第1回定例会代表質問と答弁 奥田雅子2023.2.9

いのち・平和クラブを代表して、2023年度予算編成方針とその概要について質問します。

質問に先立ち、2月6日に発生したトルコ・シリアでの大地震により甚大な被害が広がっていることに対し、多くの犠牲者の冥福を祈るとともに、被災されたすべての人々にお見舞い申し上げ、未だ不明の方々の一刻も早い救出を願う。

さて、岸本区長が杉並区長に就任して、早7か月が経とうとしている。

この間、区長は重視するとした対話と情報公開を実践し、住民説明会や議会でのやり取りなどの空気が変わってきたと多くの方が感じているところではないかと考える。一方、国政に目を転じると、国民にとって重要な政策転換とも言えるにもかかわらず、国民への説明や国会での議論がないままに防衛費増額、「反撃能力」の保有や原発回帰ともとれる新たな原発の建設や老朽原発60年超えの運転期間の延長などが閣議で決められ民主主義と平和を脅かす事態が起こっている。

また、超高齢社会を目前に異次元の少子化対策として子育て予算倍増を打ち出したが、しっかりと子育て世帯の声を反映させた中身を示して、財源を明らかにすべきであり、未だ不透明の状況は問題だ。

これらに限らず、区政で取り組む課題は私たちの暮らしに直結するものばかりである。円安による物価高や、ロシアとウクライナの戦争に起因したエネルギー価格の高騰など、多くの区民の生活は厳しさを増しており、そこへの支援がますます必要となっている。

区長の著書「地域主権という希望」の中で、区長が杉並区の中で取り組もうとしている変革は「公共」の役割と力を取り戻すことであり、地域住民が主体となって、自分たちの税金の使いみちや公共の財産の役立て方を民主的な方法で決めていくことだと述べており、住民自治によるまちづくりが進み、区民の暮らしの安定や区民福祉の向上が実感できる区政運営に期待するところだ。

今回、岸本区長にとって初めての予算編成となるが、順を追って質問していく。

1.予算編成方針とその概要の冒頭に区長が述べている区政運営に対する基本姿勢の6つの柱に沿った振り返りについて伺う。

Q1‐① まず、1つ目の柱として、今年度、総合計画等の一部修正を行った内容を確認するとともにこれに対する区民評価とその総括はどうか、また新年度1年前倒する内容を確認する。

A1-①区長)昨年11月に議会に修正案を示した、実行計画等の一部修正の決定内容については、後日改めて説明するが、計画の一部修正にも関わらず、117件、290項目にわたる区民意見が寄せられ、区民の区政に対する関心の高さを感じたところだ。例えば、施設再編の取組についても、反対の立場からの意見だけでなく、賛成の立場からの意見も複数寄せられ、幅広い区民からの声を吸い上げることができたものと評価している。

来年度行う総合計画等の改定については、施設再編整備計画や指定管理者制度の取組などの検証結果や、この間の社会経済環境の変化等も見定めつつ、計画全体を見直すこととしているが、改定方針やスケジュールの詳細については現在検討中であるため、決まり次第、議会にも報告する予定だ。

Q1‐② 2つ目の柱の情報公開・発信については、区政情報の積極的な公開、提供に努めてきたことは、これまでにはなくより充実したものになったことは評価する。その上で記載以外に新たに情報公開がすすんだことは何か、確認する。

A1-②区長)私は就任以来、「区政の情報は区民のものである」との認識のもと、区政情報の積極的な公開、提供に努めてきた。「まちづくり基本方針骨子案」への意見募集や区民と区長の対話集会である「さとことブレスト」で得た貴重な意見は全文公表した。さらに、区に寄せられた多種多様な意見は、それぞれの意見に込められた思いを正確に伝えることが重要であると考えていることから、パブリックコメントについても原則全文を公表することとした。

また、昨年9月には全職員に向けて、区への情報公開請求にあたっては「情報は原則公開であること」「情報が非公開となる場合は、その理由を厳格に判断すること」などを徹底する旨の通知を発出したところだ。

こうした取り組みを実施することにより、対話と議論のために必要な情報の共有が進み、また、職員の情報公開や情報提供に関する意識が高まってきていることを実感している。引き続き、これらの取組を推進し、区政の透明度向上を図っていく。

Q1‐③ 3つ目の柱の区民参加型予算の導入について、森林環境譲与税基金の使途をテーマとするとある。基金は譲与税の一部だと認識しているが、森林環境譲与税全体の使い道はどのように考えているのか、今回、基金に限定しての取組みとした理由は何か伺う。

A1-③区長)区民参加型予算については、6年度予算案に反映するべく、森林環境譲与税基金の使途をテーマにモデル実施の予定だ。基金の原資である森林環境譲与税については、法に基づき、間伐等の森林の整備に関する施策、人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等に関する施策に充てることとされているので、毎年度の譲与税の使途もその主旨を踏まえ検討をしている。また、区民参加型予算により決定する使途についても、その主旨を踏まえたものになるものと想定しているが、区民の柔軟な発想による提案を期待しているところだ。

また、初めての取組となることから、区民にとってわかりやすいテーマを選択すること、6年度から森林環境税の徴収がスタートするということも踏まえ、今回については森林環境譲与税基金の使途というテーマをあらかじめ設定することとした。

今後は、今般のモデル実施により、課題や問題点を整理したうえで、事業スキームや予算規模等について検討し、本格実施につなげていきたいと考えている。

Q1‐④ 4つ目の柱の効率的な区政運営を進める上での民間委託等の手法の検証では、指定管理事業者やその従事者、利用者へのアンケート実施など検証作業中と聞く。その検証項目は対象によって異なるがどのようなものか、また検証にあたっては専門性が求められると思うが、どのような職員や専門家が担うのか、確認したい。

A1-④区長)今回の検証においては、運営に係る現状等を正確に把握するために、様々な立場の人から幅広く丁寧に聴取している。指定管理者に対しては、サービス内容や運営状況などについて、現場で働く従事者には、就労実態や仕事のやりがいなどについて調査している。また、利用者には施設の満足度等を尋ねるとともに、無作為抽出の区民アンケートでは施設を利用しない区民も対象として、サービスに対する意見を聴取しており、これらを取りまとめ、制度導入前に想定していた効果等を検証し、今後の制度導入に際しての留意点などを含めた活用方法などを検討していく。また、検証作業は業務内容を熟知している指定管理者制度の業務担当課のほか、制度を取りまとめている企画部門の職員を中心に進めている。なお、有識者については、より効果的にかつ客観的な検証となるよう助言をもらうことを考えており、公共政策等に精通した人に、現在、個別に打診しているところだ。

Q1‐⑤ また、施設再編整備の検証作業については、何をどのように、誰が検証しているのか。来年度も継続する方針でその結果は今後の総合計画等改定にいかすとあり、検証作業における情報公開も必要と考えるが、どのようにするのか伺う。

A1-⓹区長)まず、検証の内容だが、施設再編整備に係る総論や様々な区民意見がある児童館・ゆうゆう館・地域コミュニティ施設の再編整備を対象に、これまでの取組を調査・分析し、今後の方向性を検討していく。また、全庁的な視点から組織横断的に検証を行うため、区政経営改革推進本部の下に検証部会を設置し、検証作業に取り組むとともに、有識者からの意見聴取も実施していく。

次に、検証作業における情報公開だが、検証にあたっては適宜、議会へ報告を行いながら進めていくとともに、区公式ホームページを活用し、アンケート結果のほか、施設利用者や運営事業者との意見交換で寄せられた意見など、検証の内容を区民にわかりやすく伝えていく。

Q1‐⑥ 1980年代前後に次々と建てられた公共施設が老朽化し、今後一斉に建て替えを迎えるという自治体が抱える課題に対応する「施設再編整備計画」の必要性についての区長の見解を改めて問う。

A1-⑥区長)区立施設再編整備計画は多くの区立施設が次々と更新時期を迎える中で、少子高齢化の進展や将来的な人口減少など時代とともに変化する区民ニーズに的確に応えるとともに、将来にわたって持続可能な行財政運営を行っていくために策定された計画であると認識しており、こうした課題には区として、しっかりと対応していく必要があると考えている。

一方で、具体的な再編整備の手法や進め方等については、様々な意見があるため、これまでの取組を検証し、今後の方向性を決定していきたいと考えている。

 

Q1‐⑦ 5つ目の柱の風通しのよい職場づくりでは、「ナミー‘S café」について、これまで14回の開催でたくさんの気づきがあったとされているが、具体的に聞きたい。またハラスメントに関する職員アンケートの結果を区長はどのように受け止めたのか。回答率が職層ごとに出ていないため、それぞれの職層ごとの回答率を聞くとともに、管理職や係長級職員の中にも規定の存在やハラスメントの定義などを知らないと答えた職員もおり、今後、宣言と同時に日々の業務の中で常に意識化することが大切だと考えるがいかがか。

A1-⑦区長)まず、「ナミー‘s café」で多くの職員と話をする中で、総じて職員は自らの担当業務に問題意識を持ち日々努力していること、一方で、こうしたらもっと効率的、効果的に仕事ができると思っていても言い出す機会がなく、胸の内に抱えてしまっている職員が少なからずいることがわかった。具体的には区は民間と比較するとデジタル化の遅れやテレワークの仕組みも不十分である、会計年度任用職員の中に報酬や雇用期間の改善を願う声があることなどを認識することができた。

次に、ハラスメントに関する職員アンケートについての質問だが、アンケート結果の受け止めについては、ハラスメント行為を受けたことがあるという回答が400件を超えていたことは想像以上であり、この状況を絶対に見過ごしてはならない、根絶に向けた具体的な取組を速やかに実施していかなければならないと決意を新たにし、ハラスメントゼロ宣言を行ったところだ。

今後は、指摘のあった職員への意識啓発や相談体制の充実のほか、外部専門家による管理職を中心とした研修やゼロ宣言の効果を計るアンケートの実施などをしていく考えだ。

最後に、職層ごとのアンケートの回答率ですが、管理職が約65%、係長級が約60%、主任・一般職員が約47%、会計年度任用職員が約36%となっている。

Q1‐⑧ 6つ目の柱の議会との自由闊達で生産的な議論について聞く。区長公約の中には、議会で必要性を議論し決定されたこと、また既に実施されつつあることに反対するものがあった。また、今後の取り組みについては、公約の中で実現が難しい課題は先送りし、多くが2023年度の検討課題とされたが、議会は幅広い様々な区民の意見を反映する場でもあるため、区長からの議会への提案に至るまでの経過で、議会との意見交換が必要と考えるが見解を問う。

A1-⑧区長)区政運営において、対話を重視するという考えは、議会との関係においても変わりはない。政策形成のプロセスにおいて、議会に対しても積極的に情報を提供し、議論をする機会の確保に努めていきたいと考えている。また、他の会派にも答弁したように、自由闊達な議論とは双方向なものだと思っているので、例えば気候変動と地域経済や学校給食といった分野横断的な今日的な課題について、議員からも是非、条例の提案も含め様々な政策提言をもらいたい。

 

2.次に、区長が今後の区政運営における課題と捉えていることについていくつか伺う。

Q2‐① <地域を巻き込んだ政策決定プロセスづくり>では、「計画説明型」から「対話協調型」の行政という点は、同じような考えで区に提案してきた者として歓迎するものだ。反対や対立からは次なる策は見いだせないと考える。今後は子どもはもちろん、様々な立場の当事者の声を区長が直に聴く機会も増やしてほしいし、計画策定段階から区民を巻き込んでいくことは区政に対する当事者性が生まれ、結果的に計画への理解が進むと考えるがどうか。

A2-①区長)「対話から始まるみんなの杉並」をスローガンに区長に就任した私にとって、様々な当事者の声を私自身が直接聞く機会をたくさん作ることは、最優先で取り組むべき大切な仕事の一つだと思い、できるだけ多くそうした機会を設けているところだ。対話の場を通じて聞いてきた区民の声は私にとっても、区政にとっても宝物であり、ご指摘のあった子どもたちの声も含めて、引き続き直接対話する機会を多くつくっていきたいと考えている。

私は、区民の声を聴く際には、そのタイミングもとても大事だと思っている。これまでのように、計画や政策が決まった後に説明会を開くというような流れではなく、それらを策定する段階から、区民ニーズを吸い上げるための対話や意見交換を何らかの形で行っていくことが対話を大切にする区政の姿だと思う。基本構想の中に「わたくしたち自身が自分たちのまちを自らの手で紡ぎ出していくこと、それが杉並区のさらなる前進につながっていきます」という文章がある。まさに、区民自身が当事者として区政に係り、区とともに区政を前進させていく地域社会の姿を目指して、今後とも努力を続けていきたい。

Q2‐② <気候変動対策を通じて地域を豊かにする>ことについては、ゼロカーボンと「気候正義」の実現に向けた区長の意気込みが感じられ、具体策のイメージもあるということがわかった。仮称)気候区民会議の早期開催に期待しするが、区内には様々な角度から環境問題に取り組む団体も多く、それらの団体との情報交換や意見交換の場を積極的に持ってほしいと考えるがいかが。

A2-②区長)区はこれまでも環境活動推進センターに登録する環境団体と情報交換や意見交換等を行ってきている。今後、気候変動対策を着実に推進していくためには、環境団体はもとより、様々な分野の団体との意見交換等を行うことは、区民に広く啓発を図っていくために欠かせない重要な取組となるため、積極的に取り組んでいく。

Q2‐③ また、仮称)気候区民会議では様々な有識者を招いた有意義な講義が多数行われると思うが、多くの区民が聞けるよう、オンラインでの配信についての検討をしてほしいと考えるが、いかがか。

A2-③区長)仮称)気候区民会議では若者から高齢者まで幅広い世代の参加のもと、気候正義などをテーマに若い世代を含む有識者の講演会や学習会などを検討している。

なお、これらの講演会の内容をより多くの区民へ伝えることは環境配慮行動の普及・啓発を図る上で大変重要で、オンラインも含めた効果的な周知方法等を検討していく。

Q2‐④ <職員の働く環境を変革し、新たな区政課題にも活路を開く>では、全ての職員との対話も重視することが、お互いの信頼関係の構築にもつながるものと期待している。職員からの700件以上の提案・意見はどのような内容だったのか。主なものや区長が印象に残ったものを紹介してほしい。

A2-④区長)働き方の改革やデジタル化の推進に関する意見が多く、例えば、資料作成や会議の見直しのほか、各種計画の策定や改定作業などの負担軽減を求める意見などがあった。今後はこの内容を整理した上で職員と共有し、可能なものから具体的な改善等につなげていきたいと考える。

Q2‐⑤ また、会計年度任用職員については、経験を有し専門的な分野も担う重要なポストであるにも関わらず、年限制度により不安定な雇用形態となっていることに我が会派は見直しを求めてきた。会計年度任用職員からの声を聴き、他区の状況など参考にし、検討する段階にあり、新年度にはその結論がでるものと認識しているが、どのようなスケジュールになるのか、年限撤廃に対する区長の考えを改めて伺う。

A2-⓹区長)これにより再度公募にまわることに不安を感じる会計年度任用職員が少なくないことは、当事者である職員と直接対話をする中で把握している。この件も含め、会計年度任用職員の勤務条件の改善に向け、現在の東京都や他区の状況を調査している。この調査結果や常勤職員の勤務条件との比較検証などを踏まえ、職員団体との協議も行いながら令和5年度の秋ごろまでには改善策をまとめ、令和6年度から実施する予定だ。

 

3.次に2023年度予算編成方針の基本的な考え方について3点伺う。

Q3‐① 第1 に掲げた区民のいのちとくらしを守るために必要な予算の計上について、コロナ対策に必要な予算が計上されたが、国が新型コロナウイルス感染症を今春に季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げると表明し、医療費の公費負担を段階的に廃止することやコロナ対応の補助金も廃止されコロナ病床を減らすことも危惧されるが、この点に関する区長の見解を求める。感染は第8波に至り、医療のひっ迫、高齢者施設でのクラスター、過去最高の死亡者数など深刻な事態に、計上された予算で対応できるのか伺う。

A3-①区長)現在流行の中心である新型コロナウイルスのオミクロン株は伝播性が非常に高いものの、発生初期のデルタ株などと比較して重症化率や死亡率が低下している。こうしたことを背景に国は新型コロナ対策の基本的対処方針を廃止する予定だ。

医療費を公費負担とする目的は、私権制限と引き換えに確実な治療を行って、感染拡大を防止することであると考える。国においては国民に急激な負担増が生じないよう、医療費の自己負担分にかかわる一定の公費支援について、3月を目途に具体的な方針を示すとしていて、区としては、その動向を注視している。コロナ病床を含めた医療提供体制の確保については、本来、東京都が担う役割だと考えるが、引き続き区医師会や区内基幹病院と意見交換を行い、区としても現場の実態に即した対策を進めていく。

また、来年度の新型コロナウイルス感染症対策としては、受信・相談センターや自宅療養者健康観察業務委託の費用など、当面必要な項目については計上している。今後の国や都の動向を踏まえ必要に応じて補正予算を編成して対応するなど、引き続き区民のいのちを守るため、コロナ対策に取り組んでいく。

Q3‐② 第2に掲げた、前倒しの計画改定にあたって、その実現に財政調整基金の一部を活用するとあるが、想定される施策とその規模について伺う。

A3-②区長)各計画事業の見直しに際して財政調整基金の必要な残高を維持したうえで、基金の一部を脱炭素の取組など、将来を見据え、区として長期的に取り組むべき課題等の財源として活用することを考えている。長期的に取り組むべき具体的な施策やその規模等については、今後計画の改定に合わせて検討する。

Q3‐③ 第3に掲げた健全な財政運営の維持について、前区長時代に杉並区が基金を貯めすぎているとの一部の批判がありましたが、区の基金の現状と災害対策やコロナ禍の経験、また、健全な財政基盤の確保にとって、基金の一定の積み立ての必要性について区長の見解を伺う。

A3-③区長)財政調整基金については令和4年度の基金残高が約570億円となる見込みですが、大規模災害や経済事情の著しい変動などによる減収への備えとして、積めるときに積み立てておくことが重要だと考えている。一方で、今般のコロナ禍など非常時における局面では、ためらうことなく、区民生活を支える取り組みなどの財源として活用していくものと考えており、今般のコロナ禍への対応については、一定の積み立てがあったからこそ躊躇することなく財源を投入することができたと認識している。

財政調整基金については、安定した区政運営のために極めて重要な財源であると受け止めており、来年度、総合計画の改定の際に、必要額など、その在り方について検討する考えだ。

4.次に主要な施策の概要について伺う。

<みんなでつくる、災害に強く、犯罪を生まないまち>について

Q4‐①‐1必ず来ると言われている首都直下地震に備え、この間もマニュアルの作成や備蓄品の拡充など様々行われてきたと認識しているが、地震でいのちが助かっても、その後の避難所生活などの中で亡くなることがないよう、震災関連死ゼロを目指さなくてはならないと考える。避難所であっても、個々のプライバシーが守られ、段ボールベッドの導入など居住性の確保の観点から備蓄品の見直しも必要だと考えるがいかがか。

A4-①-1区長)私は日本の避難生活の様子をテレビで見た時、プライバシーの問題を含め、避難所の居住性の確保が十分ではないことに大変驚き心配に思った。避難生活におけるストレスは、いわゆる災害関連死にもつながる大きな問題だ。

区ではこれまでも、全震災救援所への要配慮者用テントの配備や感染症予防対策の強化に努めてきたが、私はさらに居住性の向上が必要だと考えている。

段ボールベッドについては、この度、都内の段ボール製造企業から発災時における協力が可能との話があったので、現在、区との災害協定の締結に向けて準備を進めているところだ。

ほかにも、ストレスのない避難所生活を送ることができるように、来年度には防犯ブザーやメイク落としなど、女性の視点も取り入れた備蓄品の導入をすすめていく。

Q4‐②‐1 <多様な魅力と交流が生まれ、にぎわいのある快適なまち>について、会派にふれあい農業公園の農業講座や体験農園を利用している者がいるため、多面的な機能を持つ農地の保全の重要性を強く感じる。援農ボランティアの充実・活性化とあるが、現在あるふれあい農業公園や農福連携農園でのそれぞれのボランティアのしくみも含めて再構築していくということなのか。

A4-②-1区長)現在の成田西ふれあい農業公園のサポーターや農福連携農園の区民ボランティア経験者の活用を含め、援農ボランティアが農業者のニーズに応じて活動するための仕組みとして構築していく。

Q4‐③‐1 <気候危機に立ち向かい、みどりあふれる良好な環境を将来につなぐまち>について、新たな取組としてあげた太陽光発電舗装システムとはどういうもので、その活用により得られる効果はどの程度に試算しているのか、またそのメリットは何か問う。

A4-③-1区長)太陽光発電舗装システムは通路や公園などの舗装面に設置できるもので、上を車が通行しても壊れない強度を持ち、日当たりが良ければ設置場所としての制約がほぼないことが大きな利点だ。また、効果については、設置場所における空間の有効活用や環境配慮行動に関する区民への啓発になることだ。

Q4‐③‐2 「みどりの基本計画」の改定においては、生物多様性地域戦略の必要性を訴えてきましたが、環境基本計画や地球温暖化対策実行計画を優先し、その後での研究ということだった。昨年の12月には生物多様性条約第15回締結国会議が開かれ、2030年までに陸と海の30%以上を保全することが主要な目標の一つとして定められた。杉並区としても足元の生物多様性の保全について考え方を明確にしておく必要がある。中高生環境サミットや水鳥の棲む水辺創出事業シンポジウムでの発表からも、区民による自然環境を守りたいという思いが区長にも伝わったのではないか。みどりの基本計画の改定を機に改めて生物多様性地域戦略の策定を要望するが、区長の見解は。

A4-③-2区長)平成22年に改定したみどりの基本計画の施策の柱の一つである「環境に資するみどりづくりの推進」に基づき、貴重な植物の生息場所の保全や、善福寺川の良好な河川環境の指標となる水鳥に着目した潤いと安らぎのある水辺環境の再生・創出により、生物多様性の向上に資する取り組みをすすめてきた。

他自治体では、生物の生息場所の保全、創出及び管理に関する「緑の基本計画」に「生物多様性地域戦略」を包含して策定している例があり、杉並区でも自然環境調査を実施していることから生物多様性の視点に重きを置いてみどりの基本計画の改定作業に取り組む。

Q4‐③‐3 都市整備部のグリーンインフラの研修会に参加した。阿佐谷北東地区のまちづくりを進める上で、30年後、50年後をどんなまちにしていきたいか、そこにトータルなグリーンインフラを具体化し、そのイメージの共有を区民と共に行うことで一つの成功モデルにしていけると考えますが、区長の見解は。

A4-③-3区長)私も研修会に参加し、グリーンインフラの他自治体の事例をきき、その地域の歴史や文化を踏まえたビジョンを地域の方々と共有すること、地域自らの行動力、そして区長としてのリーダーシップの大切さを深く感じた。

阿佐谷北東地区では、こうした研修会での話や他自治体の事例なども参考にしながら、区民の参加を促し、他の地域のお手本となるよう地域の魅力の向上と持続性のある区民主体のまちづくりに取り組む。

Q4‐③‐4 地球温暖化対策実行計画の策定状況について、いつ公表されるのかスケジュールを確認したい。

A4-③-4区長)本計画には、区民、事業者、区の全域を対象に温室効果ガス排出量削減等を推進する「区域施策編」と、区が事業者として取り組みを推進する「事務事業編」の2編構成で、現在、国の策定マニュアルを踏まえ、総合計画や実行計画、環境基本計画等、関係計画と整合を図りながら策定作業を進めている。

今後、本定例会都市環境委員会に計画案を報告ののち、パブリックコメントで公表し、5月に計画策定を予定している。

Q4‐③‐5 岸田政権は、ウクライナ戦争によるエネルギー危機と脱炭素化を口実に原発推進への大転換を決めた。しかし、原子力がクリーンと言うのは偽りだ。原発には、燃料のウランの採掘、精製、濃縮、加工に大量の化石燃料が必要で、大量のCO2が出ること、原発製造にも大量のCO2が発生する。さらに原発は生み出す熱の3分の2を海に捨てて海を温め温暖化の一因にもなっている。脱原発と再生可能エネルギーの拡大が脱炭素化のとるべき道であると考えるが、区長の見解を求める。

A4-③-5区長)原子力発電は発電電力量当たりのライフサイクル二酸化炭素排出量が再生可能エネルギーと大差ないと言われるが、核廃棄物の最終処分や安全性などに大きな課題がある。

私自身はこれに頼らず、原発に係る人的、経済的、技術的な資源を再生可能エネルギーの拡充に投入し、電力調達の安全性、安定性を高めていくことが重要と考える。

そのため、化石燃料の使用と依存を軽減し、地域分散型の再生可能エネルギーの利用や資源循環を拡大する等の気候変動対策に積極的に取り組むことにより、ゼロカーボンと気候正義の実現に貢献する自治体としてリーダーシップをとり、環境都市を目指していく。

<「人生100年時代」を自分らしく健やかに生きることができるまち>について

Q4‐④‐1新型コロナワクチンの複数回の接種により、免疫力の低下が指摘されている。免疫力が低下することによって、帯状疱疹が増えたと実感する臨床医の話や論文も出ている。そのような点をどう検証され、帯状疱疹ワクチンの任意接種に補助を出そうとするのか考えを伺う。

A4-④-1区長)新型コロナウイルスワクチンの接種と帯状疱疹発症との関連については複数の研究が実施されており、関連ありとするもの、関連なしというもの双方が報告されていることは把握している。例えば、昨年11月に米国医師会から発行された医学雑誌において、約200万人を対象として調査をしたところ、新型コロナウイルスワクチンの接種と帯状疱疹発症との間に関連がないとの報告があった。

帯状疱疹は80歳までに約3人に1人が発症すると推定され、症状の回復後も痛みが長期間継続することがある。帯状疱疹ワクチンは世界60か国以上で使用されており、カナダ、オーストラリア等の国では公的機関等から接種が推奨されている。そのため、区においても、接種を希望する区民への選択肢の提供および、現在の高齢化社会における生活の質の向上の観点から、発症及び重症化予防の効果があるワクチンの接種費用助成を開始することとした。

<すべての人が認め合い、支え・支えられながら共生するまち>について

Q4‐⑤‐1地域福祉分野の取組みとしてこの間、複合化・複雑化した区民の地域生活課題に対応するために、区は在宅医療・生活支援センターの開設や地域福祉コーディネーターの配置、生活支援体制整備事業による第2層協議体の活動の広がりなど、地域包括ケアシステムの実現に向けた取り組みが着実に進んできていることを評価する。これらの取組みをさらにバージョンアップしていくために、国が2021年4月から実施している社会福祉法に基づく「重層的支援体制整備事業」を杉並区も活用していくべきと考えるが、区長の見解を伺う。

A4-⓹-1区長)区はこれまで、在宅医療・生活支援センターを核とした相談支援機関の連携体制や地域包括ケアシステムの構築に向けた様々な取組をすすめてきた。

今後は、複合的な課題を抱えた区民や世帯に寄添った支援をさらに強化するため、対象者の世代や属性を問わない包括的な相談支援体制の構築をすすめる。また、地域で孤立している人に対する社会参加に向けた支援や住民が相互に支えある地域づくり支援なども併せて推進していく考えであり、「重層的支援体制整備事業」の実施に向け、関係組織間で検討をすすめていく。

Q4‐⑤‐2 認知症施策の充実には、区長就任後の命により、認知症介護研究・研修東京センターとの連携の模索がされてきたと理解しているが、来年度策定される高齢者保健福祉計画にどのように反映されるのか、既にイメージがあるか。

A4-⓹-2区長)私は所信表明で全国に3か所しかない認知症介護研究・研修センターが区内にあることは大きなメリットであり、連携を深めることで認知症ケアを向上させたいと述べた。

その後、所管部がセンターから認知症になっても希望を持てる地域社会を目指し、区民に明確なビジョンや目標値を示すこと、高齢者本人の意見を聞くこと、身近なケア24単位で高齢者の生活を支えるなどの意見をもらっている。これからは高齢者保健福祉計画に確実に反映させていきたい。

現在、センターとは定期的に計画、事業への助言や施策の充実などへの協力を得るため、協定の締結に向け調整をしているところだ。

今後もセンターからの助言をもとに、地域共生社会の実現のため、認知症理解への普及啓発や地域での見守りなど、認知症ケアの充実を図り、認知症になっても希望を持ち、一人でも安心して暮らせるような地域のネットワークを拡充していく。

Q4‐⑤‐3 杉並区パートナーシップ制度の条例化については、これまで制度の壁によって強いられてきた、生活上の不便を軽減することはもとより、人権にもかかわる問題であると認識しており、いち早くパートナーシップ条例の創設に取り組んだことを評価するが、4月から制度の運用、並びに4月以降の専門相談を開始するにあたり、職員の研修や相談員の体制などの状況について伺う。

A4-⓹-3区長)まず、職員研修については、来週の13日に我が国で初めてパートナーシップ制度を導入した渋谷区の元担当課長で性的マイノリティ当事者である永田龍太郎氏を講師に招き、多様な性に関する基礎知識や窓口対応における留意点などを講義してもらうこととしており、4月以降も永田氏による講義の動画やオンデマンド配信による講座などにより、区職員及び教職員に対する研修を定期的・継続的に行っていくことを予定している。

また、相談体制についても、これまで男女平等推進センターで実施してきた一般相談に加え、4月から当面は月1回の頻度で、専門の相談員が主に性的マイノリティの人々を対象に性を理由とする差別等に関する電話または面談による相談を実施していく。

Q4‐⑥‐1 <すべての子どもが、自分らしく生きていくことができるまち>について

「子どもの権利に関する条例」の制定に向けた検討においては、子どもから大人まであらゆる世代への理解促進が重要だ。対話やイベントなど、様々な角度から意識啓発を行う取組みをすすめながら策定することが重要だと考えるが、区長の見解は。

⇒A4-⑥-1区長)指摘の通り、区としても、大人も含めたすべての人が子どもの権利を理解することは大変に重要であると考え、すでに条例を制定している他自治体の取組なども参考としながら、審議会での審議と並行して意識啓発を行うための取組もすすめていく。

4‐⑥‐2 子どもの貧困やヤングケアラーの実態把握のための調査については福祉と教育の連携が不可欠だと考えるが、調査対象や調査内容項目について伺う。

A4-⑥-2区長)調査の実施に当たっては、福祉と教育との綿密な連携は不可欠であると考える。

調査対象等については、いずれも実施に向けた検討を進めているところですが、子どもの貧困状態調査については、小学4年生以上の児童・生徒および高校3年生までの保護者を対象に、他自治体との比較検討もできるよう、国が示す調査項目の具体例に区独自の項目を加えていく予定だ。

また、ヤングケアラー実態調査については、区内小中学校の生徒のほか、ケアマネジャーやヘルパー事業所等の関係機関についても対象とする予定だ。

調査項目については、単なる数値の把握ではなく、子どもの状況をしっかりと把握できるものとするため、ヤングケアラー当事者だった人とも意見交換を行いながら、今後、検討をすすめていく。

Q4‐⑥‐3 下高井戸児童館が計画通り子ども・子育てプラザに転換されるが、プラザの柔軟な運用などを図り、計画をより良いものにしていきたいと表明したことは重要だ。子ども・子育てプラザ善福寺の事例のように、子どもや保護者、プラザの利用者、地域住民と共に子どもの居場所について考える場を作っていくことを求めますが、いかがか。

A4-⑥-3区長)下高井戸児童館の再編整備に当たって、利用者や地域住民からの意見を真摯に受け止め、子ども・子育てプラザにおいて小学生の利用拡大を図る試行的取り組みを実施するほか、高井戸第三小学校における日曜日の校庭開放を継続することとした。

子ども・子育てプラザ善福寺をはじめ、区ではこれまでも、利用者からの意見を施設運営に活かしてきたが、私は今回の件を通して、今後も区民との話し合いの中で生まれたアイデアをより効果的に施設運営の改善につなげていくことが重要であると改めて感じた。

こうしたことから、新たに開設する子ども・子育てプラザ下高井戸において、子どもや保護者、地域住民が施設の運営を協議できるような仕組みを検討することとしたもので、この取組の状況を踏まえ、他の子ども・子育てプラザに展開することも検討していく。

Q4‐⑥‐4 保育の質の確保のためには、保育士の処遇改善、保育士配置基準の見直しが必要不可欠だ。保育園において園児が犠牲になる事件や事故がある度にやりきれない気持ちになる。保育士の処遇については宿舎借上げ補助や月9000円の人件費補助は次年度も継続されるのか確認したい。

A4-⑥4保育の質の維持・向上のためには、保育士の処遇改善や保育士配置の充実が欠かせないものと考える。そのため、宿舎借り上げ補助や月約9,000円の処遇改善については次年度も引き続き実施する。

Q4‐⑥‐5 また、安全に保育できる保育士の配置については、先日、区内の私立保育所が基準の2倍の保育士の配置を実現していることがメディアに取り上げられていたが、他の保育所ではできていない特別なことなのか。区としてもこの園の取組みを他の保育所とも共有し、手厚い保育士配置を促すべきと考えますが、区長の認識は。

A4-⑥-5区長)また、保育士配置について、私立保育園の取組については、各種加算金等を有効に活用することにより他園においても実施可能なものであり、加算金等について事業者へ丁寧に案内を行い、区内各園で共有できるようにしていきたいと考えている。さらに、次年度より、保育士配置数や平均保育士経験年数を含む区統一様式による園案内を区公式HPに掲載することとしているので、これも、保育士配置を充実するための一つの動機づけになると考える。

Q4‐⑥‐6 学童クラブの待機児童解消のため、引き続き小学校内等への整備に取り組むとありますが、放課後の居場所はどうなるのか。施設再編整備の中で取り組むことになっていた老朽化した児童館をそのままにできないことなどの課題をどうするのか考えを伺う。

A4-⑥-6区長)この間の児童館再編整備の取組には、区民に様々な意見があることから、区では今後これまでの取組を検証し、より良い子どもの居場所について改めて検討を行うこととしているので、放課後の居場所に対する考え方や、今後一斉に更新時期を迎える児童館施設への対応についても、この検討の中で整理していく。

Q4‐⑦‐1 <共に認めあい、みんなでつくる学びのまち>について

不登校児童生徒が増え続ける中、その支援は喫緊の課題であり、それぞれの状況に応じた教育機会の確保は重要だ。学校や関係機関との連携を推進するとあるが、児童館や子ども・子育てプラザ、民間の地域の居場所などとの連携を望むが、具体的に関係機関とはどのようなところで、どのように連携するのか考えを伺う。

A4-⑦-1教育長)不登校児童生徒への支援は学校への登校のみを目的とせず、一人ひとりの社会的自立を目指すものであるため、個々の要因を把握し、その状況に応じた支援策を講じることが重要だ。

教育委員会ではこれまでも学校、さざんかステップアップ教室、子ども家庭支援センター、医療機関等が連携を進め、幅広い支援を進めてきた。また、児童館等の地域施設は子どもたちが安心して過ごせる居場所となっていることから、スクールソーシャルワーカーが不登校児童生徒へ紹介するなどの連携をしてきた。今後は、一層の情報共有を図り、実情に応じた支援を行っていく。

Q4‐⑦‐2 また不登校児童・生徒に幅広い学びの場の提供に向けて不登校特例校の設置等に関する調査研究を行うとあるが、特例校はどのような規模で考えているのか。参考にしようとする自治体があれば合わせて伺う。

A4-⑦-2教育長)不登校特例校の設置等については、他自治体の設置校に加え、子ども主体の教育活動に取り組んでいる多様な学校を視察する予定だ。あらゆる規模の不登校特例校の設置事例について調査研究を進め、児童生徒の学びの選択肢を広げていく。

 

Q4‐⑧‐1 <文化を育み継承し、スポーツに親しむことのできるまち>について「ユニバーサルタイム」を行ってきた荻窪体育館での実績や反響について伺うとともに、障がい当事者や関連団体などの意見をどのように取り入れているのか伺う。

A4-⑧-1区長)昨年10月に荻窪体育館で初めて実施した本事業には、想定を超えた98名の障害者及びその介助者が参加し、軽い運動・ダンスやウォーキング、ボール遊びなどのプログラムを思い思いに楽しんでもらった。当日は、これらの参加者をサポートするため、理学療法士や看護師、障害者スポーツ指導員の有資格者を含むボランティアなど、35名のスタッフを配置し、特段のけがや事故もなく進めることができた。また、参加者からも「仲間やスタッフとともに楽しいひと時を過ごすことができた」「無理のない体の使い方が理解できた」など総じて肯定的な意見をもらったので、この第1回目となる試行的な取組を円滑に実施することができたと受け止めている。

この事業の企画・検討に当たっては昨年6月に立ち上げた障害者スポーツネットワークの会議において、障害者団体、スポーツ関係団体、東京都障害者スポーツ協会及び行政関係者が一堂に会して、意見交換を積み重ね、障害者のニーズや希望等に応じたプログラムやサポート体制の在り方などを取りまとめてきており、こうしたプロセスをしっかりと経たことが、今回の成果につながったものと考える。当日の様子は1月15日号の広報すぎなみで特集記事を掲載するとともに、区公式ユーチューブチャンネルでも配信しており、区民からのサポーター参加希望や全国的に例がない取り組みとして他自治体からの視察依頼が寄せられている。

これらの状況を踏まえ、引き続き障害者や関係団体の意見・要望をきめ細やかに把握しつつ、今後のより充実したユニバーサルタイムの実施を図っていく。

Q4‐⑧‐2 スポーツ施設の照明機器のLED化はどのくらい進んでいるのか。上井草スポーツセンターや大宮前体育館プール以外ではLED化は済んでいると理解してよいのか。

A4-⑧-2区長)上井草スポーツセンター、区立体育館、ナイター照明設備のある運動場及び温水プールの全10施設のうち、実施済みが5施設で、指摘のあった上井草スポーツセンターと大宮前体育館プール棟は令和5年度中に実施することとしている。残りの高円寺体育館、松の木運動場及び高井戸温水プールについては、令和6年度以降可能な限り速やかにLED化を実施していく。

<物価高騰対策>について

原油価格や物価高騰に対する公衆浴場や区内中小事業者、福祉施設等に対する支援策として継続することは重要だが、手続き等の事務作業が煩雑化しないように、また使い道の柔軟性に配慮した取り組みが必要だと考える。各団体や施設等からの要望を聞き取るなどして、実質的かつ有効に活用されるよう進めるよう求める。

5.次に、2023年度予算の概要について

Q5‐① 一般会計は予算要求額から約30億円が圧縮されました。HPで公開している予算要求の資料のどこが削減されたのか伺う。

A5-①区長)予算の策定については、全事業について必要性や予算の執行実績等を踏まえ、費目ごとに経費の精査を行い、歳出削減に努めている。査定の結果や事情の変化等により予算要求時から金額の増減があるが、削減額の大きな事業としては、感染予防・発生時対策の約6億円、戸籍事務の約4億円、私立認可保育所の約3億4千万円である。

最後に予算編成方針とその概要に記載のなかった点について伺います。

Q6‐① 杉並区版公民連携プラットフォームについて今年の1月15日まで意見募集が行われていましたが、どのような意見がどのくらい寄せられたのか伺う。なかなかイメージしにくい仕組みだと思いますが、プラットフォームの運営には、地域の課題や資源を熟知した人材が必要だと考えるが、誰が担うのか。協働プラザとの関係はどのように整理されるのか確認したい。

A6-①区長)区では令和5年4月の運用開始に向け、誰もが利用しやすいプラットフォームとなるよう、区民等を対象としたWEBアンケートを実施した。その結果53件の回答があり、「地域団体がお互いの現状を知ることが重要である」「団体等が主体的に取り組めるしくみとすべきである」など、様々な意見が寄せられた。これらの意見は、現在進めている利用ルールなどの詳細検討の参考にする。なお、プラットフォームの運営については、現時点においては区が担うこととしている。

また、協働プラザとの関係については、プラットフォームは全国に例のない新しい試みであり、地域団体や個人、民間事業者や大学など、地域の様々な主体が互いの強みを生かしながら連携、協力できる団体を見つけ、地域活動の拡大等に結び付けることができるツールだ。一方、協働プラザは相談業務や各種講座の開催などを通して、地域人材の育成や地域団体の主体的な活動を支援するための拠点となる。

今後は、それぞれが連携・協力しながら役割を果たすことで、地域の活性化につながる協働の取組をさらに推進していく。

るる質問してまいりましたが、区長が最後にで述べている通り、対話を通して行政の取組みを一方通行にせず、区民とともにつくる区政を実現していくことができるとの思いを形にしていくことに期待し、いのち・平和クラブの代表質問を終わります。

 

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