」と力強く述べておられました。地域で相互に助け合い、支え合って暮らせる地域をつくっていきたいと考え、実践もしてきた私どももその実現に大いに期待するところですが、区はこの計画案で、どういう絵を描こうとしているのでしょうか、また計画の重点的な取組みは何か、あわせて伺います。

昨年12月1日から年明けの1月5日まで、第6期介護保険事業計画案がパブリックコメントにかけられました。区民からどのような意見・要望が寄せられたのでしょうか。件数と内容について伺います。また計画に反映するべきものがあったのでしょうか、伺います。

次に、新しい総合事業に向けた準備について3点伺います。
新しい総合事業の実施時期は、いつを予定しておられるのでしょうか。また、複数の関連する所管があると思いますが、どのような体制で検討していかれるのか、併せて伺います。

これまで介護保険制度により「要支援1・2」の認定を受け、専門職による介護予防給付を受けている方から、地域支援事業に移行することで、これまでと同様のサービスが受けられなくなるのではないか、といった不安の声が聞かれます。区はこれまで、区民に対して制度改正の説明を3回行ったと聞いていますが、その説明はいつ行われ、その説明会の周知方法、対象者、参加人数、どのような意見が出されたのでしょうか、伺います。

介護保険制度は改正のたびに複雑になっています。私も、今回の制度改正の学習会に参加しましたが、1度聞いただけではわかりにくいという感想を持ちました。サービス利用者の不安や心配を払しょくするには、会場に足を運べない人対策としても、おおぜいでなくても、数人集まれば、保険者として説明に出向く体制も必要ではないでしょうか。意見として申し上げておきます。

総合事業のサービスの提供側である民間営利事業者、非営利市民事業団体などから、自分たち事業者の仕事が減るのではないか、事業継続が困難になるのではないか、という不安の声があがっていますが、それだけではなく、ボランティアがホームヘルパーという専門性を持って対応できるのか、という疑問も聞かれます。つまり、「ホームヘルパーは「介護の視点」を養成講座130時間、平均して3ヶ月から6ヶ月間、講義、実技、実習を通して叩きこまれ、プロとしてプライドを持ってヘルパーの仕事に従事している。そこは思いだけで集まるボランティアとは違うことを認識してほしい」という訴えです。ボランティアには対応が難しい、専門的サービスを必要とする人も当然ですが存在します。区としてもそのような現場の声を聞く場を設定することが必要だと考えますがいかがでしょうか、伺います。

次に新しい総合事業の多様なサービスについて4点伺います。
前にも述べましたが、「新しい総合事業」では、NPOや元気な高齢者も含めた地域のボランティアなど、さまざまな提供主体の参加を促す目的があり、今回区が改定する「保健福計画(案)」においても、その整備・充実が明記されています。
ところが今回の介護保険事業計画案には、①現行の指定介護事業所による現行相当のサービス ②基準緩和サービス ③短期集中予防サービス の3つの類型は計画化され、移行スケジュールも明らかにされているものの、新しい総合事業のガイドラインで示されている、NPOやボランティアによる訪問型サービスや、通所型サービスが挙がっていません。なぜなのでしょうか、大いに疑問です。どのような判断をされたのでしょうか、その理由をお答えください。

すでに地域で行われている 見守りや安否確認、外出支援、買い物、調理、掃除等の生活支援は、介護の重度化防止に有効な訪問型サービスですし、高齢者の社会的孤立の防止、社会的関係の回復・維持というニーズに対応するものといえます。また、区の公共施設や空き家や空き室、または「住み開き」といって自宅や個人事務所といったプライベートな空間を、本来の目的を保ちながら限定的に開放される拠点などで定期的に行われているサロンなどは、ミニデイサービスと言ってよい通所型サービスです。このようなNPOやボランティアによる訪問型サービスや通所型サービスを区の施策として位置付け、計画化の検討を開始するべきと思いますが、その予定についても伺います。

先ずは地域にどのようなNPOやボランティア団体があり、どのような活動をしているのか、などの実態把握が必要だと思いますがいかがでしょうか。現在までに行ってきている調査はおありでしょうか、今後の予定についても伺います。
そして、それら団体は今後の地域包括ケアシステムを支える社会資源として期待されるわけであり、区は団体の意見の聞き取りを行うべきと思いますがいかがでしょうか。伺います。

次に、サービスの担い手となるボランティアなどの養成について1点伺います。
総合事業における訪問型サービス、通所型サービスを担うボランティアの導入については、給付抑制を目的にした安易なボランティア導入は問題外です。しかし、導入するからには適正な養成・研修、その後の受け皿やマッチングが必要と考えます。区の見解を伺います。

さて、新しい総合事業では、生活支援・介護予防サービスの体制整備のために、「生活支援コーディネーター」と「協議体」の設置が求められています。
まず「生活支援コーディネーター」についてですが、新しい総合事業は、介護予防サービスの担い手づくり、地域資源を活用することが想定され、地域づくりにつなげていくものだと考えます。この視点から、生活支援コーディネーターに必要なものは「資格」ではなく、高齢者の生活を支える地域資源や、新たな人材を発掘する視点であると考えますが、区の見解を伺います。

次に「協議体」について伺います。
「協議体」は、生活支援・介護予防サービスの多様な関係主体の定期的な情報共有、および連携・協働による取組を推進するために設置されるものです。この事業でのレベルには第1層、第2層があり、第1層は市町村区域で、主に不足するサービスや担い手の創出・養成・活動する場の確保などの資源開発、第2層は、中学校区域で、第1層の機能の下で具体的な活動を展開 とされています。実効性を求めるなら第2層、区域ごとに捉えるべき、という視点に立って3点伺います。

第1層の協議体を区が設置すると伺っていますが、設置の時期を伺います。また第1層を設置後、第2層の協議体も早い時期に設置すべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。設置時期も含め、構成なども一律にするのではなく、地域の特性を生かしながら柔軟に設置していくべきと考えますが、いかがでしょうかお答えください。

その場合、第2層の協議体の区域のイメージはどのようにお考えでしょうか。どこからどこまでを一つの地域と設定するのか、福祉のエリア分けを複雑化させないためにも地域包括支援センターの単位が妥当に思うところですがいかがでしょうか、伺います。

「協議体」が持つべき機能について伺います。地域のネットワークを生かして、地域の現状を把握し、既存のサービスの活用、また必要なサービスの開発など、その地域に必要な多様なサービスが展開されるような機能を持つことを期待したいと思いますが、いかがでしょうか伺います。

最後に、介護保険制度の周知について2点伺います。
現在、基本チェックリストにより介護予防の二次予防事業対象者の選定を行っておられますが、費用対効果の側面を含め、どのように評価されておられるのでしょうか、伺います。

今回の改正では、要支援者を基本チェックリストで判断をするとされていますが、有効に機能するかどうか危惧をするところです。と申しますのは、「これまでの二次予防事業対象者の把握のためのものと同じ項目のチェックリストの実施では、初期の認知症など、潜在的なリスクを把握できない」また、「専門職ではない職員に振り分けられることは、サービス抑制のためであって要支援者の介護予防のためにならない」という声が介護認定を行っている現場から聞かれます。これらの基本チェックリスト使用の問題点について、区はどのような対策を考えておられるのでしょうか、伺います。また、「要介護認定申請」が基本であることを周知することが重要と考えますが、周知の際の留意点をどのようにお考えか伺います。

以上、介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)に向けた体制について伺ってまいりました。
地域では、その実情に合わせて市民自らが、誰もが、さいごまで、自分らしく、住み慣れた地域で暮らし続けられるためのしくみをつくる、地域をつくるといった取組みが広がっています。
自分たちの暮らす地域がどうだったら暮らしやすいまちになるのか。住み続けられるまちになるのか。私ども生活者ネットワークは、地域の方たちと共にそのしくみをつくりながら、地域からの提案を区政に届けてきました。

超少子高齢社会を目前にして、地域にある多様なニーズに沿ったサービスを生み出そうとする区民を協働の担い手として区が後押ししていただくことをお願いし、そして私どもも一緒に汗をかく覚悟であることを申し上げ、質問を終わります。

決算特別委員会意見開陳  2014.10.10 そね文子

区議会生活者ネットワークといたしまして、決算特別委員会に付託された2013年度杉並区一般会計歳入歳出および各特別会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。
当該年度は、自民党安倍政権が誕生後に打ち出した、生活保護費の切り下げ、原発ゼロ政策から再稼働への方向転換、民主主義を後退させる秘密保護法の強行採決での成立、さらに今年度に入って4月の消費増税、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認などが加わり、地域に暮らす私たちの生活にも大きな影響を与える出来事がありました。
なかでもオリンピックの東京招致については、原発事故の収束の見通しがたたず、ふるさとを追われた人たちがまだ多数いるなかで、首相が福島の原発から出る汚染水はコントロールされていると世界に向けて発信したことは、福島の人たちを深く失望させました。
国の経済状況を見てみますと、アベノミクスともてはやされた経済政策ですが、デフレ脱却・インフレは進みましたが、原因は円安による輸入品の物価高によるもので、製造業や市民の生活があっぱくされ、消費の拡大にはつながっていません。無駄な公共事業に加えオリンピック関連施設の建設による資材の高騰が震災からの復興の妨げになることが懸念されます。円安・株高の進行で利益を得たのは大企業や富裕層、賃金が上がったのは大企業の正規社員であり、多くの市民には円安による燃料費や輸入食品などの生活必需品の高騰に消費増税が追い打ちをかけています。進行する少子高齢化のなか、生活保護費の増大、子どもの貧困率が過去最悪を更新するなど格差が拡大し、財政上の課題は山積しています。
当区にあっては、杉並区基本構想・総合計画が二年目に入り、その取り組みを軌道に乗せる重要な年でした。区長の任期満了による改選の前に敢えて施設再編整備計画、施設使用料・手数料の見直しを進めたこと、保育施設やこれからますます需要が逼迫する特養の建設に精力的に取り組まれたことは、プロセスについて少々申し上げたいことはありますが、評価をするものです。
財政においては、対前年度比で特別区税は3億円の減となりましたが、全体の歳入は0.7%の増加となりました。収入未済額は3年連続で減少し100億円を下回っています。
持続可能な財政運営を行っていくためのルールの1つ、経常収支比率は、目標80%以内、に対し82.5%となりましたが、前年度よりはやや下回りました。公園の整備、保育施設の整備、高井戸第二小学校や大宮前体育館の改築経費など、区民生活にとって必要な投資と扶助費の増大により、経常的経費充当一般財源等は前年度比0.8%の増となっています。施設再編整備計画を進めるにあたり、先にも述べた資材高騰があることも含め、これからも健全な財政運営のための不断の努力が強く求められます。
さて2013年度決算について、限られた時間ではありましたが質疑を通して、また、いただいた資料をもとに施策の執行状況について調査を行った結果、一般会計並びにすべての会計決算案に対して認定すべきものと判断しました。
そのうえで以下、決算審査の締めくくりに当たり、時間の制約により述べられなかったことや、再確認をお願いしたいことなど、何点か絞って述べさせていただきます。

●施設再編整備計画について
現在「計画」となり、具体的に動き始めている区立施設再編整備計画ですが、計画策定までの一連のプロセスを振り返って一言申し上げます。
計画策定に至るまで、区は住民に向けて精力的に説明会を行い、また議会に対しても全員協議会を2回開いて説明をしてこられました。しかし、この間の施設再編整備に対する住民の方たちの受け止め方を見ますと、区報に出し、地域説明会、町会や各種団体、区民意見交換会も行い、HPにもアップしてパブコメを募集して来られましたが、関心が薄いというのが実感です。区民にお知らせをする手段と方法について検討が必要だと考えます。ただ、今回の関心の薄さは区だけの責任ではなく、私ども議会としても地域に出向き、住民の皆様と対話式の意見交換の機会をつくることもできたのでは、と思うところです。

以前、私どもへの答弁では、今後、個別の施設については、地域に入って対話型で住民の声を聞いていかれるとのことでした。いま、「個別施設に関する説明会」のお知らせが町会の回覧板で回っています。このように地域住民の参加を促す工夫をしていただいて、できるだけ多くの皆さんと一緒に地域の施設について話し合っていきたいと思います。

人口減少社会をテーマにしたお話を、元安孫子市長の福嶋浩彦さんから伺う機会がありました。
人口をはじめ、あらゆるものが拡大することを前提とした、これまでの社会のしくみと私たちの頭の中を根本的に切り替える必要があること。人口減少を「地域の質の向上」に結びつけるという発想を持つこと。公共施設の量は減らしながら機能は維持し、質を高めていくことが必要との内容でした。当区におきましても、地域の質を高める施設再編になることに、私どもも力を出していきたいと思います。

次に福祉施策について申し上げます。

●塾費用助成
2013年度から子どもたちの学習意欲をサポートする施策の1つとして始められたのが、被保護世帯の中学3年生に対する塾代助成です。

自分の環境を選べない子どもにとって、親の貧困は機会の不平等を否応なく子どもにもたらし、そこから抜け出す機会がすでに奪われているのが今の日本の現状です。私どもは、貧困の連鎖を断ち切るために有効な施策として期待しておりました。実際、この制度を該当者29名中19(確認)名が利用。年度途中での塾通いを断念することが回避され、全日制都立高校への進学率は前年度77%だったものが90%に向上した実績に、この施策の効果を確認したところです。

今委員会では支援の仕方について様々な意見がありましたが、被保護世帯の中学3年生が高校進学のために塾で学ぶことへの支援自体には、おおむね議会の賛意は得られているものと思われます。
多重債務の最大のきっかけは子どもの教育費だと言われています。被保護世帯に借金を背負わせることがないよう、また被保護世帯に入らないボーダーラインの世帯に対しても子どもが学ぶためのなんらかの支援が届くしくみをご検討いただくようお願いします。

加速化する高齢者、要介護者の増加と年々1兆円を超える規模で膨らむ医療と介護費への対策として自治体は「高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが24時間365日切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」の実現に取組むことになり、当区においても3つのエリアをモデルとし、「地域包括ケアシステム」づくりに取組んでおられます。このケア体制づくりは地域資源とどれだけつながれるかが、ポイントです。今後、地域にある社会資源を調査し、地域の様々な主体のネットワーク組織と協働でケア体制を打ち立てていただくことを期待します。

在宅介護を支えるセーフティーネットとして特別養護老人ホームの増床計画、認知症高齢者グループホーム、障害者グループホームの整備、そして保育対応型児童発達支援事業所の開所、待機児解消を図る保育施設等の整備など高齢者、障がい者、保育それぞれの分野に手厚く取り組んでこられている姿勢を評価するものです。

●HPVワクチン被害の対応について
HPVワクチン(通称子宮頸がんワクチン)の副反応被害についてとりあげました。
区が国に対して、早期の原因究明と副反応被害の救済措置を求める要望書を提出されたこと、区長が区内の被害者を見舞われ、一部ではありますが救済対応をとられたことに敬意を表します。
しかし、全国には副反応被害で未来が壊されてしまった少女たちが多数います。今後も原因究明に向けて、区としても接種者全員の調査を行うことを改めて求めます。

次に区民生活分野について申しあげます。
●労働を男女平等の視点で見直す
なかなか計画に乗らないのが男女平等の施策です。子育てに追われ経済的自立が難しいシングルマザーの半数は貧困状態にあります。彼女たちに寄り添う施策を打ち出してしっかりと進めていかれることをお願いします。

非正規雇用の拡大により増加する「ワーキングプア」の問題とともに、長時間残業が常態化した正規社員の働き方の問題も深刻です。現政権は「成長戦略」の中に「女性の活躍推進」を掲げ、女性管理職の登用を打ち出していますが、労働環境が整わない職場で子育てや介護を抱えた女性がその能力を充分に発揮することは困難です。家族のかたちや子どもがいる・いないに関わらず、だれもが自分らしく地域で暮らすためには施策のありかたを点検し、男女がお互いにその人権を尊重しつつ、責任を分かち合い、性別にかかわりなく、それぞれの個性と能力を十分に発揮し、あらゆる分野に対等に参画できる「男女平等参画社会の実現」を市民とともに目指していかれることを求めます。

● 就労支援センター
就労支援施策について申し上げます。当該年度、就労支援センターを利用して就労した人は153人、そのうち定着したと思われる人は142人と目標値を大きく超えました。若者が働けるようになり、支援の対象から納税者になることは本人はもちろん、社会にとっても大きな意味があります。今後さらに履歴書にブランクのある人の受け入れ先を増やし若者が安心、納得して働き、意欲や能力を十分に発揮できる社会となることを期待します。

●協働とまちづくり
協働とまちづくりへの市民参加について伺いました。地域に暮らす人たちが、自分も地域の役に立ちたい、あるいは自ら地域が必要とする事業を立ち上げたいとした時に、それを応援する区であってほしいと考えます。
区民の活動は環境、福祉、防災、食事づくり、サロンなど多種多様です。受け皿としても、区のそれぞれの所管課、NPO支援センター、地域大学などに渡ろうかと思いますが、区民の活動の芽を見つけ、育て、伸ばしていくしくみが必要だと考えています。
今後、所管課の窓口にいらした相談者を具体的な活動につなげていく旨の、ご答弁を頂きました。ぜひ、杉並らしい市民活動への支援のしくみができることに期待をします。

次に教育分野について申し揚げます。

●特別支援教育
特別な支援を必要とする子どもが、学校によっては支援を受けられていない現状があります。特別支援教育コーディネーター教員へのバックアップ体制を整えること、校長先生、副校長先生への特別支援教育への理解を早急に進め、学校によって支援に差が出ることのないよう強く求めます。

最後に環境分野について2つ申しあげます。

●ごみ減量施策
ごみ減量施策についてです。区は粗大ごみから金属を取だし、リサイクルする事業を開始しました。その成果もあって、区民ひとり当たりのごみの排出量が23区で最小になったことについて、今後も誇りをもって施策を進めていただきたいと思います。一方、2015年2月に東京ルールⅢが終了し、これまで店頭回収されたペットボトルを区が収集していましたが、その後は販売店に対応がまかされます。区は、「ペットボトルの店頭回収を廃止します」とお知らせを出していますが、拡大生産者責任を進める観点からこれを見直し、販売店が独自で回収を行うよう促していただくよう求めます。

●地域エネルギービジョン
2011年3月、東日本大震災により福島第一原子力発電所の事故が起きました。都会で暮らす私たちの暮らしは、原発を誘致した地方の犠牲の上に成り立っていることを改めて知ることになりました。この事故の教訓から私たちがめざすべきは、国のエネルギー政策の見直しをはじめとして、再生可能エネルギーの拡大と省エネの一層の推進、地域分散型エネルギー社会の構築です。

杉並区はいち早く、区民の暮らしの快適さと安全性を確保しつつ、環境にやさしいまちを創るため、区の地域特性を踏まえたエネルギー政策の基本的な方向をまとめた「杉並区地域エネルギービジョン-これからの杉並区のエネルギー政策の方向-」を策定したことは大いに評価するところです。今後は、総合計画、実行計画に落とし込まれた区立学校への太陽光発電器と蓄電池の設置などの目標を実現し、自立・分散型エネルギー社会の創出に歩みを進めることを期待します。
最後に安倍政権の原発再稼働方針、武器輸出3原則の撤廃、秘密保護法、集団的自衛権行使容認など民主主義を大きく後退させ、いのちを大事にしない政治状況で、今ほど市民が政治に関心を持つことが求められている時代はありません。私どもは、子どもたちの未来を守るために、これまで以上に、原発依存のエネルギー政策から脱却し、市民の自治を地域から進めることに取り組んでまいります。行財政運営においても環境面からも持続可能な社会を目指し、活動していくことを申し上げ、区議会生活者ネットワークの意見とします。