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生活者ネットすぎなみ113号 2020.1.10発行

第1回定例会代表質問 2020.2.13そね文子

私はいのち・平和クラブを代表して、田中良区長の2020年度予算の編成方針とその概要及び関連する区政の諸課題について質問いたします。まずは、今年の内外の政治と経済の主な動向について見ておきます。

2019年10月の消費税10%実施により、消費の落ち込みは前年同月比で5.1%を記録し、2014年4月の消費税3%増による前年同月比4.6%の落ち込みをさらに拡大させました。安倍政権における過去最大の消費の落ち込みです。理由は、2014年と比べ世界経済の不透明性による不安、また10%と言えば消費税が計算しやすい増税の顕著性による心理的ショックと言われています。その結果、軽減税率やキャッシュレス還元等の景気対策は所得の低い高齢者などにはが使えない仕組みとなっており、新たな格差を生んでいます。オリンピック特需がかろうじて景気の下支えをしていますが、オリンピック後の景気の悪化が懸念されます。

国際的には米中の経済摩擦の悪化や、イギリスのEU離脱、米朝関係や日韓関係の厳しさ、新型肺炎の世界的拡大が経済の先行きを危うくしています。また、年明けのトランプ政権によるイランの革命防衛隊司令官の殺害は、イランの報復攻撃を招き中東の戦争危機を一層強めました。こうした折に、安倍首相が自衛隊を中東に強行派兵したことに対し、国内では一層の危機をもたらすものと反対の声があがりました。こうした国の政治・経済の不安定な状況の下で、基礎自治体における平和と市民の安心・安全を守る役割はますます重要となっています。日韓関係が悪化している今だからこそ、杉並区は交流自治体の韓国瑞草区との関係を大切にし、足元からの平和を確かなものにするよう求めるものです。

さらに2020年は、差し迫る重大課題に自治体での取り組みが問われています。世界的な規模でおこっている温暖化によって、異常気象下の風水害や森林火災で多大な被害が発生しています。日本国内や杉並区内においても、これまでを上回る風水害のおそれが高まり、とりわけ治水対策が求められています。私達会派は昨年、滋賀県の嘉田前知事が進めた流域治水対策について学ぶ機会がありました。嘉田前知事は、人命を守ることを優先し、床上浸水のような生活再建が難しくなる事態を避けるために河川改修とともに、氾濫した場合に備えた住宅のかさ上げなどを進めてきました。今後、自治体の本旨である住民の命や財産を守るための注目すべき視点だと感じました。

安倍政権は辺野古新基地建設反対を掲げて当選した翁長前県知事の当選後も工事を強行し、昨年9月過去最高の得票で玉城県知事を当選させた沖縄の民意を無視して、基地建設の土砂搬入工事を加速しています。これに屈せず住民の意思に従い、辺野古基地建設を阻む沖縄の県民一体の闘いは、地方自治を守る取り組みであり、全国の自治体が連携しなければなりません。杉並の上空も米軍の横田基地の管制のもとにおかれていることから、かつて杉森中学校への米軍ヘリ不時着という事態を経験しました。この事態を繰り返さないためには、全国知事会の日米地位協定改定を求める決議に応え、自治体から国に要請や意見書を出すなど、自治を確立する取り組みが求められています。

こうした情勢下での2020年度の予算に対し以下質問します

1.まずは昨年の区政に関してです。

 私どもの会派は昨年6月、エクレシア南伊豆を視察しました。入所している区内の知人にもお会いし、元気な様子を拝見しました。また、これまで子どもたちの磯観察などに携わってこられた大野さんや、南伊豆でのくらしの体験を受け入れている松本元副町長ご夫妻のお話をうかがい、地域の人と交流するすばらしさを体験いたしました。

  • エクレシア南伊豆は現在、40名の区民が利用され、区民には杉並を感じてもられるような日本フィルの出張公演なども行われていました。区域外特養には杉並から遠いことなどから否定的な意見もありましたが、実現できた意義と今後の課題は何か、お聞きします。
  • 先日も特養を希望する方の相談がありました。90歳をこえても歩けることから要介護3にはならず、それでも一人暮らしが不安で見守りが必要な方でした。制度では要介護3が原則とされている中で、エクレシアの現状と、また今後の区の特養待機者対策を合わせてお答えください。

次に保育園の待機児ゼロについてうかがいます。 

  • 2年連続の待機児童ゼロを達成したことに甘んじず、引き続き「希望するすべての子どもが認可保育所に入所できる環境整備」を進める姿勢は評価します。また、施設整備と共に、車の両輪として保育の質の確保についても力を入れて取り組んできたものと認識していますが、今後さらに保育の質を高めるためにどのように取り組んでいくのか区の考えをお聞きします。
  • 今年の4月には、民営保育施設が200を超えるという状況の中で、すべての保育施設の保育の質の維持向上を図っていくためには直営保育園の果たす役割は重要と考えます。4月には直営園は31園となりますが、その役割を果たすにはぎりぎりの数だと考えます。今ある直営園はそのまま残すべきと考えますが区の見解をうかがいます。

区立小中学校体育館の空調設備の設置についてうかがいます。

  • 毎年の猛暑に、子どもの教育環境を整えるため、すべての小中学校の体育館にエアコン設置を決め素早く対応していることは評価しています。しかし一方で、気密性の低い体育館で猛暑の中エアコンを使えば室外機からは熱風が吐き出され、ヒートアイランド現象を加速させ、温暖化にも拍車をかけます。これに配慮し適正にエアコンを使う運用が何よりも大事です。これまで学校で、エアコンが動いている教室で窓が開けっぱなしにされていたり、温めすぎ、冷やしすぎなど不適切な運用を目にしてきました。教師へのエアコンの適正運用の徹底と子どもへの省エネ教育をどのように進めるのか、区の見解をうかがいます。

次に「区政運営に臨む基本姿勢」について質問してまいります。

  • 2020年度は新たな基本構想に着手することになりますが、これまでの基本構想10年の成果と課題をどのようにとらえているのか。また、その成果と課題、さらに新たな取組みを新基本構想策定につなげ、次の10年の杉並区のありたい姿をどう描いていくのか区長の考えを伺います。
  • この1月からパリ協定が発効し、世界では温暖化を気候危機ととらえ対策を強める取組みが広がっています。しかし、日本では、昨年12月のCOP25で経済産業大臣が石炭火力発電所を選択肢として残すと発言し不名誉な化石賞を受けたことに象徴されるように、本気で取り組む姿勢が見えません。プラスチックの海洋汚染問題についても同様に、世界で大きな動きとなっている中、取り組みが弱すぎると言わざるをえない状況です。これらの問題は私たちの暮らしを根底から覆すもので、未来にわたってこの地球環境をより良いものにして引き継いでいくためにはどうしたらいいのか、今の私たちに突き付けられている重大な課題です。区民一人ひとりの行動が重要となることから、区は環境優先の考え方を新基本構想の根底に置き、策定に臨んでいただきたいと考えます。区が保育緊急事態宣言を出して一丸となって待機児を解消したように、気候危機に対しても区が旗振り役となって取り組みを進めてほしいと思いますが、区の考えを伺います。
  • また、住んで心地よい杉並にさらにしていくために、あらゆるまちづくり政策に昨今注目されているグリーンインフラの考え方を取り入れることを求めますが、区の見解を伺います。
  • 区長は一人ひとりの区民の力こそが区のかけがえのない財産であり、誇りだとし、区民とともに明るく希望にあふれた杉並を築いていくと述べられており、強く共感するところです。次の基本構想はNPOなども含む幅広い区民とともに策定に取り組むべきであり、その上でともに基本構想を推進していくパートナーとして位置づけるべきと考えますが、区の見解をお聞きします。
  • また、この区民の中には、社会の一員として共に生きる子どもも参加し意見を述べる場をつくるべきと考えますが、合わせて伺います。
  • 次に商店会の補助金不正受給問題について、うかがいます。関わった商店会からは取り消した補助金及び法定利息等について、その全額が区に返還されたと報告されています。ハロー西荻やおわら風の舞は多くの区民に楽しまれてきた中で、西荻商店会の皆さんが厳しい返還要求に即時に誠実に対応し、区民への信頼回復に努められました。また当該の商店会は新体制のもとで商店会の新たな発展をめざしています。商店会の努力に応え、西荻の風物詩ともなっていた祭りの復活に向けた区の支援が期待されます。西荻商店会で、新年度以降ハロー西荻とおわら風の舞を実施する準備があるのかお聞きします。実施する場合、これまで同様東京都と区が補助金を出すことができるのかを確認します。

3.ここからは20年度の予算編成方針の基本的な考え方について質問いたします。

まずは、都市計画道路の整備についてです。

  • 戦後まもなく計画された都市計画道路のなかには、その後住宅が立ち並び大規模な立ち退きを要するため、必要性の有無から検討すべき道路も少なくありません。そこに住み続けている人々の暮らしを奪う計画には賛同しがたいものもあります。基礎自治体として区は、そこに住む区民の意向を尊重しながら進め、都や国に対しては強引に進めることがないよう求めるべきと考えますが見解をうかがいます。

認可保育所の施設整備についてうかがいます。

  • 乳幼児期の外遊びは子どもの健全な育ちにとても重要な要素だと認識しています。この度、区は認可保育所に対する園庭確保支援としての助成制度を創設するとありますが、具体的にはどういうものなのか。土地の確保が物理的にも経済的にも厳しい状況にある杉並区において、実際に園庭確保がどの程度すすむと想定しているのか、区の見解をお聞きします。

学童クラブの施設整備についてうかがいます。

  • 保育園の待機児童問題が学童クラブ待機児童につながっています。4月の学童クラブ待機児童解消に向けて、これまで待機児童が多かった地域ではどのような対策を講じていくのかお聞きします。
  • 児童館の遊戯室を育成室に転用するだけの対策では不十分であり、抜本的な学童クラブ待機児童対策に踏み出す必要に迫られています。浜田山児童館や堀内南児童館を学童クラブ専用館にするなど対策を講じていますが、人数が大規模になるクラブの保育の質をどう継承するのか、うかがいます。

次に、会計年度任用職員制度導入についてうかがいます。

先日1月20日の朝日新聞報道に、「待遇改善?非正規公務員の困惑」との見出しで、非正規公務員の新制度がかならずしも国の狙い通りに年収が上がらず、下がるケースもあることが吹田市の例で紹介されていました。吹田市では4月に新制度を導入した後、毎年6月と12月にボーナスを支給する案ですが、6月のボーナスは前年の11月から4月までの勤務が対象で、最初のボーナスとなる6月分は、4月の勤務だけが対象で満額の3割程度との内容でした。4月から3月までが任用期間となる非正規職員には1年ごとの採用という建前の中で、雇用が継続すればよいが、更新が終わって、再度雇用される際は同じ問題が起こることになります。

  • 区においては、新制度移行に伴い、これまで継続して働いてきた非正規職員のボーナスは具体的にどのようになるのか、確認します。また、更新期間を超えて、新たに他の部署に変わった際はどのような取り扱いになるのか、新規採用はどのような扱いとなるのか、確認します。
  • 区の職員の4割に近い非正規職員の力なくしては行政運営が成り立たない現状です。現在の人数に加え、今後どの程度の人数を必要とするのか、確認します。
  • 人的資源を失わないためにも5年を雇止めとする任用の在り方を改めるべきと考えますが区の見解をお聞きします。

4.ここからは基本構想の5つの目標についてうかがっていきます。

まずは1つ目の目標「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」についてです。

  • 3.11当日セシオン杉並のホールで毎年3.11を忘れない集会を開催し継続して福島の現実と向き合ってきたことは高く評価しています。今年はどのような目的でどのような企画を検討しているのかうかがいます。
  • 毎年優れた企画でありながら、区民の参加が少なく残念です。事前の周知に工夫を要すると思いますが、区の考えをお聞きします。
  • 発災直後3日間を乗り切るためには自助力、互助・共助力を高めていくことが重要です。ライフラインの寸断を想定した訓練を広く地域住民に呼び掛け、自分事としてとらえ備えていくことが必要だと考えます。そのためにも、防災計画の見直しにあたっては、様々な立場の地域住民の参加が必要不可欠と考えますが区の見解はいかがでしょうか。
  • 区内全域道路の危険ブロック塀の解消のための助成制度については我が会派から要望したことでもあり歓迎するところです。危険ブロック塀はどの程度の箇所を想定しているのか、またどのように助成制度を周知し、実施していくのか、確認します

ここからは「暮らしやすく快適で魅力あるまち」についてです。

  • まちづくりについては、自動車優先ではなく、高齢者やベビーカー、車いすの方も通行しやすく、環境にやさしい自転車が安全に走れることも重要です。交通の便利さだけを追求するのではなく、誰にとっても歩きやすくやさしい道路、通りたくなる魅力あるものにしていくためには様々な区民の声を聴きながら、ともにつくっていくことが重要と考えますが区の見解をお聞きします。
  • 京王線連続立体交差事業は、沿線住民から開かずの踏切早期解消のために、地下化が求められながら東京都が高架計画を決定し進めてきたため、未だ3分の1の買収ができず、今後何年かかるか見通しも立っていません。西武新宿線の連続立体交差事業は、中野―野方間が地下化で順調に工事も進みつつあるのに対し、上井草駅から西が高架で決定されました。井荻―下井草方向も高架化の動きが出てきました。この間の調査で地下方式と高架方式の費用はほとんど変わらず、立ち退きや騒音被害のない地下方式が優れており工期も短いことが明らかです。区として改めて井荻―下井草区間の地下化を求めるべきと思いますが、見解をうかがいます。
  • 杉四小跡地を活用したホームステイ・ホームビジット支援事業で杉並の魅力を来街者に伝えることが示されました。この案には賛成するところですが、具体的には杉四小をどのように使ってその事業を行おうとするのかうかがいます。
  • 平和首長会議総会への出席と中学生の広島訪問について、杉並区は田中区政になり平和首長会議に参加するようになったことを私どもは大変嬉しく思っています。被曝75周年の節目の年に、田中区長が総会に参加されることは意義深いものと考えます。被曝75周年にむけた区長のお考えをお聞きします。
  • 会派の中から毎年広島を訪問し、韓国人慰霊式典や全体の式典に参加し、また改修前、改修後の平和記念資料館を視察してきました。諸外国からの若い世代や小学生のお子さんを連れた家族が多く訪れています。私達も毎年訪れることで新たな学びもあり、現地に赴くことの大切さを感じています。今年の中学生の広島訪問についてその規模と記念式典参加や、平和記念資料館見学などの予定があるのかお聞きします。

次は「みどり豊かな環境にやさしいまち」についてです。

  • 森林環境譲与税による基金の設置が提案されています。戦後の拡大造林政策によって、山の上まで植えられた杉やひのきの放置人工林が土砂災害や花粉症などを引き起こしています。豊かな水源の森が都市に住む私たちに飲み水を供給しCO2削減にも寄与していることから、杉並区民にとっても豊かな森を守ることは必要です。この税金を活用して、手を入れにくい山の尾根筋や急斜面を豊かな広葉樹の森に戻すこと、区民がその活動に参加し、大人から子どもまでが森の大切さを学ぶ機会を継続的に持つことを改めて提案いたしますが、区の見解をうかがいます。
  • これまでも食品ロスやプラゴミの削減、廃油の資源回収など提案し、実現もしていただきました。今回はそれらをさらに進めゴミをゼロにする「ゼロ・ウェイストすぎなみ」の取り組みを開始するという高い目標を掲げられたことをまず評価したいと思います。具体的にどのようにすすめていくのか伺います。

先日、杉並区の容器包装プラスチックが収集された後に運ばれる中間処理施設、さらにそこで選別圧縮されたものが商品としてリサイクルされている千葉県富津市にある工場を視察させていただきました。多くの区民が努力して分別していることがわかりましたが、最終処理の工場の周りには自治体から持ち込まれた多くの溶リプラが山積みされ、処理しきれないでたまっていることが容易に見て取れました。これまで輸入を受け入れていた中国がそれをやめた影響が大きいと聞きました。

  • プラスチック製容器包装のリサイクル問題を解決するためには行政や区民の努力だけでなく、そもそも製品を生み出す企業がゴミになるものをつくらない、リサイクルしやすいものをつくるという拡大生産者責任を求める法改正が必要だと思いました。自治体の負担も大変大きいことから、区はそれを求めてきていますが、世界が大きくプラスチックごみ削減に動き出している今、改めて法改正を強く求めるべきと考えますが区の見解をうかがいます。私たちも共に取り組んでいきたいと思います。
  • 旧あんさんぶる荻窪の屋上庭園について、この度地域開放が出来るようになったことが判りました。公園の少ない地域にできたことは重要です。国との協議の結果、どのような内容になったのか。地域の方々の意見はどのように反映されたのでしょうか。今後の管理の方法等住民参加や課題について確認します。

次は「健康長寿と支えあいのまち」についてです。

障がい者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられよう、緊急時の相談を行うコーディネーターの配置と一時的な障がい者の受け入れ体制の整備、円滑に地域の支援機関につなぐなど、障がい者の地域生活を支える体制を整えていくことが示されています。

  • これまで障がい当事者や家族・団体から、一時的な受け入れ施設が必要だとの要望が多く寄せられ、区がこれに踏み出すことは大変意義のあることだと受け止めています。この施策を進めていくためには、当事者や家族・団体との協議が最も必要だと考えますが、区の見解を伺います。
  • コーディネータ―配置や一時的な受け入れの整備など、それぞれの具体策をお示しください。

移動支援についてもうかがいます。これまで当事者や団体などから要望が強く、私どもの会派も様々な機会を通して要望してきました。すでに区は移動支援事業の見直しを進めています。

  • いつ見直し案が示されるのか、現在どのような状況にあるのか確認します。
  • 利用の制限や、年間を通した柔軟な利用時間などが具体的な内容としてあげられています。どのような内容が見直しの対象とされているのか、お聞きします。
  • 必要な人が必要な量を使える内容にするために、利用者目線での見直しが必要です。そのためにも障がい当事者や団体などとの協議が必要と考えますが、いかがでしょうか、お聞きします。

最後に「人を育み共につながる心豊かなまち」についてうかがいます

  • これまで区長は、教育環境の整備を自らの役割とし、就任早々教室へのエアコン導入を進めて評価を得てきました。また教育委員会の独立性・中立性を支え、行政による教育支配を排してきました。今回打ち出された「学校就業時間外の管理権限を区長部局に移す方向」はどのような目的で行われるのか、またどのような体制を考えているのか。教育委員会との連携、教育委員会の独立性はどのように担保されるのか確認しておきます。

杉並区がめざす「人を育み共につながる心豊かなまち」とは、障がい者、高齢者、子ども、外国人、性的マイノリティの方々など、様々な立場の人たちを誰一人取り残さない多様性を受け入れる共生社会をつくることだと考えます。

日本が批准した障害者権利条約24条は障害者が他の者と平等に、自己の生活する地域社会において初等中等教育の機会を与えられることを確保しなければならないとしています。

しかし中央教育審議会は、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のために特別で支援教育を進めるとしており、インクルーシブ教育が特別支援教育で実現されるかのように表現されています。これは条約の趣旨に反していると考えています。区でも特別支援教育推進計画の中で、障害の有無にかかわらず、誰もが人格と個性を尊重しあい、互いの多様性を認め合う共生社会の形成に向け、特別支援教育を推進していくとしていますが、国の考え方と同じです。ただ一方で区は、特別支援教育の視点による学校・学級運営は、障害のある児童・生徒のみならず、すべての児童・生徒にとってわかりやすい授業の実践や、教育環境の整備につながるとも述べていることは重要です。すべての学校をその視点でつくり変え、特別な支援を必要とする子どもが通える場所にしていくこと、それは同時に不登校や様々な困難を抱えた子どもたちにとっても通いやすい場所になることであり、これを強く進めてほしいと考えています。

真の共生社会を目指すには障害がある子もない子も同じ場所で共に学ぶことが必要だと考えますが、区教委の見解をうかがい、以上でいのち・平和クラブの代表質問を終わります。

第4回定例会一般質問と答弁「放課後の子どもの居場所について」 2019.11.21 奥田雅子

Q1児童館再編により、これまでの児童館の取組みをどのように評価し、何を残し、何を変えたのか伺う。

A1これまで児童館は0歳から18歳までの児童の健全育成に資する施設として、大きな役割を果たしてきたと評価している。しかしながら、現在の限られた施設・スペースでは、増加している乳幼児親子や小学生の学童クラブのニーズ等に対応することは困難である。このため、区は、区立施設再編整備計画に基づき、児童館の機能のうち、小学生の学童クラブや放課後等の居場所は、区立小学校施設に移転するとともに、機能移転後の児童館施設を改修して、乳幼児親子を主たる利用対象とする、子ども・子育てプラザを整備するなど、児童館再編の取組みを丁寧かつ段階的に進めている。こうした取組みにより、従来の児童館のときと比較して、学童クラブの受入れ数が拡大したことに加え、全体として、小学生の放課後等居場所事業を利用する児童や、子ども・子育てプラザにおける乳幼児の利用も増えているなど、多くの区民の期待に応えることができた。今後の児童館再編においても、これらの実績を踏まえ、引き続き、時代の変化を的確に捉え、児童館の機能を継承・発展させるよう、着実に取り組んでいく。

Q2放課後等居場所事業は、基本的に専用の場所はないが、専用の場所を設けなかった経緯について確認する。また、今後も設ける考えはないか伺う。

A2同事業を小学校内で実施するにあたり、放課後等に登録児童が集まる拠点スペースは、多目的室等を活用し、児童が運動したり遊んだりするスペースは、あらかじめ学校と調整の上、校庭や体育館、学校図書室、特別教室などを適宜活用している。このように、同事業のみの専用スペースを設けるのではなく、今後とも、各学校の実状に応じて、学校施設全体を教育活動に支障の無い範囲で有効活用していくという考え方により、実施していく。

Q3学校との連携について、人的体制や連携内容を具体的に伺う。また、現時点での課題は何か。子ども家庭部子どもの居場所づくり担当課長が教育委員会の子どもの居場所づくり担当副参事を兼務としているが、学校との連携においてどのような役割を果たしているのか伺う。

A3教育委員会事務局副参事を兼務する子どもの居場所づくり担当課長の指導のもと、本事業を統括・管理する子ども・子育てプラザ職員が核となって、当該校の管理職及び運営委託事業者と定期的な打合せを行い、活用するスペースの利用調整のほか、事業の実施状況等に係る情報共有を図っている。

Q4小学校内で実施することで、子どもの成長の糧に貢献するような視点で得られたメリットはあるか確認する。

A4この間の放課後等居場所事業を通して子どもたちの成長支援に対するリアルな状況については、個々の学校内で行っていて、それぞれのスタッフが個々の子どもたちの日々の成長を実感しているところかと思う。今現在、現実の具体的資料の持ち合わせはないが、今後、その点も整理して共有していきたい。

Q5学童クラブについては杉並区学童クラブの民間委託ガイドラインが策定されているが、放課後等居場所事業についてはそういったものはあるのか伺う。また、これまで株式会社を参入の対象としてこなかった理由は何か。今回、株式会社にも門戸を広げた経緯について確認する。

A5区が本年2月に策定した「学童クラブの民間委託ガイドライン」は、今後の学童クラブの民間委託を円滑かつ適切に推進するための基本指針として定めるとともに、これまで本区が参加を認めていた特定非営利活動法人、社会福祉法人および学校法人以外にも、他区における委託法人の種別が大きく広がっている実態等を考慮し、より多くの事業者から多様な提案を受けることができるよう、公募要領に盛り込む参加資格を「一定の実績を有する法人格のある団体」としたものだ。小学生の放課後等居場所事業については、現在、これまでの実績状況等を踏まえ、事業実施マニュアルを検討しているところであり、今後はこのマニュアルを基に、学校及び委託事業者と情報共有及び連携の促進を図っていく。

Q6国は放課後児童クラブと放課後子供教室の一体型の取組を進めているが、区は学童クラブと放課後等居場所事業を、それぞれを別の事業として取組んでいるのはなぜか伺う。

A6両事業について、区では、これまでの経緯等を踏まえ、別々の事業として実施しているが、より効率的・効果的な運営となるよう、同一の事業者に委託することとしている。

 再質問答弁 従来から児童館の中で学童クラブ事業があり、それとは別に学童クラブを利用しない子どもたちは一般来館と言う形でその施設を有効に活用してきた。今回、児童館の再編で地域にあまねく存在する区立学校の施設を有効活用するにあたり、これまで児童館で行っていたそれぞれの事業の環境を上手く継承していく考え方から、現在のように事業としては別々に行っている。しかし、基本的に同じ小学校の子どもたちが集まって交流する、遊ぶ取組みであるから、効率的・効果的に行っていくという観点から同じ事業者で一体的に運営している。

Q7放課後等居場所事業と学童クラブについて、区が委託先に求める内容、例えば、委託条件、職員の資格、職員の配置基準等に違いはあるのか伺う。

A7学童クラブでは、国の基準に基づき区の条例等で定める職員の資格及び配置基準等を公募要領に明記しているが、放課後等居場所事業には国の基準等が無いため、公募要領には児童館における実績等を基にした職員配置を設定する一方、責任者を除き、職員の資格基準は設けていない。

Q8スタッフのスキルアップのための定期的な研修の義務付けなど仕様書に明記すべきと考えるが、実態はどうか確認する。また、目的に照らして事業の到達度を確認していく場が必要と考えるが区の考えを伺う。

A8委託事業者スタッフへの研修は、委託仕様書に基づき、法人が実施する研修が毎年平均で9回程度行われているとともに、区が主催する児童館職員等を対象とした各種研修への参加者数も増えている状況にある。今後とも、こうした状況把握に加え、委託契約に基づく年2回のモニタリング等を適切に実施し、事業の改善・充実を図ってまいりたい。

Q9既存4校の放課後等居場所事業の直近の登録人数を伺う。また、一日の利用数は平均どのような状況か。再編前の児童館と比べ、和泉学園では約2.2倍、杉二小では約1.4倍に増加していると聞いているが、今もその傾向は続いているか伺う。

私立や国立学校に通う児童も対象となっているが利用実態はあるか。あれば、その登録人数も伺う。

A9現在、同事業は4校で実施しているが、本年度の登録児童数は、杉並和泉学園で575名、杉並第二小学校で432名、桃井第二小学校で352名、桃井第五小学校で386名となっており、その中には国立・私立との学校に通う児童が合計58名含まれている。また、これら4校では、従来の児童館の時と比較して、平均1.5倍となる、多くの児童が利用している。

Q10子どもが放課後の自由な時間を思い思いに過ごすことが重要である。スタッフはどのような点を重視して子どもたちに接しているのか伺う。

A10現在、同事業を委託している事業者のスタッフとも共有し、日々の運営の中で児童が思い思いに過ごすことが出来るように配慮するほか、集団で遊ぶ際に高学年にリーダー的な役割を担ってもらうなど、運営上の工夫等に努めている。

Q11障がい児等の利用はどのように対応しているのか。また、学校になじめない子は放課後等居場所事業の利用が困難なため、子ども・子育てプラザにおいて受け入れることとなるが、その実態はあるか確認する。

A11障害のある児童の利用については、児童の安全を考慮し、保護者のご協力を得て、適宜参加いただいている。また、学校になじめない児童はこれまでも答弁している通り、必要に応じて、子ども・子育てプラザ等で受け入れている。

Q12保護者との関係づくりやボランティア参加、地域の子育て支援団体等の協力などはどのような状況か伺う。

A12同事業に係る保護者との関係づくりは、児童の送迎をする保護者に対する個別の声かけのほか、毎月発行する放課後等居場所事業のお便りを通して、実施状況等をお知らせするとともに、ボランティア参加の協力を依頼している。同事業の中で実施している本の読み聞かせや運動プログラム、お祭り等のイベントにおいては、保護者によるボランティアのほか、地域の子育て支援団体等の協力を得て、実施するよう進めている。

Q13今後、放課後等居場所事業を進めていく際には、計画を出す前に、運営等について、児童館利用者等の地域と話し合いを持ち、一緒になって考えていく場が必要だと考えるが区の見解を伺う。

A13これまでも、計画案の公表段階で地域説明会等を行っているが、今後も、当該校のPTAや学校支援本部等の方々の意見をお聴きしながら、円滑適切な事業の実施に向けて、丁寧に取り組んでいく。

Q14子どもの主体的な意欲がより育まれるためには、それぞれの子どもが自らやりたいことをして遊べる環境を整えることが必要だと考えている。今後、放課後等居場所事業を実施していくに当たっては、その視点をもちながら進めていただきたいが、区の見解を伺う。

A14ご指摘の点は区としても同様の認識であり、今後についても、児童一人一人の状況や思いを可能な限り受け止めながら、本事業を通して児童の自主性や主体性を育成に資することができるよう、取組んでいく。

 再質問答弁 子どもたちの自立性・主体性については、その認識は区と委託事業者と共有してこの間も取り組んでおり、区が主催する研修でもテーマに設定して共に考え合う等努めている。今後も指摘の自立性・自主性を育むことは重要だと考えるため、子どもたちの状況に敏感になりながら努めてまいりたい。

第4回定例会一般質問 2019.11.21 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として子どもの放課後の居場所について一般質問します。

児童館については、杉並区は全国に誇る「一小学校区一児童館」の体制づくりに力を入れ、職員体制も一定時期までは児童館などの児童厚生施設において子どもの遊びを指導する児童厚生員という福祉の専門職を配置し、学童クラブを設置するなど大変充実した施策をすすめてきました。しかし建物の多くが更新時期を迎えた今日、これまで児童館で行われてきた個々の事業に対するニーズの高まりもあり、これまでと同じ形態では事業を継続させることが難しくなってきたことから、それぞれの機能を分けて拡充させていくことは必要なことと理解しています。そして今、再編したのちの新しい施設を子どもたちの豊かな育ちに資するような施設にしていくため、ハード・ソフト面から検証していくことが必要だと考えます。

これまでの実績を評価し、新しい施設再編計画の下で、如何に子どもの成長にとって貴重な遊びの場や地域での子どもの成長を応援するしくみをつくっていけるかが問われているものと考えます。その立場から子どもたちの居場所の現状を確認し、今後の取組みに生かしていっていただきたく質問してまいります。

これまでの児童館の利用対象者は0歳~18歳、つまり乳幼児親子から高校生までであり、小学生保護者や地域住民も児童館ボランティアなどの活動を担い子どもの育ちを支えてきました。その内の乳幼児親子を対象とする事業については、新たな形態として子ども・子育てプラザが既に4か所で開設され、1日中自由に使える居場所として多くの乳幼児親子の利用で賑わっています。また、中高生については、ゆう杉並に加えて、2か所において新たな居場所が計画されています。特に今回、取り上げたいのは、一番の遊び盛りの小学いということを前提にしつつ、これまでの児童館に替わる一般児童の行き先という点では、多くの場合「放課後等居場所事業」となります。

放課後等居場所事業」は区の児童館機能の一部である小学生の一般来館の機能を継承するものとして、小学校施設を活用した小学生の放課後の居場所づくりを行うものであり、これまでに4校で実施されています。この間、先行して始まった和泉学園や杉並第二小学校においては、それまでの児童館の利用者数を上回る実績を確認してきたところですが、最初に和泉学園で導入されて2年半が経過し、単なる利用者数の増加だけでなく、もう一歩踏み込んだ内容における成果や課題についても見えて来る頃から「放課後等居場所事業」について確認をしていきます。そこで、まず、

1-1.児童館の施設再編をすすめるにあたっては、これまでの長きにわたって培われてきた児童館の取組みをどのように評価し、何を残し、何を変えたのか確認します。

先日、杉並和泉学園や桃井第二小学校の様子を見学してきました。放課後等居場所事業は学校のランチルームや多目的室を活用しているため、運営事業者は用具の出し入れや保管などの不便さもあるのではないかと感じました。そこで、学校との関係について伺います

1-2.放課後等居場所事業は小学校施設の放課後使用しないスペースを活用して行われており、基本的に専用の場所がありません。専用のスペースにしなかった経緯について確認します。また、今後も専用スペースを設ける考えはないのか伺います。

1-3.この事業の機能は学校の中に入ることで教育分野と福祉分野が共に手を携えて、子どもの遊びを通して健全な育ちを応援することが重要だと考えますが、実際、学校との連携はどのようになされているのか。人的体制や連携内容を具体的にお聞きします。また、現時点での課題があればお示しください。

1-4.学校内に設置した以上そのメリットを追及すべきと考えます。学校内に設置したことで安全面のメリットは確保されたと言われていますが、子どもの成長の糧に貢献するような視点で、得られたメリットはあるかお聞きします。

1-5.子ども家庭部子どもの居場所づくり担当課長が教育委員会の子どもの居場所づくり担当副参事を兼務していますが、学校との連携においてどのような役割を果たしているのか伺います。

次に委託事業者について伺います。

1-6.既存の放課後等居場所事業の委託事業者についてはこれまでも多くの学童クラブを受託してきた法人が担っていると認識しています。同じ小学校内に学童クラブと放課後等居場所事業が併設されることから、一つの事業者に一体的に委託しています。学童クラブについては「杉並区学童クラブの民間委託ガイドライン」が策定されていますが、放課後等居場所事業についてはそのようなものはあるのか伺います。

 また、2020年4月に開設される高円寺学園、杉並第九小学校では委託先として初の株式会社が採用されました。これまで株式会社を参入の対象としてこなかった理由は何か。また、今回、株式会社にも門戸を広げた経緯について確認します。

1-72014年度5月に国は学校施設の徹底活用や放課後子供教室と放課後児童クラブを一体型ですすめることを柱とした「放課後子ども総合プラン」を発表しました。それを受けて、学童クラブと放課後子供教室を一体的に行う自治体もあります。杉並区はそうはせず、学童クラブと放課後等居場所事業を、それぞれを別の事業として取り組んでいるのはなぜか、区の見解をお聞きします。

1-8.視察の際の説明で、学童クラブ登録者は放課後等居場所事業にも登録することはできるが、1日の間に両方を行ったり来たりして過ごすことはないと伺いました。学年が上になるほど、両方に登録する子どもが増えるようで、子どもも上手く使い分けているようでした。学童クラブと放課後等居場所事業は子どもの放課後の時間を見守るという点では同じですが、それぞれの事業に対して区が委託先に求める内容、例えば、委託条件、職員の資格、職員の配置基準などに違いはあるのか確認します。

1-9.事業の内容の質をより良いものにしていくには、スタッフのスキルアップのための定期的な研修講座も必要です。研修の義務付けなど仕様書に明記すべきと考えますが、実態はどのようになっているか。また、目的に照らして事業の到達度を確認していく場が必要と考えますが、区の考えをお聞きします。

次に子どもの利用の様子について伺います。

1-10.既存4校の放課後等居場所事業の直近の登録人数は何人か。また、一日の利用数は平均どのような状況か。再編前の児童館と比べ、和泉学園では約2.2倍、杉二小では約1.4倍に増加していると聞いていますが、今もその傾向は続いているか、合わせてお聞きします。

1-11.参加する子どもが増えたことは、そのような場が求められていたとも受け止めていますが、子どもが放課後の自由な時間を思い思いに過ごすことができることが重要だと考えます。スタッフはどのような点を重視して子どもたちに接しているのか伺います。

1-12.機能として、困難を抱える子どもや家庭などを支援することや問題の未然防止や早期対応を図るためには、虐待やいじめなどを見逃さないスタッフの感度も重要だと考えます。例えば、障がい児等の利用はどのように対応しているのかお聞きします。また、学校になじめない子は、学校内で行われる放課後等居場所事業の利用が厳しいため、子ども・子育てプラザにおいて受け入れることが出来ることをこの間も確認してきましたが、そのような子の受け入れ実態はあるのか伺います。

配慮が必要な子どもへの対応には時には専門的な知見が必要なこともあります。作業療法士などの専門的職員の配置あるいは巡回指導のような取り組みをぜひ検討していただくよう要望しておきます。

1-13.私立や国立学校に通う児童も対象となっていると思いますが利用実態はあるか。あれば、その登録人数も伺います。

次に地域・住民との関係についてお聞きします。

1-14.居場所の機能として地域の多様な大人の積極的な参画を得て、学校を核とした子どもの育ちと子育てを支える地域社会をつくることは重要です。保護者との関係づくりやボランティア参加、地域の子育て支援団体等の協力などはどのような状況か伺います。

今回は小学校内にこれまでの児童館機能が移行した放課後等居場所事業について質問してきました。冒頭述べたように、子どもは地域の様々な社会資源を活用して多様な人やものとの関わりの中で放課後を過ごすことが望ましく、地域の大人も一緒にどんな子どもの居場所をつくるのかを、子どもの側に立って考えることが必要ではないかと考えています。居場所事業の質の問題にも直結することから、これまで活動してきた保護者も含む児童館関係者の中に、児童館再編は地域との丁寧な話し合いの場を持ってほしいという声があり、それはもっともだと思います。子どもたちの意見を聴く場も不可欠です。

1-15.今後の児童館再編により放課後等居場所事業をすすめていく際には計画を出す前にどのような居場所にしていくのか、運営等について児童館利用者等の地域との話し合いをもち、一緒になって考えていく場が必要だと考えますが、区の見解をお聞きします。

1-16.子どもは、家庭・学校・地域で育ちます。保護者の安全志向の中にあって、一日のほとんどを学校内で過ごすことになり、子どもの育つ環境として不自然さを感じるところではありますが、その制約の中でその場なりのメリットを知恵と工夫で最大化することはできるのではないかと思います。先日、区も後援した冒険遊びの会の連続講座に参加した際に、この十数年で子どもの育ちに関する国内外での学術的な研究がすすみ、新しい価値観が生まれているということを知りました。その一つに「プレイワーク」という専門分野があり、子どもの遊びの環境設定や子どもとの関わり、危険管理、地域との関係調整等を整理したものだということです。子どもの主体的な意欲がより育まれるためには、それぞれの子どもが自らやりたいことをして遊べる環境を整えることが必要だという考え方であり、その結果として、子どもは創造性に富み、身体や知性、情緒、社会性を自ら育てていくようになるというものです。私もこの考え方に共感します。大人の指導の下で、大人が決めた方向やゴールへと子どもを向かわせるのでなく、地域での遊びや学び、子ども同士や大人もふくめての交流を通して子ども自らが自分のやりたいことを見つけ、自立に向けて進んで行けるように、その子らしい育ちが保障されるように、親以外の大人が支え、応援する、そのような環境づくりが、新しい居場所事業には求められているのだと思います。区においては、今後、放課後等居場所事業の実施に当たって、その視点を持ちながら進めていただきたいと考えますが、区のお考えをお聞きして、質問を終わります。

生活者ネットすぎなみ112号発行2019.11.15

第3回定例会一般質問と答弁 2019.9.12 そね文子

<プラスチックごみを減らし、海洋汚染を防ぐ取り組みについて>

Q1) 世界がプラごみ削減を共通の課題として取り組む中、杉並区としてはどのようにプラごみ削減に取り組んでいこうとするのか。

これまでのリサイクル中心の政策は、プラごみ削減につながっていなかったので、リデュース、リユースの考え方で進めるべきと考えるが、区の見解をうかがう。

大阪市や神奈川県ではプラスチックごみゼロ宣言を出しているが、区でもプラごみゼロ宣言を出す覚悟で取り組んでいただきたいがいかがか。

A1 区長) プラごみ、特に海洋プラスチックごみの削減については、先般のG20でも、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることや、わが国の資源循環戦略等においても、2030年までにワンウェイプラスチックの累積25%排出抑制を目指すこととしている。

 区では、他の自治体に先駆けて「レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」を制定し、レジ袋の大量使用事業者に対して、レジ袋削減を求めるとともに、区民に向けては区内の高校、大学や各種団体からなるマイバッグ持参の普及啓発等に取り組み、また、プラスチック製容器包装の資源回収をいち早く実施するなど、プラスチックの使用削減等に務めてきた。

 世界的にも、プラスチックによる環境汚染に対する危機が現実のものとなり、数値目標が設定されたが、この高い目標の達成には、企業等による新たな技術革新が進められることも必要だが、まずは何よりも、プラスチックを使う者が意識して、多少の負担があったとしても、極力使わない、再利用することを中心に、どうしても廃棄する場合は、その後のリサイクルまで考えて行動していくことが重要と考える。

 そのためにも、住民に最も近い区の、私をはじめとする職員一人ひとりが広告塔となって、さまざまな区民と接する場においてPRを行い、区民の意識の醸成に努めてまいりたい。具体的には、海洋プラスチックに注目した映画上映・講演会の開催や、杉並フェスタにおいて試行的ではあるが、ディッシュ・リユース・システムによるワンウェイプラの削減等をPRするとともに、来月の「すぎなミーティング」では、プラごみゼロを目指すという意識をもって区民と語り合い、区民との意識の共有を図りながら取組を推進していく。

Q2) 庁内や区関連施設において、自動販売機でペットボトルを止めて缶入り飲料にする、飲食店で使い捨てのストローを使わないようにするなど、事業者へ働きかけてほしいがいかがか。

A2 環境部長) プラごみの削減は、できるところから取り組んでいくことが重要であると考えているので、庁舎等区関連施設における飲食店において、コストも含め、プラ製品の代替えの依頼や、プラごみの削減につなげられる提案を行うなど、事業者へ働きかけていく。

 また、自動販売機でペットボトルを止めて缶入り飲料にするなどの対応は、設置場所の貸出しのしかたにより条件を付加できるかという課題や、リサイクルの具体的な実態等を確認しながら、環境への配慮行動として適切な選択ができるよう研究していく。

Q3) 2017年第4回定例会において、大手ドラッグストアが、レジ袋を際限なく配布することの是正を求めたが、その後の進捗はどうか。また、コンビニエンスストアへの働きかけ強化については、その後どのようになっているか。

A3 環境部長) レジ袋を大量に使用する事業者には、レジ袋削減に関する取組みについて計画書等を提出いただいている。コンビニエンスストアには、2018年度は、区が作成したマイバッグ普及啓発ステッカーを店舗内に掲示するよう働きかけたことや、自発的にエコバッグを販売、無料配布する店舗が増加したことなどにより、コンビニエンスストアにおけるレジ袋配布枚数は、2017年度比6.3%の減となった。ドラッグストアについては、昨今、食品を取り扱うところが増えていることから、調査対象に加え、削減に向けた理解を求めており、今後、レジ袋削減に向けて取組みが進められていくものと考える。

Q4) 自治体で行う会議で、ペットボトル飲料を配布するのはやめるべきと考えるが、区の見解をうかがう。

 会派の控室では、4月からペットボトルの購入をやめ、浄水ポットを利用している。区職員も何か取り組んでいることがあればお示しいただきたい。また「区りえい人」などで特集し、多くの部署で取り組むのはいかがか。

A4 環境部長) ペットボトル飲料については、手軽さやこぼさないなどの会議への支障が少ないことなどから、現在配布している会議体は一部ある。しかし、プラスチックの使用を削減していくためには、まずは身近な代替え可能なものから減らしていく必要があると考えるので、今後、各所管に個々にペットボトル飲料を配布せずに、会議への支障の少ない代替え方法等の見当を求めていく。

 また、区職員については、環境・省エネ対策実施プランにおける省エネ及び環境負荷の低減に対する職員意識の徹底として、マイバッグや水筒の利用を掲げており、これらについては、通知文や庁内放送等で周知を図っている。今後、さらなる浸透を図るため、「区りえい人」なども活用しながら、これらの取組みがいっそう進むよう努めていく。

Q5) マイボトルに水を補給するための給水スポットとして、区庁舎や地域区民センターなどに、水道直結型のウォーターサーバーを設置していただきたい。その際、ネーミングライツをウォーターサーバーにもつけて環境に配慮した企業を周知するのはいかがか。

 施設の外や冷水器の横に、マイボトルへの給水が可能である旨明示してあれば、遠慮なく給水できると思うが、その取組みについては、区ですぐに取り組めるのではないか。また、そのような取組みを行っている事業者へ支援していただきたいと思うが、区の見解をうかがう。

A5 環境部長) この間、本庁舎ではボトルへの給水が可能な冷水器を設置するなど、区施設では各種冷水器等を設置し、区民の方がたにご利用いただいている。

 今後これに加えて、ウォーターサーバーの設置について、ネーミングライツ等を活用しながら設置してはとのご提案をいただいた。これについては、年間コストに基づくネーミングライツの応募の可能性、冷水器とウォーターサーバーとでの区民の需要の高さの違いなどを確認しながら研究していく。

 まずは、冷水器の横にマイボトルへの給水が可能である旨の表示を含め、より多くの区民にご利用いただけるよう工夫するとともに、区内で給水等の提供を行っている事業者への支援となる取組みについて検討していく。

Q6) マイボトル等、企業で行っている取組みを紹介し、他の企業にも広めることを行ってはどうか。

A6 環境部長) プラスチックの使用削減に向けて、企業が実施する自主的な取組みはたいへん重要なことと考えている。こうした取組みが広まり実施していない企業の導入の契機となり、また、実施している企業が引き続き取組みを進めていただくためにも、何らかの方法でPRしていくことを検討したい。

<森林環境譲与税を活かす取り組みについて>

Q7) 森林環境税の趣旨は、水源涵養や災害防止、生物多様性保全などの重要な機能を有する豊かな森林を取り戻すため、その恩恵を受けている国民一人ひとりが税負担することとしたものだ。この税の趣旨について、区はどのように受け止めているか。

 今年度から区にも森林環境譲与税が入ることになったが、その使い道はどのようになっているのか、現状をうかがう。

A7 政策経営部長) 森林は、地球温暖化防止や災害防止、水源涵養等、測り知れない機能や役割があるばかりでなく、私たちが生活していくうえで、潤いや安らぎをもたらしてくれる。その意味で、森林を守り育んでいくことは、たいへん重要であると認識している。こうした認識から、森林整備や、そのための人材育成、木材利用の促進等のための財源を安定的に確保するという森林環境税の趣旨は理解するものだ。しかし、国税でありながら、地方税である住民税の均等割の枠組みを活用するという徴収のしくみには課題があるものと考える。

 税の徴収は2024年度からとなるが、それに先行して今年度から譲与される森林環境譲与税の使途については、保育施設等の玩具や公園設備等での木材の使用、環境教育や森林ボランティア育成等の講習・講座の開催など、税制度の趣旨に則った、木材使用や森林保全に対する啓発活動等に活用してまいりたいと考えている。

Q8) 杉並区の交流自治体と協定を結び、杉並区民の森を確保し、区民が継続して豊かな広葉樹の森と関わり、学習する機会をつくることを要望するが、区の考えはいかがか。

A8 環境部長) 国内の交流自治体との交流は、杉並区のような都市の自治体と自然豊かな地方の自治体が交流することでお互いに失われつつあるものを補い、交流を通して生活に活力とうるおいを育むことを目的に自治体間交流が始まった。

 議員ご提案の交流自治体の持つ豊かな森と関わり学習する機会は、区民にとって貴重な自然体験となるものと考える。これまで区では、青梅市と覚書を交わし、地域大学において森林ボランティアの育成講座等に取り組んだり、また、区民による青梅市内での森林保全活動や、区内公園の整備・維持活動に関する講座等を開催し、みどりに親しみを持ち、育成する環境学習を行っている。

こうした森林に関わっていくことは、地球温暖化防止対策、生物多様性の観点からも重要なことと認識しているので、森林環境譲与税の使途なども念頭に置きながら、今後、先行自治体の取組み等も参考にしながら、交流自治体と連携し、実施できるものはないか研究したい。

Q9) 子どもたちが、教室や屋外で森林学習を実施することで、森林を大切にする人を育てることは、森林を再生し、守っていくためにも重要なことと考える。環境課では、学校からの要請に応じて環境学習サポーターの派遣を行っているが、教育委員会と連携し、森林学習も取り入れながら、さらなる環境学習の充実を求めるが区の見解をうかがう。

A9 環境部長) すべての学校で環境学習は実施されてはいるが、環境は範囲が広く、その取り上げられている内容はさまざまとなっている。そうした中で、川ごみの問題やビオトープの環境保全など、テーマに応じて学校からの要請に応じて環境学習サポーターを派遣し、学校の支援を行っている。議員からのご提案のあった、子どものころから森林の大切さを学び、その維持や保護に関心をもってもらうことは重要なことと考えている。森林学習には、生物多様性やCO2の問題など環境のさまざまな分野に関連するので、これを含め環境学習に関する情報交換等を教育委員会と行いながら、各学校で実施している環境学習の充実に向けた情報提供に努めていく。

第3回定例会一般質問 2019.9.12 そね文子

私はいのち・平和クラブの一員として1、プラスチックごみを減らし、海洋汚染を防ぐ取り組みについて、2森林環境譲与税を活かす取り組みについて質問いたします。

まずは、プラスチックごみを減らし、海洋汚染を防ぐ取り組みについてです。

2017年の第4回定例会ではマイクロプラスチックの海洋汚染とレジ袋削減について一般質問いたしました。その後2018年6月のG7サミットの首脳会合で、自国でのプラスチック規制強化を進める「海洋プラスチック憲章」が採択されたことで全世界共通の大きな課題としてプラスチックごみ削減に取り組むことになり、今日に至っています。この憲章にアメリカと日本が署名しなかったことは驚きであり、大変残念なことでした。国民1人が排出する使い捨てプラスチックごみの量が1位の米国と2位の日本がこの憲章に署名せず、世界の動きに大きく後れをとっている現状を認識し、暮らしを守る自治体としての取り組みを進めることが必要です。

プラスチックの海洋汚染がなぜ起こるのか。それは町中に散乱したペットボトルや風で飛ばされたレジ袋などが、大雨が降った時に川に流れ、海に流れ着くというルートをたどります。自動販売機の横に設置されたごみ箱に入りきらないペットボトルが周辺に散乱しているのをだれでも見たことがあると思います。区は分別回収をしているから大丈夫と思うかもしれませんが、私はたびたび近所の善福寺川にレジ袋やペットボトルが浮かんでいるのを見ています。杉並区から出たプラスチックごみも一部は確実に東京湾に流れ出ていることを認識しなければなりません。昨年、環境活動推進センターで開催された「エコ路地フェスタ」では、東京湾の海辺で採取した砂の展示がありました。来場者は、砂に交じった色とりどりの小さなプラスチック片を見て、プラスチックごみを減らす工夫を付箋に書いて貼りつけていた、と開催した実行委員の方から伺いました。

海に漂着したプラスチックをウミガメやクジラなどが飲み込んでそれが原因で死んでしまった。また死んだ海鳥のお腹の中から大量のプラスチックごみが見つかったというニュースも今では広く知られています。

2016年の日本のペットボトルの生産量は227億本です。その年の回収率が88.9%でしたからそれ以外の11.1%、25億本のペットボトルがどこかへ行ってしまっているということです。2018年1月に大量輸入国だった中国がプラスチックごみを輸入しないと宣言し、2019年5月には有害廃棄物の処理に関する国際規約、バーゼル条約が改正され、リサイクルに適さない汚れたプラスチックごみは規制対象となりました。日本のプラスチックごみの輸出は2018年で100万トンでしたが、この法改正によってプラスチックごみの輸出が難しくなり、政府は国内の処理体制を整える必要に迫られています。

国は2018年6月にプラスチック資源循環戦略を閣議決定し、2030年までにワンウェイの容器包装プラスチックの排出量を25%削減する目標を設定しましたが、産業界への配慮から基準となる年への言及がされないなど、実効性が疑問視されています。また今年6月に大阪で開かれたG20首脳会議では2050年までにプラスチックゴミの海への流出をゼロにする目標を採択しましたが、30年後では遅すぎます。それを達成する具体的な目標と実効性のある方法で取り組まなければ本当に手遅れになります。

民間企業ではプラゴミ削減の象徴としてプラスチックのストローの無料配布をやめるなどの動きが広がっていますが、容器包装プラスチックの中で大きな割合を占めるペットボトルは、削減するとプラゴミ減量以外にも多くのメリットがあると考え、今回はペットボトルの削減を中心に質問いたします。

ペットボトル削減のメリットとは何か、説明いたします。

ペットボトルは多くの自動販売機で売られています。自動販売機は屋外に設置され厳しい寒さや暑さの中で、中にある飲み物を熱くする一方で冷たくするため、電気の使用量もCO2の排出も大量になります。また飲み物を運搬するためそこでも多くのCO2を排出します。自治体の分別回収に高額の税金が投入されています。2017年の決算特別委員会で確認した数字では2014年から2016年までの3年間で12億7000万円の経費がかかったということです。

そしてリサイクルするための運搬と処理にもさらに多くのCO2が排出されます。ですから、ペットボトルの使用量を減らすことはプラゴミ削減だけでなく、CO2削減や自治体の経費削減にも大きな効果があるのです。

さて、国の取り組みが進まない中、自治体が独自でプラスチックゼロ宣言を出すなどの動きも出てきており、杉並区でも国を待たずに一番暮らしに身近な自治体から行動を起こすべきと考えます。杉並・生活者ネットワークではこの7月から8月にかけて、プラごみ削減のためのアイデアを募集するアンケート調査を行いました。その結果もふまえて、以下質問いたします。

1-1初めの質問です。世界がプラスチックゴミ削減を共通の課題として取り組む中、杉並区でも9月5日発行の清掃情報紙「ごみパックン」ではプラスチックごみ削減のための特集が組まれ、海洋汚染についてもわかりやすく説明されていましたが、改めて杉並区としてはどのようにプラゴミ削減に取り組んでいこうとするのかうかがいます。

1-2 3R、リデュース、リユース、リサイクルと言ってきましたが、これまでリサイクル中心の政策でプラゴミ削減にはつながっていなかったと考えます。リデュース、リユースの考え方で進めるべきと思いますが、区の見解をうかがいます。庁内や区関連施設の自販機からペットボトルを止めて缶入り飲料にする、または、庁内および区関連施設に入っている飲食店では使い捨てのストローを使わない契約にする、など事業者にはたらきかけてほしいと思いますが、区の見解を伺います。

1-3 2017年の第4回定例会でレジ袋削減のさらなる取り組みとして、食品を扱う大手ドラッグストアが何の制限もなくレジ袋を配っていることの是正を求めましたが、その後の進捗はどうでしょうか。またコンビニエンスストアへの働きかけも強めるとのことでしたが、その成果はどうなっているかうかがいます。

1-4 これまでも求めてきましたが、行政が行う様々な会議でペットボトル入り飲料の配布をやめるべきと考えます。東京都は、「都庁プラスチック削減方針」を策定し、ペットボトルをはじめとするワンウェイ容器の使用削減に動き出していますし、小金井市ではペットボトル入り飲料の配布を止めています。プラスチックごみの排出抑制の必要性が認識されている現状から、当区においても理解が得やすいと思います。区の見解をうかがいます。

2-1 プラゴミ削減のためにマイボトルを持ち歩く人が増えています。しかし、マイボトルの容量がそれほど多くないため、ボトルに水を補給できる給水スポットを町中に増やすことが求められています。国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが4月25日、ペットボトルの代替策として給水機の増設を求める署名5086筆を東京都環境局に提出したとのニュースを目にしました。ぜひ、区庁舎や地域区民センターなどの施設に水の運搬費用がかからない水道直結型のウォーターサーバーを設置していただきたいと思います。設置する際には区が取り組んできたネーミングライツをウォーターサーバーにもつけて環境に配慮した企業をアピールしてもらってはいかがでしょうか。区の見解をうかがいます。

2-2 横浜市では市のホームページで自分の水筒に給水できるマイボトルスポットをマッピングした地図が見られ、自分がいる近くの給水スポットを検索できるようになっています。客がコーヒーやお茶などを購入する際に持参したマイボトルに入れるサービスを行っている店、お水などを無料で提供する店や施設等もマッピングされています。そして様々なサービスを実施している施設や店舗をHPで募り登録してもらい、そこに「マイボトル使えます」と書かれたステッカーやのぼりなどのPRツールを提供しています。

横浜市の公共施設でマッピングされているところは122か所ということです。これは既存の冷水器から自分で水を汲んでもらう形式のところがほとんどだそうです。ステッカーやのぼりが設置されていなければ、冷水器から水筒に水を汲むのは気が引けるかもしれませんが、許可しますと明示してあれば堂々と水を汲めます。施設の外に分かるようにステッカーを貼り、冷水器の横に「マイボトルに給水できます」と掲示する取り組みは区でも今すぐにでもできるのではないでしょうか。

 高円寺のある店では、今年の夏から「あなたのマイボトルに給水します」「マイバッグをご持参ください」と貼り紙を出して、熱中症予防とペットボトル削減、NO!レジ袋の取り組みを始めたところがあります。空になったマイボトルに水を補給したり、コップ1杯の水を提供したりし、基本的にレジ袋は使わないそうです。こういう取り組みを商店会に増やしていきたいとのことです。今後、区内の商店が取り組めるよう、横浜市のように「マイボトル使えます」のステッカーやのぼり旗、また「NO!レジ袋」のステッカーなどのグッズの支援をしていただきたいと考えますがいかがでしょうか。うかがいます。

3-1 会派の控室では、これまで飲料水はペットボトルの水を購入していましたが、4月からはペットボトルとCO2の削減のため浄水ポットを利用するようになりました。区の職場でも何か取り組んでいることがあればお示しいただきたいと思います。そのような取り組みを「区りえいと」などで特集し、職員の間でマイバッグがすっかり定着したように、多くの部署で取り組めるといいと思います。

4 プラごみ削減の啓発事業として、ペットボトル削減やレジ袋削減の企業での取り組みの紹介を例えばゴミぱっくんなどの区の媒体で紹介し、他の企業に参考にしてもらうなどの取り組みはできないでしょうか、うかがいます。

3-2 サンフランシスコ空港では1リットル以下のペットボトル入り水の販売を禁止したことがニュースになっています。空港内には100個のウォーターサーバーが設置され、マイボトルを持っていない人は、ボトルを買って水を汲むことになるということです。大阪市はプラゴミゼロ宣言を出し、庁舎、関連施設における使い捨てプラスチック使用削減や職員による使い捨てプラスチック使用削減をうたっています。神奈川県もプラスチックごみゼロ宣言を掲げています。鎌倉市は同じく宣言を出し、職員のマイバッグ、マイボトルの使用徹底、市役所の自販機でのペットボトル飲料の販売廃止などを行うとしています。ぜひ、杉並区でもプラゴミゼロ宣言を出す覚悟で削減に臨んでいただきたいがいかがでしょうか。うかがいます。

今年6月、交流自治体の南伊豆町に行ったときに、前副町長が毎日海に流れ着いたプラスチックごみを拾っているとの話を聞きました。杉並区の子どもたちが南伊豆に行った時には町のごみがこのきれいな海にもたくさん流れてくるという話を聞いてほしいと思いました。

今年3月、世界123か国、2千以上の場所で約100万人の学生たちが授業を欠席し、気候変動の対策を社会のリーダーたちに求めるために大規模なデモを起こしました。学生たちの持つあるプラカードには「あなたたちが私たちの未来を奪おうとしている」と書かれていました。自動販売機で飲料を売ることは地球温暖化を加速させますが、日本は自動販売機大国で、50人に1台もの割合での自販機があります。自販機による電気の大量消費、プラゴミによる海洋汚染は子どもたちから未来の豊かな海を奪うだけではなく、地球上に存在する生命を脅かすものです。緊急事態という意識を持って、区をあげてプラゴミ削減を進めていただくことをお願いし次の質問にうつります。

森林環境譲与税を活かす取り組みについてうかがいます。

日本国内の森林は、戦後の拡大造林政策により,山の頂上付近までびっしりと杉やヒノキが植えられましたが、海外からの安い輸入品に押され国産材の需要が減り続け、切り出しても採算が合わないという状況から、放置されることになりました。放置された人工林は暗く、下草も生えず、山の保水力を低下させ、豪雨や台風の際の土砂災害を多発させています。また、みのりのない森は野生動物の生息地を消失させ、花粉症患者の増加など多くの弊害を発生させています。

一昨年の北九州豪雨災害、昨年の西日本豪雨でも多くの放置人工林が崩れ、多大な被害が発生したことは記憶に新しいところです。

このような状況の改善が急務とされたことから、森林環境税が創設され、その税の徴収開始を待つことなく森林環境譲与税が今年度から各自治体に措置されることとなりました。奥山、急斜面、谷筋、尾根など林業に適さない場所の放置人工林は、多面的かつ公益的機能を高めるため、広葉樹林または針葉樹と広葉樹が混じった天然林に再び戻していくことが重要な課題とされ、国会では、森林環境税・譲与税成立に際し、衆参両院で、森林環境税を地域の自然条件に合わせた広葉樹林化に使うことという附帯決議が付きました。

付帯決議の一文を紹介します。私有人工林において、荒廃し、保水力低下、土砂災害の発生、野生鳥獣の生息地の破壊、花粉症り患者の急増など、深刻な問題が生じていることが我が国の森林における重要な課題であることにかんがみ、豊かな水源の森再生のために、森林環境譲与税で放置人工林の広葉樹林化をすすめること、ということです。

東京都でも島しょ部を除くと、人工林率は60%を超えており、その多くが放置され荒廃しています。首都圏全体を見ても、水源地の森が人工林になってしまっており、豊かな水源確保の観点からも、広葉樹林化を進めて行くことは重要です。

  全国民に森林環境税の負担を課すのは、森林は水源涵養や災害防止、生物多様性保全などの重要な機能を有しており、その恩恵を全ての国民が受けていることから豊かな森林を守るために国民1人1人が税を負担しようということです。そのような法の趣旨に即した使い方が必要ではないかという視点から質問します。

1.まず初めに、区はこの森林環境税・森林環境譲与税の趣旨をどのように受け止めているかうかがいます。

2.今年度から杉並区にも森林環境譲与税が入ることになりましたが、その使い道はどのようになっているのか。現状を確認します。

森林がない都市部である杉並区においても、東京都や関東の水源地の保全や花粉症の軽減、災害防止等のために、保水力豊かな天然林の再生を進めることは必要だと考えます。

ここで中央区の事例を紹介したいと思います。中央区では桧原村と協定を結び村有林を中央区の森として整備を行っているそうです。もともとはスギやヒノキの人工林だったものを8割ほど伐採し、その後に広葉樹を植えて天然林化を図っているそうです。作業は地域のNPOに委託し、区民は植林ツアーなどで森の作業を体験しているそうです。また村内の民有林とも協定を結び健全な森を維持するために森林組合が行う活動を中央区が支援し、その作業を区民が体験し、森のことを学ぶ機会を提供しているということです。これを始めた目的は地球温暖化対策、区民の意識啓発や森や木材への理解を深めるためで、2006年から10年以上続いているといい、森林環境譲与税をこの活動にも使うということでした。

3.杉並区の場合を考えてみますと、交流自治体の青梅市や東吾妻町は比較的アクセスが良く、広い森林面積を有しています。また青梅市は多摩川や荒川水系の水源の森を有し、それが私たちの飲み水になっているところでもあります。また東吾妻町も吾妻川の水源の森を有し、それが利根川に合流し私たちの飲み水になっています。東京都水道局のホームページでは、自分の住所を入力するとどこの浄水場から水が来ているかがわかります。私の住所を入れると三郷浄水場と出てきました。ここには利根川から水が入っていて、我が家にまで届いた水の源の森がある東吾妻町に親しみを感じました。自分たちの使う水の水源の森の整備をさせてもらい、1森について学べることは区民にとっても有意義なことだと思います。青梅市や東吾妻町と協定を結び杉並区民の森を確保し、区民が継続して豊かな広葉樹の森とかかわり学習する機会をつくることを要望いたしますが、区の考えをお聞きします。

4.豊かな森を再生させるためには、一人一人が、森の役割や大切さ、現在の日本の森の危機的状況を知ることが不可欠です。都市部に住んでいると自然がなくても生きていけるという錯覚に陥ってしまい、都市部の子どもたちは、森林と自分たちとがどうかかわっているか想像すらしません。未来の社会に生きる子どもたちに、教室や野外で、森林学習を実施することにより、森林を大切にする人を育てることは、豊かな森林を再生し、守っていくためにも重要なことであり、森林環境譲与税の趣旨にあった使い方であると考えます。

環境課では現在、環境教育のプログラムを持っていて、学校からの要請に応じてサポーターの派遣を行っていますが、その中に森林学習のプログラムを入れることを検討いただきたいと考えますが、区の考えをうかがいます。

子どもたちへの森林教育については教育委員会からも、日本の森の現状、森林環境税・森林環境譲与税ができた背景を鑑み、森林学習の必要性を学校に伝えていただくことを要望し私の質問を終わります。

広報紙生活者ネットすぎなみ111号発行 2019.7.22

第2回定例会一般質問と答弁 2019.6.3奥田雅子

1.居住支援の取組について

Q.アパートあっせん、家賃債務保証、見守り、葬儀、残存家財撤去などのサービスについて、居住支援協議会が設立される前後で、相談件数や成約件数の変化はあったか。

A.居住支援協議会について、協議会が設立される前後での相談件数や成約件数の変化は、見守り、葬儀などのサービスについては変化がなかったが、アパートあっせんや家賃債務保証については相談件数、成約件数、助成件数ともに増えている。

Q.アパートあっせん事業に積極的に協力する不動産業者であることを示すステッカー掲示している不動産店をあまり見ることがないが、実態を確認して、掲示を促進してはいかがか。また、不動産店に住宅確保要配慮者などが相談に来店した際に、不動産情報提供だけでなく必要に応じて関係機関へのつなぎなども行えるよう環境を整える必要があると考えるが、区の見解は。

A.高齢者等の入居支援を積極的に協力する不動産業者であることを示すステッカーの掲示について、掲示されていない店舗があることは把握している。今後、掲示してもらえるよう不動産関係団体に働きかけていく。

Q.住宅確保要配慮者は様々な生活課題をいくつも抱えているケースも多く、住まいのあっせんにとどまらず、包括的支援が必要である。杉並区の居住支援協議会においても包括的な支援を行っている居住支援団体などの活用をもっと積極的に行っていくべきと思うが、区の見解は。

A.入居相談者に対する必要に応じた情報提供については、居住支援協議会で行っている支援内容をまとめたパンフレットを不動産関係団体の会合などで配布し、窓口で活用してもらうよう取り組んでいる。今後は機会をとらえ、さらに周知を図っていく。

また、住宅確保要配慮者への包括的支援は区でも必要だと考えている。居住支援協議会では不動産関係団体や区の福祉部門と連携しながら、住宅確保要配慮者への住まいのあっせんを進めている。今後も引き続き、必要な支援について、居住支援協議会の中で議論を深め、官民連携して効果的な居住支援策に取り組んでいく。

Q.居住支援協議会のホームページの管理・更新は誰が責任をもって行うことになっているのか確認する。また、モデル事業やセミナーの案内のアップやモデル事業の応募書類のフォームのダウンロードは居住支援協議会ホームページ各種申請からもできるようにすべきである。居住支援協議会情報は定着するまでは区のホームページと並行しつつも、居住支援協議会のホームページに移していくことを早急にすべきではないか、区の考えを確認する。

A.居住支援協議会が事業者に委託してホームページの管理・更新を行っている。指摘のモデル事業などの案内や各種申請書について、ダウンロードできるよう改善していく。今後、居住支援協議会のホームページは改善を重ねていくが、しばらくは区のホームページと並行して運営していく考えである。なお、区のホームページ上にわかりやすいバナーを設けるなど工夫をしていく。

Q.2年間実施したモデル事業をどう総括し、課題は何か。また、今年度もモデル事業を実施するにあたり、見直したところはあるのか確認する。

空き家利活用は短期間でできるものではないので、セミナーの開催はもっと早い段階で行うべきと考えるが、区の見解は。また、空き家の所有者と利活用したい事業者をマッチングし、必要に応じてその後の計画づくりを中間支援していく仕組みの充実が求められているが、区の見解は。

A.空家等利活用モデル事業の課題と見直しについて、居住支援協議会において、モデル事業についての議論を通し、問題点と課題を整理してきた。その中で課題となったモデル事業の募集の周知期間や方法については、今年度の実施に向け見直しを図った。具体的にはモデル事業の募集時に行う空家等利活用セミナーの開催時期を早め、募集期間を昨年度の1か月間から3か月間に延長するとともに、応募までの間、応募予定者が計画づくりを進めるに際し、事前相談の対応など中間支援も考えている。

Q.モデル事業の募集時の空家等利活用セミナーの対象や目的を明確にして実施する必要があると考えるが、今年度のセミナーの内容はどのようなものが検討されているのか確認する。

A.空家等利活用セミナーについては、目的をより明確化するとともに、対象も主に空き家所有者として周知・開催する。セミナーの内容としても実例の紹介や相談会、加えて空き家所有者と事業者とのマッチングを考えている。

Q.空き家の所有者と利活用したい事業者をマッチングするシステムを構築中と以前に答弁をいただいたが、そのマッチングシステムはできたのか。具体的にどのようなものなのか。

A.空き家の所有者と利活用したい事業者のマッチングシステムについて、マッチングに適した物件が少ないなどの課題があり、今年度のモデル事業を実施していく中で、具体的な内容などについて、居住支援協議会で検討していきたいと考えている。

Q.2018年6月公布の建築基準法改正で、空き家活用が法的にも進めやすくなった。空き家の福祉的活用をしやすくするための課題整理について居住支援協議会で検討してほしいと考えるがいかがか、区の見解を聞く。

A.空き家の福祉的活用については、モデル事業の進捗に応じ、居住支援協議会の空家等利活用専門部会や障害者専門部会において、課題等の整理を含め議論を進めていく。

 

2.空家対策について

Q.計画の一つの柱である空き家にしないための空家等対策についての周知・啓発活動は具体的にどのような取り組みがされているのか。

A.空き家対策の周知・啓発については広報やホームページの活用、チラシやパンフレットの配布、高齢者医療保険のお知らせの封筒への掲載等、区民の目につくよう工夫をしていく。

Q.空き家の譲渡所得の特別控除は空き家をいつまでも放置し続けないための対策として有効であると考えるが、所得税特別控除を受けるための確認申請を区に申請した件数を聞くとともに、この制度に対する区の所見をお聞きする。

A.空き家の譲渡所得の特別控除を受けるための確認の申請件数は、平成28年4月から102件あり、そのほとんどが空き家を除却し売買されたもので、空き家の発生抑制の一環を担っているものと考えている。

Q.空き家の相談窓口の一元化は当初、建築課が窓口となっていたが、2018年4月より住宅課に変わった。その理由について説明を求める。また、担当内容をどのように建築課と住宅課で整理したのか。

A.空家等対策の窓口が変わった理由は、空き家の総合窓口と情報を共有管理する部門、そして、実際に管理不全な空き家を指導する部門との役割分担を明確にするため、組織改正を行った。住宅課が総合窓口になり、建築課は管理不全な空き家を指導する役割を担っている。

Q.月に1回第3木曜日の午前中に行われている弁護士や司法書士、建築士、税理士、宅建士の専門家による「空家等総合相談窓口」が開設されているが、その稼働状況について伺う。

A.「空家等総合相談窓口」の稼働状況は、相談枠の6割の相談があった。

Q.老朽危険空家除却費用助成制度の活用実績について聞く。

A.老朽危険空家除却費用助成の実績は平成28年10月から延べ14件となっている。

Q.老朽マンションの空き室問題、住民の高齢化によりマンション管理が厳しくなっている状況に対する支援も今後ますます必要と考える。2020年4月より、東京都の条例によりマンションは管理状況の届け出が必要となるが、マンションの管理などの相談は区にどのくらい来ているのか。また、そのような相談があった場合、区はどのような対応をするのか伺う。

A.マンション管理に関する相談件数は昨年度40件あった。相談があった場合には区とマンション管理士会が協力して行っているマンション管理無料相談会やマンション管理セミナーを紹介し、マンション管理に関する相談に応じている。

Q.管理不全な空家等への対策として、特定空家に指定された件数、実際に除却した件数、その内、行政代執行した空き家はあるのか。また、指定されていないが、特定空家の候補の空き家は現在どのくらいあるのか把握できているのか。

A.空き家の実態調査は平成25年に1回目の調査を行っている。この調査をふまえ、管理不全な空き家を把握し、そのうえで5件を特定空家と判断した。そのうち4件が区の指導の結果、所有者により除却された。代執行を行った空き家はない。特定空き家の候補は現在、1件を把握している。

Q.実態調査の対象エリア、対象数、方法などの調査概要、結果報告のスケジュールはどのようになっているのか。

A.平成30年度に行った空き家実態調査について、杉並区全域を対象エリアとした。具体的には前回の空き家実態調査、平成29年度に実施した土地利用現況調査の空き家予備調査、区に空き家として相談があった住宅の3つの結果から、空き家と推定される住宅の所有者に対して、アンケート調査を行い、空き家の状況や所有者の当該空き家の利活用の意向などを調査したもの。現在、内容の精査を行っているところで、結果は秋ごろ報告する予定である。

Q.調査結果をどのように活用していくのか、今後の予定について確認する。

A.今回の実態調査結果の活用については、その結果をふまえ、特定空家の候補の把握を行い、特定空家になるか改めて判断していく予定。さらに、令和4年度を目途に空き家等対策計画を改定し、区民が安全・安心で暮らせる街を目指し、空家等対策に取り組んでいく。

 

3.保育の質向上の取組について

Q.来年度に7地域で1園ずつ中核園が指定されることとなっているが、各地域の中核園はどこになるのか。また、その取組の概要について伺う。

A.来年4月に各地域1か所を指定する中核園については、四宮保育園、西荻北保育園、荻窪東保育園、阿佐谷東保育園、高円寺東保育園、久我山保育園および和泉保育園としている。これらの中核園では、これまで本庁の保育課が主催してきた地域懇談会や保育サポートラインの所管を引き継ぎ、各地域の実情に応じてきめ細やかに実施していくなど、地域における保育施設間の連携・情報共有等の要としての役割を果たしていく考えである。

Q.区内全保育施設に中核園の取組を周知するための説明会を開催したと聞いているが、説明内容の概要と参加施設数、参加率、参加者の反応など伺う。

A.区では中核園の概要について、本年5月までに区内すべての保育施設に対し、5回にわたり説明会を開催し、247施設中、73%となる181施設に参加いただいた。出席された方からは総じて中核園の取り組みに肯定的な意見が寄せられており、これらの期待に応えるべく、引き続き検討・準備を着実にすすめて行く。

Q.先般の10連休中の保育ニーズに対して、区はどのように対応したのか。また、連休に限らず土曜日の保育体制について、課題を抱えている保育所が多いと聞いているが、中核園の議論の中で、合同保育のような形態を検討できないか伺う。

A.10連休中の特例保育については、私立・区立の認可保育所を通して保護者の意向等を伺い、医療関係や障害者福祉施設などのシフト勤務がある保護者の一部にニーズがあることを確認した。それをふまえ、本庁が開設する5月1日に地域バランスを考慮した区立保育園3園で各20名、合計60名の定員枠による特例保育を実施し、その結果、合計23名が利用した。

また、平日に比べて利用する児童が少ない土曜日には、各保育施設で職員の勤務体制を組みにくい面があると承知している。この点については、今般の中核園における取組との兼ね合い等を含め、どのように対応していくべきものか、各保育施設の意見等を聞きながら、別途考えていきたい。

Q.区全体の保育の質の底上げを図るためには、保育形態等の違いを超えて、子どもの最善の利益を保障するための保育のあり方を議論・情報共有する場としての地域懇談会や合同研修などが重要と考える。中核園の取組はそれに寄与するものと期待しているが区の意気込みを伺う。

A.私が区長に就任して以降、認可保育所を核とする施設整備を精力的にすすめてきた結果、平成22年度に58所であった認可保育所は、本年4月時点で約2.5倍増となる147所となった。この認可保育所を含め、現在区内には247所の保育施設が存在し、保護者が働きながら安心して保育をする環境づくりに大きく寄与している。しかしながら、こうした量の確保に加え、ご指摘の保育の質をいかに維持・向上していくかが重要な課題であることから、昨年改定した総合計画・実行計画において、「保育の質の確保」を新たな重点事業として掲げたところである。区では、この計画に基づき、「保育の質の確保」を図るための取組の一つとして、区立保育園における中核園の指定を位置づけている。具体的には来年4月以降、これまで本庁の保育課が実施してきた地域懇談会や保育サポートラインは各中核園が所管するとともに、各中核園が主催する研修では、保育課が教育部門と連携して行っている合同研修のテーマに沿って、より実践的な内容で実施するなど、既存の取組を充実・発展していく考えである。これらの中核園の取組等を通して、地域における保育施設間の連携・情報共有等の促進を着実に図り、各保育施設が今後とも子どもの最善に利益を保障する視点に立った保育を実践するよう支援していく。

Q.杉並区内の全保育所を対象とした保育の質ガイドラインが策定中と聞いているが、どのようなメンバーで策定議論がされているのか。現場の保育士の意見などを反映したものとなっているのか。

A.本ガイドラインの策定にあたり、設置した編集委員会は、私立・区立の保育園長7名、保育課の保育士等7名の計14名で構成し、各メンバーの知識・経験をもとにした議論を積み重ねつつ、策定作業を進めている。今後、本年6月中には素案に対する各保育施設及び学識経験者の意見を伺い、より現場の実情等を反映した内容としていく考えである。

Q.ガイドラインは保育士全員に配布をしていただきたい。また、保育の実践に確実に役立つような活用方法についても議論しておくことが必要だと考えるが、区の考えを伺う。

A.ガイドライン策定後については、各保育施設へ配布するとともに、区ホームページにも掲載し、すべての保育士との共有を図っていく。私立・区立保育士に対する合同研修や巡回訪問・指導の際に活用するほか、各保育施設の意見を聴きながら、保育の実践に生かしていくための働きかけ等を行っていく。

 

再質問

Q.今年度のモデル事業の課題については、セミナーの開催時期を前倒ししたり回数を増や

したりと、それなりに改善がなされたことはわかりましたが、セミナー以降の募集で、年度内に事業を完成させるのはかなりタイトなスケジュールになるのではないかと考える。

もっと年度初めにセミナーや募集をかけることができないものかと考えるが、出来ない理由があるのか。

A.セミナー等のモデル事業が他年度にできないかということについては、今現在、制度的課題は聞いていないため、再度、そこについては精査していきたい。

Q.空家の利活用のことですが、なかなか進まないのには色々な課題があるからだと思います。空き家を活用して何か事業を開設するにあたって、解決すべき課題があるのであれば、あらかじめ区としても想定しておくことは必要だと考えますが、区が課題だと認識している具体的な内容をお示しいただきたいと思います。

A.空家のさまざまな課題については空家の量や質、建築基準法や消防法などの法、空家所有者等の利活用への理解等が課題だと認識している。

第2回定例会一般質問 2019.6.3 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として

1.居住支援の取組について

2.空家対策について

3.保育の質の向上の取組について

大きく3つの項目で質問いたします。

 

まずは、

1.居住支援についてです。

「居住」の権利は国際条約で基本的人権として認められています。国連では1948年の世界人権宣言に始まり、1966年の社会権規約の中で、すべての人は適切な住居に居住する権利があるとして居住問題が取り上げられてきました。そして、1976年の第1回国連人間居住会議(ハビタットⅠ)の開催を経て、1978年には国際連合人間居住計画(国連ハビタット)が設立され、2016年に第3回のハビタットⅢが開催されています。国連ハビタットは各国の住宅及び居住問題解決に向けた支援活動を行い、アジア・太平洋地域本部が福岡市に置かれているそうです。居住の保障は人権・生活保障の重要な要素であることが世界共通の認識になっていると言えます。

国連ハビタットが協力する「世界ハビタット賞」という世界の優れた居住支援を表彰する制度がありますが、杉並区居住支援協議会の2017年度のモデル事業に採択されたNPO法人の代表が昨年末にこの最優秀賞を受賞したことが、私がこの国連ハビタットのことを知ったきっかけでした。NPOの取り組みは杉並区の居住支援の取組も含め、人間居住に関する国際的な機関によってそれが高い評価を受けたことは素晴らしいことだと思います。

さて、居住支援について、私はたびたび議会でも取り上げて参りましたが、日本では2017年に住宅セーフティネット法が改正され、低額所得者や高齢者、障がい者、ひとり親世帯、被災者などに対する「入居を拒まない賃貸住宅の登録制度」や「専用住宅の改修・入居への経済的支援」、そして「居住支援」を枠組みとする「新たな住宅セーフティネット制度」が創設されました。杉並区では2016年11月に居住支援協議会が設立され、住宅確保要配慮者の賃貸住宅へのスムーズな入居支援や空き家活用のモデル事業などを進めてきました。しかし、新たな住宅セーフティネット制度の目玉でもある空き家・空き室の活用には課題も多く、成果が出るのに時間がかかっている状況です。所有者家族間などの合意や建物の耐震性、現行法に適合していない既存不適格、検査済証の有無の問題などがあり、手間や時間や費用がかかることがなかなか進まない要因になっていると考えます。とはいえ、知恵と工夫でハードルを乗り越えた事例も生まれてきており、特に高齢者や障がい者のデイサービスやグループホーム、子育て・保育・放課後デイサービス、居場所カフェなどの福祉活用の事例も増え、そこから住宅確保要配慮者の住まいづくりのヒントもあるのではないかと考えます。今後、高齢独居世帯の増加が待ったなしの状況の中、居住支援の取組をさらに充実させるべく、以下質問してまいります。

まず、居住支援協議会の取組み状況について確認します。

1-1.アパートあっせん、家賃債務保証、見守り、葬儀、残存家財撤去などのサービスについ

ては、杉並区の場合、居住支援協議会が設立される以前よりあったと認識していますが、これらのサービスに関する相談件数や成約件数は居住支援協議会設立後に変化があったかどうか伺います。

1-2.この間の議会質問を通して、アパートあっせん事業に協力する不動産業者の店舗数は増え、中でも、特にこの事業内容に賛同して積極的に情報提供に協力する不動産業者も増えていると承知はしています(2018.5月一般質問)。しかし、その後も協力店であることを示すステッカー掲示している不動産店をあまり見ることがないのですが、実態を確認して掲示を促進していただきたいがいかがでしょうか。

また、まち中の不動産店に住宅確保要配慮者などが相談に来店した際に、不動産情報提供だけでなく必要に応じて福祉などの関係機関へのつなぎなども行えるよう環境を整える必要があると考えますが区の見解をお聞きします。

1-3.住宅確保要配慮者は様々な生活課題を抱えているケースも多く、住まいの斡旋にとどまらず、家賃債務保証、日常見守り・相談などの包括的支援が必要であると考えます。豊島区では居住場所に困っている方などに対し、空き家・空き室等の活用や民間賃貸住宅等への円滑な入居を推進するための支援活動等を行うグループとして、居住支援協議会に7つの団体が登録しています。中には東京都の居住支援法人に指定されている団体もあります。杉並区においても住まい探しや暮らしの中の困りごとなどを支援する居住支援団体などの活用をもっと積極的に行っていくべきと思いますが、区の見解をおききします。

次に空家等利活用モデル事業について何点かお聞きします。

1-4.2017年度・2018年度とモデル事業を行いましたが、昨年度は採択された事業がなかったと認識しています。2年間のモデル事業をどう総括し、課題は何か。また、今年度もモデル事業を実施するにあたり、見直したところはあるのか、確認します。

1-5.また、モデル事業の募集時にはセミナーの開催も行われてきました。セミナーの対象や

獲得目標を明確にする必要があると考えますが、今年度のセミナーの内容はどのようなものが検討されているのか確認します。

1-6.2017年の決算特別委員会で空家の利活用について取り上げた際、空家の所有者と利活用したい事業者をマッチングするシステムを構築中と答弁をいただきましたが、そのマッチングシステムはできたのか。具体的にどのようなものなのか、伺います。

1-7.空家利活用は短期間でできるものではありません。空き家探しから事業計画づくり、そしてモデル事業への応募とつながる一連のプロセスに十分な時間を考慮する必要があります。そういう意味では、セミナーの開催はもっと早い段階で行うべきと考えますが、区の見解を伺います。また、空家の所有者と利活用したい事業者をマッチングし、必要に応じてその後の計画づくりを中間支援していく仕組みの充実が求められていると思いますが、区の見解をお聞きします。

1-8.2018年6月公布の建築基準法改正により、用途変更のための建築確認申請が不要となる床面積がこれまでの100㎡以下から200㎡以下へと緩和されることになり、空家活用が法的にも進めやすくなりました。しかし、地域の居場所や小規模デイサービス、小規模シェアハウスやクループホームなどへの転用は広さによっては建築確認が必要となる特殊建築物になる場合が多く、これらを住宅の類似用途として用途転用にあたらないことを明確に位置づけるような検討も必要だと考えます。

特に空家の福祉的活用をしやすくするための課題整理について居住支援協議会で検討してほしいと考えますがいかがか。区の見解をお聞きします。

1つ目の項目の最後に居住支援協議会のHPについて質問します。

1-9.今年の予算特別委員会で居住支援協議会のHPが開設されたことを確認しました。HPを見てみますと、そこには昨年9月6日に開設とありますが、それ以降、全く更新されておらず問題です。HPの管理・更新は誰が責任をもって行うのか確認します。

また、モデル事業やセミナーの案内のアップやモデル事業の応募書類のフォームのダウンロードは居住支援協議会HP各種申請からもできるようにすべきです。居住支援協議会情報は定着するまでは区のHPと並行しつつも、居住支援協議会のHPへの移行を早急にすべきではないかと考えますが、区の考えを確認します。

次に、空き家について先ほども若干触れたところですが、2つ目の項目として

2.空家対策についてさらに掘り下げていきたいと思います。

2016年8月に策定された杉並区空家等対策計画の進捗状況について確認していきます。今後、空家の増加は避けられないことであり、団塊の世代全ての方が75歳を迎える2025年を前に対策が急務です。杉並区空家等対策計画には「空き家等の発生の抑制と適正な管理」「空家等の利活用の促進」「管理不全な空家等への対応」の3つの推進策が掲げられています。そもそも空き家にしない、使える空家は有効活用する、どうしようもなくなったら適正に除却(じょきゃく)するという考え方はその通りだと思いますが、そのために何をどうするかという具体的な取り組みとともに、社会の意識を変えていくことも必要だと考えます。

2-1.計画のひとつの柱である空家にしないための空家等対策についての周知・啓発活動は具体的にどのような取り組みがされているのかお聞きします。

2-2.また、2016年度の税制改正により、相続により空家になった不動産を相続人が適用要件を満たして売却した場合にはその譲渡所得から3000万円を控除ができることになりました。空家の譲渡所得の特別控除は空家をいつまでも放置し続けないための対策として有効であると考えますが、実際に特別控除を受けるため区に申請が出された件数をお聞きするとともに、この制度に対する区の所見をお聞きします。

2-3.さらに、空家問題は戸建て住宅だけではなく、老朽マンションの空き室問題や住民の高齢化によりマンション管理が厳しくなってくる状況に対する支援も今後ますます必要となると考えます。2020年4月より、東京都の条例により主に1983年12月31日以前に新築された居住部分が6以上のマンションは管理状況の届け出が義務付けられますが、マンションの管理などの相談は区にどのくらい来ているか。また、そのような相談があった場合、区はどのような対応をするのか伺います。

2-4.空家の相談窓口の一元化は当初建築課が窓口となっていましたが2018年4月より、住宅課に変わりました。その理由について説明を求めます。また、担当内容をどのように建築課と住宅課とで整理したのか伺います。

2-5.また、月に1回第3木曜日の午前中に弁護士や司法書士、建築士、税理士、宅建士の専門家による「空家等総合相談窓口」が開設されていますが、その稼働状況について伺います。

2-6.管理不全な空家等への対応として、特定空家に指定された件数、実際に除却した件数、その内、行政代執行した空家はあるのか。また、指定はされていないが、特定空家の候補の空家は現在どのくらいあるのか把握できているのでしょうか、伺います。

2-7.特定空家やそれに準じる不良空家とされた空家等の除却費用の一部を助成する、「老朽危険空家 除却費用 助成制度」の活用実績についてお聞きします。

この項目最後に空家の実態調査について2点確認します。

2-8.今年度行うこととなっている実態調査の対象エリア、対象数、方法などの調査概要、結果報告のスケジュールはどのようになっているのか伺います。

2-9.また、調査結果をどのように活用していくのか。今後の予定について確認します。

最後の項目

3.保育の質の向上の取組みについて質問します。

2016年度の保育緊急事態宣言以来、認可保育所の整備を最優先ですすめてきた結果、杉並区は昨年度と今年度と2年連続で待機児童ゼロとなりました。保育の量的な課題はひとまず解決しつつあるものの、各保育所における保育の質の確保が十分できているかの点検が課題となっています。出来ていないことや問題を指摘するだけでなく良いところは評価し、課題は保育園が区や保護者、地域と共に解決していこうとする空気を醸成することが重要だと考えます。そういう意味で、昨年の9月に示された区立保育園に関わる中核園の指定についての基本的な考え方には保育の質の確保を図るための取組みとして期待をするものです。2020年度から中核園の取組みがスタートするにあたり、現在の準備状況等について確認します。

3-1.まず、2020年度は7地域で1園ずつ指定がされる計画となっていますが、それぞれの地域と中核園となる区立保育園を確認するとともに、この取り組みの概要についてお聞きします。

3-2.区内全保育施設に中核園の取組みの周知を図るということで、地域ごとに説明会が既に

開催されたと聞きましたが、民間の保育園に中核園の取組に対する共感が得られたかどうか気になるところです。説明内容の概要および参加施設数、参加率、参加者の反応についてお聞きします。

3-3.先般の10連休中の保育ニーズに対して、区はどのように対応したのか。また、連休に限らず土曜保育の体制における課題を多くの保育所が抱えていると聞いており、今後、中核園の議論の中で合同保育のような形態を検討できないか区の見解をお聞きします。

3-4.区全体の保育の質の底上げを図るためには、保育形態や経営の違いを超えて、子どもの最善の利益を保障する保育のあり方を議論・共有する場として地域懇談会や合同研修の充実が非常に重要だと考えます。中核園の取組みを通して、お互いの園どうしが切磋琢磨しながら、時にはたすけあえる連携が築かれ、結果的に杉並区全体の保育の質が向上していくことを期待しています。この中核園の取組に対する区の意気込みをお聞きします。

最後に保育の質ガイドラインの策定状況について2点質問します。

私が保育の質で特に大切にしたいと思っていることのひとつに「食」があります。たとえば、「おいしく楽しく食べる」をテーマにした場合、「おいしく食べる」ためには思い切り遊ぶ、お腹がすく、そうすると食材の味覚にも敏感になる、お腹いっぱい食べたら、お昼寝もしっかりできる、午後もまた元気に遊べる、そして夜もしっかり寝るという規則正しい生活に繋がります。また、「楽しく食べる」ことも重要な要素であり、栽培保育など、野菜に興味を持つような機会や何より、親から離れて1日過ごす不安を和らげるためには安心できる人と場所をつくっていくことも必要です。保育の質ガイドラインは何をもって良い質とするのか、様々な角度からの議論を通して明文化し、確認しあうものだと考えます。これまで「区立保育園の実践方針」がある意味ガイドライン的なものとして、民間の保育所などにも活用を促してきたと認識しています。しかし、それはあくまで区立保育園のためのものであったため、これほど民間の保育所が増える中、今こそ、杉並区内で行うすべての保育所のためのガイドラインを作るべきだということを私は求めてまいりましたが、

3-5.現在、杉並区内の全保育所を対象とした保育の質ガイドラインが策定中と聞いています。どのようなメンバーで策定議論がされているのでしょうか。(区立認可園、民間認可園、認可外保育所、子ども子育てプラザ、一時保育、医療関係…)現場の保育士の意見などを反映したものになっているのか確認します。

3-6. ガイドラインはつくって終わりでないのはもちろん、単なるマニュアルでもなく、それぞれの保育園が質的に向上していけるような手引きであってほしい。そしてそのため

には、保育士ひとり一人がいつでも確認できるように全員に配布していただきたいと思います。そして、保育の実践に確実に役立つような活用方法についても議論をしておくことが必要だと考えますが、最後に区の考えを確認し、私の一般質問を終わります。

【再質問】

今年度のモデル事業の課題については、セミナーの開催時期を前倒ししたり回数を増やしたりと、それなりに改善がなされたことはわかりましたが、セミナー以降の募集で、年度内に事業を完成させるのはかなりタイトなスケジュールになるのではないかと考えます。もっと年度初めにセミナーや募集をかけることができないものかと考えますが、出来ない理由があるのでしょうか。

空家の利活用のことですが、なかなか進まないのには色々な課題があるからだと思います。空き家を活用して何か事業を開設するにあたって、解決すべき課題があるのであれば、あらかじめ区としても想定しておくことは必要だと考えますが、区が課題だと認識している具体的な内容をお示しいただきたいと思います。